2017/05/23(火) - 23:16
ツアー・オブ・ジャパン3日目のいなべステージが行われ、集団ゴールを制したマルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ)が昨日に続きステージ2勝目を挙げた。
ツアー・オブ・ジャパン第3ステージは、三重県北部のいなべ市。昨年は伊勢志摩サミットのため第4ステージに設定されていたが、今年は本来の順番での開催となった。
三岐鉄道北勢線の阿下喜駅前からパレードして1周14.8kmの周回コースを8周半する127km。今年からゴールのいなべ市梅林公園前後の区間が変更になり、残り1km付近から始まる道幅の狭い急坂区間「いなベルグ」が新たに設定された。これによりルール上は登りゴール扱いとなり、タイム差がつく事になった。また、ゴール地点が高台のようになるので、残り数百mを見渡す事が出来るようになった事も大きなポイントだ。
3日目も朝から快晴で暑い1日。それでもゴール地点のいなべ市梅林公園は若干標高が高く風が抜ける場所のため、体感的には暑さが和らぐ感じだ。
パレードを終えて周回コースに入った直後からアタック合戦が始まる。2周目には集団が割れて20人ほどが先行するも、後半の下り区間で後続が追いついてひとつにまとまる。3周目に入る直前、クリス・ハーパー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)が単独で先行。これにフィリップ・マーモス(チーム・ダウナーD&DQアーコン)と、ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)が合流して3人の逃げ集団が形成される。
リーダージャージのマルコ・カノラを擁するNIPPOヴィーニファンティーニは、レース前半は集団コントロールをしないため、逃げ集団とメイン集団の差は最大4分以上まで開く。後半になるとバーレーン・メリダがコントロールに入り、逃げ集団との差を2分まで詰める。
6周目、マーモスが遅れて逃げ集団は2人になったものの、2分前後の差を維持して周回を続ける。7周目入るとNIPPOヴィーニファンティーニが追走を開始し、差を一気に1分ほどまで詰める。逃げ切りを狙ってか、ハーパーがいなベルグの登りでダミアンを切り離して単独先行。ダミアン、その後から集団が追う形で最終周回の8周目に突入していく。
最後の激坂区間で、昨年覇者のオスカル・プジョル(チーム右京)がアタックすると、リーダージャージのカノラがマーク、これに中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)が追いつく。逃げていたモニエとハーパーも合流し5人となるがここからモニエがアタック。下り区間に入って、逃げるモニエ、追う4人そしてメイン集団の構図に。しかしメイン集団は4人を吸収し、そしてラスト5km地点でモニエも吸収してユナイテッドヘルスケア先頭でフィニッシュへ向かう。最後は集団での登りゴール勝負へ持ち込まれた。
ゴール前に集まった観客の前、縦に長くのびた集団の先頭を切って現れたのは、リーダージャージのカノラ。セバスチャン・アエド(ユナイテッドヘルスケア)が迫ったものの、最後は後ろを確認する余裕を見せてゴールラインを越えた。
「今日はチームの全員が素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。最後の局面で集団を強烈に牽引してくれた窪木(一茂)のおかげで勝つ事が出来た。イタリアと日本でチーム一体となって掴めた勝利だった」と、チームの勝利をアピールするカノラ。「最後の登りでプジョルが行ったのを見て、このくらいの登りなら自分でもついて行けると思って行った。そのまま逃げ切る事は出来なかったけれど、チームのおかげで勝てた。明日の美濃はスプリンター向けのステージだけれど、今夜は休んで明日起きてから考える事にするよ。」と、コメントした。
山岳賞は昨日に続き初山翔(ブリヂストンアンカー)が維持。今日も2回設定されていた山岳賞のうち1回目を先頭通過してポイントを加算。2回目はチームメイトのモニエが獲り、2位以下との差を広げるアシスト。「せっかく手にしたジャージは手放したくないし、チームメイトも手伝ってくれて山岳ジャージを守る事が出来ました。東京まではまだ遠いけれど、出来る限り着続けていきたいです。」と、ジャージを守る意思を見せた。
明日の第4ステージは岐阜県美濃市。平坦基調のステージとなるため、山岳系2ステージを終えた選手からは「できれば休みたい」という声も聞かれる。例年通りのスプリンターステージとなるのか、あるいは間隙をついての逃げきりが起きるか?
