2016/10/14(金) - 00:31
ノルウェーとドイツによるリードアウト合戦の末に繰り広げられたU23ロードレースの最終スプリント勝負。イタリアも絡んだ三つ巴のスプリントで20歳のクリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー)が勝利した。
人工島「ザ・パール」の15.2km周回コースをほぼ11周する166kmで行われたU23ロードレース。55カ国から集まった186名の次世代ライダーたちが、1日の中で最も暑い(最高気温36度)正午にスタートを切る。
周回コースは真っ平らだが、道幅が小刻みに変わり、Uターンを含むコーナーやラウンドアバウト、減速用バンプが絶えずやってくるテクニカルなもの。落車が連続するナーバスな集団から2周目に抜け出した5名に追走4名が追いついたところでようやく集団は落ち着きを見せる。
2017年にトレック・セガフレード入りするグレゴリー・ダニエル(アメリカ)、BMCデヴェロップメントチーム所属のパトリック・ミューラー(スイス)とパスカル・エーンクホールン(オランダ)、エティックス・クイックステップの下部チームであるクレイン・コンスタンティア所属のヌーノ・ビコ(ポルトガル)、スタジエールとしてディメンションデータで走るアマヌエル・ゲブレスガビエル(エリトリア)ら9名が逃げる。
メイン集団を指揮したのはメンバー6名を揃えたノルウェーだった。ドイツやイギリス、スペイン、カザフスタンもローテーションにメンバーを送り込んだが、主に赤青ラインが入った白いノルウェージャージが集団先頭に陣取る。周回を重ねるうちに集団の人数は淘汰されていき、最大3分のアドバンテージを得た逃げも残り10kmで吸収された。
連続するコーナーやラウンドアバウトに合わせて集団は加速し、縦一列棒状で最終周回を駆け抜ける。ノルウェーやドイツ、フランスによる主導権争いが平行線をたどったまま残り1kmの最終コーナーを曲がる。
最終局面で主導権を握ったのはドイツで、2017年サンウェブ・ジャイアント入りするフィル・バウハウス(ドイツ)が最終リードアウト。残り150mから勾配2〜3%の登りが始まったところで台本通りアッケルマンが加速する。勝ちパターンに持ち込んだアッケルマンだったが、その後ろからハルヴォルセンのスプリントが伸びた。
ヤコブ・マレツコ(イタリア)とともに抜群の加速力を見せたハルヴォルセンがアッケルマンに並び、3名がハンドルを投げ込んでフィニッシュ。僅差のスプリントで差し切ったハルヴォルセンが勝利した。3時間40分に及ぶレースの平均スピードは45.092km/hだった。
ハルヴォルセンかつてアレクサンダー・クリストフやエドヴァルド・ボアッソンハーゲン、ラーシュペッテル・ノルダーグも所属したノルウェーの名門チームジョーカーに所属する20歳(1996年4月13日生まれ)。今年ノケレ・コールスで2位に入り、ツール・ド・ラヴニールでステージ優勝。9月のGPイスベルグではブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)やダニエル・マクレー(イギリス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)らを下して優勝を飾っている。
「コーナーが連続するフラットコースは自分向き。だからこの世界選手権を今シーズン最大の目標に掲げていた。ノルウェーチームのおかげでドイツ選手(アッケルマン)の番手からスプリント。とてもハードだったけど、完璧なスプリントだった。チームワークの賜物だ」と、新U23世界チャンピオンは語る。ノルウェーのU23タイトル制覇は1997年のクルト・アルヴェセンと2014年のスヴェンエリック・ビストロムに続く3度目。
2位のアッケルマンはボーラ・ハンスグローエ入りが決まっており、3位のマレツコはUCIプロコンチネンタルチームのウィリエール・サウスイースト所属。しかしハルヴォルセンは2017年もUCIコンチネンタルチームのチームジョーカーに残る。「トール・フースホフトが自分のアイドル。彼のような選手になりたい」と語るハルヴォルセンは、地元ノルウェーで開催されるロード世界選手権に向けてさらなる成長を誓った。
ロード世界選手権2016U23男子ロードレース結果
1位 クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー) 3h40’53”
2位 パスカル・アッケルマン(ドイツ)
3位 ヤコブ・マレツコ(イタリア)
4位 フィル・バウハウス(ドイツ)
5位 アムンド・グロンダール(ノルウェー)
6位 ジェイソン・ロウンズ(オーストラリア)
7位 イバン・ガルシアコルティナ(スペイン)
8位 アクセル・ノーメラ(エストニア)
9位 ジョナサン・ディッベン(イギリス)
10位 アラン・バナセク(ポーランド)
