2017/07/17(月) - 10:03
「本当にアメージング(信じられない)。ツール・ド・フランスでステージ優勝したんだ。この数年間願い続けてきた夢の勝利がやってきた」とは、逃げ切り勝利を挙げたバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)。逃げメンバーや危機を乗り越えたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)などの言葉で第2週最終日を振り返ります。
逃げ切り勝利を挙げたバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
本当にアメージング(信じられない)。ツール・ド・フランスでステージ優勝したんだ。この数年間願い続けてきた夢の勝利がやってきた。これはキャリアの中で最高の勝利だ。
今日は多くのチームが逃げに選手を送りたい展開で、最初の1級山岳を全開で登って先頭グループに追いついた。そうして逃げグループに乗るという最初の目標は達成。あとはどうやって勝つかが問題で、残り30kmを切ってから仕掛けることにした。追走とのタイム差は広がらなかったし、途中でリードが11秒にまで縮まったタイミングもあった。これ以上差の縮まりを許すわけにはいかない!と思って踏み続けた。単独で走り続ける時間は永遠に感じたよ。
そして最終盤になっても10〜15秒程度の差は維持し続けられていた。昨日はグーグルマップで残り6km区間のコースを予習していたので、あとコーナーがいくつあるかも把握できたいた。だから集中を保ちつつ走れたし、フィニッシュまでプッシュし続けられたので良かった。
序盤のアタック合戦ではギリギリ逃げに合流できたんだ。最初は10名が逃げて、大人数の逃げを警戒するチームが集団に蓋をしてしまった。でもミヒャエル・ゴグルとクーン・デコルト(オランダ)が芝生を走って先頭に出ることができた。二人は集団の先頭でハイペースを保って山岳に突入し、そこから僕がアタックした。そこから25名の追走が生まれて、僕を含む5名が合流できた。だから僕が勝利できたのは、集団を率いてくれた彼らのおかげなんだ。
ツール・ド・フランスで表彰台に立ったのは今回が初めてで、とても特別な気分。ここ5年間で勝利に近いところまではいったけれど、今日は僕の日だった。本当に嬉しいよ。
モレマに追いつかなかったディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
モレマは登りの頂上で先行し始めて、僕らは彼に対して間隔を空け過ぎてしまった。誰かがローテーションを飛ばしてしまったことで逃げが決まってしまった。残ったメンバーで全力で追走したけれど、単純にモレマのペースが素晴らしかった。2位になったのは残念だけど、あれが自分の全力だった。もう一度勝利を狙っていきたい。
山岳ポイントを加点したワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)
今日の目標は逃げに乗ってKOMポイントを貯めることだった。サンウェブとしては3人を逃げに送り込むことができて、目標をどちらも達成できたので良かった。リードを広げることができたけれど、パリまでの道はまだまだ長い。まだまだアタックを続けていく必要がある。
残り66kmから独走したトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)
今日はチーム全体としてアグレッシブに走り、逃げに乗ることだった。逃げの中には強いクライマー、特にバルギルが入っていたので自分にチャンスがあるとしたらアップダウン区間か、平坦区間でアタックするしかないと感じていたんだ。トライして良いリードを掴めたけれど、自分にとって山岳の勾配がキツすぎたのでリズムが崩れてしまった。
マイヨジョーヌを守ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)
ホイールトラブルで危機を迎えたものの、チームメイトのおかげで総合リードを失わずに済んだ。ピレネーでは精彩を欠いてしまったけど、今はコンディションが戻っている。アルプスではアグレッシブなレースが展開されるはず。マイヨジョーヌを守ったまま最終個人TTに挑みたい。とにかく今はライバルたちからリードを得ていることを嬉しく思う。
