2017/06/09(金) - 11:33
中級山岳が続く第5ステージでは総合は動かず。ラストはスプリントに持ち込まれ、フィル・バウハウス(ドイツ、サンウェブ)がマイヨヴェールのアルノー・デマール(フランス、エフデジ)を下し、ワールドツアーでの初勝利を飾った。
5日目を迎えたクリテリウム・デュ・ドーフィネ2017の舞台となるのは、ラ・トゥール=デュ=サルヴァニーからマコンへ至る175.5km。3つの4級山岳と、2級山岳と3級山岳がそれぞれ一つづつ、合わせて5つのカテゴリー山岳が登場するが、大きな破壊力のある登りは無い。第3ステージでチャンスをフイにしてしまったスプリンターチームにとっては最後の機会となるステージだ。
イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)がDNSし、168名となったプロトン。スタート後すぐに始まる3級山岳の登りからアタックが頻発する。この日は山岳賞争いにも注目が集まった。17ポイントで首位につけるトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)に対して3ポイント差で追うクーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ)。デヘントが総合リーダーであるため、山岳ジャージを着続けるボウマンが完全に自分のものとするために積極的にアタックを仕掛けた。
最初の3級山岳こそまとまって越えた集団だが、ほどなく4名の逃げが形成される。逃げに入ったのはボウマン、ディラン・ファンバーレ(オランダ、キャノンデール・ドラパック)、マルコ・ミナード(オランダ、ワンティワンティ・グループグベルト)、ジュリアン・エルファレス(フランス、デルコ・マルセイユKTM)ら。
アルノー・デマールのスプリント勝利を狙うエフデジが牽引する集団はこの逃げを容認。タイム差は最大で5分まで開いていく。逃げ集団では、ボウマンがカテゴリー山岳のKOMを総なめし、山岳ポイントを荒稼ぎ。合計10ポイントを加算し、水玉ジャージを自分のものとすることに成功した。
最後の4級山岳でKOMを獲得したボウマンは逃げ集団からドロップ。サンウェブ、エフデジ、カチューシャ・アルペシンらが集団の前方に立ち最後のスプリントチャンスへ向けて加速するメイン集団は残り20km地点でタイム差を1分に縮め、逃げ切り勝利の可能性を完全に摘み取る構えを見せた。
最後まであきらめず逃げ続けたファンバーレも残り6kmで吸収され、フィニッシュはスプリント勝負に持ち込まれた。集団の先頭に立ったのは、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)擁するカチューシャ・アルペシントレイン。ラスト200mで発射されたクリストフだが、スピードに乗せきれない。
逆サイドから仕掛けたアドリアン・プティ(フランス、ディレクトエネルジー)とフィル・バウハウス(ドイツ、サンウェブ)が伸びを見せる。デマールら追いすがるフレンチスプリンターを振り切り、バウハウスがそのまま先頭でフィニッシュラインを通過した。
「今日は全てが上手くいった。チームのサポートも最高だったし、脚の調子もかなり良かった。ジロでも表彰台に乗ることが出来ていたし、第2ステージでもかなり良いスプリントが出来ていたから、今日は自信を持って勝負できた。今までのキャリアの中で最高の勝利になったけれど、チームの皆が助けてくれたからこそだよ」と、自身初となるワールドツアーでの勝利を飾ったバウハウス。
そして、このステージのもう一人の勝者ともいえるのがボウマンだ。「第2ステージで勝ってから、山岳賞へのモチベーションが大きくなった。僕に自転車競技を教えてくれた師のために、このジャージを獲得したかったんだ。ドーフィネが始まる前は、一度逃げに乗れれば御の字だと思っていたから、こんな成績を収めることが出来て夢のよう。明日はきっと最高の1日になるはずさ。ラルプ・デュエズへのステージでは、もう一度逃げにチャレンジするつもりだ」と山岳リーダーの座を守る意欲を覗かせた。
5日目を迎えたクリテリウム・デュ・ドーフィネ2017の舞台となるのは、ラ・トゥール=デュ=サルヴァニーからマコンへ至る175.5km。3つの4級山岳と、2級山岳と3級山岳がそれぞれ一つづつ、合わせて5つのカテゴリー山岳が登場するが、大きな破壊力のある登りは無い。第3ステージでチャンスをフイにしてしまったスプリンターチームにとっては最後の機会となるステージだ。
イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)がDNSし、168名となったプロトン。スタート後すぐに始まる3級山岳の登りからアタックが頻発する。この日は山岳賞争いにも注目が集まった。17ポイントで首位につけるトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)に対して3ポイント差で追うクーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ)。デヘントが総合リーダーであるため、山岳ジャージを着続けるボウマンが完全に自分のものとするために積極的にアタックを仕掛けた。
最初の3級山岳こそまとまって越えた集団だが、ほどなく4名の逃げが形成される。逃げに入ったのはボウマン、ディラン・ファンバーレ(オランダ、キャノンデール・ドラパック)、マルコ・ミナード(オランダ、ワンティワンティ・グループグベルト)、ジュリアン・エルファレス(フランス、デルコ・マルセイユKTM)ら。
アルノー・デマールのスプリント勝利を狙うエフデジが牽引する集団はこの逃げを容認。タイム差は最大で5分まで開いていく。逃げ集団では、ボウマンがカテゴリー山岳のKOMを総なめし、山岳ポイントを荒稼ぎ。合計10ポイントを加算し、水玉ジャージを自分のものとすることに成功した。
最後の4級山岳でKOMを獲得したボウマンは逃げ集団からドロップ。サンウェブ、エフデジ、カチューシャ・アルペシンらが集団の前方に立ち最後のスプリントチャンスへ向けて加速するメイン集団は残り20km地点でタイム差を1分に縮め、逃げ切り勝利の可能性を完全に摘み取る構えを見せた。