ツアー・オブ・ジャパン2017第3ステージ いなべ結果
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 3時間11分54秒
2位 セバスチャン・アエド(ユナイテッドヘルスケア) +0秒
3位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)
4位 ロビー・ハッカー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) +2秒
5位 ベンジャミン・プラデス(チーム右京)
6位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ)
7位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
8位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
9位 オスカル・プジョル(チーム右京)
10位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)
個人総合順位
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 5時間59分9秒
2位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京) +15秒
3位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ) +27秒
4位 セバスチャン・アエド(ユナイテッドヘルスケア)
5位 オスカル・プジョル(チーム右京) +30秒
6位 ネイサン・アール(チーム右京)
7位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)
8位 ロビー・ハッカー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)
9位 ベンジャミ・プラデス(チーム右京) +31秒
10位 イヴァン・サンタロミータ(NIPPOヴィーニファンティーニ) +33秒
個人総合新人賞
1位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ) 5時間59分36秒
ポイント賞
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 56p
2位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京) 43p
3位 セバスチャン・アエド(ユナイテッドヘルスケア) 36p
山岳賞
1位 初山翔(ブリヂストンアンカー) 15p
2位 山本大喜(日本ナショナルチーム) 6p
3位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)5p
チーム総合
1位 チーム右京 17時間58分52秒
2位 NIPPOヴィーニファンティーニ +7秒
3位 アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス +14秒
text&photo:Satoru.Kato
ツアー・オブ・ジャパン第3ステージは、三重県北部のいなべ市。昨年は伊勢志摩サミットのため第4ステージに設定されていたが、今年は本来の順番での開催となった。
三岐鉄道北勢線の阿下喜駅前からパレードして1周14.8kmの周回コースを8周半する127km。今年からゴールのいなべ市梅林公園前後の区間が変更になり、残り1km付近から始まる道幅の狭い急坂区間「いなベルグ」が新たに設定された。これによりルール上は登りゴール扱いとなり、タイム差がつく事になった。また、ゴール地点が高台のようになるので、残り数百mを見渡す事が出来るようになった事も大きなポイントだ。
3日目も朝から快晴で暑い1日。それでもゴール地点のいなべ市梅林公園は若干標高が高く風が抜ける場所のため、体感的には暑さが和らぐ感じだ。
パレードを終えて周回コースに入った直後からアタック合戦が始まる。2周目には集団が割れて20人ほどが先行するも、後半の下り区間で後続が追いついてひとつにまとまる。3周目に入る直前、クリス・ハーパー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)が単独で先行。これにフィリップ・マーモス(チーム・ダウナーD&DQアーコン)と、ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)が合流して3人の逃げ集団が形成される。
リーダージャージのマルコ・カノラを擁するNIPPOヴィーニファンティーニは、レース前半は集団コントロールをしないため、逃げ集団とメイン集団の差は最大4分以上まで開く。後半になるとバーレーン・メリダがコントロールに入り、逃げ集団との差を2分まで詰める。
6周目、マーモスが遅れて逃げ集団は2人になったものの、2分前後の差を維持して周回を続ける。7周目入るとNIPPOヴィーニファンティーニが追走を開始し、差を一気に1分ほどまで詰める。逃げ切りを狙ってか、ハーパーがいなベルグの登りでダミアンを切り離して単独先行。ダミアン、その後から集団が追う形で最終周回の8周目に突入していく。
最後の激坂区間で、昨年覇者のオスカル・プジョル(チーム右京)がアタックすると、リーダージャージのカノラがマーク、これに中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)が追いつく。逃げていたモニエとハーパーも合流し5人となるがここからモニエがアタック。下り区間に入って、逃げるモニエ、追う4人そしてメイン集団の構図に。しかしメイン集団は4人を吸収し、そしてラスト5km地点でモニエも吸収してユナイテッドヘルスケア先頭でフィニッシュへ向かう。最後は集団での登りゴール勝負へ持ち込まれた。
ゴール前に集まった観客の前、縦に長くのびた集団の先頭を切って現れたのは、リーダージャージのカノラ。セバスチャン・アエド(ユナイテッドヘルスケア)が迫ったものの、最後は後ろを確認する余裕を見せてゴールラインを越えた。
「今日はチームの全員が素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。最後の局面で集団を強烈に牽引してくれた窪木(一茂)のおかげで勝つ事が出来た。イタリアと日本でチーム一体となって掴めた勝利だった」と、チームの勝利をアピールするカノラ。「最後の登りでプジョルが行ったのを見て、このくらいの登りなら自分でもついて行けると思って行った。そのまま逃げ切る事は出来なかったけれど、チームのおかげで勝てた。明日の美濃はスプリンター向けのステージだけれど、今夜は休んで明日起きてから考える事にするよ。」と、コメントした。
山岳賞は昨日に続き初山翔(ブリヂストンアンカー)が維持。今日も2回設定されていた山岳賞のうち1回目を先頭通過してポイントを加算。2回目はチームメイトのモニエが獲り、2位以下との差を広げるアシスト。「せっかく手にしたジャージは手放したくないし、チームメイトも手伝ってくれて山岳ジャージを守る事が出来ました。東京まではまだ遠いけれど、出来る限り着続けていきたいです。」と、ジャージを守る意思を見せた。
明日の第4ステージは岐阜県美濃市。平坦基調のステージとなるため、山岳系2ステージを終えた選手からは「できれば休みたい」という声も聞かれる。例年通りのスプリンターステージとなるのか、あるいは間隙をついての逃げきりが起きるか?
ツアー・オブ・ジャパン2017第3ステージ いなべ結果
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 3時間11分54秒
2位 セバスチャン・アエド(ユナイテッドヘルスケア) +0秒
3位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)
4位 ロビー・ハッカー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス) +2秒
5位 ベンジャミン・プラデス(チーム右京)
6位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ)
7位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
8位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
9位 オスカル・プジョル(チーム右京)
10位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)
個人総合順位
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 5時間59分9秒
2位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京) +15秒
3位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ) +27秒
4位 セバスチャン・アエド(ユナイテッドヘルスケア)
5位 オスカル・プジョル(チーム右京) +30秒
6位 ネイサン・アール(チーム右京)
7位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)
8位 ロビー・ハッカー(アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス)
9位 ベンジャミ・プラデス(チーム右京) +31秒
10位 イヴァン・サンタロミータ(NIPPOヴィーニファンティーニ) +33秒
個人総合新人賞
1位 イヴァン・ガルシア(バーレーン・メリダ) 5時間59分36秒
ポイント賞
1位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ) 56p
2位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京) 43p
3位 セバスチャン・アエド(ユナイテッドヘルスケア) 36p
山岳賞
1位 初山翔(ブリヂストンアンカー) 15p
2位 山本大喜(日本ナショナルチーム) 6p
3位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)5p
チーム総合
1位 チーム右京 17時間58分52秒
2位 NIPPOヴィーニファンティーニ +7秒
3位 アイソウェイスポーツ・スイスウェルネス +14秒
text&photo:Satoru.Kato
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