総合2位、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
今日は予想していなかった非常にタフなステージとなった。でも、自分の調子も良くチームもステージを通して良い仕事をしてくれている。バルデらアージェードゥーゼールが登りでペースを上げた時も、集中して対応できた。登りのスピードも速く強烈な動きだったけど、集団の前方に位置取って新たなアタックに備えたんだ。
最後の登りはとても速かった。フィニッシュまで短い登りだったけど、アタックを成功させるような鋭い動きはなかったね。何人も集団からのエスケープを狙って飛び出したけど、どれも失敗に終わっていた。明日は待ち望んだ休息日。しっかり休んで可能な限り回復させたいと思う。残り6ステージは非常に重要。まだまだ戦いは続くよ。
チーム単位でペースアップを行った、アージェードゥーゼルのロマン・バルデ(フランス)
この辺りの地形を良く知っていたので、ペースアップを行いライバル勢にプレッシャーを掛けていこうと考えた。素晴らしい働きをしてくれたチームメイトたちに感謝したい。そして沿道からたくさんの歓声を送り、僕らの後押しをしてくれたファンにも。今日僕らが戦略的に動いたことを誇りに思うし、フィニッシュまでは6日間残っている。まだまだ臨戦態勢を解く気はないんだ。
総合5位にジャンプアップしたダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)
最後2つの山岳では全員が限界近くで走っていたと思う。ツール第2週目が過酷な状況になることは分かりきっていたし、そこにサプライズはない。最後の登りをクリアした後にどれだけ全員が疲れているか、どれだけお互いにお見合いしているか気づいたので、チャンスだと感じたんだ。スタート前からアタックを狙っていたとは言えないけれど、チャンスを見出せたのでプッシュすることにしたんだ。脚がよく動いてくれて嬉しいし、休息日が楽しみだ。
新城幸也(バーレーン・メリダ)
今日の逃げは最初の1級山岳で決まった。残念ながら、そこに入れる登坂力はなく3人の選手を見送るとことなった。 その追走で30人近い逃げ集団にチームから1人入れたのは良かった。自分は他のメンバーと集団内で1日静かに過ごした。気付いたら、あっと言う間に2週目が終わった。 明日はしっかり休んで3週目に備えます。 今日もまた沿道の日本の国旗が増えた!
text:So.Isobe,Yuto.Murata
逃げ切り勝利を挙げたバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
本当にアメージング(信じられない)。ツール・ド・フランスでステージ優勝したんだ。この数年間願い続けてきた夢の勝利がやってきた。これはキャリアの中で最高の勝利だ。
今日は多くのチームが逃げに選手を送りたい展開で、最初の1級山岳を全開で登って先頭グループに追いついた。そうして逃げグループに乗るという最初の目標は達成。あとはどうやって勝つかが問題で、残り30kmを切ってから仕掛けることにした。追走とのタイム差は広がらなかったし、途中でリードが11秒にまで縮まったタイミングもあった。これ以上差の縮まりを許すわけにはいかない!と思って踏み続けた。単独で走り続ける時間は永遠に感じたよ。
そして最終盤になっても10〜15秒程度の差は維持し続けられていた。昨日はグーグルマップで残り6km区間のコースを予習していたので、あとコーナーがいくつあるかも把握できたいた。だから集中を保ちつつ走れたし、フィニッシュまでプッシュし続けられたので良かった。
序盤のアタック合戦ではギリギリ逃げに合流できたんだ。最初は10名が逃げて、大人数の逃げを警戒するチームが集団に蓋をしてしまった。でもミヒャエル・ゴグルとクーン・デコルト(オランダ)が芝生を走って先頭に出ることができた。二人は集団の先頭でハイペースを保って山岳に突入し、そこから僕がアタックした。そこから25名の追走が生まれて、僕を含む5名が合流できた。だから僕が勝利できたのは、集団を率いてくれた彼らのおかげなんだ。
ツール・ド・フランスで表彰台に立ったのは今回が初めてで、とても特別な気分。ここ5年間で勝利に近いところまではいったけれど、今日は僕の日だった。本当に嬉しいよ。
モレマに追いつかなかったディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
