2017/07/24(月) - 03:31
ツール・ド・フランスを締めくくるシャンゼリゼの最終スプリントでディラン・フルーネウェーヘンが勝利。新城幸也が自身7度目のツール完走を果たし、クリストファー・フルームが4度目の総合優勝を達成した。
マルセイユからの780km大移動(選手たちは当日朝にチャーター機で移動)を経て、ツール・ド・フランスの最終ステージがパリ近郊のモンジュロンをスタートした。デュッセルドルフをスタートした198名のうちパリに到達したのは167名で、リタイア者は31名。
16時51分に正式なスタートが切られてもアタックはかからない。グランツール最終日恒例の和やかな雰囲気のパレード走行が始まり、フルームはチームメイトとシャンペンで乾杯しながら曇り空のパリ郊外を走る。道中、シリル・ゴティエ(フランス、アージェードゥーゼール)がテレビを通してプロポーズしたり、沿道に駆けつけた友人や家族に挨拶するためにヨアン・オフルド(フランス、ワンティ・グループゴベール)が飛び出すシーンも。
セーヌ川沿いを走ってエッフェル塔を横目に走り、パリ万博の際に建設された展示会場グラン・パレの中を通ってシャンゼリゼ通りに向かったプロトン。マイヨジョーヌをエスコートするチームスカイを先頭にシャンゼリゼの周回コース(凱旋門の周回道路を含む7km周回を8周)に入ると、ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・スコット)のアタックをきっかけに9名の逃げが生まれた。
逃げグループにはシルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー)やマークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)といった強力なメンバーが入ったものの、チームスカイからスプリンターチームのコントロールに切り替わったメイン集団から20秒程度のリードしか奪えない。マイヨアポワのワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)はパンクで一時的にメイン集団から遅れたものの無事に復帰している。
ロット・ソウダルやコフィディス、ロットNLユンボ、ディメンションデータの集団牽引によってタイム差は縮まり、フィニッシュまで2周を残してタイム差は10秒。トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)らの強力な牽引によって残り10kmで逃げグループは吸収された。
チームスカイを先頭に最終周回に入るとドミトリー・グルズジェフ(カザフスタン、アスタナ)とゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)がそれぞれ単独アタックを仕掛けたが、新城幸也(バーレーン・メリダ)を先頭に突き進むメイン集団から完全に抜け出すことはできない。残り3kmを切って逃げは全て吸収され、そこからスプリンターチームが隊列を組んで先頭に上がった。
カチューシャ・アルペシンとロットNLユンボが人数を揃えて主導権を握り、コンコルド広場を抜けてシャンゼリゼ通りの最終ストレートへ。マルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ・アルペシン)の最終リードアウトが終わると、フィニッシュラインまで300mを残して、その番手からフルーネウェーヘンが加速した。
早めに仕掛けて先頭を突き進むフルーネウェーヘンのスリップストリームでタイミングを待ったアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)、そしてアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が残り150mで加速を開始。グライペルが最も伸びのあるスプリントを見せたが、先頭のフルーネウェーヘンには届かなかった。最終ストレートをほぼすべて先頭で走り続けたフルーネウェーヘンが先行逃げ切りを果たした。
チームメイトと抱き合って、顔を覆って涙したフルーネウェーヘン。最終日シャンゼリゼで自身初のステージ優勝を飾った24歳のダッチスプリンターは「チームにはメンバーが5人しか残っていないけど、全員がそれぞれの仕事をこなして最高のポジションをキープし、最後はアレクサンドル・クリストフのポジションを奪ってスプリントした。スプリンターにとって夢の舞台で勝利した。小さい頃からテレビで見ていたシャンゼリゼで勝つなんてパーフェクトだ」と喜ぶ。
フルーネウェーヘンの最終スプリント制覇により、13連続グランツールで少なくともステージ1勝してきたグライペルの記録はストップ。アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)のグランツール連続完走記録は18まで伸びている。
そして総合優勝はフルームの手に。最終的にリゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)と54秒差、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)と2分20秒差で勝利したフルームは「シャンゼリゼは期待を裏切らない。マイヨジョーヌを着てこのシャンゼリゼを走ることを3週間ずっと想像してきたので、魔法にかかったような気分だった。何ヶ月も家を空けていたので、こうして妻と息子が来てくれて最高の気分に包まれている」と語り、表彰台で愛息を抱き上げた。
2013年、2015年、2016年に続く4度目のマイヨジョーヌ獲得。フルームは「4つの総合優勝は同じものが1つとしてなく、それぞれがスペシャル。今年は今までで最も僅差で、最も苦しんだツールになった。来年、アンクティルやメルクス、イノー、そしてインデュラインに並ぶ5勝に挑む土俵に立ったことを誇りに思う」と、偉大なチャンピオンたちの記録更新に意欲を見せている。
最終周回で集団を牽引し、スプリンターのリードアウトを担った新城は28位でフィニッシュ。総合109位で自身7度目のツール完走を果たしている。
マルセイユからの780km大移動(選手たちは当日朝にチャーター機で移動)を経て、ツール・ド・フランスの最終ステージがパリ近郊のモンジュロンをスタートした。デュッセルドルフをスタートした198名のうちパリに到達したのは167名で、リタイア者は31名。
16時51分に正式なスタートが切られてもアタックはかからない。グランツール最終日恒例の和やかな雰囲気のパレード走行が始まり、フルームはチームメイトとシャンペンで乾杯しながら曇り空のパリ郊外を走る。道中、シリル・ゴティエ(フランス、アージェードゥーゼール)がテレビを通してプロポーズしたり、沿道に駆けつけた友人や家族に挨拶するためにヨアン・オフルド(フランス、ワンティ・グループゴベール)が飛び出すシーンも。
セーヌ川沿いを走ってエッフェル塔を横目に走り、パリ万博の際に建設された展示会場グラン・パレの中を通ってシャンゼリゼ通りに向かったプロトン。マイヨジョーヌをエスコートするチームスカイを先頭にシャンゼリゼの周回コース(凱旋門の周回道路を含む7km周回を8周)に入ると、ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・スコット)のアタックをきっかけに9名の逃げが生まれた。
逃げグループにはシルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー)やマークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)といった強力なメンバーが入ったものの、チームスカイからスプリンターチームのコントロールに切り替わったメイン集団から20秒程度のリードしか奪えない。マイヨアポワのワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)はパンクで一時的にメイン集団から遅れたものの無事に復帰している。
ロット・ソウダルやコフィディス、ロットNLユンボ、ディメンションデータの集団牽引によってタイム差は縮まり、フィニッシュまで2周を残してタイム差は10秒。トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)らの強力な牽引によって残り10kmで逃げグループは吸収された。
