2016/12/11(日) - 17:48
2度目のU23チャンピオンとなったのは横山航太(シマノレーシング)、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)との接戦を制した。ジュニアは日野泰静(松山城南高校)が2位以下に大差をつけ圧勝した。
栃木県宇都宮市の”道の駅うつのみや ろまんちっく村”特設コースで12月11日に行われた全日本シクロクロス選手権大会。午前中は男子ジュニアと男子U23クラスが行われ、それぞれ日野泰静(松山城南高校)と横山航太(シマノレーシング)が日本チャンピオンとなった。
男子U23は激戦を横山航太(シマノレーシング)が制する
男子U23が独立したレースとなったのは2014年から。その時に優勝した横山が自身U23最終年度の今年も優勝し、3年間で2度のタイトルを獲得した。
10時10分スタート50分間の男子U23は9人のエントリーだが強豪がそろう。昨年は沢田時(ブリヂストンアンカー)に18秒差で2位の横山が、ゼッケン301をつける。同じく昨年横山に3秒差3位で2014年ジュニアチャンピオンの竹内遼(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)、そして2015年ジュニアチャンピオンの織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)らが続く。早朝は気温が氷点下まで下がったが日差しを浴びて霜柱などが溶け始めた時間帯だ。
スタートは竹内が先頭でコーナーへ入るがスリップダウン。代わって藤田拓海(SNEL CYCLO CROSS TEAM)が先頭でこれに織田、日野竜嘉(ボンシャンス)、横山らが続く。その後の林間部分で横山が先頭に立ち、数秒差で織田が追う。この時点で1周目中間ほど。2周目前半に先頭の横山へ織田が追いつき2人パックに。3番手には日野が上がる。さらに加藤健悟(臼杵レーシング)、藤田が続く。
先頭の横山と織田は2人でパックを作り互いを意識しながら走る。3番手以下のリードを保ちながら2人で淡々と周回を重ねる。互いにそれぞれの場所での走り方を探る展開で、2人とも余裕を持ちながら走る。ラスト2周後半の砂場区間で織田が横山の後ろからそれまで使っていなかったコースのイン側を突いて先頭に出る。横山もすかさずそれに反応し織田はリードを奪えない。
そして最終周回、互いに前後するが織田のミスが目立ついっぽう、横山はペースを上げて織田を引き離しにかかる。一気に織田を離した横山は単独でフィニッシュラインに飛び込んだ。終始冷静にレースを展開しミスを最小限にとどめた横山が貫録の勝利だ。U23最終年度に自身2度目の全日本タイトルを獲得した。織田はジュニアから上がってまだ1年目で大健闘と言えるだろう。
優勝した横山航太(シマノレーシング)のコメント
「このジャージをもらえてとても名誉なことなのでとてもうれしいです。今日ここのコースではミスをしないことが重要と思いました。でも今日は路面のコンディションが大きく変わり、霜が溶け始めたぐらいで滑りやすく難しくて、前半は自分の中で全然乗れていなかったです。でも織田選手が凄く乗れていてできれば前半から逃げたかったのですができず、後半に(織田選手と)くっつくところと離れるところをしっかり見極めていました」
「最終周回に前に出て織田選手にプレッシャーかけてミスしたところで自分も離して独走で勝つことができました。走っていても明らかに僕のほうが余裕があると思っていました。今日は冷静に自分の走りができれば勝てると思っていました。春からのロードシーズンへ向けて今から頑張りますし、シクロクロスは来シーズンからエリートに上がるのでそこでもしっかり走れるように挑戦したいです。
2位織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)のコメント
「クリートキャッチにミスして後方からのスタートになってしまったんですが、前の選手の走りを見て『このラインはダメなんだな』と勉強しながら追い上げました。先頭で2人になってからは、沿道から落ち着け落ち着けと言われていたこともあり、しっかりと落ち着きを保って走り続けることができたと思います」
「バイクを降りて乗る処理が航太さんのほうが速くて、キャンバーと階段のセクションでクリートが入らずに離されてしまう繰り返し。ロード選手だけあって直線も速くて離されてしまった。(最終周回突入前の)砂セクションで速いラインを航太さんに見せてしまったことがミスでした。もっと落ち着いて自分のラインを見せないような距離で走り続けていれば、勝負に持ち込めたと思います。今回は敗れましたが、U23の初年度でしっかり走ることができて良かったです」
男子ジュニアは日野泰静(松山城南高校)が圧勝
朝一番のレースは9時から40分間の男子ジュニア。朝はマイナス3度まで下がり霜柱も溶け切らない時間帯に15人がスタート。昨年3位の梶鉄輝(伊丹高校)が401のゼッケン番号をつける。402番は江越海玖也(横浜高校)。2週間前の野辺山C2で2日連続優勝の日野泰静(松山城南高校)そして同じく連続2位の積田連(Team GARNEAU CHAINRING)、同2日目C2で3位の佐藤宇志(スワコレーシングチーム)らが注目どころだ。