モレマは登りの頂上で先行し始めて、僕らは彼に対して間隔を空け過ぎてしまった。誰かがローテーションを飛ばしてしまったことで逃げが決まってしまった。残ったメンバーで全力で追走したけれど、単純にモレマのペースが素晴らしかった。2位になったのは残念だけど、あれが自分の全力だった。もう一度勝利を狙っていきたい。
山岳ポイントを加点したワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)
今日の目標は逃げに乗ってKOMポイントを貯めることだった。サンウェブとしては3人を逃げに送り込むことができて、目標をどちらも達成できたので良かった。リードを広げることができたけれど、パリまでの道はまだまだ長い。まだまだアタックを続けていく必要がある。
残り66kmから独走したトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)
今日はチーム全体としてアグレッシブに走り、逃げに乗ることだった。逃げの中には強いクライマー、特にバルギルが入っていたので自分にチャンスがあるとしたらアップダウン区間か、平坦区間でアタックするしかないと感じていたんだ。トライして良いリードを掴めたけれど、自分にとって山岳の勾配がキツすぎたのでリズムが崩れてしまった。
マイヨジョーヌを守ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)
ホイールトラブルで危機を迎えたものの、チームメイトのおかげで総合リードを失わずに済んだ。ピレネーでは精彩を欠いてしまったけど、今はコンディションが戻っている。アルプスではアグレッシブなレースが展開されるはず。マイヨジョーヌを守ったまま最終個人TTに挑みたい。とにかく今はライバルたちからリードを得ていることを嬉しく思う。
総合2位、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
今日は予想していなかった非常にタフなステージとなった。でも、自分の調子も良くチームもステージを通して良い仕事をしてくれている。バルデらアージェードゥーゼールが登りでペースを上げた時も、集中して対応できた。登りのスピードも速く強烈な動きだったけど、集団の前方に位置取って新たなアタックに備えたんだ。
最後の登りはとても速かった。フィニッシュまで短い登りだったけど、アタックを成功させるような鋭い動きはなかったね。何人も集団からのエスケープを狙って飛び出したけど、どれも失敗に終わっていた。明日は待ち望んだ休息日。しっかり休んで可能な限り回復させたいと思う。残り6ステージは非常に重要。まだまだ戦いは続くよ。
チーム単位でペースアップを行った、アージェードゥーゼルのロマン・バルデ(フランス)
この辺りの地形を良く知っていたので、ペースアップを行いライバル勢にプレッシャーを掛けていこうと考えた。素晴らしい働きをしてくれたチームメイトたちに感謝したい。そして沿道からたくさんの歓声を送り、僕らの後押しをしてくれたファンにも。今日僕らが戦略的に動いたことを誇りに思うし、フィニッシュまでは6日間残っている。まだまだ臨戦態勢を解く気はないんだ。
総合5位にジャンプアップしたダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)
最後2つの山岳では全員が限界近くで走っていたと思う。ツール第2週目が過酷な状況になることは分かりきっていたし、そこにサプライズはない。最後の登りをクリアした後にどれだけ全員が疲れているか、どれだけお互いにお見合いしているか気づいたので、チャンスだと感じたんだ。スタート前からアタックを狙っていたとは言えないけれど、チャンスを見出せたのでプッシュすることにしたんだ。脚がよく動いてくれて嬉しいし、休息日が楽しみだ。
新城幸也(バーレーン・メリダ)
今日の逃げは最初の1級山岳で決まった。残念ながら、そこに入れる登坂力はなく3人の選手を見送るとことなった。 その追走で30人近い逃げ集団にチームから1人入れたのは良かった。自分は他のメンバーと集団内で1日静かに過ごした。気付いたら、あっと言う間に2週目が終わった。 明日はしっかり休んで3週目に備えます。 今日もまた沿道の日本の国旗が増えた!
text:So.Isobe,Yuto.Murata
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