2009/03/06(金) - 09:26
3月8日から15日までの8日間、フランスで第67回パリ〜ニースが開催される。今年からUCIヒストリカルレースの1つに数えられる初春の名物ステージレース。2007年に総合優勝したアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)が、2年ぶりにリーダージャージ争いに帰ってくる。
パリ近郊から地中海沿岸のニースまでの1254km
「太陽のレース(La Course au Soliel)」の異名を持つパリ〜ニース。フランス中部、花の都パリの南100kmに位置するアミイーをスタートし、温暖な太陽を求めて地中海沿いのニースまで南下する。総走行距離1254km、8日間のステージレースだ。ツール・ド・フランスと同じASO(アモリー・スポーツ・オーガニゼーション)が主催し、今年で開催67回目を迎える。
昨年は主催者ASOとUCI(国際自転車競技連盟)の闘争によってプロツアーを脱し、フランスのナショナルレースとして開催された。しかし今年はASOとUCIが歩み寄りを見せ、事態はひとまず収拾。パリ〜ニースは新設UCIワールドカレンダーの一部に組み込まれ、UCIヒストリカルレースとして開催される。
平坦コースで行なわれる初日の9.3km個人タイムトライアルは、距離の長さからプロローグではなく第1ステージとしてカウントされる。低難易度の山岳ポイントが設定されたスプリンター向きの平坦ステージをこなしながら、レースは南下を続ける。
総合争いは後半の山岳4ステージで決する。本格的な山岳が登場する第5ステージは今大会最長の204kmで、1級から3級までの山岳ポイントが計7つ登場する。しかしこれは翌日の頂上ゴールへの足慣らしに過ぎない。1級山岳ラ・モンターニュ・ド・リュール(距離13.8km・平均6.6%)にゴールする第6ステージで、総合成績はシャッフルがかけられるだろう。
地中海に近づく第7ステージは、実に10個もの山岳ポイントが登場する。後半にかけて2級と3級の山岳が断続的に登場し、最後は3級山岳ファイアンス(距離2.1km・平均5%)を駆け上がってゴールとなる。
最終第8ステージは全長119kmと短いが、登場する3つの山岳(ポルト峠、ラ・トゥルビ峠、エズ峠)はいずれもカテゴリー1級。最終日に大逆転が起こる可能性もある。締めくくりはニースに至るハイスピードダウンヒルだ。
コンタドールを中心とした総合争い
2007年の最終ステージで逃げ切りを成功させ、僅差でダヴィデ・レベッリン(イタリア、当時ゲロルシュタイナー)との総合争いを制したコンタドール。当時からステージレーサーの原石として注目を集めていたが、まさか24歳のコンタドールが同年ツール・ド・フランスを制覇するとは想像できなかった。
あれから2年が経過。グランツール(ジロ、ツール、ブエルタ)をすべて制覇したコンタドールは、26歳にして世界最強のステージレーサーの称号を得ている。昨年はアスタナがレースに招待されなかったためパリ〜ニースを欠場したが、今年は問題なく出場が決定した。
コンタドールはシーズン序盤から好調さを見せており、2月のヴォルタ・アオ・アルガルヴェ(UCI2.1)で総合優勝。アスタナは昨年総合3位のヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)やアイマル・スベルディア(スペイン)らを送り込み、コンタドールを万全の体制でバックアップする。
「北のクラシック」を狙う選手がベルギーのセミクラシックに集結する一方で、3日遅れて開催されるティレーノ〜アドリアティコと双璧を成すパリ〜ニースには、グランツールに照準を合わすステージレーサーがこぞって参加する。
2年連続でスペイン人選手に破れてツール総合2位に甘んじているカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)も出場。昨年は序盤の平坦ステージで遅れたため総合争いから脱落したが、モンヴァントゥー(の中腹)にゴールする難関山岳ステージを制して存在感を示した。今年こそ総合上位に絡んでくるだろう。
ツアー・オブ・カリフォルニア最終ステージを制したフランク・シュレク(ルクセンブルク)はサクソバンクのエースとして参戦。苦手とする個人TTの距離が短いため、充分シュレクに優勝のチャンスはある。2005年大会プロローグ制覇&総合4位のイェンス・フォイクト(ドイツ)とともに総合上位を目指す。
