2017/05/17(水) - 10:59
トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)の好調さが浮き彫りとなったジロ・デ・イタリア第10ステージの各選手コメントを紹介。総合勢によるコメントで39.8kmの戦いを振り返ります。
マリアローザを獲得したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)
スタート前はあまり良い感触を得ていなかったけれど、結果的にそんなことはなかった。今日は諦めずに自分の持てる力全てを出し尽くして頑張った。ステージ優勝に対しては驚いていないけれど、個人的にはブロックハウスでの走りのほうが調子的には良かったんだ。ベストなTTではないけれど、全く悪くはなかった。特にラスト10kmは向かい風だったので誰もが苦しんだだろう。ここまで総合タイム差を稼ぐことができるとは思っていなかった。
大きなアドバンテージを得て山岳ステージに向かうのは気が楽だけれど、昨年のブエルタのように1日で全てを失ってしまう可能性だって大いにあり得る。まだまだ先は長く、タフなステージがいくつも控えているので一切気を抜くことはできない。
総合2位に落ちたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
良い感触を得ていたのに予想以上にタイムを失ってしまった。風が強かったこともその理由の一つだが、チームとして予想していた通りかそれ以上にデュムランのパフォーマンスが素晴らしかった。今日の結果は彼がファンタスティックなTTスペシャリストだと証明するものであり、登りの強さも明確にした。マリアローザ争いをする上で現時点で最大のライバルだ。ニーバリも強いし、並みいる強豪勢も総合力が高い。全員の動きに注意を払っていかなければならない。
今日の結果をもとにここからの数日間でマリアローザを奪還するプランを練っていくつもりだ。総合リーダーの座を失う時はいつだって精神的にタフだが、僕はこの先に希望を見出しているよ。チームは強力で、僕自身も好調だ。これからの山岳ステージ全てで攻撃していくつもりだ。
ステージ2位、ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
戦えるコンディションにあると分かってラッキー。今日は全力走した時に身体がどう動くかチェックすることが目標だったんだ。まだ肩は痛むけれど脚の状態は最高。今日の結果を嬉しく思っている。今日は母国イギリスのファンだけではなくて、イタリア、スペイン人ファンからの声援をもらうことができてすごく励みになった。
1日1日を確実にこなして、向こう3日間程度で痛みが治まるだろうと思っている。明日もスーパーハードなステージになるだろうが、その後2日間は平坦ステージだ。そこで出来るだけ回復したい。タスク山盛りだが状況をよく見極めていきたい。
ステージ3位、マリアビアンカを着用したボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
タフなTTだったけれど、表彰台に上ることができて嬉しい。ファンタスティックだ。昨日下見を行った時にはそこまで風がなかったが今日は違った。風による影響を考えながら走る必要があったんだ。序盤はかなり速いテンポで突っ込んだけれど、それが後半に響いてしまったかもしれない。
結果的に見ればコンディションは好調で、ブロックハウスで大きく遅れたのは単なるバッドデイだったと言える。リアルな総合争いはまだ始まったばかり。僕の目標はトップ10入りすること。マリアビアンカを手に入れたことも素晴らしいが、まだ自分は成長段階ということを自分自身に言い聞かせている。
ステージ4位のルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)
先週、二回の逃げで示したように調子は上がってきている。今日のタイムトライアルは僕の脚質にピッタリのコースだったから、ベストを尽くした。最初の平坦区間ではかなり追い込んだ。続く登り区間はもっとプッシュしていった(笑)。かなり良いタイムを出せたと走り終わった時点で分かったよ。
ホットシートにいるというのはとてもいい気分だった。でも、3人の本当に強いライバル達が僕の記録を抜いていったね。彼らの勝利を祝福するよ。明日のステージも良い走りが出来る自信があるよ。脚の調子はかなり良いからね。ジロはまだまだこれからだから、チャンスがあればトライし続けていくさ。
ステージ10位、総合3位に浮上したバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
全てを出し切ったよ、喉がとても痛む。40kmを全力で踏み続けるタイムトライアルはシーズンを通してあまり走る機会がない。ずっとエアロポジションで、休める区間が少ないコースだった。10位という結果は妥当だと思っている。デュムランとの差は予想していたよりも大きかったけれど、他の総合系ライダーと比較しても、かなりいい結果を残すことが出来たと思っている。
最後の区間は僕にとってかなり厳しいレイアウトだった。スタートした時点ではそこまで難しくはないと思ってが、実際には最後の10kmで20秒程度失っているはずだ。向かい風が強くて、ペースを維持することが出来なかった。とても苦しい10kmだったよ。ただ、スタートから中盤までは良いペースだったし、テクニカルな面ではかなり上出来なタイムトライアルだったと思っているよ。
ステージ19位、総合4位に落ちたティボー・ピノ(フランス、エフデジ)
下見の段階では自分向きだと思っていたが、休息日でリズムが狂ってしまったのか、いつもとは違ってバイクと身体の動きがちぐはぐに感じた。良くない1日だった。
ステージ6位、総合5位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
特にキンタナに対してタイムを戻すことができた良いステージだった。終始ハイペースを刻む必要があったが、ペーシングも悪くなかった。非常にチャレンジングな明日の山岳に向けて脚を休めていきたい。
ステージ20位、総合10位のステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)
今日は結果としては何も残すことが出来なかったけれど、とにかく全力で走ったことだけは確かだ。とにかく持てる力は全て吐き出したけれど、最高に良い状態ではなかったね。今日のコースは、僕には不向きだったと思う。今年のジロは野望と希望をもってスタートしたんだ。今週中に調子を取り戻して、最終週には最高の状態で臨みたい。
