2016/12/14(水) - 09:37
独自のサドルフィッティングシステム「スパインコンセプト」を提唱しているフィジーク。最適なサドルを導き出すこのシステムが今年「スパインコンセプトEVO」として進化した。新システムに基づきリリースされたブランド初のビブショーツと合わせて紹介しよう。
サドル幅を選べるようになった「スパインコンセプトEVO」
スポーツバイクを楽しむ者なら、誰しもがライド中のお尻の痛みに悩まされてきたことだろう。自分のお尻に合ったサドルを求めいくつものサドルを試す、いわゆる「サドル沼」に陥ったユーザーも数多くいることと思う。そんな悩みを解消するべく、ライダーに最適なサドルを選び出すフィッティングシステムがフィジークのスパインコンセプトだ。
イタリアのパドヴァ大学運動科学研究グループとの基礎研究で得られたデータを元に、身体の柔軟性=骨盤の回転自由度を3つに分類して、それぞれのタイプに適したサドルを選びやすいよう明確化するスパインコンセプト。「柔軟性の違いに応じ、最適なサドルを選ぶ」というこのシステムは2008年の発表以来、測定ツールの改良やサドルラインアップの拡充を経て、サドル選びの指標として、プロやホビーライダーの間に浸透してきた。
前屈時にどこまで上半身が深く曲がるかによって骨盤の角度を判定し、その柔軟性が高い順に「スネーク」「カメレオン」「ブル」という3種類の動物に例えたカテゴリーに分類。それに基づきフィジークがラインアップする形状の異なる3つのサドル、アリオネ・アンタレス・アリアンテから最適なものを選び出すのが従来のスパインコンセプトだった。
今回発表されたスパインコンセプトEVOでは、サドル種類に加え、それぞれで幅の異なるレギュラーとラージの2種類が追加され、よりマッチするサドルを導き出せるようになった。コロラド大学統合生理学研究室のロジャー・クラム准教授と共同研究した理論に基づき、ライダーの体重と普段のライドの平均速度から、独自の計算式によりサドルにかかる荷重を算出。それによりベストなサドルサイズを導き出していく。
自分の体重と平均速度をパワーマトリクス・チャートに照らし合わせることでサドル幅がレギュラーなのかラージなのかを判別することができる。体重が重い人や、巡航速度が緩めな人ほどサドル荷重は大きく、ラージに区分される傾向にあり、また、同じ体重・柔軟性のライダーでも、出力の違いによってサドル幅が違ってくることもある。
脊椎の柔軟性からサドルの種類を決定し、ライド中の荷重によって幅を決定する。この二つの指標を組み合わせたものが新たに登場したスパインコンセプトEVOという訳だ。サドル選びの新たなシステムとして、自分のお尻によりフィットした選択が可能となるだろう。
また、こちらのフィッティングをいつでも活用できるように、スマートフォン・タブレット向けの専用アプリも公開されている。iOS用とAndroid用それぞれで無料日本語アプリが用意され、自宅でも簡単にベストなモデルを調べることが可能だ。画像のQRコードでアクセスするか、App STOREもしくはGooglePlayで「fi'zi:k」と検索すればヒットする。
3種類のサドルはそれぞれカーボンレールの「R1」、k:ium(キウム)レールの「R3」が販売される。サドル幅はアリオネ、アリアンテ、アンタレスの順に、レギュラーが130mm、143mm、140mm、ラージが142mm、152mm、152mmとなる。同じサドルでもレギュラーとラージで異なる表面加工が施されるなど、細部までこだわりが見られる。いずれのモデルもR1が20,680円、R3が14,650円だ。
フィジーク アリオネ
R1:20,680円(税抜) レギュラー/165g ラージ/175g
R3:14,650円(税抜) レギュラー/200g ラージ/210g
レギュラー幅:130mm ラージ幅:142mm
フィジーク アリアンテ
R1:20,680円(税抜) レギュラー/175g ラージ/180g
R3:14,650円(税抜) レギュラー/215g ラージ/220g
レギュラー幅:143mm ラージ幅:152mm
フィジーク アンタレス
R1:20,680円(税抜) レギュラー/160g ラージ/165g
R3:14,650円(税抜) レギュラー/200g ラージ/205g
