2017/02/12(日) - 19:27
2013年世界選手権銅メダルの肩書きは伊達ではなかった。「砂が得意でレースが楽しみだった」と語るルーシー・シェネル(フランス、クロスチームバイG4)が女子エリートレースを制圧した。
シーズン最後の大一番、男女エリートレースが行われるシクロクロス東京2日目も、前日に引き続き晴天に恵まれた。午後からは冬を思わせる冷たい風が吹き付けたものの、太陽のおかげで肌を刺すような寒さには繋がらず。ルクセンブルクでの世界選手権での負傷を踏まえ、全日本王者の坂口聖香(パナソニックレディース)は大事をとりDNSを選択した。
12時45分、女子エリートレースのスタートを告げる号砲と共に、海外招待選手を含む25名が前日よりも若干走りやすくなった砂区間を目がけコースへと飛び出した。
スタートの混乱の中で優勝候補筆頭のルーシー・シェネル(フランス、クロスチームバイG4)が出足をくじかれ、「もともとお台場は得意ではないので、最初から思いっきり行った」と言う今井美穂がリードを得て1周回を完了。エミリー・カチョレック(アメリカ、スクウィッドバイクス)と、砂の処理が光る武田和佳(Liv)がここに続いた。
しかしその後ろからは、段違いのスピードで猛然とシェネルが追い上げ、2周目中盤には先頭に躍り出る。そこから彼女の一人舞台が幕を開けた。
砂浜上での力強さはもちろんのこと、「入念に下見した」という林間区間でも一人アグレッシブなラインを選び、7分フラットというC1選手並みのラップタイムを刻んでいくシェネル。過去にフランスチャンピオンや世界選手権銅メダル、そして今年の世界選手権で18位に入ったという経歴は伊達ではなかった。
後続ではスタート直後の落車に巻き込まれ15番手ほどに落ちながら、「自分でもびっくりするくらい速く走れた」と言う砂浜ランニングでポジションを回復したサミ・ルーネルズ(アメリカ、スクウィッドバイクス)が武田を捉えて2位に浮上。その後もポジションを守り続ける経歴不詳のサミの走りに会場はどよめいた。
季節の逆転にオーストラリア勢が苦しむ中、中盤からじわりとポジションを上げたのは唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)だった。スタート直後の砂区間に手間取った唐見だが、以降の砂区間はランニングを多用して武田をパスし3位へと浮上。淡々とペースを刻み、2位を走るサミとの間隔を詰めていった。
「砂がとてもタフだったけれど、自分向きなので楽しんで走ることができた」というシェネルは、最終周回に女子で唯一ラップタイムを6分台に入れる圧倒的な走りで勝利。元フランス王者を表すフレンチトリコロールを巻いた腕が高く突きあがった。
「最高のコースとオーガナイズ、観客たちの中で良い走りができて本当にハッピー。数あるレースの勝利のなかでも格別な勝利」と語るシェネルは「多くの声援がパワーになったし、とても嬉しかった」とファンへの感謝をコメントする。
2位は唐見の追い上げから13秒逃げ切ったサミ。普段アメリカでシクロクロスを始め、ピストバイクでのクリテリウム、MTBクロスカントリーなどを走っているという24歳は「自分でも表彰台に上がれるなんて本当にびっくり。初めての日本のレースなのでとても嬉しい」と言う。
4位には持ちこたえる走りでカチョレックが入り、5位は「展開を考えながら走ることができたので、とても楽しかった」と言う武田。ナオミ・ウィリアムズ(オーストラリア、チームウィリーロック)が6位に続いた。
シクロクロス東京2017女子エリート結果
1位 ルーシー・シェネル(フランス、クロスチームバイG4) 35’26”
2位 サミ・ルーネルズ(アメリカ、スクウィッドバイクス) +43”
3位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) +56”
4位 エミリー・カチョレック(アメリカ、スクウィッドバイクス) +1’37”
5位 武田和佳(Liv) +1’59”
6位 ナオミ・ウィリアムズ(オーストラリア、チームウィリーロック) +2’50”
7位 今井美穂 +2’59”
8位 福本千佳(Live GARDEN Bici Stelle) +3’09”
9位 レベッカ・ロック(オーストラリア、チームウィリーロック) +3’35”
10位 西山みゆき(東洋フレーム) +4’12”
text:So.Isobe
