2017/04/24(月) - 01:43
Jプロツアー第4戦の東日本ロードクラシック群馬大会Day-2は、ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が、終盤単独で逃げ切って優勝。同チームの土井雪広が2位に続き、マトリックスパワータグがワン・ツーフィニッシュを達成した。女子は残り500mで逃げを捉えた福田咲枝(フィッツ)が優勝した。
群馬サイクルスポーツセンター(以下、群馬CSC)でのJプロツアー2連戦。第4戦となるDay-2は、6kmサーキットを22周・132kmのロードレースだ。朝方は0℃近くまで冷え込んだ群馬CSC周辺では、時折小雪がちらつく寒さ。P1クラスタがスタートした正午頃までにはよく晴れたものの、前日に続き強めの冷たい風が吹き続き、じっとしているには冬の服装が必要なほどの寒さの中でのレースとなった。
スタート直後に7人の逃げ集団が形成され、メイン集団との差は20秒まで開く。この逃げは3周目までに吸収され、その後しばらくの間はアタック合戦が続く。中切れにより一時20人ほどが先行する場面もあったが、1周とかからずに集団はひとつにまとまる。
7周目、ハイスピードで長く伸びた集団から、入部正太朗(シマノレーシング)、椿大志(キナンサイクリングチーム・以下キナン)の2人が抜け出す。メイン集団に残ったキナンのメンバーが集団にフタをして2人を見送ったため、差は一気に2分まで開く。
8周目、逃げとメイン集団との差が3分まで開いたところで、メイン集団から新たに8人が抜け出して追走集団を形成する。メンバーは、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、西村大輝、秋田拓磨(シマノレーシング)、原田裕成(愛三工業レーシングチーム)、吉岡直哉(那須ブラーゼン)、野中竜馬、阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム)。逃げる2人と追走8人との差は2分前後で推移する一方、逃げ集団とメイン集団との差は最大で4分近くまで開く。
12周目、逃げ集団と追走集団との差が縮まりはじめ、13周目に追走集団が追いつく。この直後に阿部が遅れ、逃げ集団は9人となる。メイン集団との差は1分30秒まで詰まるものの、早いタイミングでの吸収を嫌ってかその後ペースダウン。16周目には再び2分以上まで開いて、レースは終盤へ突入していく。
18周目、マトリックスパワータグが集団コントロールを開始すると、逃げ集団との差はみるみる縮まりはじめる。19周目、逃げ集団から椿、阿曽が遅れて7人になると、差は30秒前後まで縮まる。タイム差が告げられた逃げ集団では、このまま行きたい者と下がりたい者とで分かれ、ローテーションが乱れて集団が崩壊。それでも、西村、野中、安原の3人が最後まで抵抗するが、20周目に吸収され、集団はひとつにまとまる。
残り2周となる21周目、下り区間に入ったところでホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が単独アタック。メイン集団に20秒の差をつけて最終周回へ突入していく。湊諒(シマノレーシング)が追走するが、土井雪広(マトリックスパワータグ)がチェック。その後土井は湊を振り切ってビセンテに続く。
ビセンテは独走で2周を逃げ切ってゴール。土井が2位に入ってマトリックスパワータグがワン・ツーフィニッシュを達成した。3位争いとなったメイン集団の先頭は大前翔が獲り、東京ヴェントスにJプロツアー初表彰台をもたらした。
ビセンテは、「残り2周の逃げはチャレンジだった。タイム差がついているのはわかっていたけれど、土井さんがすぐ後ろにいたし、集団が追ってきているので、残り200mまでは勝利を確信できなかった。昨年の広島以来の勝利なので、とても嬉しいよ。」と、コメント。
ビセンテの最後のアタックのきっかけを作った土井は、「残り2周に入ったところのストレートでちょっと流して先行したらホセもついてきて、5人が少し先行する形になりました。ペースが少し緩んだところでホセに『行け』と指示して先行させ、あとは後ろの展開を見ながら湊と行けるところまで行きました。今日は(吉田)隼人1本で行くと勝てないので、違う方法を試しました。」と、今日の勝負所を振り返った。
P1結果
1位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) 3時間23分39秒
2位 土井雪広(マトリックスパワータグ) +9秒
3位 大前翔(東京ヴェントス) +31秒
