2017/04/30(日) - 17:59
カテゴリー山岳が立て続けに現れるツール・ド・ロマンディ2017の第4ステージ。総合成績を決定づけるクイーンステージは、リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)との一騎打ちをサイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)が制し、総合首位を獲得した。
ツール・ド・ロマンディ第4ステージは、ドンディディエからレザンに至る距離163.5kmのコース。この日は、レース後半にかけて1級ヤウンパス、2級ザーネンモーザー、1級コル・デュ・ピヨンという山岳を駆け抜けた後、1級レザンの山頂でフィニッシュするクイーンステージだ。
この日もロマンディは天候に恵まれ、太陽の光が降り注ぐなかレースはスタートする。アタックの打ち合いの末、28km地点でプロトンから先行することができたのはトーマス・デヘント、トッシュ・ヴァンデルサンド、山岳賞ジャージを確定させたいサンデル・アルメというロット・ソウダルのベルジャン3人衆と、山岳賞上位選手のミカエル・シュレル(フランス、アージェードゥーゼール・ラモンディアール)、サイモン・クラーク(オーストラリア、キャノンデール・ドラパック)ら8名。
後方のプロトンをまず率いたのはマイヨジョーヌを着用するファビオ・フェリーネ(イタリア)擁するトレック・セガフレード。そして、クリストファー・フルーム(イギリス)の総合優勝を目指すチームスカイも牽引する場面もあり、3分から4分の間でタイム差をキープしながらレースを進める。
プロトンがヤウンパス山頂に達する頃にはタイム差は2分半近くまで縮小し、集団からブリッジをかけようとする選手も。続くザーネンモーザーの登りでは、ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)、アレクシー・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール・ラモンディアール)、ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット)、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEアブダビ)ら6名の選手がプロトンから先行。
総合上位のアルバジーニやウリッシらがプロトンから抜け出したことで、フェリーネの成績を守るためトレック・セガフレードがタイム差のコントロールを再開。ほどなくしてBMCレーシングもリッチー・ポート(オーストラリア)のため集団の牽引に加わることに。
さらにコル・デュ・ピヨンの山頂手前で、この日のステージと総合を攻防が、イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)によって幕を開ける。ザカリンのアタックはポートとフルームによって封じられるが、サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)は集団からの抜け出しに成功し、先行する選手たちを吸収した勢いのまま、レザン山頂に向けて突き進む。
イェーツを含む逃げ集団を捕まえるべくホン・イサギレ擁するバーレーン・メリダが、フルームが脱落するほど強力にスピードアップを図る。イェーツら逃げ集団に追いつくことができたのはポート、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)ら少数精鋭たち。
しかし、逃げを捉えた後も積極的に攻撃を仕掛けるポートに食らいつくことができたのはイェーツのみ。「ポートに追いつかれた時は、すでに体力の限界だった」と話すイェーツはポートの後ろにピタリと付ける。イェーツが残り50mでポートをかわし、先頭でフィニッシュラインを通過した。「最後の1kmは風が強く吹き付けておりポートの後ろにつくことができたおかげで、パワーをセーブできた。今日は勝つことができて本当に嬉しいよ。」とイェーツは語る。
プロローグからマイヨジョーヌを着続けたフェリーネが、トップから52秒後方のメイン集団でフィニッシュしたため、マイヨジョーヌはイェーツの手に。「僕はTTスペシャリストじゃないけど、全力を尽くすつもりだ」と総合優勝を狙うイェーツはコメントする。
新城幸也は5分40秒でフィニッシュ。「今日は逃げに乗るべく動いたが、30kmに及ぶアタック合戦の末乗る事は出来なかった。その後はいつも通りにイサギレのサポートにまわりました。逃げに乗るのにアタック合戦して、上りで千切れては復帰してをして1日中苦しんだが、ここまで追い込めたのは調子が良い証拠。急に参加が決まったレースだったが、走って良かった。」とチームユキヤ通信で語る。フェリーネのサポートに回った別府史之はトップ通過から22分23秒後にレザンに到着した。
ツール・ド・ロマンディ2017第4ステージ
1位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 4h10’03”
2位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
3位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +30”
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) +43”
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) +52”
6位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
7位 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
8位 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAEチームエミレーツ)
9位 ダミアン・ホーソン(オーストラリア、オリカ・スコット)
10位 ダヴィ・ゴデュ(フランス、エフデジ)
67位 新城幸也(バーレーン・メリダ) +5’40"
104位 別府史之(トレック・セガフレード) +22’23”
個人総合成績
1位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 16h50”35”
2位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) +19”
3位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +38”
4位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) +44”
5位 ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター) +52”
6位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +53”
7位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +56”
8位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
9位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) +58”
10位 ダミアン・ホーソン(オーストラリア、オリカ・スコット) +59”
ポイント賞
1位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 66pts
2位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) 58pts
3位 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 50pts
山岳賞
1位 サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル) 67pts
2位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 50pts
3位 ミカエル・シェレル(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)22pts
ヤングライダー賞
1位 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)16h51”47”
2位 ダヴィ・ゴデュ(フランス、エフデジ) +01”
3位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) +04”
チーム総合成績