最後まであきらめず逃げ続けたファンバーレも残り6kmで吸収され、フィニッシュはスプリント勝負に持ち込まれた。集団の先頭に立ったのは、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)擁するカチューシャ・アルペシントレイン。ラスト200mで発射されたクリストフだが、スピードに乗せきれない。
逆サイドから仕掛けたアドリアン・プティ(フランス、ディレクトエネルジー)とフィル・バウハウス(ドイツ、サンウェブ)が伸びを見せる。デマールら追いすがるフレンチスプリンターを振り切り、バウハウスがそのまま先頭でフィニッシュラインを通過した。
「今日は全てが上手くいった。チームのサポートも最高だったし、脚の調子もかなり良かった。ジロでも表彰台に乗ることが出来ていたし、第2ステージでもかなり良いスプリントが出来ていたから、今日は自信を持って勝負できた。今までのキャリアの中で最高の勝利になったけれど、チームの皆が助けてくれたからこそだよ」と、自身初となるワールドツアーでの勝利を飾ったバウハウス。
そして、このステージのもう一人の勝者ともいえるのがボウマンだ。「第2ステージで勝ってから、山岳賞へのモチベーションが大きくなった。僕に自転車競技を教えてくれた師のために、このジャージを獲得したかったんだ。ドーフィネが始まる前は、一度逃げに乗れれば御の字だと思っていたから、こんな成績を収めることが出来て夢のよう。明日はきっと最高の1日になるはずさ。ラルプ・デュエズへのステージでは、もう一度逃げにチャレンジするつもりだ」と山岳リーダーの座を守る意欲を覗かせた。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2017第5ステージ
ステージ結果
1位 | フィル・バウハウス(ドイツ、サンウェブ) | 4h04’32” |
2位 | アルノー・デマール(フランス、エフデジ) | |
3位 | ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー) | |
4位 | アドリアン・プティ(フランス、ディレクトエネルジー) | |
5位 | ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) | |
6位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) | |
7位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | |
9位 | エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ) | |
10位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール・ラモンディアール) |
個人総合成績
1位 | トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 17h10’25” |
2位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | +27” |
3位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | +51” |
4位 | スタフ・クレメント(オランダ、ロットNLユンボ) | +55” |
5位 | アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) | +1’02” |
6位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | +1’04” |
7位 | ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシング) | +1’12” |
8位 | ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター) | +1’15” |
9位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | +1’17” |
10位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | +1’22” |
ポイント賞
1位 | アルノー・デマール(フランス、エフデジ) | 59pts |
2位 | フィル・バウハウス(ドイツ、サンウェブ) | 47pts |
3位 | ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー) | 36pts |
山岳賞
1位 | クーン・ボウマン(オランダ、ロットNLユンボ) | 24pts |
2位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) | 19pts |
3位 | ロメン・コンボー(フランス、デルコ・マルセイユKTM) | 6pts |
新人賞
1位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 17h11’42” |
2位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール・ラモンディアール) | +07” |
3位 | サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | +13” |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 51h34'20" |
2位 | BMCレーシング | +05" |
3位 | ロット・ソウダル | +25" |
text:Naoki.Yasuoka
photo:CorVos
photo:CorVos
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