昨年驚きの総合2位に入ったリナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)も、カリフォルニアで逃げ切ってステージ優勝を飾った。地元フランスチームだけに、アージェードゥーゼルは1軍クラスのタディ・ヴァリャベッチ(スロベニア)やニコラス・ロッシュ(アイルランド)らをレースに送り込む。
昨年逃げ切りステージ優勝を飾ったカルロス・バレード(スペイン)とシルヴァン・シャヴァネル(フランス)の2人は、クイックステップのチームメイトとしてレースに挑む。両者は昨年総合8位と総合9位であり、総合上位入賞も狙ってくるだろう。
地元フランスチームを率いるトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)やダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)、クリストフ・モロー(フランス、アグリチュベル)らは当然モチヴェーションが高いハズ。
2年連続のステージ優勝を狙うルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)は、同時に総合5位からのジャンプアップも視野に入れる。スペイン勢としてはサムエル・サンチェス(エウスカルテル)やホセアンヘル・ゴメスマルチャンテ(サーヴェロ)も有力候補だ。
他にもピエトロ・カウッキオーリ(イタリア、ランプレ)やロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)、マキシム・モンフォール(ベルギー、チームコロンビア)、フォーテン兄弟(ドイツ、ミルラム)らが総合上位入賞を狙って出場する。
平坦ステージが少ないため、有力スプリンターはそれほど多く出場しない。ヘルト・ステーグマン(ベルギー、カチューシャ)やハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)らが序盤ステージの貴重なチャンスを狙ってくるだろう。
昨年山岳賞を獲得するなど活躍したスキル・シマノは2年連続の出場。残念ながら日本人選手はメンバー入りを逃した。シリル・ルモワンヌ(フランス)とジョナタン・イヴェール(フランス)の元クレディアグリコルコンビがチームを率いる。
パリ近郊から地中海沿岸のニースまでの1254km
「太陽のレース(La Course au Soliel)」の異名を持つパリ〜ニース。フランス中部、花の都パリの南100kmに位置するアミイーをスタートし、温暖な太陽を求めて地中海沿いのニースまで南下する。総走行距離1254km、8日間のステージレースだ。ツール・ド・フランスと同じASO(アモリー・スポーツ・オーガニゼーション)が主催し、今年で開催67回目を迎える。
昨年は主催者ASOとUCI(国際自転車競技連盟)の闘争によってプロツアーを脱し、フランスのナショナルレースとして開催された。しかし今年はASOとUCIが歩み寄りを見せ、事態はひとまず収拾。パリ〜ニースは新設UCIワールドカレンダーの一部に組み込まれ、UCIヒストリカルレースとして開催される。
平坦コースで行なわれる初日の9.3km個人タイムトライアルは、距離の長さからプロローグではなく第1ステージとしてカウントされる。低難易度の山岳ポイントが設定されたスプリンター向きの平坦ステージをこなしながら、レースは南下を続ける。
総合争いは後半の山岳4ステージで決する。本格的な山岳が登場する第5ステージは今大会最長の204kmで、1級から3級までの山岳ポイントが計7つ登場する。しかしこれは翌日の頂上ゴールへの足慣らしに過ぎない。1級山岳ラ・モンターニュ・ド・リュール(距離13.8km・平均6.6%)にゴールする第6ステージで、総合成績はシャッフルがかけられるだろう。
地中海に近づく第7ステージは、実に10個もの山岳ポイントが登場する。後半にかけて2級と3級の山岳が断続的に登場し、最後は3級山岳ファイアンス(距離2.1km・平均5%)を駆け上がってゴールとなる。
最終第8ステージは全長119kmと短いが、登場する3つの山岳(ポルト峠、ラ・トゥルビ峠、エズ峠)はいずれもカテゴリー1級。最終日に大逆転が起こる可能性もある。締めくくりはニースに至るハイスピードダウンヒルだ。
