2017/05/30(火) - 13:09
ドイツ、アルプシュタットで開催されたUCI MTBワールドカップXCO第2戦。ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムレーシング)が2戦連続勝利を挙げ、元シクロクロス世界王者のマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が2位に入った。
前回の開幕戦から1か月を空け、ドイツのバーデンヴュルテンベルグ州アルプシュタットで開催されたUCI・MTBワールドカップ第2戦。例年W杯カレンダーに取り入れられているアルプシュタットは、追い越し不可能な長いシングルトラックの登り、激しく落ち込むダウンヒルなどが組み合わされた”魅せる”コースが特徴で、コースの両側を大観衆が埋め尽くした。
この日台風の目となったのは、前戦ノヴェームニェスト(チェコ)で90番ゼッケンを付けながら8位に食い込んだ前シクロクロス世界王者のマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)だった。
ファンデルポールは絶対王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムレーシング)が「彼(マテュー)がフロントロースタートだったので若干プレッシャーを感じていた」と警戒する中でホールショットを決め、シューターと共にジュリアン・アブサロン(フランス、BMC・MTBレーシング)やマルコアウレリオ・フォンタナ(イタリア、ビアンキ・カウンターヴェイル)が含まれた2位グループを引き離してスタートラップを完了する。
ダウンヒルでもシューターに引けを取らない、むしろリードするほどのスピードを見せるファンデルポール。ペースが落ち着くと、後方からはマティアス・フルッキガー(スイス、ラドンファクトリーXCチーム)だけが唯一合流し、3名が後続を徐々に引き離していく展開が続いた。
しかし全7周回中の4周目、シューターが刻むハイペースにファンデルポールが脱落。その数分後にフルッキガーも脱落し、ペースが乱れたかダウンヒル区間で激しくクラッシュして戦線離脱(怪我が心配されたがレース復帰)。ここから前戦に続くシューターの独走劇が幕開けた。
力強いペダリングで逃げるシューターには、30秒弱の差で食い下がるファンデルポールも届かない。そのまま独走を続け、ワールドカップ22勝目を挙げてみせた。
シューターが「君はマシーンだ!」と評したファンデルポールは僅か26秒差に入り、ワールドカップの自己ベストを更新。ファンデルポールは5月25日に行われたロードレースのベルギーツアー(UCI2.HC)第2ステージでも勝利しており、その天才ぶりをより濃くすることに。「MTBレースが好きで、今日の結果をとても嬉しく思っている。フロントロースタートだったことがレースを面白くした」と語っており、これからのMTBワールドカップ参戦はまだ未定という。また山本幸平(BHサンツアーKMC)は−1ラップの73位だった。
エリート女子レースは前戦で2位に入った北京五輪金メダリストの大ベテラン、ザビーネ・シュピッツ(ドイツ、ウィアウィスプロチーム)のリードで幕開け、ここに世界王者アニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング)らが続く。
しかしラングヴァドは落車でペースを崩し、後方からヤナ・ベロモイナ(ウクライナ、CSTサンド・アメリカンイーグル)が徐々に追い上げてくる。ベロモイナは2位を走行していたヨーロッパ王者のヨランダ・ネフ(スイス、クロスレーシングチーム)らを捉えると、それまで独走していたポーランド王者のマーヤ・ブロジェゾフスカ(クロスレーシングチーム)を最終周回にキャッチ。勢いそのままに登り区間で引き離し、ゴールまで逃げ切った。
UCI MTBワールドカップ2017第2戦
男子エリート結果
1位 ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムレーシング) 1h33’38”
2位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) +26”
3位 アントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシング) +49”
4位 ダビ・ヴァレロ(スペイン、MMRファクトリーレーシング) +1’00”
5位 マキシム・マロット(フランス、キャノンデールファクトリーレーシングXC) +1’28”
6位 ステファン・テンピエール(フランス、ビアンキ・カウンターヴェイル) +1’56”
7位 ジュリアン・アブサロン(フランス、BMC・MTBレーシング) +2’21”
8位 フロリアン・フォーゲル(スイス、フォーカスXCチーム) +2’28”
9位 マヌエル・フミック(ドイツ、キャノンデールファクトリーレーシングXC) +2’29”
10位 ヤン・スカルニツ(チェコ、スラム・ミタス・トレック) +2’30”
73位 山本幸平(BHサンツアーKMC) -1Lap
女子エリート結果
1位 ヤナ・ベロモイナ(ウクライナ、CSTサンド・アメリカンイーグル) 1h38’25”
2位 マーヤ・ブロジェゾフスカ(クロスレーシングチーム) +16”
3位 ヨランダ・ネフ(スイス、クロスレーシングチーム) +23”
4位 リンダ・インダーガンド(スイス、フォーカスXCチーム) +1’10”
5位 レベッカ・ヘンダーソン(オーストラリア) +1’39”
6位 アレッサンドラ・ケラー(スイス、ラドンファクトリーXCチーム) +2’06”
7位 ザビーネ・シュピッツ(ドイツ、ウィアウィスプロチーム) +3’01”
8位 アデルへイド・モラース(ドイツ) +3’13”