4位 小森亮平(愛三工業レーシングチーム) +35秒
5位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
6位 中田拓也(インタープロ・サイクリングアカデミー)
7位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
8位 中里仁(群馬グリフィン・レーシングチーム)
9位 木村圭祐(シマノレーシング)
10位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
Fクラスタ 福田咲枝が残り500mで樫木祥子を抜いて逆転優勝
女子のFクラスタは4周24km。1周目に前日優勝の唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、樫木祥子(AVENTURA AIKO VICTORIA RACING)、福田咲枝(フィッツ)、大堀博美(YOKOSUKA UNO RACING)の4人が先行する。最終周回に入ったところで、樫木がアタック。後続に20秒ほどの差をつけたまま残り1kmを過ぎる。しかし追走する福田が残り500mで樫木を抜き去り、トップでゴールラインを越えた。
「樫木さんの前に出た後は後ろを振り返らずにゴールを目指しました。」という福田。その言葉通り、ゴール後に振り返って、後方にいる樫木を確認した。「昨日も今日も勝ちを狙っていたので、今日勝てて良かったです。差が広がりすぎないように最後の登りとゴールまでで追いつけるだけの差を意識し続けました。実業団のレースではなかなか勝てなくて、昨日の反省も踏まえて今日は絶対に勝ちたかったので、本当に嬉しいです。」と、実業団レース初優勝の喜びを語った。
一方、「行けたと思ったんですけどね。」と言う樫木。「唐見さんが強いのはわかっていたので、福田さん達と一緒にやっつける方法を考えてました。最終周回の登りまで一緒に来たら逃がしてくれないだろうと思って、1周前で飛び出したら決まりました。タイム差がついたのでそのまま踏んで行ったのですが、最後に福田さんが追ってきてびっくりしました。残念でしたけれど、『ロードレース』は出来たかな、と。また力勝負が出来るように、もっと強くなります。」と、結果よりも内容のあるレースができた事を自己評価した。
Fクラスタ(女子) 結果
1位 福田咲枝(フィッツ) 42分59秒
2位 樫木祥子(AVENTURA AIKO VICTORIA RACING) +4秒
3位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) +16秒
4位 大堀博美(YOKOSUKA UNO RACING) +35秒
5位 伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE) +1分30秒
6位 福本千佳(Live GARDEN BICI STELLE)
<その他結果>
Y(ユース・30km)
1位 鴨下拓弥(スミタ・エイダイ。パールイズミラバネロ) 47分55秒
2位 鳥倉必勝(チーム・ウォークライド) +0秒
3位 福田圭晃(横浜高校自転車競技部)
4位 赤荻秀弥(弱虫ペダルサイクリングチーム)
5位 津田悠義(EQADS)
6位 中井康太(ボンシャンス)
E1(36km)
1位 高橋利尚(チームウォークライド) 54分48秒
2位 渡邉正光(LinkTOHOKU) +2秒
3位 嶌田義明(TEAM YOU CAN) +3秒
4位 辻本尚希(AVENTURA AIKO VICTORIA RACING)
5位 寺崎武郎(バルバレーシングクラブ)
6位 半澤雄高(LinkTOHOKU)
E2(24km)
1位 新村 穣(CS SLINGER) 38分26秒
2位 天春雄也(MAX SPEED 97) +0秒
3位 永吉篤弥(DESTRA)
4位 松尾修作(Roppongi Express)
5位 小野寺望(VENTOS FRECCIA)
6位 榊原俊介(SPADE・ACE)
E3 1組(18km)
1位 半田子竜(ブラウ・ブリッツェン) 29分4秒
2位 上西宏治(オッティモ・JMSDF下総) +0秒
3位 藤川 凌(FM730)
4位 井手貴士(サイタマサイクルプロジェクト)
5位 長谷川祐介(MIVRO)
6位 本田将矢(ブラウブリッツェン) +1秒
E3 2組(18km)
1位 福吉紳悟(YOKOSUKA UNO RACING) 28分47秒
2位 松井大輝(ウィンディー筑波) +0秒
3位 羽上田明彦(アーティーファクトレーシングチーム)
