2017/01/30(月) - 09:08
ベルギー勢の不調を尻目に、オランダのヨリス・ニューウェンハイスがスリッピーコースで飛翔。オランダに2枚目のアルカンシエルをもたらした。パンクに苦しんだ織田聖はマイナス3ラップの49位フィニッシュ。
昨日の男子ジュニアとは打って変わり、雨によって大部分の氷が溶けて流れた日曜日のベルヴォーのコース。現地時間11時に号砲が鳴らされた男子U23レースはフランスのクレメン・ルッソのホールショットによって幕開ける。
縦に引き伸ばされた集団前方で動き出したのはベルギー勢のライバル候補筆頭ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ)や、過去にジュニアカテゴリーの世界タイトルを経験しているシモン・アンドレアッセン(デンマーク)、そしてフェリペ・オルツ(スペイン)ら。
その中から抜け出したのはニューウェンハイスだった。落ち着いた危なげない走りでアンドレアッセンを千切ると、1周回終了時点で既に20秒のリードを稼ぎ出した。
人数を揃えて追走体制を整えたいベルギーだったが、現U23世界王者エリ・イゼルビッドは下りで落車したことでペースダウン。その後も落車を経たことで戦線を離脱してしまったイゼルビッドはレース後に「雨で体が冷えたことでレースが台無しになってしまった。こんなひどい経験は今までにない」と語っている。
ヨーロッパ王者クィンティン・ヘルマンス(ベルギー)も今ひとつ波に乗り切れず、逆に過去野辺山シクロクロスロスで優勝しているジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア)が追走グループの先頭に立ち駒を進めていった。
圧倒的なスピードとテクニックで、余裕すら感じさせる走りで後続との差を広げていく先頭ニューウェンハイス。一方銀メダル確実と思われたベルトリーニだったが、複数回の落車で左手首を痛めたそぶりを見せながらペースダウン。
その後方からはシクロクロス強豪国ではないスペインのオルツが、表彰台圏内を走行していたベルギー勢をキャッチ。メダルを死守したいベルギーだったが猛烈なプッシュを見せるオルツの後塵を拝し、更にオランダのワウテル・シーべン(オランダ)の先行すら許してしまう。
熾烈な表彰台争いを尻目に飛ぶような走りを披露したニューウェンハイスは、後続を1分半近く引き離してフィニッシュラインに到達。手堅いと思われたベルギー勢を向こうに回し、圧倒的な走りで自身初、オランダにとって2枚目のアルカンシエルを手中に収めた。
「スタートしてすぐ調子が良いことを確認できた。何が起こるか分からないこのコースで勝利できたのは嬉しいけれど、スリッピーなコースが味方になったし、自分のペースでレースを進めることができたのも大きかった」とレースを振り返るニューウェンハイス。サンウェブデヴェロップメントチームに所属しており、今後はロードレースでも結果を狙っていく構えだ。
ニューウェンハイスに続く2位はオルツ、3位にはシーベンが滑り込み。ベルギー勢は表彰台を逃す結果となり、男子アルカンシエル獲得の希望は続く男子エリートに託すことになった。
また、日本から参加した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は途中度重なるパンクとメカトラに苦しめられ、マイナス3ラップの49位でレースを終えている。
選手コメントはライブ中継より。
シクロクロス世界選手権2017男子U23結果
1位 ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ) 53’58”
2位 フェリペ・オルツ(スペイン) +1’23”
3位 ワウテル・シーべン(オランダ) +1’29”
4位 タイス・アールツ(ベルギー) +1’34”
5位 ニコラス・クレッぺ(ベルギー) +1’38”
6位 ジョシュア・ドゥバウ(フランス) +1’56”
7位 ジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア) +2’03”
8位 シモン・アンドレアッセン(デンマーク) +2’28”
9位 クィンティン・ヘルマンス(ベルギー) +2’30”
10位 ケルヴィン・バックス(オランダ)
49位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) -3Lap
text:So.Isobe
photo:CorVos,Nobuhiko,Tanabe
昨日の男子ジュニアとは打って変わり、雨によって大部分の氷が溶けて流れた日曜日のベルヴォーのコース。現地時間11時に号砲が鳴らされた男子U23レースはフランスのクレメン・ルッソのホールショットによって幕開ける。
縦に引き伸ばされた集団前方で動き出したのはベルギー勢のライバル候補筆頭ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ)や、過去にジュニアカテゴリーの世界タイトルを経験しているシモン・アンドレアッセン(デンマーク)、そしてフェリペ・オルツ(スペイン)ら。
その中から抜け出したのはニューウェンハイスだった。落ち着いた危なげない走りでアンドレアッセンを千切ると、1周回終了時点で既に20秒のリードを稼ぎ出した。
人数を揃えて追走体制を整えたいベルギーだったが、現U23世界王者エリ・イゼルビッドは下りで落車したことでペースダウン。その後も落車を経たことで戦線を離脱してしまったイゼルビッドはレース後に「雨で体が冷えたことでレースが台無しになってしまった。こんなひどい経験は今までにない」と語っている。
ヨーロッパ王者クィンティン・ヘルマンス(ベルギー)も今ひとつ波に乗り切れず、逆に過去野辺山シクロクロスロスで優勝しているジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア)が追走グループの先頭に立ち駒を進めていった。
圧倒的なスピードとテクニックで、余裕すら感じさせる走りで後続との差を広げていく先頭ニューウェンハイス。一方銀メダル確実と思われたベルトリーニだったが、複数回の落車で左手首を痛めたそぶりを見せながらペースダウン。
その後方からはシクロクロス強豪国ではないスペインのオルツが、表彰台圏内を走行していたベルギー勢をキャッチ。メダルを死守したいベルギーだったが猛烈なプッシュを見せるオルツの後塵を拝し、更にオランダのワウテル・シーべン(オランダ)の先行すら許してしまう。
熾烈な表彰台争いを尻目に飛ぶような走りを披露したニューウェンハイスは、後続を1分半近く引き離してフィニッシュラインに到達。手堅いと思われたベルギー勢を向こうに回し、圧倒的な走りで自身初、オランダにとって2枚目のアルカンシエルを手中に収めた。
「スタートしてすぐ調子が良いことを確認できた。何が起こるか分からないこのコースで勝利できたのは嬉しいけれど、スリッピーなコースが味方になったし、自分のペースでレースを進めることができたのも大きかった」とレースを振り返るニューウェンハイス。サンウェブデヴェロップメントチームに所属しており、今後はロードレースでも結果を狙っていく構えだ。
ニューウェンハイスに続く2位はオルツ、3位にはシーベンが滑り込み。ベルギー勢は表彰台を逃す結果となり、男子アルカンシエル獲得の希望は続く男子エリートに託すことになった。
また、日本から参加した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は途中度重なるパンクとメカトラに苦しめられ、マイナス3ラップの49位でレースを終えている。
選手コメントはライブ中継より。
シクロクロス世界選手権2017男子U23結果
1位 ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ) 53’58”
2位 フェリペ・オルツ(スペイン) +1’23”
3位 ワウテル・シーべン(オランダ) +1’29”
4位 タイス・アールツ(ベルギー) +1’34”
5位 ニコラス・クレッぺ(ベルギー) +1’38”
6位 ジョシュア・ドゥバウ(フランス) +1’56”
7位 ジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア) +2’03”
8位 シモン・アンドレアッセン(デンマーク) +2’28”
9位 クィンティン・ヘルマンス(ベルギー) +2’30”
10位 ケルヴィン・バックス(オランダ)
49位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) -3Lap
text:So.Isobe
photo:CorVos,Nobuhiko,Tanabe
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