2017/07/12(水) - 10:30
エリック・ツァベルのドイツ人ステージ優勝記録を打ち破ったマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)や、2位ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)、落車が響きリタイアしたラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)など、ツール第10ステージのコメントを紹介。
エリック・ツァベルのドイツ人ステージ優勝記録を打ち破ったマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)
10ステージのうち4勝なんてインプレッシブ。自転車に乗り始めた頃はプロになることを夢見ていたけれど、こんな風に勝利できるとは思ってもみなかった。記録のために走っているわけではないけれど、ツールで13勝もできるなんて素晴らしいことだ。コンディションも良く集中できているし、それがさらなる勝利への意慾に繋がっている。
繰り返しになるけどこれはチームワークの成果であり、今日もジュリアン・ヴェルモートが何時間も集団先頭を引き続けてくれた。逃げグループのスピードに合わせて集団を率いるのは誰にでもできることじゃない。マイヨヴェールが確定したとは思えない。好調だったアルノー・デマールが突然崩れてレースを去ったように、最終日まで何が起こるかわからない。とにかく今まで経験したことがないほど好調なのは間違いない。
ステージ2位、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)
(最終盤は)とても混沌としていて、とてもクレイジーだった。今日はクーン(デコルト)と一緒に、強力で集団を支配していたロット・ソウダル列車の番手につけていた。残り2km地点でポジションを失ってしまったけれど、幸いキッテルも一緒に遅れていたので、彼の番手に付き直して、おそらく25番手くらいからポジションを上げることができたんだ。正直今日は勝負に絡むのは無理かなと思っていたけれど、彼の後ろについて、あとはひたすら耐えるだけだったよ。でも粘り続けていたら2位を獲れた。
まだ落車の痛みはひどく残っていて、バイクに乗っている分には問題ないけれど、肩が上がらない。補給ポイントでボトルやサコッシュを受け取ることがまだ難しいんだ。チームメイトがかばってくれて、皆が補給を持ってくれたりと痛みを長引かせないように気を遣ってくれている。
キッテルは間違いなく最強のスプリンターで、一対一の戦いでは誰も彼に勝てないと思う。今日もただただ強かったけれど、ここはツール。一筋縄ではいかないんだ。個人的に2位も今ツールではベストリザルトだし、遅れていたことを考えれば物凄く好結果だ。明日以降も勝利を狙っていきたい。
ステージ3位、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
残り500mのコーナーをクリアした後、僕は14番手にいた。本当はもっと前に位置しているはずだったが、後ろ過ぎた。そこから全力でスプリントしたけれど3位がやっと。最高のポジションからスプリントできたところで勝てたかどうかは分からないけれど、今日はとにかくキッテルが強かった。
逃げに乗り、敢闘賞を獲得したエリー・ジェスベール(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)
今朝のミーティングで逃げることを許されたので、ためらう必要はどこにも無かった。残り25km地点で十分なタイム差があったように感じていたので、逃げ切れるかもしれないと考えたんだ。”もし残り15kmで1分半差をキープできれば勝てるかもしれない”と言い聞かせていたよ。
僕は今大会で一番若い選手だけれど、どこにもコンプレックスは感じていない。今日は初めて逃げに乗って、初めて表彰台に上がることができた。観客も167km逃げている間ずっと声援を掛けてくれたし、ミーティングでの目標は敢闘賞ではなかったけれど、素晴らしい気分だった。フルームとキッテルの間に表彰台に上るだなんて。
マイヨジョーヌのクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)
とてもリラックスした平坦ステージだった。チームスカイにとって次なる大きな目標はピレネーだけれど、そこまであともう一つ平坦ステージがある。そこから仕切り直して、また登り勝負が始まるんだ。
特に第12ステージのペイラギュードは決定的な動きが起こるはず。総合勢ではより一層絞り込まれるだろうし、最終週に向けて再びシャッフルがかけられるだろう。イゾアール、テレグラフ、そしてガリビエが控えているんだ。山岳の予習はできているし、ポルタル監督がクルマのオンボードビデオを撮ってきてくれていたんだ。まだまだ勝負どころは多く、レースは”オープン”な状態さ。
アシスト役を担った新城幸也(バーレーン・メリダ)
今日はこれまでのステージの中で一番ゆっくりしたステージだったと思う。 道も広かったし、風もなかったし、ゴールスプリントまではゆっくり過ごせた。 チームメイト4人でまとまって、最終局面までコロブルッリを連れていくことが出来たが、最後の最後がうまく噛み合わなかった。それでも、ひとまず10位以内に入れたので、明日にまた期待。
落車が響きスタートしなかったラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
身体中のあちこちが痛むけれど、幸い骨折は無かった。落車の時に何が起こったかきちんと説明できないけれど、ブレーキも掛けてないのにダウンヒル中に突然前輪が滑ってしまった。チームメカがスペアバイクを持って駆けつけてくれた時も滑っていたし、オイルか何かが路面上にあったのかなと思う。それからは物凄く痛みに苦しめられたけれど、チームメイトのおかげでフィニッシュはできた。皆に感謝したい。総合としてはエマヌエルにチャンスがあるし、ジェイも良い位置につけている。それから落車の後フィニッシュまで助けてくれたクウィアトコウスキー(チームスカイ)にも感謝を。ここまで状態が酷いとこれ以上は戦えない。痛みのせいで呼吸もままならないんだ。ツール離脱という決定は妥当な判断だと思う。これから回復に時間を費やして、シーズン後半戦のための準備をしたい。
