2017/08/03(木) - 08:04
4つのカテゴリー山岳を含むアップダウンコースを越えた先に待っていた雨に濡れた危険なスプリント。53名によるスピード対決を制したのは、チームメイトの完璧なリードアウトを受けたダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)だった。
オリンプ・ナガフチナからジェシュフまで、前日の半分に近い130kmというショートコースで行われたポローニュ第5ステージ。獲得標高差は1,400mで、後半にかけて3級、2級、2級、2級と連続してカテゴリー山岳が登場する。
雨に見舞われたこの密度の濃いステージで逃げを試みたのはマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)、モレーノ・モゼール(イタリア、アスタナ)、アントワン・トルホーク(オランダ、ロットNLユンボ)という脚の揃った5名。しかし総合に影響を及ぼす強力な逃げのリードは3分以内に抑え込まれた。
タイム差が広がらないまま逃げグループはモンフォールを先頭に連続山岳をクリアしていく。完全ウェットな滑りやすいコースでは落車が多発し、コーナリングをミスしたシャフマンが落車して逃げグループから脱落。ジェシュフのフィニッシュライン通過時点(残り22.5km)でタイム差は1分25秒。UAEチームエミレーツやチームスカイの集団牽引によってリードを失いながらも逃げグループが最後の2級山岳に挑んだ。
すると、タイム差が20秒まで縮まったところで先頭からヴァンガーデレンがアタック。フィニッシュまで12kmを残して独走に持ち込んだヴァンガーデレンが10秒リードで頂上をクリアし、下りでタイム差を20秒まで広げて残り8kmを切る。エーススプリンターを残したチームスカイとボーラ・ハンスグローエが50名強に絞られた集団を牽引してヴァンガーデレンを追いかけた。
BMCレーシングのローテーション妨害によってしばらくタイム差が縮まらない状態が続いたが、チームスカイとボーラ・ハンスグローエが率いる集団は残り3kmアーチ通過と同時にヴァンガーデレンを飲み込む。間髪入れずにカウンターアタックしたダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)の飛び出しは決まらない。雨に濡れた危険なコーナーを慎重に抜けて、チームスカイがリードアウトトレインを先頭で走らせた。
総合エースのワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)もリードアウトに加わり、チームメイト3名に守られたダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)が好位置をキープする。その後ろにイエロージャージのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)が位置。プールスに代わってミカル・ゴワシュ(ポーランド、チームスカイ)が先頭に立つと、残り1.5kmのタイトコーナーで集団落車が発生してしまう。完全にコースを塞ぐ落車によって10名ほどが抜け出した。
混沌とした集団からユーセフ・レグイグイ(アルジェリア、ディメンションデータ)がロングスプリントに持ち込むも決まらず、ルーカス・ヴィシニオウスキー(ポーランド、チームスカイあ)にリードアウトされたファンポッペルが先頭でスプリント開始する。ヴィシニオウスキーのSTRAVAによると、テクニカルコーナー通過後の最終リードアウトは約60km/h。
見るからに滑りやすい路面に慎重にトラクションを伝えながらのスプリント。ルカ・メズゲッツ(スロベニア、オリカ・スコット)やサガンが挑むも、ファンポッペルはリードを守り続けた。次点で白いポイント賞ジャージを着るファンポッペルが大きく両手を広げた。
「今日の勝利のポイントは何と言ってもリードアウト。登りを含む難しいステージだったものの、終始調子の良さを感じていたのでチームメイト全員と一緒に集団に残ることができた。最後はチームメイトたちを100%信頼してスプリントに挑んだよ。ワウト(プールス)までリードアウトに加わってくれて、最後はミカル(ゴワシュ)とルーカス(ヴィシニオウスキー)に導かれてスプリント。全員がインプレッシブで、自分はただスプリントすればいいだけだった」と、今シーズン2勝目のファンポッペルは語る。ファンポッペルは第1ステージ3位、第2ステージ2位、第4ステージ2位と、惜しいところで勝利を逃し続けていた。
「明日からはワウトの総合争いに専念する。今週ずっとアシストしてくれたチームメイトに恩返ししたい」というファンポッペルの言葉通り、残る2ステージはいずれも厳しい山岳コース。イエロージャージを守ったサガンは「最後は進路を塞がれてスプリントできなかったものの、ボーナスタイムを獲得して総合リード拡大に成功した。残る2ステージに向けて調子は良いよ」とコメントしており、最終的な総合成績も視野に入れる。チームメイトのラファル・マイカ(ポーランド)も20秒差の総合3位につけており、ボーラ・ハンスグローエがリードを得た状態で総合争いはクライマックスに向かう。
オリンプ・ナガフチナからジェシュフまで、前日の半分に近い130kmというショートコースで行われたポローニュ第5ステージ。獲得標高差は1,400mで、後半にかけて3級、2級、2級、2級と連続してカテゴリー山岳が登場する。
雨に見舞われたこの密度の濃いステージで逃げを試みたのはマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)、モレーノ・モゼール(イタリア、アスタナ)、アントワン・トルホーク(オランダ、ロットNLユンボ)という脚の揃った5名。しかし総合に影響を及ぼす強力な逃げのリードは3分以内に抑え込まれた。
タイム差が広がらないまま逃げグループはモンフォールを先頭に連続山岳をクリアしていく。完全ウェットな滑りやすいコースでは落車が多発し、コーナリングをミスしたシャフマンが落車して逃げグループから脱落。ジェシュフのフィニッシュライン通過時点(残り22.5km)でタイム差は1分25秒。UAEチームエミレーツやチームスカイの集団牽引によってリードを失いながらも逃げグループが最後の2級山岳に挑んだ。
すると、タイム差が20秒まで縮まったところで先頭からヴァンガーデレンがアタック。フィニッシュまで12kmを残して独走に持ち込んだヴァンガーデレンが10秒リードで頂上をクリアし、下りでタイム差を20秒まで広げて残り8kmを切る。エーススプリンターを残したチームスカイとボーラ・ハンスグローエが50名強に絞られた集団を牽引してヴァンガーデレンを追いかけた。
BMCレーシングのローテーション妨害によってしばらくタイム差が縮まらない状態が続いたが、チームスカイとボーラ・ハンスグローエが率いる集団は残り3kmアーチ通過と同時にヴァンガーデレンを飲み込む。間髪入れずにカウンターアタックしたダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)の飛び出しは決まらない。雨に濡れた危険なコーナーを慎重に抜けて、チームスカイがリードアウトトレインを先頭で走らせた。
