2017/07/04(火) - 09:03
スペインを代表する総合バイクブランド、オルベアが同社初となるエアロロードを発表。トップスプリンターの一人であるナセル・ブアニ擁するプロコンチネンタルチーム・コフィディスからの要望を形にした、ORCA AEROの詳細をお伝えしよう。
スペイン北東部に広がるバスク地方を拠点に100年近い歴史を持つオルベア。銃火器やそれらに使用する鋼管の製造をルーツにもつ老舗ブランドが、その長い歴史の中で初となるエアロダイナミクスに主眼を置いたバイクを発表した。同社のハイエンドレーシングバイクシリーズである「ORCA」の新たな仲間として登場したのが今回紹介する「ORCA AERO」だ。
7月1日より開幕しているツール・ド・フランスにて、既にコフィディスの選手らが第2ステージから投入しているORCA AEROは、彼らの要望をもとに生まれたピュアレーシングマインドを持つ一台。昨年のツール終了後に行われた選手らとのミーティングの中で出されたリクエストが、この新型バイクの方向性を決めることになったという。
「他の全てを犠牲にしてでもエアロダイナミクスを追求したバイクか、それとも空力だけでなく剛性や重量とのバランスを重視したバイクか、その方向性を決める必要がありました」とオルベアのロードバイク部門を統括するヨセバ・アリザガ氏は、ORCA AEROの開発にあたって最初に浮上した課題を振り返る。その問いかけに対して、コフィディスのライダーたちが返した答えは後者だった。「彼らが求めたのは、今のORCA OMRの走行性能を保ちつつ、更にエアロ性能を付加したバイクだったんだ」
空力、剛性、軽量性。レーシングエアロロードとして求められる性能を高次元でバランスさせるために、オルベアの開発陣は、快適性は犠牲になっても良いと考えるほど、極限の性能を求めたという。特に最も大きなファクターとなるエアロダイナミクスの向上についてはバスクの名門、モンドラゴン大学と共同で風洞施設を建設し、800回以上のテストを重ねたという。
オルベアの考えるエアロダイナミクスとは、「マイナスの要素を少しでも減らすこと」なのだとアリザガ氏。小さな積み重ねが速さへと繋がっていくのだというコンセプトのもとに、デザインを煮詰めていったのだという。結果として、50kmのタイムトライアルでORCA OMRに対して27wをセーブすることができ、同じ出力であれば1分22秒のアドバンテージを獲得する性能を実現したという。
フロントフォークは同社のTTバイク、ORDUに採用され、ORCA OMRへも応用された「フリーフローコンセプト」を採用。フォークとホイール間のクリアランスを広げることでホイール周りの気流の乱れを抑えている。フォーククラウンはダウンチューブへと流れるように繋がるインテグレートデザインが施されている。また、ハンドルはヴィジョンのメトロン5Dを推奨ハンドルとしており、専用のスペーサーを用意することで抵抗を減らしているという。もちろん他のハンドルをアセンブルすることもできる。
また、リアホイールに合わせてカットオフされるシートチューブ、前方投影面積を抑えるドロップシートステーやフレームと一体化したインテグレートシートクランプ、シートステーマウントのダイレクトマウントブレーキなどにより、乱流の発生を最小限に留めている。また、MMSシステムとして、ダウンチューブにはエアロボトルケージにも対応するためのケージ台座が用意され、細やかな部分でも空気抵抗を削減するためのギミックが搭載されている。しかし、ORCA AEROが持つ最も大きな特徴は、新しいUCIルールに適合したエアロロードの先駆けだということ。
これまでUCIはチューブの形状に関するルールとして幅と太さが3:1以下になることを義務付けてきた。しかし、今シーズンより、3:1ルールが撤廃され、チューブの設計自由度が大幅に増したのだ。その新しい環境下で開発されたORCA AEROは、これまでの旧いルールに縛らない真に最適なチューブ形状を採用することができる最初のエアロロードであるのだ。
こうして、ライバル達に勝るとも劣らない空力性能を手に入れたORCA AEROだが、選手からの強い要望でもあった剛性面でも優れたバイクとして完成したという。ブアニのスプリントを受け止めるためには、現行のORCA OMRと同じレベルの剛性が求められていたというが、蓋を開けてみれば、オルベア史上最高となる104Nmという数値を叩き出した。重量もフレーム単体で1150gとエアロロードの中では軽量な仕上がりを見せている。
勝つためのバイクを欲する選手たちからの期待に応え、それを上回る仕上がりを見せたORCA AERO。ライバルブランドたちのエアロロードに対しても、新UCIルールへの先んじた対応で一歩前を進む存在として目が離せない一台となった。
オルベア ORCA AERO
カラー:オレンジ-サテングロス、メタル-ブラック-サテングロス
サイズ:47、49、51、53、55、57、60
価 格:
フレームセット 390,000円(税抜)
シマノ105完成車 400,000円(税抜)
シマノ機械式アルテグラ 450,000円(税抜)
シマノ電動式アルテグラ 550,000円(税抜)
シマノ機械式デュラエース 680,000円(税抜)
シマノ電動式デュラエース 1,000,000円(税抜)
スラムRED eTap完成車 1,100,000円(税抜)