text&photo:Kei Tsuji in Doha, Qatar
人工島「ザ・パール」の15.2km周回コースをほぼ11周する166kmで行われたU23ロードレース。55カ国から集まった186名の次世代ライダーたちが、1日の中で最も暑い(最高気温36度)正午にスタートを切る。
周回コースは真っ平らだが、道幅が小刻みに変わり、Uターンを含むコーナーやラウンドアバウト、減速用バンプが絶えずやってくるテクニカルなもの。落車が連続するナーバスな集団から2周目に抜け出した5名に追走4名が追いついたところでようやく集団は落ち着きを見せる。
2017年にトレック・セガフレード入りするグレゴリー・ダニエル(アメリカ)、BMCデヴェロップメントチーム所属のパトリック・ミューラー(スイス)とパスカル・エーンクホールン(オランダ)、エティックス・クイックステップの下部チームであるクレイン・コンスタンティア所属のヌーノ・ビコ(ポルトガル)、スタジエールとしてディメンションデータで走るアマヌエル・ゲブレスガビエル(エリトリア)ら9名が逃げる。
メイン集団を指揮したのはメンバー6名を揃えたノルウェーだった。ドイツやイギリス、スペイン、カザフスタンもローテーションにメンバーを送り込んだが、主に赤青ラインが入った白いノルウェージャージが集団先頭に陣取る。周回を重ねるうちに集団の人数は淘汰されていき、最大3分のアドバンテージを得た逃げも残り10kmで吸収された。
連続するコーナーやラウンドアバウトに合わせて集団は加速し、縦一列棒状で最終周回を駆け抜ける。ノルウェーやドイツ、フランスによる主導権争いが平行線をたどったまま残り1kmの最終コーナーを曲がる。
最終局面で主導権を握ったのはドイツで、2017年サンウェブ・ジャイアント入りするフィル・バウハウス(ドイツ)が最終リードアウト。残り150mから勾配2〜3%の登りが始まったところで台本通りアッケルマンが加速する。勝ちパターンに持ち込んだアッケルマンだったが、その後ろからハルヴォルセンのスプリントが伸びた。
ヤコブ・マレツコ(イタリア)とともに抜群の加速力を見せたハルヴォルセンがアッケルマンに並び、3名がハンドルを投げ込んでフィニッシュ。僅差のスプリントで差し切ったハルヴォルセンが勝利した。3時間40分に及ぶレースの平均スピードは45.092km/hだった。
ハルヴォルセンかつてアレクサンダー・クリストフやエドヴァルド・ボアッソンハーゲン、ラーシュペッテル・ノルダーグも所属したノルウェーの名門チームジョーカーに所属する20歳(1996年4月13日生まれ)。今年ノケレ・コールスで2位に入り、ツール・ド・ラヴニールでステージ優勝。9月のGPイスベルグではブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)やダニエル・マクレー(イギリス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)らを下して優勝を飾っている。
「コーナーが連続するフラットコースは自分向き。だからこの世界選手権を今シーズン最大の目標に掲げていた。ノルウェーチームのおかげでドイツ選手(アッケルマン)の番手からスプリント。とてもハードだったけど、完璧なスプリントだった。チームワークの賜物だ」と、新U23世界チャンピオンは語る。ノルウェーのU23タイトル制覇は1997年のクルト・アルヴェセンと2014年のスヴェンエリック・ビストロムに続く3度目。
2位のアッケルマンはボーラ・ハンスグローエ入りが決まっており、3位のマレツコはUCIプロコンチネンタルチームのウィリエール・サウスイースト所属。しかしハルヴォルセンは2017年もUCIコンチネンタルチームのチームジョーカーに残る。「トール・フースホフトが自分のアイドル。彼のような選手になりたい」と語るハルヴォルセンは、地元ノルウェーで開催されるロード世界選手権に向けてさらなる成長を誓った。
ロード世界選手権2016U23男子ロードレース結果
1位 クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー) 3h40’53”
2位 パスカル・アッケルマン(ドイツ)
3位 ヤコブ・マレツコ(イタリア)
4位 フィル・バウハウス(ドイツ)
5位 アムンド・グロンダール(ノルウェー)
6位 ジェイソン・ロウンズ(オーストラリア)
7位 イバン・ガルシアコルティナ(スペイン)
8位 アクセル・ノーメラ(エストニア)
9位 ジョナサン・ディッベン(イギリス)
10位 アラン・バナセク(ポーランド)
text&photo:Kei Tsuji in Doha, Qatar
関連ファイル
ロード世界選手権2016U23男子ロードレース結果(PDF)
(566.89 KB)
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