2017/05/14(日) - 18:32
「全米最大級のステージレース」、ツアー・オブ・カリフォルニアが間もなく開幕する。相性の良い世界王者ペテル・サガンを筆頭に、豪華スプリンターが揃う第12大会をプレビューしていきたい。
2006年に初回大会が開催され、今年12回目を迎える北米最大級のステージレース、アムジェン・ツアー・オブ・カリフォルニア(通称ATOC)が開幕した。ジロ・デ・イタリアと同時期ながら例年多くのUCIワールドツアーチームが参加し、その多くがエース級の選手を参加させることで毎年注目を集めているレースだ。
今年からUCIワールドツアーへと昇格したカリフォルニア。2017年の新規レースに限って出場するか否かはチームの判断に委ねられているため、エントリーしたUCIワールドチームの数は12。その脇をユナイテッドヘルスケアやラリーサイクリングなどアメリカンチームが固めている。
日本よりも広大な土地面積を誇るカリフォルニア州を駆け抜ける本レースの会期は昨年から1ステージ減の7日間。今年は州北部のサクラメントからサンノゼ、サンタバーバラ、オンタリオと一路南下するレイアウトが組まれており、総合争いの上での難易度は若干下がっていると言って良い。
クイーンステージは5日目、2年ぶりに登場する頂上フィニッシュ「マウント・バルディ」。ステージ距離こそ125.5kmと短いが、中盤から1級山岳グレンドラ〜マウントバルディと連続しているため、およそ43kmもの距離を登り続けることになる。マウントバルディで抜け出し、翌日の個人TTでリードを守りきった選手が総合優勝を射止めることになる。
集団スプリントが見込まれているのは第1、第3、第4、第7ステージ。サンノゼにフィニッシュする第2ステージはフィニッシュ直前にパンチャー向けの登りが用意されており、総合勢はここでタイムを失わないことがキーポイントになってくるだろう。
ツアー・オブ・カリフォルニア2017テージリスト
5月14日 第1ステージ サクラメント~サクラメント 167.5km
5月15日 第2ステージ モデスト〜サンノゼ 143km
5月16日 第3ステージ ピズモビーチ〜モロ・ベイ 192.5km
5月17日 第4ステージ サンタバーバラ〜サンタクラリタ 159.5km
5月18日 第5ステージ オンタリオ〜マウント・バルディ 125.5km(山頂フィニッシュ)
5月19日 第6ステージ ビッグベアー・レイク〜ビッグベアー・レイク 24km(個人TT)
5月20日 第7ステージ マウンテン・ハイ〜パサデナ 125km
ディフェンディングチャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)は出場しないが、一昨年にアラフィリップとの激しい攻防戦の末、ボーナスタイムで総合優勝に輝いた世界王者、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)は兄ユライを引き連れ7年連続となる出場。これまで15勝を飾っており、「今年は総合を狙っているわけではないけれど、レースを楽しみたい」と士気も高い様子。
平坦ステージが多いことからスプリンターの布陣が豪華そのものだ。トレンティン&サバティーニというリードアウト職人を味方につけるマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)を筆頭に、エッシュボルン・フランクフルトで勝利したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)、オムニアム金メダリストエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)、アメリカチームの威信を背負うジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)など、グランツールさながら。
総合系ではイアン・ボズウェル(アメリカ)を主軸に、ダビ・ロペス(スペイン)やピーター・ケニャック(イギリス)を揃えるチームスカイが強力だ。ポーランド王者のラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)や、アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)、ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)らが揃う。BMCレーシングとトレック・セガフレードはそれぞれサミュエル・サンチェスとアイマル・スベルディアのベテランスペイン人がエースを務める予定だ。
また、昨年大会での積極的な走りが目立ちワールドツアーチーム入りしたグレゴリー・ダニエル(アメリカ、トレック・セガフレード)はナショナルチャンピオンジャージを着用して凱旋する。ツール・ド・ランカウイ総合4位のダニエル・ハラミーリョ(コロンビア)はユナイテッドヘルスケアの山岳エースとして臨む。他にラリーサイクリングは選手一人一人にデザインの異なる特別ペイントバイクを手渡しており、機材的にも注目したいところだ。