text:So.Isobe&Naoki.Yasuoka
マリアローザを獲得したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)
スタート前はあまり良い感触を得ていなかったけれど、結果的にそんなことはなかった。今日は諦めずに自分の持てる力全てを出し尽くして頑張った。ステージ優勝に対しては驚いていないけれど、個人的にはブロックハウスでの走りのほうが調子的には良かったんだ。ベストなTTではないけれど、全く悪くはなかった。特にラスト10kmは向かい風だったので誰もが苦しんだだろう。ここまで総合タイム差を稼ぐことができるとは思っていなかった。
大きなアドバンテージを得て山岳ステージに向かうのは気が楽だけれど、昨年のブエルタのように1日で全てを失ってしまう可能性だって大いにあり得る。まだまだ先は長く、タフなステージがいくつも控えているので一切気を抜くことはできない。
総合2位に落ちたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
良い感触を得ていたのに予想以上にタイムを失ってしまった。風が強かったこともその理由の一つだが、チームとして予想していた通りかそれ以上にデュムランのパフォーマンスが素晴らしかった。今日の結果は彼がファンタスティックなTTスペシャリストだと証明するものであり、登りの強さも明確にした。マリアローザ争いをする上で現時点で最大のライバルだ。ニーバリも強いし、並みいる強豪勢も総合力が高い。全員の動きに注意を払っていかなければならない。
今日の結果をもとにここからの数日間でマリアローザを奪還するプランを練っていくつもりだ。総合リーダーの座を失う時はいつだって精神的にタフだが、僕はこの先に希望を見出しているよ。チームは強力で、僕自身も好調だ。これからの山岳ステージ全てで攻撃していくつもりだ。
ステージ2位、ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
戦えるコンディションにあると分かってラッキー。今日は全力走した時に身体がどう動くかチェックすることが目標だったんだ。まだ肩は痛むけれど脚の状態は最高。今日の結果を嬉しく思っている。今日は母国イギリスのファンだけではなくて、イタリア、スペイン人ファンからの声援をもらうことができてすごく励みになった。
1日1日を確実にこなして、向こう3日間程度で痛みが治まるだろうと思っている。明日もスーパーハードなステージになるだろうが、その後2日間は平坦ステージだ。そこで出来るだけ回復したい。タスク山盛りだが状況をよく見極めていきたい。
ステージ3位、マリアビアンカを着用したボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
タフなTTだったけれど、表彰台に上ることができて嬉しい。ファンタスティックだ。昨日下見を行った時にはそこまで風がなかったが今日は違った。風による影響を考えながら走る必要があったんだ。序盤はかなり速いテンポで突っ込んだけれど、それが後半に響いてしまったかもしれない。
結果的に見ればコンディションは好調で、ブロックハウスで大きく遅れたのは単なるバッドデイだったと言える。リアルな総合争いはまだ始まったばかり。僕の目標はトップ10入りすること。マリアビアンカを手に入れたことも素晴らしいが、まだ自分は成長段階ということを自分自身に言い聞かせている。
ステージ4位のルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)
先週、二回の逃げで示したように調子は上がってきている。今日のタイムトライアルは僕の脚質にピッタリのコースだったから、ベストを尽くした。最初の平坦区間ではかなり追い込んだ。続く登り区間はもっとプッシュしていった(笑)。かなり良いタイムを出せたと走り終わった時点で分かったよ。
ホットシートにいるというのはとてもいい気分だった。でも、3人の本当に強いライバル達が僕の記録を抜いていったね。彼らの勝利を祝福するよ。明日のステージも良い走りが出来る自信があるよ。脚の調子はかなり良いからね。ジロはまだまだこれからだから、チャンスがあればトライし続けていくさ。
ステージ10位、総合3位に浮上したバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
全てを出し切ったよ、喉がとても痛む。40kmを全力で踏み続けるタイムトライアルはシーズンを通してあまり走る機会がない。ずっとエアロポジションで、休める区間が少ないコースだった。10位という結果は妥当だと思っている。デュムランとの差は予想していたよりも大きかったけれど、他の総合系ライダーと比較しても、かなりいい結果を残すことが出来たと思っている。
最後の区間は僕にとってかなり厳しいレイアウトだった。スタートした時点ではそこまで難しくはないと思ってが、実際には最後の10kmで20秒程度失っているはずだ。向かい風が強くて、ペースを維持することが出来なかった。とても苦しい10kmだったよ。ただ、スタートから中盤までは良いペースだったし、テクニカルな面ではかなり上出来なタイムトライアルだったと思っているよ。
ステージ19位、総合4位に落ちたティボー・ピノ(フランス、エフデジ)
下見の段階では自分向きだと思っていたが、休息日でリズムが狂ってしまったのか、いつもとは違ってバイクと身体の動きがちぐはぐに感じた。良くない1日だった。
ステージ6位、総合5位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
特にキンタナに対してタイムを戻すことができた良いステージだった。終始ハイペースを刻む必要があったが、ペーシングも悪くなかった。非常にチャレンジングな明日の山岳に向けて脚を休めていきたい。
ステージ20位、総合10位のステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ)
今日は結果としては何も残すことが出来なかったけれど、とにかく全力で走ったことだけは確かだ。とにかく持てる力は全て吐き出したけれど、最高に良い状態ではなかったね。今日のコースは、僕には不向きだったと思う。今年のジロは野望と希望をもってスタートしたんだ。今週中に調子を取り戻して、最終週には最高の状態で臨みたい。
text:So.Isobe&Naoki.Yasuoka
Amazon.co.jp