総合エースのワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)もリードアウトに加わり、チームメイト3名に守られたダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)が好位置をキープする。その後ろにイエロージャージのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)が位置。プールスに代わってミカル・ゴワシュ(ポーランド、チームスカイ)が先頭に立つと、残り1.5kmのタイトコーナーで集団落車が発生してしまう。完全にコースを塞ぐ落車によって10名ほどが抜け出した。
混沌とした集団からユーセフ・レグイグイ(アルジェリア、ディメンションデータ)がロングスプリントに持ち込むも決まらず、ルーカス・ヴィシニオウスキー(ポーランド、チームスカイあ)にリードアウトされたファンポッペルが先頭でスプリント開始する。ヴィシニオウスキーのSTRAVAによると、テクニカルコーナー通過後の最終リードアウトは約60km/h。
見るからに滑りやすい路面に慎重にトラクションを伝えながらのスプリント。ルカ・メズゲッツ(スロベニア、オリカ・スコット)やサガンが挑むも、ファンポッペルはリードを守り続けた。次点で白いポイント賞ジャージを着るファンポッペルが大きく両手を広げた。
「今日の勝利のポイントは何と言ってもリードアウト。登りを含む難しいステージだったものの、終始調子の良さを感じていたのでチームメイト全員と一緒に集団に残ることができた。最後はチームメイトたちを100%信頼してスプリントに挑んだよ。ワウト(プールス)までリードアウトに加わってくれて、最後はミカル(ゴワシュ)とルーカス(ヴィシニオウスキー)に導かれてスプリント。全員がインプレッシブで、自分はただスプリントすればいいだけだった」と、今シーズン2勝目のファンポッペルは語る。ファンポッペルは第1ステージ3位、第2ステージ2位、第4ステージ2位と、惜しいところで勝利を逃し続けていた。
「明日からはワウトの総合争いに専念する。今週ずっとアシストしてくれたチームメイトに恩返ししたい」というファンポッペルの言葉通り、残る2ステージはいずれも厳しい山岳コース。イエロージャージを守ったサガンは「最後は進路を塞がれてスプリントできなかったものの、ボーナスタイムを獲得して総合リード拡大に成功した。残る2ステージに向けて調子は良いよ」とコメントしており、最終的な総合成績も視野に入れる。チームメイトのラファル・マイカ(ポーランド)も20秒差の総合3位につけており、ボーラ・ハンスグローエがリードを得た状態で総合争いはクライマックスに向かう。
H3
ツール・ド・ポローニュ2017第5ステージ結果
ステージ成績
1位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ) | 2:59:44 |
2位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、オリカ・スコット) | |
3位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ロベルト・フェラーリ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
5位 | エンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ) | |
6位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
7位 | ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング) | |
8位 | ホセ・ロハス(スペイン、モビスター) | |
9位 | トーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・ソウダル) | |
10位 | ルーカス・ヴィシニオウスキー(ポーランド、チームスカイ) | |
76位 | 別府史之(日本、トレック・セガフレード) | 0:01:39 |
個人総合成績
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 18:41:27 |
2位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング) | 0:00:14 |
3位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:20 |
4位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:24 |
5位 | オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、エフデジ) | 0:00:31 |
6位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル) | 0:00:32 |
7位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | 0:00:33 |
8位 | アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | |
9位 | ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:00:39 |
10位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、モビスター) |
ポイント賞
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 88ts |
2位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ) | 76pts |
3位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 51pts |
山岳賞
1位 | マキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル) | 25pts |
2位 | マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | 17pts |
3位 | ディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ) | 12pts |
チーム総合成績
1位 | ボーラ・ハンスグローエ | 56:08:30 |
2位 | モビスター | 0:00:24 |
3位 | ロット・ソウダル | 0:00:45 |
text:Kei Tsuji
photo:TDWsport
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