2017/08/05(土) - 04:48
ツール・ド・ポローニュを締めくくる難関山岳ステージでペテル・サガンがエスケープ。精鋭集団のスプリントでワウト・プールスが勝利し、2秒差を守り抜いたディラン・トゥーンスが総合優勝を飾った。
ブコビナの66km周回コースを2周する132kmで行われたツール・ド・ポローニュ最終ステージ。コース自体は短いが、合計6つの1級山岳が詰め込まれた難易度の高いもの(獲得標高差2,800m)で、しかも最後はカテゴリーのついていない4kmの登りをこなしてフィニッシュを迎える。
最終ステージのスタート時点で、総合1位ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)から総合2位ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)まで6秒、総合3位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)まで10秒、そして総合4位ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)まで13秒という僅差の総合争い。前日にイエロージャージを失ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がこの日は序盤から果敢に動いた。
スタート後しばらく続いたアタック合戦はディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ)やトムイェルト・スラフトール(オランダ、キャノンデール・ドラパック)、シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)、そしてサガンを含む強力な13名の逃げグループを生み出した。この逃げはレース中盤に4分までリードを広げることに成功する。
2周目に入るとBMCレーシングやUAEチームエミレーツの集団ペースアップによって逃げグループはリードを失い、タイム差が1分を切ったところでサガンが動く。白いポイント賞ジャージを着る世界チャンピオンは食らいつくルーベン・プラサ(スペイン、オリカ・スコット)を振り切って独走を開始。単独追走したローザを寄せ付けない走りでサガンが最後の1級山岳を駆け上がった。
BMCレーシングに代わってチームスカイが主導権を握ったメイン集団は、サガンから遅れること40秒で最大勾配22%の激坂区間にさしかかる。ペースアップによって人数を減らしたメイン集団から総合4位のプールスや総合2位マイカが何度も加速を試みたがイエロージャージのトゥーンスは千切れない。
残り13km地点の1級山岳通過時点で先頭サガンからローザまで20秒、そして8名に絞られたメイン集団まで30秒。断続的にアタックしたプールスは前日のステージ優勝者ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット)とともに前を走るローザにジョインする。ローザとプールス、ヘイグの3名が残り10kmで先頭サガンを追い抜いた一方で、出遅れたトゥーンスはティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)のアシストを得て被害を抑え込む走りに徹した。
フィニッシュまで10kmを残して有利にレースを進めたチームスカイだったが、マイカのために働くサガンの牽引によって集団は一つに戻り、イエロージャージのトゥーンスも復帰。すると、下りを利用して再びサガンがアタックを仕掛けた。サガンは10名のメイン集団に対して20秒のリードで残り5kmから始まる最後の登りに突入した。
フィニッシュラインまで3kmを切ると集団内では総合優勝をかけたアタックが始まる。総合7位のサム・オーメン(オランダ、サンウェブ)やヘイグのアタックによって先頭のサガンが吸収されるとマイカがカウンターアタック。地元ポーランドの期待を背負うマイカの加速に反応できたのはトゥーンスとプールスだけ。総合優勝がかかった三強による先行が続いたが、この動きも決定的なものにはならずに後続6名が合流する。
残り1kmで先頭は9名。総合優勝の行方はボーナスタイム(1位10秒、2位6秒、3位4秒)に委ねられた。マイカとアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)の早駆けは決まらず、タイミングよく残り100mから加速したプールスが先着した。プールスが10秒、ステージ2位のイェーツが6秒、ステージ3位のマイカが4秒のボーナスタイムを獲得した結果、トゥーンスがマイカに2秒、プールスに3秒に迫られながらも辛うじて総合首位を守り抜いた。
総合優勝に輝いたトゥーンスは今年ラ・フレーシュ・ワロンヌ3位、ツール・ド・ワロニー総合優勝という成績を残している25歳のオールラウンダー。UCIワールドツアーのステージレースでキャリア最大の勝利を手にしたトゥーンスは「未だに信じられない。プロ初勝利を飾ったワロニーから2週間しか経っていないんだ。そしてこのポローニュの開幕2日前にサムエル・サンチェスとダブルエースを組むことが決まった。成功が成功を引き出してくれた」とコメントする。「最後の1級山岳を越えたところで遅れてしまったものの、幸いなことにティージェイ・ヴァンガーデレンがずっと近くにいてくれた。危機的状況だったけど、彼が速すぎず遅すぎない完璧なペーシングをしてくれたおかげで集団に復帰。リミットぎりぎりだったものの、リミットは超えていなかった。その後の下りと平坦区間で息を整えて、ティージェイに守られながら最後の登りに挑戦したんだ。マイカを逃せば終わるという思いで、彼の3回のアタックを封じ込め、脚の力を感じなくなるまでスプリントでもがき続けた」。
1日を通してレースを盛り上げ、ポイント賞に輝いたサガンは「ポーランドとスロバキアの熱い声援を得て厳しいステージを戦い抜くことができた。ラファル(マイカ)が2秒差で総合優勝を逃したことは悔しいけど、今シーズンはまだここで終わりじゃない。次のレースに目を向けたい」と語る。サガンは8月7日に開幕するビンクバンク・ツアー(元エネコ・ツアー)に出場する予定だ。
ブコビナの66km周回コースを2周する132kmで行われたツール・ド・ポローニュ最終ステージ。コース自体は短いが、合計6つの1級山岳が詰め込まれた難易度の高いもの(獲得標高差2,800m)で、しかも最後はカテゴリーのついていない4kmの登りをこなしてフィニッシュを迎える。
最終ステージのスタート時点で、総合1位ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)から総合2位ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)まで6秒、総合3位ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)まで10秒、そして総合4位ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)まで13秒という僅差の総合争い。前日にイエロージャージを失ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がこの日は序盤から果敢に動いた。
スタート後しばらく続いたアタック合戦はディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ)やトムイェルト・スラフトール(オランダ、キャノンデール・ドラパック)、シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)、そしてサガンを含む強力な13名の逃げグループを生み出した。この逃げはレース中盤に4分までリードを広げることに成功する。
2周目に入るとBMCレーシングやUAEチームエミレーツの集団ペースアップによって逃げグループはリードを失い、タイム差が1分を切ったところでサガンが動く。白いポイント賞ジャージを着る世界チャンピオンは食らいつくルーベン・プラサ(スペイン、オリカ・スコット)を振り切って独走を開始。単独追走したローザを寄せ付けない走りでサガンが最後の1級山岳を駆け上がった。