レギュラー幅:140mm ラージ幅:152mm
スパインコンセプトEVOを盛り込んだ、フィジーク初のビブショーツ「LINK」
上記で説明したスパインコンセプト理論に基づき、快適さを常に追求し続けてきたフィジーク。バイクと人との接点を研究し、サドルからバーテープ、ハンドルやシートピラーと、ラインアップを増やしてきたフィジークが、満を持してブランド初のビブショーツをリリースした。
バイクとライダーを繋ぐ「LINK」と名付けられたビブショーツ、最大の特徴はサドルと同じくスパインコンセプトが導入されていること。カラダを前屈させた際の曲がり具合によって、ライダーをスネーク・カメレオン・ブルの動物に例えて3種類にカテゴリー分けをするスパインコンセプト。それぞれのタイプではサドル上での乗り方や姿勢が異なる点にフィジークは着目。LINKシリーズはライディングフォームや座り方の違いから、それぞれのタイプに最適化するよう開発されている。
開発に携わったのは元アソスのデザイナーで現在はウエアブランド「Q36.5」の代表を務めるルイージ・ベルガモ氏。20年以上に渡ってサイクルウエアを研究してきた彼の知識と技術によって、フィジークのウエアコンセプトが形になっている。開発には実に2年もの歳月を費やしたという。
LINKビブショーツもスパインコンセプトの理論の下、スネーク・カメレオン・ブルの3種類が展開される。パッドの形状や縫製パターン、各部の生地素材、肩紐の長さに至るまでそれぞれ異なる仕様とされ、各タイプに最適化されたものとなっている。もちろんフィジークサドルと合わせて使用することが想定され、アリオネ・アンタレス・アリアンテから自分のタイプに合ったサドルと、このビブショーツを併用することで最大の快適性が得られるよう設計されている。
柔軟性が高い「スネーク」タイプは、ライダーが深い前傾姿勢をとった際でもフィット感を損なわないよう、パッドが立体的に起き上がるカーブ加工が施される。快適性を高めるために、パッドは厚さや密度の異なる素材を使用した3層構造に。フラット形状のアリオネと相性の良いスネークは、ライド中に座る位置を前後してもパッドがズレにくい形状となっている。また、肩紐は前面が短めにデザインされ、足の動きで引っ張られる側部にマチが設けられるなど、より深くアグレッシブなライディングフォームにも対応している。
反対に柔軟性が低いユーザーに向けた「ブル」は、サドルへの荷重が大きい傾向にあることを踏まえ、ボリュームのあるパッドを使用。幅広なパッドには前後で密度の異なる素材を使用し、荷重がかかりやすい前方には通気性を高める溝が配されている。上半身が立ち気味なブルタイプに合わせ、腰上にコンプレッション生地を配し、肩紐のストレッチ性もスネークとは異なるものとなっている。
同じように「カメレオン」タイプは、アンタレスのフラットなサドル形状に合わせたパッドを採用。4mmのパッド層を重ねた2重構造により、ライド中のお尻への圧力が分散されるよう設計されている。
いずれのモデルも腰回りに伸縮性に優れた生地を配すことで、スムーズなペダリングを実現するとともに股間への締め付けを軽減している。脚を包む部分にはコンプレッション系の素材を使用し、筋肉の動きをサポートする働きも持つ。脚、腰、背で異なる生地を複雑に組み合わせることで、高い快適性を生み出しているのだ。
LINKシリーズにはレースフィット仕様の「R1」と、素材をダウングレードし価格を抑えた「R3」の2タイプが用意される。R1がタイトめなコンプレッション系の機能を有するのに対し、R3は普段使いに適した締め付けないフィット感だ。パッドに関してもR1とR3で基本コンセプトは同じだが、R3のほうがシンプルな構造となり厚みなども変更されている。
3種類ともに価格はR1が30,450円(税抜)、R3が20,010円(税抜)。重量はR1で155g、R3で185gだ。基本的にはフィジークサドルと組みわせて使用することが前提だが、他社サドルと併用することで、誰でもスパインコンセプトEVOの恩恵を受けることができるという。取り扱いはカワシマサイクルサプライ。
フィジーク LINK R1 ビブショーツ
タイプ:スネーク、カメレオン、ブル
サイズ:S、M、L、XL
重量:155g
価格:30,450円(税抜)
