2017/02/11(土) - 20:53
好天に恵まれたお台場海浜公園で6回目となるシクロクロス東京が幕を開けた。初日はC1からC4、マスターズなどが開催され、多くのシクロクロッサーがお台場の砂と戯れた。大会の模様をダイジェストレポート。
前日に関東各地を白く染め上げた雪雲はどこかへ飛び去り、シクロクロス東京初日を迎えたお台場海浜公園は朝から絶好の晴天に包まれた。
朝の試走段階こそ硬く締まっていたお台場(正しくは神津島)の砂だったが、プログラムの進行と共に掘り返されて乗車を困難なものに。普段地中に埋まっている部分は水分を含んでいるため、一度ストップしてしまうと再乗車は(エリートレーサーを除いて)難しい。前走者が刻んだ轍をいかにトレースできるかがコース攻略の鍵であり、シクロクロス東京の醍醐味だ。
今年の砂区間は比較的ストレートが多かったため、下位カテゴリーでも長い砂浜区間を乗りきっていく姿がちらほらと。試走時間には翌日のエリートレースに出場する選手数名が下見がてら異次元の走りを披露し、ギャラリーからは感嘆のため息が漏れた。
この日は招待選手のジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアレーシング)とスティーブ・シェネル(フランス、クロスチームバイG4)がそれぞれスキルアップ講習会を開いたことも話題。ちなみにシェネルの講習会にはこの日C1レースで優勝することになる竹内遼の姿も。
過去最高となる7000人が押しかけた会場では、主催者のチャンピオンシステム・ジャパンをはじめとする各ブランドのブース、「本場」スタイルを届けるビールやフリッツなどの飲食ブースが立ち並び、新製品の展示や招待選手のファンサービス、テストコースでのバイク試乗には多くの人だかりができていた。まだまだ国内のシクロクロスブームは衰えを知らないようだ。
3レースに分かれて150名以上が出走したC4カテゴリーで幕開けたシクロクロス東京初日。注目を集めたのは今年から追加された「サンドスイッチエンデューロ」。自転車無しのランニングを織り交ぜながら選手交代して走るこの新種目では、必勝態勢で臨んだMilePost BMC Racingが好ダッシュでスタート。しかし徐々に失速してしまい、SNEL CYCLOCROSS TEAM(向山浩司&藤田拓海)と砂おぶらお(南島康一&古野祐一)が激しくデッドヒート。
唯一10周回をこなしたこの2チームによる戦いは、わずか15秒差で砂おぶらおに軍配。レースにはサイクルスポーツ誌チームの助っ人(?)として、「シクロクロス車に乗るのすら初めて」と言うロード全日本王者の初山翔(ブリヂストンアンカー)も参加して話題を呼んでいた。
レースの半分をニールプライドのロードバイクで、もう半分を激重ギアのシングルスピードMTBで走ったマイケル・ライスがCM2+3で勝ち、C3カテゴリーでは力強い走りを見せた尾関将樹(名古屋大学トライアスロン部)が勝利、32名が走ったCL2では小学6年生の中島瞳(2020Limited846/Team-K)が2位以下を全員ラップアウトする圧倒的な走りで勝利した。
激戦のC2では江越昇也(Cyclery Kirin/KMC/iPlan )を抑えた強豪ホビーロードレーサー、佐野千尋(サイクルフリーダム)が勝利してC1への昇格切符をゲット。同時出走のマスターズ1ではバニーホップで魅せた伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan)が瀬戸幸正(ベーグルワン)を34秒抑えて表彰台の真ん中を獲得し、全日本選手権3位の江越海玖也(横浜高校)がジュニアカテゴリーで優勝を収めた。
そして15:45からスタートした最終種目のC1レースでは、MTBクロスカントリーを本業にする竹内遼が格の違いを見せつけるぶっちぎりの走りを披露した。
「砂上はラインが限られているので、自分のレースをするためには他選手の影響を受けない位置で走りたかった」と言う竹内はスタート直後から先頭に立つと、深い砂をもろともしないパワフルな走りでぐんぐんと後続を突き放していく。その差はレース中盤にあたる30分を経過した時点で1分半、それから30分後のフィニッシュライン上では2分半弱という大差になっていた。
チューブレスタイヤを1.5気圧で走らせた竹内は、次々と選手をラップアウトにしつつ、激しい2位争いに競り勝った山田誉史輝(PAX PROJECT)、3年連続で表彰台を射止めた佐藤利英(team GARNEAU chainring)と共に翌日のエリートレース出場切符を獲得。「明日は正直どのくらいか分からないくらいにハイレベルなレースになるので、しっかり休息し、MTB選手としての意地を見せたい」と語った。
翌日の2日目では招待選手が世界規模の走りを披露する男女エリートレースを筆頭に、小学生カテゴリーと90分間エンデューロ、スポンサーレースなどが行われる。CL1の出走は12時45分、エリート男子の出走は13時40分の予定だ。年に一度の都市型シクロクロスレースを見逃す手はない。
本日のリザルトはワキタソフトのサイトをチェック!!