BMCレーシングに代わってチームスカイが主導権を握ったメイン集団は、サガンから遅れること40秒で最大勾配22%の激坂区間にさしかかる。ペースアップによって人数を減らしたメイン集団から総合4位のプールスや総合2位マイカが何度も加速を試みたがイエロージャージのトゥーンスは千切れない。
残り13km地点の1級山岳通過時点で先頭サガンからローザまで20秒、そして8名に絞られたメイン集団まで30秒。断続的にアタックしたプールスは前日のステージ優勝者ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット)とともに前を走るローザにジョインする。ローザとプールス、ヘイグの3名が残り10kmで先頭サガンを追い抜いた一方で、出遅れたトゥーンスはティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)のアシストを得て被害を抑え込む走りに徹した。
フィニッシュまで10kmを残して有利にレースを進めたチームスカイだったが、マイカのために働くサガンの牽引によって集団は一つに戻り、イエロージャージのトゥーンスも復帰。すると、下りを利用して再びサガンがアタックを仕掛けた。サガンは10名のメイン集団に対して20秒のリードで残り5kmから始まる最後の登りに突入した。
フィニッシュラインまで3kmを切ると集団内では総合優勝をかけたアタックが始まる。総合7位のサム・オーメン(オランダ、サンウェブ)やヘイグのアタックによって先頭のサガンが吸収されるとマイカがカウンターアタック。地元ポーランドの期待を背負うマイカの加速に反応できたのはトゥーンスとプールスだけ。総合優勝がかかった三強による先行が続いたが、この動きも決定的なものにはならずに後続6名が合流する。
残り1kmで先頭は9名。総合優勝の行方はボーナスタイム(1位10秒、2位6秒、3位4秒)に委ねられた。マイカとアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)の早駆けは決まらず、タイミングよく残り100mから加速したプールスが先着した。プールスが10秒、ステージ2位のイェーツが6秒、ステージ3位のマイカが4秒のボーナスタイムを獲得した結果、トゥーンスがマイカに2秒、プールスに3秒に迫られながらも辛うじて総合首位を守り抜いた。
総合優勝に輝いたトゥーンスは今年ラ・フレーシュ・ワロンヌ3位、ツール・ド・ワロニー総合優勝という成績を残している25歳のオールラウンダー。UCIワールドツアーのステージレースでキャリア最大の勝利を手にしたトゥーンスは「未だに信じられない。プロ初勝利を飾ったワロニーから2週間しか経っていないんだ。そしてこのポローニュの開幕2日前にサムエル・サンチェスとダブルエースを組むことが決まった。成功が成功を引き出してくれた」とコメントする。「最後の1級山岳を越えたところで遅れてしまったものの、幸いなことにティージェイ・ヴァンガーデレンがずっと近くにいてくれた。危機的状況だったけど、彼が速すぎず遅すぎない完璧なペーシングをしてくれたおかげで集団に復帰。リミットぎりぎりだったものの、リミットは超えていなかった。その後の下りと平坦区間で息を整えて、ティージェイに守られながら最後の登りに挑戦したんだ。マイカを逃せば終わるという思いで、彼の3回のアタックを封じ込め、脚の力を感じなくなるまでスプリントでもがき続けた」。
1日を通してレースを盛り上げ、ポイント賞に輝いたサガンは「ポーランドとスロバキアの熱い声援を得て厳しいステージを戦い抜くことができた。ラファル(マイカ)が2秒差で総合優勝を逃したことは悔しいけど、今シーズンはまだここで終わりじゃない。次のレースに目を向けたい」と語る。サガンは8月7日に開幕するビンクバンク・ツアー(元エネコ・ツアー)に出場する予定だ。
H3
ツール・ド・ポローニュ2017第7ステージ
ステージ成績
1位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | 3:28:20 |
2位 | アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | |
3位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | |
5位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | |
6位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール) | 0:00:05 |
7位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:12 |
8位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) | 0:00:14 |
9位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | 0:00:18 |
10位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:00:54 |
DNF | 別府史之(日本、トレック・セガフレード) |
個人総合成績
1位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | 27:07:47 |
2位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:02 |
3位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | 0:00:03 |
4位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:10 |
5位 | アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | 0:00:13 |
6位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) | 0:00:23 |
7位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:36 |
8位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) | 0:00:57 |
9位 | ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:01:19 |
10位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:01:22 |
ポイント賞
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 88ts |
2位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | 51pts |
3位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 51pts |
山岳賞
1位 | ディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ) | 68pts |
2位 | アントワン・トルホーク(オランダ、ロットNLユンボ) | 38pts |
3位 | マキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル) | 37pts |
チーム総合成績
1位 | ロット・ソウダル | 81:35:48 |
2位 | BMCレーシング | 0:02:50 |
3位 | モビスター | 0:13:04 |
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