フィジーク LINK R3 ビブショーツ
タイプ:スネーク、カメレオン、ブル
サイズ:S、M、L、XL
重量:185g
価格:20,010円(税抜)
サドル幅を選べるようになった「スパインコンセプトEVO」
スポーツバイクを楽しむ者なら、誰しもがライド中のお尻の痛みに悩まされてきたことだろう。自分のお尻に合ったサドルを求めいくつものサドルを試す、いわゆる「サドル沼」に陥ったユーザーも数多くいることと思う。そんな悩みを解消するべく、ライダーに最適なサドルを選び出すフィッティングシステムがフィジークのスパインコンセプトだ。
イタリアのパドヴァ大学運動科学研究グループとの基礎研究で得られたデータを元に、身体の柔軟性=骨盤の回転自由度を3つに分類して、それぞれのタイプに適したサドルを選びやすいよう明確化するスパインコンセプト。「柔軟性の違いに応じ、最適なサドルを選ぶ」というこのシステムは2008年の発表以来、測定ツールの改良やサドルラインアップの拡充を経て、サドル選びの指標として、プロやホビーライダーの間に浸透してきた。
前屈時にどこまで上半身が深く曲がるかによって骨盤の角度を判定し、その柔軟性が高い順に「スネーク」「カメレオン」「ブル」という3種類の動物に例えたカテゴリーに分類。それに基づきフィジークがラインアップする形状の異なる3つのサドル、アリオネ・アンタレス・アリアンテから最適なものを選び出すのが従来のスパインコンセプトだった。
今回発表されたスパインコンセプトEVOでは、サドル種類に加え、それぞれで幅の異なるレギュラーとラージの2種類が追加され、よりマッチするサドルを導き出せるようになった。コロラド大学統合生理学研究室のロジャー・クラム准教授と共同研究した理論に基づき、ライダーの体重と普段のライドの平均速度から、独自の計算式によりサドルにかかる荷重を算出。それによりベストなサドルサイズを導き出していく。
自分の体重と平均速度をパワーマトリクス・チャートに照らし合わせることでサドル幅がレギュラーなのかラージなのかを判別することができる。体重が重い人や、巡航速度が緩めな人ほどサドル荷重は大きく、ラージに区分される傾向にあり、また、同じ体重・柔軟性のライダーでも、出力の違いによってサドル幅が違ってくることもある。
脊椎の柔軟性からサドルの種類を決定し、ライド中の荷重によって幅を決定する。この二つの指標を組み合わせたものが新たに登場したスパインコンセプトEVOという訳だ。サドル選びの新たなシステムとして、自分のお尻によりフィットした選択が可能となるだろう。
また、こちらのフィッティングをいつでも活用できるように、スマートフォン・タブレット向けの専用アプリも公開されている。iOS用とAndroid用それぞれで無料日本語アプリが用意され、自宅でも簡単にベストなモデルを調べることが可能だ。画像のQRコードでアクセスするか、App STOREもしくはGooglePlayで「fi'zi:k」と検索すればヒットする。
3種類のサドルはそれぞれカーボンレールの「R1」、k:ium(キウム)レールの「R3」が販売される。サドル幅はアリオネ、アリアンテ、アンタレスの順に、レギュラーが130mm、143mm、140mm、ラージが142mm、152mm、152mmとなる。同じサドルでもレギュラーとラージで異なる表面加工が施されるなど、細部までこだわりが見られる。いずれのモデルもR1が20,680円、R3が14,650円だ。
フィジーク アリオネ
R1:20,680円(税抜) レギュラー/165g ラージ/175g
R3:14,650円(税抜) レギュラー/200g ラージ/210g
レギュラー幅:130mm ラージ幅:142mm
フィジーク アリアンテ
R1:20,680円(税抜) レギュラー/175g ラージ/180g
R3:14,650円(税抜) レギュラー/215g ラージ/220g
レギュラー幅:143mm ラージ幅:152mm
フィジーク アンタレス
R1:20,680円(税抜) レギュラー/160g ラージ/165g
R3:14,650円(税抜) レギュラー/200g ラージ/205g
レギュラー幅:140mm ラージ幅:152mm
スパインコンセプトEVOを盛り込んだ、フィジーク初のビブショーツ「LINK」