※カスタムオーダーのMyO仕様は各モデル+2万円
スペイン北東部に広がるバスク地方を拠点に100年近い歴史を持つオルベア。銃火器やそれらに使用する鋼管の製造をルーツにもつ老舗ブランドが、その長い歴史の中で初となるエアロダイナミクスに主眼を置いたバイクを発表した。同社のハイエンドレーシングバイクシリーズである「ORCA」の新たな仲間として登場したのが今回紹介する「ORCA AERO」だ。
7月1日より開幕しているツール・ド・フランスにて、既にコフィディスの選手らが第2ステージから投入しているORCA AEROは、彼らの要望をもとに生まれたピュアレーシングマインドを持つ一台。昨年のツール終了後に行われた選手らとのミーティングの中で出されたリクエストが、この新型バイクの方向性を決めることになったという。
「他の全てを犠牲にしてでもエアロダイナミクスを追求したバイクか、それとも空力だけでなく剛性や重量とのバランスを重視したバイクか、その方向性を決める必要がありました」とオルベアのロードバイク部門を統括するヨセバ・アリザガ氏は、ORCA AEROの開発にあたって最初に浮上した課題を振り返る。その問いかけに対して、コフィディスのライダーたちが返した答えは後者だった。「彼らが求めたのは、今のORCA OMRの走行性能を保ちつつ、更にエアロ性能を付加したバイクだったんだ」
空力、剛性、軽量性。レーシングエアロロードとして求められる性能を高次元でバランスさせるために、オルベアの開発陣は、快適性は犠牲になっても良いと考えるほど、極限の性能を求めたという。特に最も大きなファクターとなるエアロダイナミクスの向上についてはバスクの名門、モンドラゴン大学と共同で風洞施設を建設し、800回以上のテストを重ねたという。
オルベアの考えるエアロダイナミクスとは、「マイナスの要素を少しでも減らすこと」なのだとアリザガ氏。小さな積み重ねが速さへと繋がっていくのだというコンセプトのもとに、デザインを煮詰めていったのだという。結果として、50kmのタイムトライアルでORCA OMRに対して27wをセーブすることができ、同じ出力であれば1分22秒のアドバンテージを獲得する性能を実現したという。
フロントフォークは同社のTTバイク、ORDUに採用され、ORCA OMRへも応用された「フリーフローコンセプト」を採用。フォークとホイール間のクリアランスを広げることでホイール周りの気流の乱れを抑えている。フォーククラウンはダウンチューブへと流れるように繋がるインテグレートデザインが施されている。また、ハンドルはヴィジョンのメトロン5Dを推奨ハンドルとしており、専用のスペーサーを用意することで抵抗を減らしているという。もちろん他のハンドルをアセンブルすることもできる。
また、リアホイールに合わせてカットオフされるシートチューブ、前方投影面積を抑えるドロップシートステーやフレームと一体化したインテグレートシートクランプ、シートステーマウントのダイレクトマウントブレーキなどにより、乱流の発生を最小限に留めている。また、MMSシステムとして、ダウンチューブにはエアロボトルケージにも対応するためのケージ台座が用意され、細やかな部分でも空気抵抗を削減するためのギミックが搭載されている。しかし、ORCA AEROが持つ最も大きな特徴は、新しいUCIルールに適合したエアロロードの先駆けだということ。
これまでUCIはチューブの形状に関するルールとして幅と太さが3:1以下になることを義務付けてきた。しかし、今シーズンより、3:1ルールが撤廃され、チューブの設計自由度が大幅に増したのだ。その新しい環境下で開発されたORCA AEROは、これまでの旧いルールに縛らない真に最適なチューブ形状を採用することができる最初のエアロロードであるのだ。
こうして、ライバル達に勝るとも劣らない空力性能を手に入れたORCA AEROだが、選手からの強い要望でもあった剛性面でも優れたバイクとして完成したという。ブアニのスプリントを受け止めるためには、現行のORCA OMRと同じレベルの剛性が求められていたというが、蓋を開けてみれば、オルベア史上最高となる104Nmという数値を叩き出した。重量もフレーム単体で1150gとエアロロードの中では軽量な仕上がりを見せている。
勝つためのバイクを欲する選手たちからの期待に応え、それを上回る仕上がりを見せたORCA AERO。ライバルブランドたちのエアロロードに対しても、新UCIルールへの先んじた対応で一歩前を進む存在として目が離せない一台となった。
オルベア ORCA AERO
カラー:オレンジ-サテングロス、メタル-ブラック-サテングロス
サイズ:47、49、51、53、55、57、60
価 格:
フレームセット 390,000円(税抜)
シマノ105完成車 400,000円(税抜)
シマノ機械式アルテグラ 450,000円(税抜)
シマノ電動式アルテグラ 550,000円(税抜)
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シマノ電動式デュラエース 1,000,000円(税抜)
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※カスタムオーダーのMyO仕様は各モデル+2万円
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