2016/10/23(日) - 22:50
今年も熱戦が繰り広げられたジャパンカップ。独走でプロ初優勝を飾ったダヴィデ・ヴィッレッラ(キャノンデール・ドラパック)ら上位3名や、アジアンライダー賞を獲得した新城幸也(ランプレ・メリダ)、最後のJCで山岳賞を獲得した井上和郎(ブリヂストンアンカー)らコメントを紹介します。
プロ初優勝を飾ったダヴィデ・ヴィッレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
コンディションの仕上がりを見て、チームが自分のことエースに指名してくれた。全体的に落ち着いた状況でレースを進めることができ、うまくいった。先頭集団に最終盤まで残ってアタックするのが優勝できる唯一の方法だった。1週間前にコースマップを見て、仕掛けるなら古賀志しかないと考えていた。最後はとにかく踏み続けた。
この2年間は右膝の怪我で、難しい時間を過ごした。今シーズンもジロ・デ・イタリア出場を逃したが、ツール・ド・ポローニュから調子が上向き、ブエルタに出場。ロンバルディアではまぁまぁの結果で終えられた。そして、このジャパンカップで勝つことができた。現在とても調子が良いだけに、これでシーズンが終わってしまうのが残念だ。
2位に入ったクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ)
古賀志の登りでは、ダヴィデが強いと分かっていた。もちろん優勝したかったけど、ロバート・パワーと共に2位と3位を狙うように作戦を切り替えた。ロバートはネオプロながら、怪我で難しいシーズンを過ごしてきたけど、最後に結果を残せて良かった。
参加人数は少なかったが、ダヴィデや新城幸也など世界的にも有力な選手が揃っていた。チームとしては、ロバートは登りが得意ということで、結果を残してくれるだろうと考えていた。
レース中はロバートと2人で結果を残そうと考えていた。残り3周でランプレ・メリダがペースアップした時に、送れることのないように離れない様に2人で歯を食いしばった。そこかチームでアタックをしていくという戦略だったが、実現できたなかった。
3位に入ったロバート・パワー(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
本当に強い面々が揃っていて、タフなレースだった。ダヴィデが強かったけど、チームの力を結集して結果を残せた。日本に来れて嬉しい。
アジアンライダー賞を獲得した新城幸也(ランプレ・メリダ)
モーリが4位フィニッシュで、個人としてはアジア人最上位。狙っていた結果ではないが、チームとしての動きは悪くなかった。ボーノに集団コントロールに入ってもらって、他の4人は後方で脚を貯めていた。そして残り3周で動こうということになった。カッタネオを先頭にきつい展開に持ち込んだ。
シモーネが残り2周で、モーリが残り1周で動いて、最後がスプリントになれば僕で勝負するという作戦だった。チームとしては狙った展開にハマったものの、先行させてしまったダヴィデが強力で、僕自身は最後の登りで待ってしまいモーリとはぐれてしまった。悔しいが、チームとして動けていたのでしょうがない。
終盤の展開について語った増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
チームプレーに徹して走ることができたが、最後の勝負は自分の力不足だった。この大舞台で、沢山の方に応援して頂いて、思う存分走ることができて良かった。来年はもう一度リベンジしたい。一年の中での最大の目標は全日本選手権とジャパンカップ。全日本は良いコンディションで臨むことができているが、ジャパンカップは直前に風邪をひいたり怪我をしてしまう。来年はそこを含めて、しっかり準備して、万全の体制で臨みたい。
ラスト2~3周は勝負がかかる。後ろに居ては、アタックが掛かったときに後手に回ってしまうので、位置取りで力を使ってしまう。先手先手で行けたのはよかった。昨日のミーティングで終盤にチームで仕掛けると決めていた。ただ最後は僕の力不足だった。脚が止まってしまった。直前の怪我で走れない時期があり、不安ではあった。ただ、今日はチームの中でも古賀志は登れていると感じていたが…。
小野寺、雨澤、堀の若手が良い走りをしてくれた。凛々しさには僕が若かった頃を思い出す。チームのエースを担えるように僕を追い越してもらいたい。そうすれば、チーム力の底上げになるし、全員で勝負ができるようになる。チームとしては海外で走れる機会が少ないが、こういう数少ないチャンスをしっかりものにして、上にステップアップしていってほしい。去年今年と良い走りができており、来年は結果でファンにお返ししたい。
キャリア最後のジャパンカップで山岳賞を獲得したの井上和郎(ブリヂストンアンカー)
2日連続の逃げは狙い通り。正直集団で勝負するのは厳しいと思ったので、それだったら逃げに乗って山岳賞をとって、表彰台に乗ろうと考えていた。KOMを獲得した時は、コーナーで他の選手がアウト側に膨らんだところをインからアタックした。緊張したが、タイミング良く行けてよかった。2日連続で体力的には大丈夫だと思っていたが、最後は逃げから遅れてしまった。しかし、出し切れてよかった。
リザーブではあったが、何時呼ばれても良いように体調を整えていた。選ばれた以上は結果を残す。突然チャンスが巡ってきても、しっかりとものにできる様に、準備をしておかなきゃいけないということを若手選手に示せたと思う。
山岳賞獲得の堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
山岳賞獲得を公言していて、レース前から逃げに乗るつもりだった。先頭でKOMを通過できた時は、率直に嬉しかった。
やっとスタートラインに立てたという思い。キャリアの最終的な目標は、この大会で表彰台の真ん中に立つこと。宇都宮出身であり、僕のルーツであるこのジャパンカップはツール・ド・フランスや世界選手権よりも大切レースだ。
