2017/09/05(火) - 15:38
8月30日〜9月3日にかけてドイツで開催された世界最大の自転車ショー「ユーロバイク」。次期新製品が明らかになると同時にバイク界の潮流がつかめる展示会でホットなニューモデルを探した。まずは今年のトレンドを見てゆこう。
ドイツはコンスタンツ湖畔の街フリードリヒスハーフェンのメッセで開催されたユーロバイクショーは今年で26回めの開催となる。ユーロバイクとは世界各国の自転車関連メーカーが集結する世界最大の商業見本市であり、今年は101カ国から1,400もの参加ブランドが集い、ブースにて展示を展開した。
ユーロバイクは世界の主たるバイクブランドはもとより、パーツやアパレル、OEMに関係する企業までが一同に集うビジネスショーである。会期は3日間のビジネスショーと1日のユーザーショーに分けて開催される。まず数字データにて規模感をお伝えすると、来場者数は輪界関係者のためのビジネスデー3日間で42,590人 (2016年は42,720人) 、そして一般入場が可能なフェスティバルデーで22,160人(昨年は2日で34,400人)となった。期間中は珍しく雨が続いたため来場者数に微減はあるが、その活況ぶりは昨年とほぼ変わらない数字と言えるだろう。
■E-Bikeのますますの盛り上がり
ショー全体を通して見れば今年のトレンドをうかがい知ることができる。取材にあたった記者として印象に残った今年の流行や傾向をいくつか紹介しよう。
昨年のショーでも目立った電動アシスト自転車「E-Bike」の人気に今年はさらに拍車がかかった。ヨーロッパにおいてE-Bikeは急速に市民権を得ており、マーケットは活況。それがこのショーでも如実に現れた。
各ブランドから発表されるE-Bike車種も年々洗練されており、MTBやシティサイクルといったスポーツタイプのバイクのスマートさを競い合うようになっている。またモーターや電池など関連パーツのメーカーによるブース数も拡大し、ユーロバイク全体的にはもはやE-Bikeおよび生活自転車ショーの傾向が非常に強くなってきた。シマノも電動ユニット「ステップス」を展示し、存在感を示した。
E-Bikeについて記事内で主なものを紹介するが、今まで主役だった(人力の)スポーツバイク関連の展示が減っていることは否めない。スポーツバイクの展示が減ったのは大手ブランドの出展の減少だ。トレック、スペシャライズドは以前から、今年から出展を見合わせたキャノンデール、ジャイアント、フォーカスなど大手バイクブランドは今や新製品発表会を各国において独自のプレゼンテーションとして展開するようになっており、このユーロバイクはもはやその発表の場という役割を終えようとしているように見える。
かつては「ユーロバイクを見ればバイクトレンドが分かる」と言われたが、どうやらそうではなくなってきている。なぜなら専門性の高いスポーツバイクブランドほど、それぞれの製品を取り扱う各国ディストリビューターやユーザーなどに直接接することができる各国開催でのネイティブなプレゼンの方法を重視するようになっているからだ。だからユーロバイクを見て「ロードやMTB、スポーツバイク全般に元気が無い」と取るのは誤りと言えるだろう。ロードバイクもディスクロードもグラベルバイクも進化し、バイクパッキングの流行も続いている。
電動でないスポーツバイクに元気がないかと言えばそんなことはなく、ショー全体を通してつぶさに見ていけば面白いプロダクツをたくさん見つけることができる。このレポート続編ではそちらにスポットを当てていきたい。
■スマートになるスポーツE-bike
電池やモーターを積んだE-bikeはどうしても大きく野暮ったくなるものだが、モーターと電池の小型化とともにフレームへのビルドインを工夫してスリムなルックスとして仕上げたバイクがたくさん登場した。ドイツのフォーカスはブース出展は無かったものの一見してスマートなロードバイクE-Projectでユーロバイクアワードを受賞。軽快に走れそうなスタイリングで高評価を得た。
■ビアンキがフェラーリとのコラボバイクを発表
ともにイタリアンメーカーであるフェラーリとビアンキがタッグを組み、コラボバイクを発表した。ビアンキのブースで行われたプレゼンでは、軽量モデルのスペシャリッシマをベースにしたモデルが、赤ベースのものと黒ベースのものの2台のロードバイクがお披露目された。フレームには「スクーデリア・フェラーリ」のロゴと跳ね馬のエンブレム、赤はカンパニョーロ、黒はシマノのコンポを採用し、サドルにはアスチュートが製作する特別サドル、ホイールは特別カラーのフルクラム、話題のピレリ製タイヤ、バーテープの素材などもフェラーリゆかりのマテリアルが奢られている。
トライアスロンバイクのプロジェクトも、未完成のバイクとして展示されて期待を煽る。ロードモデルの詳細や日本での販売台数など今後の展開もまだ未発表で、ふたつのイタリアの雄ブランドのコラボのスタートを印象づけるプレゼンだった。かつてコルナゴとのパートナーシップで話題を呼び続けてきたフェラーリ。今回の突然のパートナー変更はどう受け止められるだろう?