9位 ガンリタ・ダール(ノルウェー、チームメリダ・ガンリタ) +3’40”
10位 エミリー・バティ(カナダ、トレックファクトリーレーシングXC) +3’48”
text:So.Isobe
photo:UCI
前回の開幕戦から1か月を空け、ドイツのバーデンヴュルテンベルグ州アルプシュタットで開催されたUCI・MTBワールドカップ第2戦。例年W杯カレンダーに取り入れられているアルプシュタットは、追い越し不可能な長いシングルトラックの登り、激しく落ち込むダウンヒルなどが組み合わされた”魅せる”コースが特徴で、コースの両側を大観衆が埋め尽くした。
この日台風の目となったのは、前戦ノヴェームニェスト(チェコ)で90番ゼッケンを付けながら8位に食い込んだ前シクロクロス世界王者のマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)だった。
ファンデルポールは絶対王者ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムレーシング)が「彼(マテュー)がフロントロースタートだったので若干プレッシャーを感じていた」と警戒する中でホールショットを決め、シューターと共にジュリアン・アブサロン(フランス、BMC・MTBレーシング)やマルコアウレリオ・フォンタナ(イタリア、ビアンキ・カウンターヴェイル)が含まれた2位グループを引き離してスタートラップを完了する。
ダウンヒルでもシューターに引けを取らない、むしろリードするほどのスピードを見せるファンデルポール。ペースが落ち着くと、後方からはマティアス・フルッキガー(スイス、ラドンファクトリーXCチーム)だけが唯一合流し、3名が後続を徐々に引き離していく展開が続いた。
しかし全7周回中の4周目、シューターが刻むハイペースにファンデルポールが脱落。その数分後にフルッキガーも脱落し、ペースが乱れたかダウンヒル区間で激しくクラッシュして戦線離脱(怪我が心配されたがレース復帰)。ここから前戦に続くシューターの独走劇が幕開けた。
力強いペダリングで逃げるシューターには、30秒弱の差で食い下がるファンデルポールも届かない。そのまま独走を続け、ワールドカップ22勝目を挙げてみせた。
シューターが「君はマシーンだ!」と評したファンデルポールは僅か26秒差に入り、ワールドカップの自己ベストを更新。ファンデルポールは5月25日に行われたロードレースのベルギーツアー(UCI2.HC)第2ステージでも勝利しており、その天才ぶりをより濃くすることに。「MTBレースが好きで、今日の結果をとても嬉しく思っている。フロントロースタートだったことがレースを面白くした」と語っており、これからのMTBワールドカップ参戦はまだ未定という。また山本幸平(BHサンツアーKMC)は−1ラップの73位だった。
エリート女子レースは前戦で2位に入った北京五輪金メダリストの大ベテラン、ザビーネ・シュピッツ(ドイツ、ウィアウィスプロチーム)のリードで幕開け、ここに世界王者アニカ・ラングヴァド(デンマーク、スペシャライズドレーシング)らが続く。
しかしラングヴァドは落車でペースを崩し、後方からヤナ・ベロモイナ(ウクライナ、CSTサンド・アメリカンイーグル)が徐々に追い上げてくる。ベロモイナは2位を走行していたヨーロッパ王者のヨランダ・ネフ(スイス、クロスレーシングチーム)らを捉えると、それまで独走していたポーランド王者のマーヤ・ブロジェゾフスカ(クロスレーシングチーム)を最終周回にキャッチ。勢いそのままに登り区間で引き離し、ゴールまで逃げ切った。
UCI MTBワールドカップ2017第2戦
男子エリート結果
1位 ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムレーシング) 1h33’38”
2位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) +26”
3位 アントン・クーパー(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシング) +49”
4位 ダビ・ヴァレロ(スペイン、MMRファクトリーレーシング) +1’00”
5位 マキシム・マロット(フランス、キャノンデールファクトリーレーシングXC) +1’28”
6位 ステファン・テンピエール(フランス、ビアンキ・カウンターヴェイル) +1’56”
7位 ジュリアン・アブサロン(フランス、BMC・MTBレーシング) +2’21”
8位 フロリアン・フォーゲル(スイス、フォーカスXCチーム) +2’28”
9位 マヌエル・フミック(ドイツ、キャノンデールファクトリーレーシングXC) +2’29”
10位 ヤン・スカルニツ(チェコ、スラム・ミタス・トレック) +2’30”
73位 山本幸平(BHサンツアーKMC) -1Lap
女子エリート結果
1位 ヤナ・ベロモイナ(ウクライナ、CSTサンド・アメリカンイーグル) 1h38’25”
2位 マーヤ・ブロジェゾフスカ(クロスレーシングチーム) +16”
3位 ヨランダ・ネフ(スイス、クロスレーシングチーム) +23”
4位 リンダ・インダーガンド(スイス、フォーカスXCチーム) +1’10”
5位 レベッカ・ヘンダーソン(オーストラリア) +1’39”
6位 アレッサンドラ・ケラー(スイス、ラドンファクトリーXCチーム) +2’06”
7位 ザビーネ・シュピッツ(ドイツ、ウィアウィスプロチーム) +3’01”
8位 アデルへイド・モラース(ドイツ) +3’13”
9位 ガンリタ・ダール(ノルウェー、チームメリダ・ガンリタ) +3’40”
10位 エミリー・バティ(カナダ、トレックファクトリーレーシングXC) +3’48”
text:So.Isobe
photo:UCI
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