photo:Kei.Tsuji.Makoto.Ayano
シーズン最後の大一番、男女エリートレースが行われるシクロクロス東京2日目も、前日に引き続き晴天に恵まれた。午後からは冬を思わせる冷たい風が吹き付けたものの、太陽のおかげで肌を刺すような寒さには繋がらず。ルクセンブルクでの世界選手権での負傷を踏まえ、全日本王者の坂口聖香(パナソニックレディース)は大事をとりDNSを選択した。
12時45分、女子エリートレースのスタートを告げる号砲と共に、海外招待選手を含む25名が前日よりも若干走りやすくなった砂区間を目がけコースへと飛び出した。
スタートの混乱の中で優勝候補筆頭のルーシー・シェネル(フランス、クロスチームバイG4)が出足をくじかれ、「もともとお台場は得意ではないので、最初から思いっきり行った」と言う今井美穂がリードを得て1周回を完了。エミリー・カチョレック(アメリカ、スクウィッドバイクス)と、砂の処理が光る武田和佳(Liv)がここに続いた。
しかしその後ろからは、段違いのスピードで猛然とシェネルが追い上げ、2周目中盤には先頭に躍り出る。そこから彼女の一人舞台が幕を開けた。
砂浜上での力強さはもちろんのこと、「入念に下見した」という林間区間でも一人アグレッシブなラインを選び、7分フラットというC1選手並みのラップタイムを刻んでいくシェネル。過去にフランスチャンピオンや世界選手権銅メダル、そして今年の世界選手権で18位に入ったという経歴は伊達ではなかった。
後続ではスタート直後の落車に巻き込まれ15番手ほどに落ちながら、「自分でもびっくりするくらい速く走れた」と言う砂浜ランニングでポジションを回復したサミ・ルーネルズ(アメリカ、スクウィッドバイクス)が武田を捉えて2位に浮上。その後もポジションを守り続ける経歴不詳のサミの走りに会場はどよめいた。
季節の逆転にオーストラリア勢が苦しむ中、中盤からじわりとポジションを上げたのは唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)だった。スタート直後の砂区間に手間取った唐見だが、以降の砂区間はランニングを多用して武田をパスし3位へと浮上。淡々とペースを刻み、2位を走るサミとの間隔を詰めていった。
「砂がとてもタフだったけれど、自分向きなので楽しんで走ることができた」というシェネルは、最終周回に女子で唯一ラップタイムを6分台に入れる圧倒的な走りで勝利。元フランス王者を表すフレンチトリコロールを巻いた腕が高く突きあがった。
「最高のコースとオーガナイズ、観客たちの中で良い走りができて本当にハッピー。数あるレースの勝利のなかでも格別な勝利」と語るシェネルは「多くの声援がパワーになったし、とても嬉しかった」とファンへの感謝をコメントする。
2位は唐見の追い上げから13秒逃げ切ったサミ。普段アメリカでシクロクロスを始め、ピストバイクでのクリテリウム、MTBクロスカントリーなどを走っているという24歳は「自分でも表彰台に上がれるなんて本当にびっくり。初めての日本のレースなのでとても嬉しい」と言う。
4位には持ちこたえる走りでカチョレックが入り、5位は「展開を考えながら走ることができたので、とても楽しかった」と言う武田。ナオミ・ウィリアムズ(オーストラリア、チームウィリーロック)が6位に続いた。
シクロクロス東京2017女子エリート結果
1位 ルーシー・シェネル(フランス、クロスチームバイG4) 35’26”
2位 サミ・ルーネルズ(アメリカ、スクウィッドバイクス) +43”
3位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) +56”
4位 エミリー・カチョレック(アメリカ、スクウィッドバイクス) +1’37”
5位 武田和佳(Liv) +1’59”
6位 ナオミ・ウィリアムズ(オーストラリア、チームウィリーロック) +2’50”
7位 今井美穂 +2’59”
8位 福本千佳(Live GARDEN Bici Stelle) +3’09”
9位 レベッカ・ロック(オーストラリア、チームウィリーロック) +3’35”
10位 西山みゆき(東洋フレーム) +4’12”
text:So.Isobe
photo:Kei.Tsuji.Makoto.Ayano
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