なおこのプロジェクトの今後に興味のある人にはこちらからニュースレター登録が可能だ。
各ブースのピックアップ
次回からはそれぞれの出展ブースで見つけた注目のプロダクツをフォトレポート形式で紹介していく。
photo&text:Makoto.AYANO
ドイツはコンスタンツ湖畔の街フリードリヒスハーフェンのメッセで開催されたユーロバイクショーは今年で26回めの開催となる。ユーロバイクとは世界各国の自転車関連メーカーが集結する世界最大の商業見本市であり、今年は101カ国から1,400もの参加ブランドが集い、ブースにて展示を展開した。
ユーロバイクは世界の主たるバイクブランドはもとより、パーツやアパレル、OEMに関係する企業までが一同に集うビジネスショーである。会期は3日間のビジネスショーと1日のユーザーショーに分けて開催される。まず数字データにて規模感をお伝えすると、来場者数は輪界関係者のためのビジネスデー3日間で42,590人 (2016年は42,720人) 、そして一般入場が可能なフェスティバルデーで22,160人(昨年は2日で34,400人)となった。期間中は珍しく雨が続いたため来場者数に微減はあるが、その活況ぶりは昨年とほぼ変わらない数字と言えるだろう。
■E-Bikeのますますの盛り上がり
ショー全体を通して見れば今年のトレンドをうかがい知ることができる。取材にあたった記者として印象に残った今年の流行や傾向をいくつか紹介しよう。
昨年のショーでも目立った電動アシスト自転車「E-Bike」の人気に今年はさらに拍車がかかった。ヨーロッパにおいてE-Bikeは急速に市民権を得ており、マーケットは活況。それがこのショーでも如実に現れた。
各ブランドから発表されるE-Bike車種も年々洗練されており、MTBやシティサイクルといったスポーツタイプのバイクのスマートさを競い合うようになっている。またモーターや電池など関連パーツのメーカーによるブース数も拡大し、ユーロバイク全体的にはもはやE-Bikeおよび生活自転車ショーの傾向が非常に強くなってきた。シマノも電動ユニット「ステップス」を展示し、存在感を示した。
E-Bikeについて記事内で主なものを紹介するが、今まで主役だった(人力の)スポーツバイク関連の展示が減っていることは否めない。スポーツバイクの展示が減ったのは大手ブランドの出展の減少だ。トレック、スペシャライズドは以前から、今年から出展を見合わせたキャノンデール、ジャイアント、フォーカスなど大手バイクブランドは今や新製品発表会を各国において独自のプレゼンテーションとして展開するようになっており、このユーロバイクはもはやその発表の場という役割を終えようとしているように見える。
かつては「ユーロバイクを見ればバイクトレンドが分かる」と言われたが、どうやらそうではなくなってきている。なぜなら専門性の高いスポーツバイクブランドほど、それぞれの製品を取り扱う各国ディストリビューターやユーザーなどに直接接することができる各国開催でのネイティブなプレゼンの方法を重視するようになっているからだ。だからユーロバイクを見て「ロードやMTB、スポーツバイク全般に元気が無い」と取るのは誤りと言えるだろう。ロードバイクもディスクロードもグラベルバイクも進化し、バイクパッキングの流行も続いている。
電動でないスポーツバイクに元気がないかと言えばそんなことはなく、ショー全体を通してつぶさに見ていけば面白いプロダクツをたくさん見つけることができる。このレポート続編ではそちらにスポットを当てていきたい。
■スマートになるスポーツE-bike
電池やモーターを積んだE-bikeはどうしても大きく野暮ったくなるものだが、モーターと電池の小型化とともにフレームへのビルドインを工夫してスリムなルックスとして仕上げたバイクがたくさん登場した。ドイツのフォーカスはブース出展は無かったものの一見してスマートなロードバイクE-Projectでユーロバイクアワードを受賞。軽快に走れそうなスタイリングで高評価を得た。
■ビアンキがフェラーリとのコラボバイクを発表
ともにイタリアンメーカーであるフェラーリとビアンキがタッグを組み、コラボバイクを発表した。ビアンキのブースで行われたプレゼンでは、軽量モデルのスペシャリッシマをベースにしたモデルが、赤ベースのものと黒ベースのものの2台のロードバイクがお披露目された。フレームには「スクーデリア・フェラーリ」のロゴと跳ね馬のエンブレム、赤はカンパニョーロ、黒はシマノのコンポを採用し、サドルにはアスチュートが製作する特別サドル、ホイールは特別カラーのフルクラム、話題のピレリ製タイヤ、バーテープの素材などもフェラーリゆかりのマテリアルが奢られている。
トライアスロンバイクのプロジェクトも、未完成のバイクとして展示されて期待を煽る。ロードモデルの詳細や日本での販売台数など今後の展開もまだ未発表で、ふたつのイタリアの雄ブランドのコラボのスタートを印象づけるプレゼンだった。かつてコルナゴとのパートナーシップで話題を呼び続けてきたフェラーリ。今回の突然のパートナー変更はどう受け止められるだろう?
なおこのプロジェクトの今後に興味のある人にはこちらからニュースレター登録が可能だ。
各ブースのピックアップ
次回からはそれぞれの出展ブースで見つけた注目のプロダクツをフォトレポート形式で紹介していく。
photo&text:Makoto.AYANO
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