上記で説明したスパインコンセプト理論に基づき、快適さを常に追求し続けてきたフィジーク。バイクと人との接点を研究し、サドルからバーテープ、ハンドルやシートピラーと、ラインアップを増やしてきたフィジークが、満を持してブランド初のビブショーツをリリースした。
バイクとライダーを繋ぐ「LINK」と名付けられたビブショーツ、最大の特徴はサドルと同じくスパインコンセプトが導入されていること。カラダを前屈させた際の曲がり具合によって、ライダーをスネーク・カメレオン・ブルの動物に例えて3種類にカテゴリー分けをするスパインコンセプト。それぞれのタイプではサドル上での乗り方や姿勢が異なる点にフィジークは着目。LINKシリーズはライディングフォームや座り方の違いから、それぞれのタイプに最適化するよう開発されている。
開発に携わったのは元アソスのデザイナーで現在はウエアブランド「Q36.5」の代表を務めるルイージ・ベルガモ氏。20年以上に渡ってサイクルウエアを研究してきた彼の知識と技術によって、フィジークのウエアコンセプトが形になっている。開発には実に2年もの歳月を費やしたという。
LINKビブショーツもスパインコンセプトの理論の下、スネーク・カメレオン・ブルの3種類が展開される。パッドの形状や縫製パターン、各部の生地素材、肩紐の長さに至るまでそれぞれ異なる仕様とされ、各タイプに最適化されたものとなっている。もちろんフィジークサドルと合わせて使用することが想定され、アリオネ・アンタレス・アリアンテから自分のタイプに合ったサドルと、このビブショーツを併用することで最大の快適性が得られるよう設計されている。
柔軟性が高い「スネーク」タイプは、ライダーが深い前傾姿勢をとった際でもフィット感を損なわないよう、パッドが立体的に起き上がるカーブ加工が施される。快適性を高めるために、パッドは厚さや密度の異なる素材を使用した3層構造に。フラット形状のアリオネと相性の良いスネークは、ライド中に座る位置を前後してもパッドがズレにくい形状となっている。また、肩紐は前面が短めにデザインされ、足の動きで引っ張られる側部にマチが設けられるなど、より深くアグレッシブなライディングフォームにも対応している。
反対に柔軟性が低いユーザーに向けた「ブル」は、サドルへの荷重が大きい傾向にあることを踏まえ、ボリュームのあるパッドを使用。幅広なパッドには前後で密度の異なる素材を使用し、荷重がかかりやすい前方には通気性を高める溝が配されている。上半身が立ち気味なブルタイプに合わせ、腰上にコンプレッション生地を配し、肩紐のストレッチ性もスネークとは異なるものとなっている。
同じように「カメレオン」タイプは、アンタレスのフラットなサドル形状に合わせたパッドを採用。4mmのパッド層を重ねた2重構造により、ライド中のお尻への圧力が分散されるよう設計されている。
いずれのモデルも腰回りに伸縮性に優れた生地を配すことで、スムーズなペダリングを実現するとともに股間への締め付けを軽減している。脚を包む部分にはコンプレッション系の素材を使用し、筋肉の動きをサポートする働きも持つ。脚、腰、背で異なる生地を複雑に組み合わせることで、高い快適性を生み出しているのだ。
LINKシリーズにはレースフィット仕様の「R1」と、素材をダウングレードし価格を抑えた「R3」の2タイプが用意される。R1がタイトめなコンプレッション系の機能を有するのに対し、R3は普段使いに適した締め付けないフィット感だ。パッドに関してもR1とR3で基本コンセプトは同じだが、R3のほうがシンプルな構造となり厚みなども変更されている。
3種類ともに価格はR1が30,450円(税抜)、R3が20,010円(税抜)。重量はR1で155g、R3で185gだ。基本的にはフィジークサドルと組みわせて使用することが前提だが、他社サドルと併用することで、誰でもスパインコンセプトEVOの恩恵を受けることができるという。取り扱いはカワシマサイクルサプライ。
フィジーク LINK R1 ビブショーツ
タイプ:スネーク、カメレオン、ブル
サイズ:S、M、L、XL
重量:155g
価格:30,450円(税抜)
フィジーク LINK R3 ビブショーツ
タイプ:スネーク、カメレオン、ブル
サイズ:S、M、L、XL
重量:185g
価格:20,010円(税抜)
リンク
Amazon.co.jp