チームスカイを先頭に最終周回に入るとドミトリー・グルズジェフ(カザフスタン、アスタナ)とゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)がそれぞれ単独アタックを仕掛けたが、新城幸也(バーレーン・メリダ)を先頭に突き進むメイン集団から完全に抜け出すことはできない。残り3kmを切って逃げは全て吸収され、そこからスプリンターチームが隊列を組んで先頭に上がった。
カチューシャ・アルペシンとロットNLユンボが人数を揃えて主導権を握り、コンコルド広場を抜けてシャンゼリゼ通りの最終ストレートへ。マルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ・アルペシン)の最終リードアウトが終わると、フィニッシュラインまで300mを残して、その番手からフルーネウェーヘンが加速した。
早めに仕掛けて先頭を突き進むフルーネウェーヘンのスリップストリームでタイミングを待ったアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)やエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)、そしてアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が残り150mで加速を開始。グライペルが最も伸びのあるスプリントを見せたが、先頭のフルーネウェーヘンには届かなかった。最終ストレートをほぼすべて先頭で走り続けたフルーネウェーヘンが先行逃げ切りを果たした。
チームメイトと抱き合って、顔を覆って涙したフルーネウェーヘン。最終日シャンゼリゼで自身初のステージ優勝を飾った24歳のダッチスプリンターは「チームにはメンバーが5人しか残っていないけど、全員がそれぞれの仕事をこなして最高のポジションをキープし、最後はアレクサンドル・クリストフのポジションを奪ってスプリントした。スプリンターにとって夢の舞台で勝利した。小さい頃からテレビで見ていたシャンゼリゼで勝つなんてパーフェクトだ」と喜ぶ。
フルーネウェーヘンの最終スプリント制覇により、13連続グランツールで少なくともステージ1勝してきたグライペルの記録はストップ。アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ソウダル)のグランツール連続完走記録は18まで伸びている。
そして総合優勝はフルームの手に。最終的にリゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)と54秒差、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)と2分20秒差で勝利したフルームは「シャンゼリゼは期待を裏切らない。マイヨジョーヌを着てこのシャンゼリゼを走ることを3週間ずっと想像してきたので、魔法にかかったような気分だった。何ヶ月も家を空けていたので、こうして妻と息子が来てくれて最高の気分に包まれている」と語り、表彰台で愛息を抱き上げた。
2013年、2015年、2016年に続く4度目のマイヨジョーヌ獲得。フルームは「4つの総合優勝は同じものが1つとしてなく、それぞれがスペシャル。今年は今までで最も僅差で、最も苦しんだツールになった。来年、アンクティルやメルクス、イノー、そしてインデュラインに並ぶ5勝に挑む土俵に立ったことを誇りに思う」と、偉大なチャンピオンたちの記録更新に意欲を見せている。
最終周回で集団を牽引し、スプリンターのリードアウトを担った新城は28位でフィニッシュ。総合109位で自身7度目のツール完走を果たしている。
H3
ツール・ド・フランス2017第21ステージ結果
ステージ成績
1位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | 2:25:39 |
2位 | アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) | |
3位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | |
4位 | ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) | |
5位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) | |
6位 | ボルト・ボジッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | |
7位 | ダヴィデ・チモライ(イタリア、エフデジ) | |
8位 | ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ) | |
9位 | リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、モビスター) | |
28位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 86:20:55 |
2位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) | 0:54 |
3位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | 2:20 |
4位 | ミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) | 2:21 |
5位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | 3:05 |
6位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) | 4:42 |
7位 | サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | 6:14 |
8位 | ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAEチームエミレーツ) | 8:20 |
9位 | アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) | 8:49 |
10位 | ワレン・バルギル(フランス、サンウェブ) | 9:25 |
109位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) | 3:18:16 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 370ts |
2位 | アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) | 234pts |
3位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | 220pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | ワレン・バルギル(フランス、サンウェブ) | 169pts |
2位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | 80pts |
3位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) | 64pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | 86:27:09 |
2位 | ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAEチームエミレーツ) | 2:06 |
3位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 27:07 |
チーム総合成績
1位 | チームスカイ | 259:21:06 |
2位 | アージェードゥーゼール | 7:14 |
3位 | トレック・セガフレード | 1:44:46 |
総合敢闘賞
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