4位 齋藤健太朗(チームウォークライド)
5位 神戸 駿(TRC PANAMAREDS)
6位 飯島康友(Honda栃木JET)
text&photo:Satoru.Kato
群馬サイクルスポーツセンター(以下、群馬CSC)でのJプロツアー2連戦。第4戦となるDay-2は、6kmサーキットを22周・132kmのロードレースだ。朝方は0℃近くまで冷え込んだ群馬CSC周辺では、時折小雪がちらつく寒さ。P1クラスタがスタートした正午頃までにはよく晴れたものの、前日に続き強めの冷たい風が吹き続き、じっとしているには冬の服装が必要なほどの寒さの中でのレースとなった。
スタート直後に7人の逃げ集団が形成され、メイン集団との差は20秒まで開く。この逃げは3周目までに吸収され、その後しばらくの間はアタック合戦が続く。中切れにより一時20人ほどが先行する場面もあったが、1周とかからずに集団はひとつにまとまる。
7周目、ハイスピードで長く伸びた集団から、入部正太朗(シマノレーシング)、椿大志(キナンサイクリングチーム・以下キナン)の2人が抜け出す。メイン集団に残ったキナンのメンバーが集団にフタをして2人を見送ったため、差は一気に2分まで開く。
8周目、逃げとメイン集団との差が3分まで開いたところで、メイン集団から新たに8人が抜け出して追走集団を形成する。メンバーは、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、西村大輝、秋田拓磨(シマノレーシング)、原田裕成(愛三工業レーシングチーム)、吉岡直哉(那須ブラーゼン)、野中竜馬、阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム)。逃げる2人と追走8人との差は2分前後で推移する一方、逃げ集団とメイン集団との差は最大で4分近くまで開く。
12周目、逃げ集団と追走集団との差が縮まりはじめ、13周目に追走集団が追いつく。この直後に阿部が遅れ、逃げ集団は9人となる。メイン集団との差は1分30秒まで詰まるものの、早いタイミングでの吸収を嫌ってかその後ペースダウン。16周目には再び2分以上まで開いて、レースは終盤へ突入していく。
18周目、マトリックスパワータグが集団コントロールを開始すると、逃げ集団との差はみるみる縮まりはじめる。19周目、逃げ集団から椿、阿曽が遅れて7人になると、差は30秒前後まで縮まる。タイム差が告げられた逃げ集団では、このまま行きたい者と下がりたい者とで分かれ、ローテーションが乱れて集団が崩壊。それでも、西村、野中、安原の3人が最後まで抵抗するが、20周目に吸収され、集団はひとつにまとまる。
残り2周となる21周目、下り区間に入ったところでホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)が単独アタック。メイン集団に20秒の差をつけて最終周回へ突入していく。湊諒(シマノレーシング)が追走するが、土井雪広(マトリックスパワータグ)がチェック。その後土井は湊を振り切ってビセンテに続く。
ビセンテは独走で2周を逃げ切ってゴール。土井が2位に入ってマトリックスパワータグがワン・ツーフィニッシュを達成した。3位争いとなったメイン集団の先頭は大前翔が獲り、東京ヴェントスにJプロツアー初表彰台をもたらした。
ビセンテは、「残り2周の逃げはチャレンジだった。タイム差がついているのはわかっていたけれど、土井さんがすぐ後ろにいたし、集団が追ってきているので、残り200mまでは勝利を確信できなかった。昨年の広島以来の勝利なので、とても嬉しいよ。」と、コメント。
ビセンテの最後のアタックのきっかけを作った土井は、「残り2周に入ったところのストレートでちょっと流して先行したらホセもついてきて、5人が少し先行する形になりました。ペースが少し緩んだところでホセに『行け』と指示して先行させ、あとは後ろの展開を見ながら湊と行けるところまで行きました。今日は(吉田)隼人1本で行くと勝てないので、違う方法を試しました。」と、今日の勝負所を振り返った。
P1結果
1位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) 3時間23分39秒
2位 土井雪広(マトリックスパワータグ) +9秒
3位 大前翔(東京ヴェントス) +31秒
4位 小森亮平(愛三工業レーシングチーム) +35秒
5位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
6位 中田拓也(インタープロ・サイクリングアカデミー)
