2017/05/30(火) - 13:42
トレックのダウンヒルバイク、SESSIONがフルモデルチェンジを果たした。よりレーシーなジオメトリーを手に入れ、速さを追求したフラッグシップモデルを紹介しよう。
ワールドカップを14大会連続優勝しており、今なお連勝記録を更新し続けるレイチェル・アサートン。世界チャンピオンである彼女をはじめ、トレックファクトリーレーシングに所属するトップダウンヒルライダーたちの走りを支えてきたのが、トレックのフラッグシップDHモデル「SESSION9.9」である。
2012年、トレック初のフルカーボンダウンヒルマシンとして発表されたSESSION9.9。フルカーボンダウンヒルバイクという存在がまだまだ希少だった当時、トレックの誇るOCLVカーボンをダウンヒルバイク用にチューニングした”OCLV MOUNTAIN”を採用し、従来モデルより900gを削減するという圧倒的な軽量性と走行性能によってアーロン・グウィンらと共に多くの勝利を生み出してきた生粋のレーシングバイクである。
2015年には27.5インチホイールへと対応するアップデートを施され、常にダウンヒルレースの最前線を戦い抜いてきたSESSION9.9がフルモデルチェンジを果たした。大きく変更されたのは、ジオメトリーとリアショック、そしてそのリンク方式だ。
レイチェル・アサートンはじめ、トレックファクトリーレーシングのライダーらが次なるSESSIO9.9へ望んだのは、コンマ一秒を争うDHレースにおいて、よりアグレッシブなライディングフォームを実現するジオメトリー。トレックはリーチを長くすることでその要望に応えるとともに、ダウンヒル時の安定感を高めるために、低めのBBハイト、そして「スラッカーヘッドアングル調整機構」をSESSION9.9に与えた。
スラッカーヘッドアングル調整機構とは、新型のヘッドセットによってヘッドアングルを可変できる機構で、出荷時には63度に設定されているヘッドアングルを±1度で調整することが出来る。同時に、マグネシウム製の軽量なEVOリンクとシートステイをつなぐピボットに取り付けられた「Minoリンク」によって、ヘッドアングルは0.5度ずつ変更できるほか、BBハイトも8mmの調整幅を持っている。
そして、もう一つ大きなアップデートが最先端のリアショック、フォックス Float X2 air shockの採用だ。最新のリアショックを組み込むにあたり、トレックのエンジニアはフォックスと共同で最適なチューニングを施すことで、その性能を最大限に引き出している。特に最もサスペンションが機能するミッドストローク領域でのコントロール性は飛躍的に高まった。
そして、Float X2 air shockの採用によって、トレックのフルサスバイクのアイデンティティともいえるフルフローター方式は見送られることとなった。上下の稼働するリンクにショックを固定することで効率的なトラベルを実現していたフルフローターだが、複雑な構造による重量の増加と剛性および強度の低下というデメリットもあった。最新のサスペンションとそのチューニングテクノロジーは、フルフローター方式に迫る理想的なリアホイールの挙動を実現し、よりシンプルなフレームマウントを採用することで、強度・剛性の向上と軽量化を同時に達成しているのだ。
また、遂にダウンヒルレースにも押し寄せてきた29erの波にもいち早く対応する。ホイールの大径化に合わせて細部の設計も変更されている。最も大きな部分はリアショックのトラベル量だろう。210mmストロークの27.5インチモデルに対し、29インチモデルは190mmストロークとされ、それぞれのホイール径に最適な設計がされた。
27.5インチのSession 9.9 DH 27.5 Race Shop Limitedは完成車で用意される一方、29インチモデルはSession 29 Carbon フレームセットのみの販売となる。2017年10月からデリバリーが開始される予定だ。
トレック Session 9.9 DH 27.5 Race Shop Limited
フレーム:OCLV Mountain Carbon main frame & stays, ABP, magnesium EVO Link, E2 tapered head tube, Mino Link, integrated frame protection, Control Freak internal routing, Carbon Armor, ISCG mount, 210mm travel
フロントサスペンション:Fox Factory 40 FIT RC2, air spring, Kashima Coat, hi/lo speed compression, 20mm thru axle, 203mm travel
リアサスペンション:Fox Factory Float X2, high/low speed rebound adjust, high/low speed compression adjust, tuned by Trek Suspension Lab, 225x75mm
ホイール:DT Swiss FR1950 Gravity Classic, 110x20 front, 157x12 rear
タイヤ:Bontrager G4 Team Issue, 27.5x2.35˝
メインコンポーネント:Shimano Saint
価格:920,000円(税抜)
トレック Session 29 Carbon フレームセット
フレーム:OCLV Mountain Carbon main frame & stays, ABP, magnesium EVO Link, E2 tapered head tube, Mino Link, integrated frame protection, Control Freak internal routing, Carbon Armor, ISCG mount, 190mm travel
フロントサスペンション:Fox Factory 40 FIT RC2, air spring, Kashima Coat, hi/lo speed compression, 20mm thru axle, 190mm travel
リアサスペンション:Fox Factory Float X2, high/low speed rebound adjust, high/low speed compression adjust, tuned by Trek Suspension Lab, 225x75mm