text:So.Isobe
エリック・ツァベルのドイツ人ステージ優勝記録を打ち破ったマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)
10ステージのうち4勝なんてインプレッシブ。自転車に乗り始めた頃はプロになることを夢見ていたけれど、こんな風に勝利できるとは思ってもみなかった。記録のために走っているわけではないけれど、ツールで13勝もできるなんて素晴らしいことだ。コンディションも良く集中できているし、それがさらなる勝利への意慾に繋がっている。
繰り返しになるけどこれはチームワークの成果であり、今日もジュリアン・ヴェルモートが何時間も集団先頭を引き続けてくれた。逃げグループのスピードに合わせて集団を率いるのは誰にでもできることじゃない。マイヨヴェールが確定したとは思えない。好調だったアルノー・デマールが突然崩れてレースを去ったように、最終日まで何が起こるかわからない。とにかく今まで経験したことがないほど好調なのは間違いない。
ステージ2位、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)
(最終盤は)とても混沌としていて、とてもクレイジーだった。今日はクーン(デコルト)と一緒に、強力で集団を支配していたロット・ソウダル列車の番手につけていた。残り2km地点でポジションを失ってしまったけれど、幸いキッテルも一緒に遅れていたので、彼の番手に付き直して、おそらく25番手くらいからポジションを上げることができたんだ。正直今日は勝負に絡むのは無理かなと思っていたけれど、彼の後ろについて、あとはひたすら耐えるだけだったよ。でも粘り続けていたら2位を獲れた。
まだ落車の痛みはひどく残っていて、バイクに乗っている分には問題ないけれど、肩が上がらない。補給ポイントでボトルやサコッシュを受け取ることがまだ難しいんだ。チームメイトがかばってくれて、皆が補給を持ってくれたりと痛みを長引かせないように気を遣ってくれている。
キッテルは間違いなく最強のスプリンターで、一対一の戦いでは誰も彼に勝てないと思う。今日もただただ強かったけれど、ここはツール。一筋縄ではいかないんだ。個人的に2位も今ツールではベストリザルトだし、遅れていたことを考えれば物凄く好結果だ。明日以降も勝利を狙っていきたい。
ステージ3位、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
残り500mのコーナーをクリアした後、僕は14番手にいた。本当はもっと前に位置しているはずだったが、後ろ過ぎた。そこから全力でスプリントしたけれど3位がやっと。最高のポジションからスプリントできたところで勝てたかどうかは分からないけれど、今日はとにかくキッテルが強かった。
逃げに乗り、敢闘賞を獲得したエリー・ジェスベール(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)
今朝のミーティングで逃げることを許されたので、ためらう必要はどこにも無かった。残り25km地点で十分なタイム差があったように感じていたので、逃げ切れるかもしれないと考えたんだ。”もし残り15kmで1分半差をキープできれば勝てるかもしれない”と言い聞かせていたよ。
僕は今大会で一番若い選手だけれど、どこにもコンプレックスは感じていない。今日は初めて逃げに乗って、初めて表彰台に上がることができた。観客も167km逃げている間ずっと声援を掛けてくれたし、ミーティングでの目標は敢闘賞ではなかったけれど、素晴らしい気分だった。フルームとキッテルの間に表彰台に上るだなんて。
マイヨジョーヌのクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)
とてもリラックスした平坦ステージだった。チームスカイにとって次なる大きな目標はピレネーだけれど、そこまであともう一つ平坦ステージがある。そこから仕切り直して、また登り勝負が始まるんだ。
特に第12ステージのペイラギュードは決定的な動きが起こるはず。総合勢ではより一層絞り込まれるだろうし、最終週に向けて再びシャッフルがかけられるだろう。イゾアール、テレグラフ、そしてガリビエが控えているんだ。山岳の予習はできているし、ポルタル監督がクルマのオンボードビデオを撮ってきてくれていたんだ。まだまだ勝負どころは多く、レースは”オープン”な状態さ。
アシスト役を担った新城幸也(バーレーン・メリダ)
今日はこれまでのステージの中で一番ゆっくりしたステージだったと思う。 道も広かったし、風もなかったし、ゴールスプリントまではゆっくり過ごせた。 チームメイト4人でまとまって、最終局面までコロブルッリを連れていくことが出来たが、最後の最後がうまく噛み合わなかった。それでも、ひとまず10位以内に入れたので、明日にまた期待。
落車が響きスタートしなかったラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
身体中のあちこちが痛むけれど、幸い骨折は無かった。落車の時に何が起こったかきちんと説明できないけれど、ブレーキも掛けてないのにダウンヒル中に突然前輪が滑ってしまった。チームメカがスペアバイクを持って駆けつけてくれた時も滑っていたし、オイルか何かが路面上にあったのかなと思う。それからは物凄く痛みに苦しめられたけれど、チームメイトのおかげでフィニッシュはできた。皆に感謝したい。総合としてはエマヌエルにチャンスがあるし、ジェイも良い位置につけている。それから落車の後フィニッシュまで助けてくれたクウィアトコウスキー(チームスカイ)にも感謝を。ここまで状態が酷いとこれ以上は戦えない。痛みのせいで呼吸もままならないんだ。ツール離脱という決定は妥当な判断だと思う。これから回復に時間を費やして、シーズン後半戦のための準備をしたい。
text:So.Isobe
Amazon.co.jp