コンタドールを中心とした総合争い
2007年の最終ステージで逃げ切りを成功させ、僅差でダヴィデ・レベッリン(イタリア、当時ゲロルシュタイナー)との総合争いを制したコンタドール。当時からステージレーサーの原石として注目を集めていたが、まさか24歳のコンタドールが同年ツール・ド・フランスを制覇するとは想像できなかった。
あれから2年が経過。グランツール(ジロ、ツール、ブエルタ)をすべて制覇したコンタドールは、26歳にして世界最強のステージレーサーの称号を得ている。昨年はアスタナがレースに招待されなかったためパリ〜ニースを欠場したが、今年は問題なく出場が決定した。
コンタドールはシーズン序盤から好調さを見せており、2月のヴォルタ・アオ・アルガルヴェ(UCI2.1)で総合優勝。アスタナは昨年総合3位のヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)やアイマル・スベルディア(スペイン)らを送り込み、コンタドールを万全の体制でバックアップする。
「北のクラシック」を狙う選手がベルギーのセミクラシックに集結する一方で、3日遅れて開催されるティレーノ〜アドリアティコと双璧を成すパリ〜ニースには、グランツールに照準を合わすステージレーサーがこぞって参加する。
2年連続でスペイン人選手に破れてツール総合2位に甘んじているカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)も出場。昨年は序盤の平坦ステージで遅れたため総合争いから脱落したが、モンヴァントゥー(の中腹)にゴールする難関山岳ステージを制して存在感を示した。今年こそ総合上位に絡んでくるだろう。
ツアー・オブ・カリフォルニア最終ステージを制したフランク・シュレク(ルクセンブルク)はサクソバンクのエースとして参戦。苦手とする個人TTの距離が短いため、充分シュレクに優勝のチャンスはある。2005年大会プロローグ制覇&総合4位のイェンス・フォイクト(ドイツ)とともに総合上位を目指す。
昨年驚きの総合2位に入ったリナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)も、カリフォルニアで逃げ切ってステージ優勝を飾った。地元フランスチームだけに、アージェードゥーゼルは1軍クラスのタディ・ヴァリャベッチ(スロベニア)やニコラス・ロッシュ(アイルランド)らをレースに送り込む。
昨年逃げ切りステージ優勝を飾ったカルロス・バレード(スペイン)とシルヴァン・シャヴァネル(フランス)の2人は、クイックステップのチームメイトとしてレースに挑む。両者は昨年総合8位と総合9位であり、総合上位入賞も狙ってくるだろう。
地元フランスチームを率いるトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)やダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)、クリストフ・モロー(フランス、アグリチュベル)らは当然モチヴェーションが高いハズ。
2年連続のステージ優勝を狙うルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)は、同時に総合5位からのジャンプアップも視野に入れる。スペイン勢としてはサムエル・サンチェス(エウスカルテル)やホセアンヘル・ゴメスマルチャンテ(サーヴェロ)も有力候補だ。
他にもピエトロ・カウッキオーリ(イタリア、ランプレ)やロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)、マキシム・モンフォール(ベルギー、チームコロンビア)、フォーテン兄弟(ドイツ、ミルラム)らが総合上位入賞を狙って出場する。
平坦ステージが少ないため、有力スプリンターはそれほど多く出場しない。ヘルト・ステーグマン(ベルギー、カチューシャ)やハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)らが序盤ステージの貴重なチャンスを狙ってくるだろう。
昨年山岳賞を獲得するなど活躍したスキル・シマノは2年連続の出場。残念ながら日本人選手はメンバー入りを逃した。シリル・ルモワンヌ(フランス)とジョナタン・イヴェール(フランス)の元クレディアグリコルコンビがチームを率いる。