価格:649,000円(税抜)
ワールドカップを14大会連続優勝しており、今なお連勝記録を更新し続けるレイチェル・アサートン。世界チャンピオンである彼女をはじめ、トレックファクトリーレーシングに所属するトップダウンヒルライダーたちの走りを支えてきたのが、トレックのフラッグシップDHモデル「SESSION9.9」である。
2012年、トレック初のフルカーボンダウンヒルマシンとして発表されたSESSION9.9。フルカーボンダウンヒルバイクという存在がまだまだ希少だった当時、トレックの誇るOCLVカーボンをダウンヒルバイク用にチューニングした”OCLV MOUNTAIN”を採用し、従来モデルより900gを削減するという圧倒的な軽量性と走行性能によってアーロン・グウィンらと共に多くの勝利を生み出してきた生粋のレーシングバイクである。
2015年には27.5インチホイールへと対応するアップデートを施され、常にダウンヒルレースの最前線を戦い抜いてきたSESSION9.9がフルモデルチェンジを果たした。大きく変更されたのは、ジオメトリーとリアショック、そしてそのリンク方式だ。
レイチェル・アサートンはじめ、トレックファクトリーレーシングのライダーらが次なるSESSIO9.9へ望んだのは、コンマ一秒を争うDHレースにおいて、よりアグレッシブなライディングフォームを実現するジオメトリー。トレックはリーチを長くすることでその要望に応えるとともに、ダウンヒル時の安定感を高めるために、低めのBBハイト、そして「スラッカーヘッドアングル調整機構」をSESSION9.9に与えた。
スラッカーヘッドアングル調整機構とは、新型のヘッドセットによってヘッドアングルを可変できる機構で、出荷時には63度に設定されているヘッドアングルを±1度で調整することが出来る。同時に、マグネシウム製の軽量なEVOリンクとシートステイをつなぐピボットに取り付けられた「Minoリンク」によって、ヘッドアングルは0.5度ずつ変更できるほか、BBハイトも8mmの調整幅を持っている。
そして、もう一つ大きなアップデートが最先端のリアショック、フォックス Float X2 air shockの採用だ。最新のリアショックを組み込むにあたり、トレックのエンジニアはフォックスと共同で最適なチューニングを施すことで、その性能を最大限に引き出している。特に最もサスペンションが機能するミッドストローク領域でのコントロール性は飛躍的に高まった。
そして、Float X2 air shockの採用によって、トレックのフルサスバイクのアイデンティティともいえるフルフローター方式は見送られることとなった。上下の稼働するリンクにショックを固定することで効率的なトラベルを実現していたフルフローターだが、複雑な構造による重量の増加と剛性および強度の低下というデメリットもあった。最新のサスペンションとそのチューニングテクノロジーは、フルフローター方式に迫る理想的なリアホイールの挙動を実現し、よりシンプルなフレームマウントを採用することで、強度・剛性の向上と軽量化を同時に達成しているのだ。
また、遂にダウンヒルレースにも押し寄せてきた29erの波にもいち早く対応する。ホイールの大径化に合わせて細部の設計も変更されている。最も大きな部分はリアショックのトラベル量だろう。210mmストロークの27.5インチモデルに対し、29インチモデルは190mmストロークとされ、それぞれのホイール径に最適な設計がされた。
27.5インチのSession 9.9 DH 27.5 Race Shop Limitedは完成車で用意される一方、29インチモデルはSession 29 Carbon フレームセットのみの販売となる。2017年10月からデリバリーが開始される予定だ。
トレック Session 9.9 DH 27.5 Race Shop Limited
フレーム:OCLV Mountain Carbon main frame & stays, ABP, magnesium EVO Link, E2 tapered head tube, Mino Link, integrated frame protection, Control Freak internal routing, Carbon Armor, ISCG mount, 210mm travel
フロントサスペンション:Fox Factory 40 FIT RC2, air spring, Kashima Coat, hi/lo speed compression, 20mm thru axle, 203mm travel
リアサスペンション:Fox Factory Float X2, high/low speed rebound adjust, high/low speed compression adjust, tuned by Trek Suspension Lab, 225x75mm
ホイール:DT Swiss FR1950 Gravity Classic, 110x20 front, 157x12 rear
タイヤ:Bontrager G4 Team Issue, 27.5x2.35˝
メインコンポーネント:Shimano Saint
価格:920,000円(税抜)
トレック Session 29 Carbon フレームセット
フレーム:OCLV Mountain Carbon main frame & stays, ABP, magnesium EVO Link, E2 tapered head tube, Mino Link, integrated frame protection, Control Freak internal routing, Carbon Armor, ISCG mount, 190mm travel
フロントサスペンション:Fox Factory 40 FIT RC2, air spring, Kashima Coat, hi/lo speed compression, 20mm thru axle, 190mm travel
リアサスペンション:Fox Factory Float X2, high/low speed rebound adjust, high/low speed compression adjust, tuned by Trek Suspension Lab, 225x75mm
価格:649,000円(税抜)
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