text&photo:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.Ayano, Hideaki TAKAGI, Kei Tsuji
プロ初優勝を飾ったダヴィデ・ヴィッレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
コンディションの仕上がりを見て、チームが自分のことエースに指名してくれた。全体的に落ち着いた状況でレースを進めることができ、うまくいった。先頭集団に最終盤まで残ってアタックするのが優勝できる唯一の方法だった。1週間前にコースマップを見て、仕掛けるなら古賀志しかないと考えていた。最後はとにかく踏み続けた。
この2年間は右膝の怪我で、難しい時間を過ごした。今シーズンもジロ・デ・イタリア出場を逃したが、ツール・ド・ポローニュから調子が上向き、ブエルタに出場。ロンバルディアではまぁまぁの結果で終えられた。そして、このジャパンカップで勝つことができた。現在とても調子が良いだけに、これでシーズンが終わってしまうのが残念だ。
2位に入ったクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ)
古賀志の登りでは、ダヴィデが強いと分かっていた。もちろん優勝したかったけど、ロバート・パワーと共に2位と3位を狙うように作戦を切り替えた。ロバートはネオプロながら、怪我で難しいシーズンを過ごしてきたけど、最後に結果を残せて良かった。
参加人数は少なかったが、ダヴィデや新城幸也など世界的にも有力な選手が揃っていた。チームとしては、ロバートは登りが得意ということで、結果を残してくれるだろうと考えていた。
レース中はロバートと2人で結果を残そうと考えていた。残り3周でランプレ・メリダがペースアップした時に、送れることのないように離れない様に2人で歯を食いしばった。そこかチームでアタックをしていくという戦略だったが、実現できたなかった。
3位に入ったロバート・パワー(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
本当に強い面々が揃っていて、タフなレースだった。ダヴィデが強かったけど、チームの力を結集して結果を残せた。日本に来れて嬉しい。
アジアンライダー賞を獲得した新城幸也(ランプレ・メリダ)
モーリが4位フィニッシュで、個人としてはアジア人最上位。狙っていた結果ではないが、チームとしての動きは悪くなかった。ボーノに集団コントロールに入ってもらって、他の4人は後方で脚を貯めていた。そして残り3周で動こうということになった。カッタネオを先頭にきつい展開に持ち込んだ。
シモーネが残り2周で、モーリが残り1周で動いて、最後がスプリントになれば僕で勝負するという作戦だった。チームとしては狙った展開にハマったものの、先行させてしまったダヴィデが強力で、僕自身は最後の登りで待ってしまいモーリとはぐれてしまった。悔しいが、チームとして動けていたのでしょうがない。
終盤の展開について語った増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
チームプレーに徹して走ることができたが、最後の勝負は自分の力不足だった。この大舞台で、沢山の方に応援して頂いて、思う存分走ることができて良かった。来年はもう一度リベンジしたい。一年の中での最大の目標は全日本選手権とジャパンカップ。全日本は良いコンディションで臨むことができているが、ジャパンカップは直前に風邪をひいたり怪我をしてしまう。来年はそこを含めて、しっかり準備して、万全の体制で臨みたい。
ラスト2~3周は勝負がかかる。後ろに居ては、アタックが掛かったときに後手に回ってしまうので、位置取りで力を使ってしまう。先手先手で行けたのはよかった。昨日のミーティングで終盤にチームで仕掛けると決めていた。ただ最後は僕の力不足だった。脚が止まってしまった。直前の怪我で走れない時期があり、不安ではあった。ただ、今日はチームの中でも古賀志は登れていると感じていたが…。
小野寺、雨澤、堀の若手が良い走りをしてくれた。凛々しさには僕が若かった頃を思い出す。チームのエースを担えるように僕を追い越してもらいたい。そうすれば、チーム力の底上げになるし、全員で勝負ができるようになる。チームとしては海外で走れる機会が少ないが、こういう数少ないチャンスをしっかりものにして、上にステップアップしていってほしい。去年今年と良い走りができており、来年は結果でファンにお返ししたい。
キャリア最後のジャパンカップで山岳賞を獲得したの井上和郎(ブリヂストンアンカー)
2日連続の逃げは狙い通り。正直集団で勝負するのは厳しいと思ったので、それだったら逃げに乗って山岳賞をとって、表彰台に乗ろうと考えていた。KOMを獲得した時は、コーナーで他の選手がアウト側に膨らんだところをインからアタックした。緊張したが、タイミング良く行けてよかった。2日連続で体力的には大丈夫だと思っていたが、最後は逃げから遅れてしまった。しかし、出し切れてよかった。
リザーブではあったが、何時呼ばれても良いように体調を整えていた。選ばれた以上は結果を残す。突然チャンスが巡ってきても、しっかりとものにできる様に、準備をしておかなきゃいけないということを若手選手に示せたと思う。
山岳賞獲得の堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
山岳賞獲得を公言していて、レース前から逃げに乗るつもりだった。先頭でKOMを通過できた時は、率直に嬉しかった。
やっとスタートラインに立てたという思い。キャリアの最終的な目標は、この大会で表彰台の真ん中に立つこと。宇都宮出身であり、僕のルーツであるこのジャパンカップはツール・ド・フランスや世界選手権よりも大切レースだ。
text&photo:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.Ayano, Hideaki TAKAGI, Kei Tsuji
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