スタートは梶が先頭で最初のコーナーへ。これに江越、佐藤らが続く。日野はペダルキャッチに手間取り最後尾にいったんは下がる。スタートから2つめのターンで先頭の梶がスリップダウンし江越が先頭に立つ。その後の林間部分、キャンバー区間で最後尾スタートの日野は次々に前走者をパスし、コース後半のフライオーバーから砂場は単独先頭で現れる。わずか6分ほどの間に14人全員を抜く激走だ。
先頭の日野は快調にペースを刻み、2番手には江越と上がってきた村上功太郎(松山工業高校)の2人がパックで進む。さらに積田と梶も2人がパックで4番手グループを形成する。日野はそのままのペースで先頭を走り、いっぽうで2番手には村上が単独で上がってくる。日野は差をキープしたまま規定の5周回を終え優勝。38秒差の2位に村上、そして3位には江越が入った。スタートでミスした日野だったが、その後は自分のペースを守り大きなミスなく持ち前の力を発揮した完璧な勝利だった。
優勝した日野泰静(松山城南高校)のコメント
「今日は序盤から飛び出して、後続に対してどんどん差を広げるレースを見せたかったのですが、スタート直後にペダルキャッチをミスしてしまい、最後尾から追い上げるレースになってしまいました。でも終始慌てることなく冷静にポジションを上げることができ、先頭になってからはミスを防ぐ走りに切り替えました。最終的には狙った通りのレース運びになったと思います」
2位村上功太郎(松山工業高校)のコメント
「スタートは良かったものの、キャンバー登りの2段目で滑ってしまい、そこで10番手くらいまで下げてしまう悪いで出だしになってしまいました。そこからは落ち着いてレースを進めることができましたが、1位に届かなかったのは実力です。悔しいですね。日野くんとは地元でたまにロード練習する仲です」
結果
男子U23 50分 6周回
1位 横山航太(シマノレーシング)51分09秒
2位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)+07秒
3位 日野竜嘉(ボンシャンス)+4分49秒
4位 加藤健悟(臼杵レーシング)+5分09秒
5位 藤田拓海(SNEL CYCLO CROSS TEAM)
6位 竹内遼(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)+6分46秒
男子ジュニア 40分 5周回
1位 日野泰静(松山城南高校)43分13秒
2位 村上功太郎(松山工業高校)+38秒
3位 江越海玖也(横浜高校)+1分22秒
4位 積田連(Team GARNEAU CHAINRING)+3分39秒
5位 梶鉄輝(伊丹高校)+3分47秒
6位 清水大樹(Team GARNEAU CHAINRING)+4分49秒
photo&text:高木秀彰
栃木県宇都宮市の”道の駅うつのみや ろまんちっく村”特設コースで12月11日に行われた全日本シクロクロス選手権大会。午前中は男子ジュニアと男子U23クラスが行われ、それぞれ日野泰静(松山城南高校)と横山航太(シマノレーシング)が日本チャンピオンとなった。
男子U23は激戦を横山航太(シマノレーシング)が制する
男子U23が独立したレースとなったのは2014年から。その時に優勝した横山が自身U23最終年度の今年も優勝し、3年間で2度のタイトルを獲得した。
10時10分スタート50分間の男子U23は9人のエントリーだが強豪がそろう。昨年は沢田時(ブリヂストンアンカー)に18秒差で2位の横山が、ゼッケン301をつける。同じく昨年横山に3秒差3位で2014年ジュニアチャンピオンの竹内遼(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)、そして2015年ジュニアチャンピオンの織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)らが続く。早朝は気温が氷点下まで下がったが日差しを浴びて霜柱などが溶け始めた時間帯だ。
スタートは竹内が先頭でコーナーへ入るがスリップダウン。代わって藤田拓海(SNEL CYCLO CROSS TEAM)が先頭でこれに織田、日野竜嘉(ボンシャンス)、横山らが続く。その後の林間部分で横山が先頭に立ち、数秒差で織田が追う。この時点で1周目中間ほど。2周目前半に先頭の横山へ織田が追いつき2人パックに。3番手には日野が上がる。さらに加藤健悟(臼杵レーシング)、藤田が続く。
先頭の横山と織田は2人でパックを作り互いを意識しながら走る。3番手以下のリードを保ちながら2人で淡々と周回を重ねる。互いにそれぞれの場所での走り方を探る展開で、2人とも余裕を持ちながら走る。ラスト2周後半の砂場区間で織田が横山の後ろからそれまで使っていなかったコースのイン側を突いて先頭に出る。横山もすかさずそれに反応し織田はリードを奪えない。
そして最終周回、互いに前後するが織田のミスが目立ついっぽう、横山はペースを上げて織田を引き離しにかかる。一気に織田を離した横山は単独でフィニッシュラインに飛び込んだ。終始冷静にレースを展開しミスを最小限にとどめた横山が貫録の勝利だ。U23最終年度に自身2度目の全日本タイトルを獲得した。織田はジュニアから上がってまだ1年目で大健闘と言えるだろう。