text:So.Isobe
2006年に初回大会が開催され、今年12回目を迎える北米最大級のステージレース、アムジェン・ツアー・オブ・カリフォルニア(通称ATOC)が開幕した。ジロ・デ・イタリアと同時期ながら例年多くのUCIワールドツアーチームが参加し、その多くがエース級の選手を参加させることで毎年注目を集めているレースだ。
今年からUCIワールドツアーへと昇格したカリフォルニア。2017年の新規レースに限って出場するか否かはチームの判断に委ねられているため、エントリーしたUCIワールドチームの数は12。その脇をユナイテッドヘルスケアやラリーサイクリングなどアメリカンチームが固めている。
日本よりも広大な土地面積を誇るカリフォルニア州を駆け抜ける本レースの会期は昨年から1ステージ減の7日間。今年は州北部のサクラメントからサンノゼ、サンタバーバラ、オンタリオと一路南下するレイアウトが組まれており、総合争いの上での難易度は若干下がっていると言って良い。
クイーンステージは5日目、2年ぶりに登場する頂上フィニッシュ「マウント・バルディ」。ステージ距離こそ125.5kmと短いが、中盤から1級山岳グレンドラ〜マウントバルディと連続しているため、およそ43kmもの距離を登り続けることになる。マウントバルディで抜け出し、翌日の個人TTでリードを守りきった選手が総合優勝を射止めることになる。
集団スプリントが見込まれているのは第1、第3、第4、第7ステージ。サンノゼにフィニッシュする第2ステージはフィニッシュ直前にパンチャー向けの登りが用意されており、総合勢はここでタイムを失わないことがキーポイントになってくるだろう。
ツアー・オブ・カリフォルニア2017テージリスト
5月14日 第1ステージ サクラメント~サクラメント 167.5km
5月15日 第2ステージ モデスト〜サンノゼ 143km
5月16日 第3ステージ ピズモビーチ〜モロ・ベイ 192.5km
5月17日 第4ステージ サンタバーバラ〜サンタクラリタ 159.5km
5月18日 第5ステージ オンタリオ〜マウント・バルディ 125.5km(山頂フィニッシュ)
5月19日 第6ステージ ビッグベアー・レイク〜ビッグベアー・レイク 24km(個人TT)
5月20日 第7ステージ マウンテン・ハイ〜パサデナ 125km
ディフェンディングチャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)は出場しないが、一昨年にアラフィリップとの激しい攻防戦の末、ボーナスタイムで総合優勝に輝いた世界王者、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)は兄ユライを引き連れ7年連続となる出場。これまで15勝を飾っており、「今年は総合を狙っているわけではないけれど、レースを楽しみたい」と士気も高い様子。
平坦ステージが多いことからスプリンターの布陣が豪華そのものだ。トレンティン&サバティーニというリードアウト職人を味方につけるマルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)を筆頭に、エッシュボルン・フランクフルトで勝利したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)、オムニアム金メダリストエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)、アメリカチームの威信を背負うジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)など、グランツールさながら。
総合系ではイアン・ボズウェル(アメリカ)を主軸に、ダビ・ロペス(スペイン)やピーター・ケニャック(イギリス)を揃えるチームスカイが強力だ。ポーランド王者のラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)や、アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック)、ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)らが揃う。BMCレーシングとトレック・セガフレードはそれぞれサミュエル・サンチェスとアイマル・スベルディアのベテランスペイン人がエースを務める予定だ。
また、昨年大会での積極的な走りが目立ちワールドツアーチーム入りしたグレゴリー・ダニエル(アメリカ、トレック・セガフレード)はナショナルチャンピオンジャージを着用して凱旋する。ツール・ド・ランカウイ総合4位のダニエル・ハラミーリョ(コロンビア)はユナイテッドヘルスケアの山岳エースとして臨む。他にラリーサイクリングは選手一人一人にデザインの異なる特別ペイントバイクを手渡しており、機材的にも注目したいところだ。
text:So.Isobe
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