http://wakitasoft.com/Timing/Results/2017/20170212/
text:So.Isobe
photo:Kei.Tsuji,Makoto.Ayano,Gakuto.fujiwara,So.Isobe
前日に関東各地を白く染め上げた雪雲はどこかへ飛び去り、シクロクロス東京初日を迎えたお台場海浜公園は朝から絶好の晴天に包まれた。
朝の試走段階こそ硬く締まっていたお台場(正しくは神津島)の砂だったが、プログラムの進行と共に掘り返されて乗車を困難なものに。普段地中に埋まっている部分は水分を含んでいるため、一度ストップしてしまうと再乗車は(エリートレーサーを除いて)難しい。前走者が刻んだ轍をいかにトレースできるかがコース攻略の鍵であり、シクロクロス東京の醍醐味だ。
今年の砂区間は比較的ストレートが多かったため、下位カテゴリーでも長い砂浜区間を乗りきっていく姿がちらほらと。試走時間には翌日のエリートレースに出場する選手数名が下見がてら異次元の走りを披露し、ギャラリーからは感嘆のため息が漏れた。
この日は招待選手のジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアレーシング)とスティーブ・シェネル(フランス、クロスチームバイG4)がそれぞれスキルアップ講習会を開いたことも話題。ちなみにシェネルの講習会にはこの日C1レースで優勝することになる竹内遼の姿も。
過去最高となる7000人が押しかけた会場では、主催者のチャンピオンシステム・ジャパンをはじめとする各ブランドのブース、「本場」スタイルを届けるビールやフリッツなどの飲食ブースが立ち並び、新製品の展示や招待選手のファンサービス、テストコースでのバイク試乗には多くの人だかりができていた。まだまだ国内のシクロクロスブームは衰えを知らないようだ。
3レースに分かれて150名以上が出走したC4カテゴリーで幕開けたシクロクロス東京初日。注目を集めたのは今年から追加された「サンドスイッチエンデューロ」。自転車無しのランニングを織り交ぜながら選手交代して走るこの新種目では、必勝態勢で臨んだMilePost BMC Racingが好ダッシュでスタート。しかし徐々に失速してしまい、SNEL CYCLOCROSS TEAM(向山浩司&藤田拓海)と砂おぶらお(南島康一&古野祐一)が激しくデッドヒート。
唯一10周回をこなしたこの2チームによる戦いは、わずか15秒差で砂おぶらおに軍配。レースにはサイクルスポーツ誌チームの助っ人(?)として、「シクロクロス車に乗るのすら初めて」と言うロード全日本王者の初山翔(ブリヂストンアンカー)も参加して話題を呼んでいた。
レースの半分をニールプライドのロードバイクで、もう半分を激重ギアのシングルスピードMTBで走ったマイケル・ライスがCM2+3で勝ち、C3カテゴリーでは力強い走りを見せた尾関将樹(名古屋大学トライアスロン部)が勝利、32名が走ったCL2では小学6年生の中島瞳(2020Limited846/Team-K)が2位以下を全員ラップアウトする圧倒的な走りで勝利した。
激戦のC2では江越昇也(Cyclery Kirin/KMC/iPlan )を抑えた強豪ホビーロードレーサー、佐野千尋(サイクルフリーダム)が勝利してC1への昇格切符をゲット。同時出走のマスターズ1ではバニーホップで魅せた伊澤一嘉(Tonic CX Team Japan)が瀬戸幸正(ベーグルワン)を34秒抑えて表彰台の真ん中を獲得し、全日本選手権3位の江越海玖也(横浜高校)がジュニアカテゴリーで優勝を収めた。
そして15:45からスタートした最終種目のC1レースでは、MTBクロスカントリーを本業にする竹内遼が格の違いを見せつけるぶっちぎりの走りを披露した。
「砂上はラインが限られているので、自分のレースをするためには他選手の影響を受けない位置で走りたかった」と言う竹内はスタート直後から先頭に立つと、深い砂をもろともしないパワフルな走りでぐんぐんと後続を突き放していく。その差はレース中盤にあたる30分を経過した時点で1分半、それから30分後のフィニッシュライン上では2分半弱という大差になっていた。
チューブレスタイヤを1.5気圧で走らせた竹内は、次々と選手をラップアウトにしつつ、激しい2位争いに競り勝った山田誉史輝(PAX PROJECT)、3年連続で表彰台を射止めた佐藤利英(team GARNEAU chainring)と共に翌日のエリートレース出場切符を獲得。「明日は正直どのくらいか分からないくらいにハイレベルなレースになるので、しっかり休息し、MTB選手としての意地を見せたい」と語った。
翌日の2日目では招待選手が世界規模の走りを披露する男女エリートレースを筆頭に、小学生カテゴリーと90分間エンデューロ、スポンサーレースなどが行われる。CL1の出走は12時45分、エリート男子の出走は13時40分の予定だ。年に一度の都市型シクロクロスレースを見逃す手はない。
本日のリザルトはワキタソフトのサイトをチェック!!
http://wakitasoft.com/Timing/Results/2017/20170212/
text:So.Isobe
photo:Kei.Tsuji,Makoto.Ayano,Gakuto.fujiwara,So.Isobe
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