優勝した横山航太(シマノレーシング)のコメント
「このジャージをもらえてとても名誉なことなのでとてもうれしいです。今日ここのコースではミスをしないことが重要と思いました。でも今日は路面のコンディションが大きく変わり、霜が溶け始めたぐらいで滑りやすく難しくて、前半は自分の中で全然乗れていなかったです。でも織田選手が凄く乗れていてできれば前半から逃げたかったのですができず、後半に(織田選手と)くっつくところと離れるところをしっかり見極めていました」
「最終周回に前に出て織田選手にプレッシャーかけてミスしたところで自分も離して独走で勝つことができました。走っていても明らかに僕のほうが余裕があると思っていました。今日は冷静に自分の走りができれば勝てると思っていました。春からのロードシーズンへ向けて今から頑張りますし、シクロクロスは来シーズンからエリートに上がるのでそこでもしっかり走れるように挑戦したいです。
2位織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)のコメント
「クリートキャッチにミスして後方からのスタートになってしまったんですが、前の選手の走りを見て『このラインはダメなんだな』と勉強しながら追い上げました。先頭で2人になってからは、沿道から落ち着け落ち着けと言われていたこともあり、しっかりと落ち着きを保って走り続けることができたと思います」
「バイクを降りて乗る処理が航太さんのほうが速くて、キャンバーと階段のセクションでクリートが入らずに離されてしまう繰り返し。ロード選手だけあって直線も速くて離されてしまった。(最終周回突入前の)砂セクションで速いラインを航太さんに見せてしまったことがミスでした。もっと落ち着いて自分のラインを見せないような距離で走り続けていれば、勝負に持ち込めたと思います。今回は敗れましたが、U23の初年度でしっかり走ることができて良かったです」
男子ジュニアは日野泰静(松山城南高校)が圧勝
朝一番のレースは9時から40分間の男子ジュニア。朝はマイナス3度まで下がり霜柱も溶け切らない時間帯に15人がスタート。昨年3位の梶鉄輝(伊丹高校)が401のゼッケン番号をつける。402番は江越海玖也(横浜高校)。2週間前の野辺山C2で2日連続優勝の日野泰静(松山城南高校)そして同じく連続2位の積田連(Team GARNEAU CHAINRING)、同2日目C2で3位の佐藤宇志(スワコレーシングチーム)らが注目どころだ。
スタートは梶が先頭で最初のコーナーへ。これに江越、佐藤らが続く。日野はペダルキャッチに手間取り最後尾にいったんは下がる。スタートから2つめのターンで先頭の梶がスリップダウンし江越が先頭に立つ。その後の林間部分、キャンバー区間で最後尾スタートの日野は次々に前走者をパスし、コース後半のフライオーバーから砂場は単独先頭で現れる。わずか6分ほどの間に14人全員を抜く激走だ。
先頭の日野は快調にペースを刻み、2番手には江越と上がってきた村上功太郎(松山工業高校)の2人がパックで進む。さらに積田と梶も2人がパックで4番手グループを形成する。日野はそのままのペースで先頭を走り、いっぽうで2番手には村上が単独で上がってくる。日野は差をキープしたまま規定の5周回を終え優勝。38秒差の2位に村上、そして3位には江越が入った。スタートでミスした日野だったが、その後は自分のペースを守り大きなミスなく持ち前の力を発揮した完璧な勝利だった。
優勝した日野泰静(松山城南高校)のコメント
「今日は序盤から飛び出して、後続に対してどんどん差を広げるレースを見せたかったのですが、スタート直後にペダルキャッチをミスしてしまい、最後尾から追い上げるレースになってしまいました。でも終始慌てることなく冷静にポジションを上げることができ、先頭になってからはミスを防ぐ走りに切り替えました。最終的には狙った通りのレース運びになったと思います」
2位村上功太郎(松山工業高校)のコメント
「スタートは良かったものの、キャンバー登りの2段目で滑ってしまい、そこで10番手くらいまで下げてしまう悪いで出だしになってしまいました。そこからは落ち着いてレースを進めることができましたが、1位に届かなかったのは実力です。悔しいですね。日野くんとは地元でたまにロード練習する仲です」
結果
男子U23 50分 6周回
1位 横山航太(シマノレーシング)51分09秒
2位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)+07秒
3位 日野竜嘉(ボンシャンス)+4分49秒
4位 加藤健悟(臼杵レーシング)+5分09秒
5位 藤田拓海(SNEL CYCLO CROSS TEAM)
6位 竹内遼(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)+6分46秒
男子ジュニア 40分 5周回
1位 日野泰静(松山城南高校)43分13秒
2位 村上功太郎(松山工業高校)+38秒
3位 江越海玖也(横浜高校)+1分22秒
4位 積田連(Team GARNEAU CHAINRING)+3分39秒
5位 梶鉄輝(伊丹高校)+3分47秒
6位 清水大樹(Team GARNEAU CHAINRING)+4分49秒
photo&text:高木秀彰
Amazon.co.jp