7位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
8位 中里仁(群馬グリフィン・レーシングチーム)
9位 木村圭祐(シマノレーシング)
10位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
Fクラスタ 福田咲枝が残り500mで樫木祥子を抜いて逆転優勝
女子のFクラスタは4周24km。1周目に前日優勝の唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、樫木祥子(AVENTURA AIKO VICTORIA RACING)、福田咲枝(フィッツ)、大堀博美(YOKOSUKA UNO RACING)の4人が先行する。最終周回に入ったところで、樫木がアタック。後続に20秒ほどの差をつけたまま残り1kmを過ぎる。しかし追走する福田が残り500mで樫木を抜き去り、トップでゴールラインを越えた。
「樫木さんの前に出た後は後ろを振り返らずにゴールを目指しました。」という福田。その言葉通り、ゴール後に振り返って、後方にいる樫木を確認した。「昨日も今日も勝ちを狙っていたので、今日勝てて良かったです。差が広がりすぎないように最後の登りとゴールまでで追いつけるだけの差を意識し続けました。実業団のレースではなかなか勝てなくて、昨日の反省も踏まえて今日は絶対に勝ちたかったので、本当に嬉しいです。」と、実業団レース初優勝の喜びを語った。
一方、「行けたと思ったんですけどね。」と言う樫木。「唐見さんが強いのはわかっていたので、福田さん達と一緒にやっつける方法を考えてました。最終周回の登りまで一緒に来たら逃がしてくれないだろうと思って、1周前で飛び出したら決まりました。タイム差がついたのでそのまま踏んで行ったのですが、最後に福田さんが追ってきてびっくりしました。残念でしたけれど、『ロードレース』は出来たかな、と。また力勝負が出来るように、もっと強くなります。」と、結果よりも内容のあるレースができた事を自己評価した。
Fクラスタ(女子) 結果
1位 福田咲枝(フィッツ) 42分59秒
2位 樫木祥子(AVENTURA AIKO VICTORIA RACING) +4秒
3位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) +16秒
4位 大堀博美(YOKOSUKA UNO RACING) +35秒
5位 伊藤杏菜(Live GARDEN BICI STELLE) +1分30秒
6位 福本千佳(Live GARDEN BICI STELLE)
<その他結果>
Y(ユース・30km)
1位 鴨下拓弥(スミタ・エイダイ。パールイズミラバネロ) 47分55秒
2位 鳥倉必勝(チーム・ウォークライド) +0秒
3位 福田圭晃(横浜高校自転車競技部)
4位 赤荻秀弥(弱虫ペダルサイクリングチーム)
5位 津田悠義(EQADS)
6位 中井康太(ボンシャンス)
E1(36km)
1位 高橋利尚(チームウォークライド) 54分48秒
2位 渡邉正光(LinkTOHOKU) +2秒
3位 嶌田義明(TEAM YOU CAN) +3秒
4位 辻本尚希(AVENTURA AIKO VICTORIA RACING)
5位 寺崎武郎(バルバレーシングクラブ)
6位 半澤雄高(LinkTOHOKU)
E2(24km)
1位 新村 穣(CS SLINGER) 38分26秒
2位 天春雄也(MAX SPEED 97) +0秒
3位 永吉篤弥(DESTRA)
4位 松尾修作(Roppongi Express)
5位 小野寺望(VENTOS FRECCIA)
6位 榊原俊介(SPADE・ACE)
E3 1組(18km)
1位 半田子竜(ブラウ・ブリッツェン) 29分4秒
2位 上西宏治(オッティモ・JMSDF下総) +0秒
3位 藤川 凌(FM730)
4位 井手貴士(サイタマサイクルプロジェクト)
5位 長谷川祐介(MIVRO)
6位 本田将矢(ブラウブリッツェン) +1秒
E3 2組(18km)
1位 福吉紳悟(YOKOSUKA UNO RACING) 28分47秒
2位 松井大輝(ウィンディー筑波) +0秒
3位 羽上田明彦(アーティーファクトレーシングチーム)
4位 齋藤健太朗(チームウォークライド)
5位 神戸 駿(TRC PANAMAREDS)
6位 飯島康友(Honda栃木JET)
text&photo:Satoru.Kato
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