1位 オリカ・スコット 50h33’45”
2位 モビスター +57”
3位 UAEチームエミレーツ +1’23”
text:Gakuto.Fujiwara
ツール・ド・ロマンディ第4ステージは、ドンディディエからレザンに至る距離163.5kmのコース。この日は、レース後半にかけて1級ヤウンパス、2級ザーネンモーザー、1級コル・デュ・ピヨンという山岳を駆け抜けた後、1級レザンの山頂でフィニッシュするクイーンステージだ。
この日もロマンディは天候に恵まれ、太陽の光が降り注ぐなかレースはスタートする。アタックの打ち合いの末、28km地点でプロトンから先行することができたのはトーマス・デヘント、トッシュ・ヴァンデルサンド、山岳賞ジャージを確定させたいサンデル・アルメというロット・ソウダルのベルジャン3人衆と、山岳賞上位選手のミカエル・シュレル(フランス、アージェードゥーゼール・ラモンディアール)、サイモン・クラーク(オーストラリア、キャノンデール・ドラパック)ら8名。
後方のプロトンをまず率いたのはマイヨジョーヌを着用するファビオ・フェリーネ(イタリア)擁するトレック・セガフレード。そして、クリストファー・フルーム(イギリス)の総合優勝を目指すチームスカイも牽引する場面もあり、3分から4分の間でタイム差をキープしながらレースを進める。
プロトンがヤウンパス山頂に達する頃にはタイム差は2分半近くまで縮小し、集団からブリッジをかけようとする選手も。続くザーネンモーザーの登りでは、ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)、アレクシー・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール・ラモンディアール)、ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット)、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEアブダビ)ら6名の選手がプロトンから先行。
総合上位のアルバジーニやウリッシらがプロトンから抜け出したことで、フェリーネの成績を守るためトレック・セガフレードがタイム差のコントロールを再開。ほどなくしてBMCレーシングもリッチー・ポート(オーストラリア)のため集団の牽引に加わることに。
さらにコル・デュ・ピヨンの山頂手前で、この日のステージと総合を攻防が、イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)によって幕を開ける。ザカリンのアタックはポートとフルームによって封じられるが、サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)は集団からの抜け出しに成功し、先行する選手たちを吸収した勢いのまま、レザン山頂に向けて突き進む。
イェーツを含む逃げ集団を捕まえるべくホン・イサギレ擁するバーレーン・メリダが、フルームが脱落するほど強力にスピードアップを図る。イェーツら逃げ集団に追いつくことができたのはポート、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)ら少数精鋭たち。
しかし、逃げを捉えた後も積極的に攻撃を仕掛けるポートに食らいつくことができたのはイェーツのみ。「ポートに追いつかれた時は、すでに体力の限界だった」と話すイェーツはポートの後ろにピタリと付ける。イェーツが残り50mでポートをかわし、先頭でフィニッシュラインを通過した。「最後の1kmは風が強く吹き付けておりポートの後ろにつくことができたおかげで、パワーをセーブできた。今日は勝つことができて本当に嬉しいよ。」とイェーツは語る。
プロローグからマイヨジョーヌを着続けたフェリーネが、トップから52秒後方のメイン集団でフィニッシュしたため、マイヨジョーヌはイェーツの手に。「僕はTTスペシャリストじゃないけど、全力を尽くすつもりだ」と総合優勝を狙うイェーツはコメントする。
新城幸也は5分40秒でフィニッシュ。「今日は逃げに乗るべく動いたが、30kmに及ぶアタック合戦の末乗る事は出来なかった。その後はいつも通りにイサギレのサポートにまわりました。逃げに乗るのにアタック合戦して、上りで千切れては復帰してをして1日中苦しんだが、ここまで追い込めたのは調子が良い証拠。急に参加が決まったレースだったが、走って良かった。」とチームユキヤ通信で語る。フェリーネのサポートに回った別府史之はトップ通過から22分23秒後にレザンに到着した。
ツール・ド・ロマンディ2017第4ステージ
1位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 4h10’03”
2位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
3位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +30”
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) +43”
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) +52”
6位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
7位 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
8位 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAEチームエミレーツ)
9位 ダミアン・ホーソン(オーストラリア、オリカ・スコット)
10位 ダヴィ・ゴデュ(フランス、エフデジ)
67位 新城幸也(バーレーン・メリダ) +5’40"
104位 別府史之(トレック・セガフレード) +22’23”
個人総合成績
1位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 16h50”35”
2位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) +19”
3位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +38”
4位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) +44”
5位 ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター) +52”
6位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +53”
7位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +56”
8位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
9位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) +58”
10位 ダミアン・ホーソン(オーストラリア、オリカ・スコット) +59”
ポイント賞
1位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 66pts
2位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) 58pts
3位 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 50pts
山岳賞
1位 サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル) 67pts
2位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 50pts
3位 ミカエル・シェレル(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)22pts
ヤングライダー賞
1位 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)16h51”47”
2位 ダヴィ・ゴデュ(フランス、エフデジ) +01”
3位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) +04”
チーム総合成績
1位 オリカ・スコット 50h33’45”
2位 モビスター +57”
3位 UAEチームエミレーツ +1’23”
text:Gakuto.Fujiwara
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