2016/10/10(月) - 01:48
最高気温36度の暑さに体調を崩す選手が続出する中、オランダのボエルス・ドルマンスが平坦コースを快走。ディフェンディングチャンピオンのキャニオン・スラムを打ち破り、初のチームタイムトライアル制覇を果たした。
10月9日にカタール・ドーハで開幕したロード世界選手権。最初の種目はUCI登録した女子チームによるチームタイムトライアル。ドーハ北部に位置するルサイルのスポーツ複合施設をスタートし、高速道路を走って「ザ・パール」でフィニッシュを迎える40kmコースは真っ平らだ。
50分弱の高強度走行を行う選手たちを最高気温36度(38度との情報も)の熱波が襲った。熱中症により後半にかけて大きくペースを落とす選手が続出。フェンスと接触して落車したラボバンクLIVのアノウスカ・コスターは怪我を免れたものの自力で立ち上がれず、ふらついてバイクに跨がれないシーンも。他にもフィニッシュ後に倒れこみ、医療スタッフによる治療を受ける選手が多く見られた。
過酷なコンディションの中、スペシャライズド・ルルレモンから数えて大会5連覇がかかったドイツのキャニオン・スラムが前半から好走。第1計測ポイントでトップタイムを叩き出したキャニオン・スラム。しかし後半にかけてペースを落とし、代わってボエルス・ドルマンスが第2計測でトップに立つ。2名を失いながらもハイペースを維持したボエルス・ドルマンスが、平均スピード49.298km/hで40kmコースを走りきった。
エレン・ファンダイク(オランダ)やイヴリン・スティーヴンス(アメリカ)、リジー・ダイグナン(イギリス)を揃えたオランダチームが最終的にキャニオン・スラムを48秒引き離し、チームタイムトライアル初制覇を果たした。
「シーズンを通して調子の良さをキープしていたボエルス・ドルマンスの強さを改めて証明できたと思う。こうして金メダルでシーズンを締めくくることができてよかった」と語るのは2015年ロード世界チャンピオンのダイグナン(旧姓アーミステッド)。ボエルス・ドルマンスは今シーズンのUCI女子ワールドツアー17戦のうち10戦で勝利。8月19日にスウェーデンで行われたヴァーガーダ・チームタイムトライアル(UCI女子ワールドツアー)でも勝利していた。
大会後半の個人タイムトライアルとロードレースには出場せず、このチームタイムトライアルをもって現役を引退するスティーヴンスは「オランダでサウナに入って特訓し、早めに現地入りしてこの暑さに順応した。もうこの暑さの中で自転車に乗りたくないけど、チームとして周到に準備してその結果を残すことができてよかった」と語る。47.980km/hのアワーレコード保持者スティーヴンスが金メダルでキャリアに終止符を打った。
ロード世界選手権2016UCI女子チームタイムトライアル結果
1位 ボエルス・ドルマンス 48’41”(Ave 49.298km/h)
2位 キャニオン・スラム +48”
3位 サーヴェロ・ビグラ +1’57”
4位 ビーピンク +2’46”
5位 トゥウェンティ16 +2’47”
6位 ハイテクプロダクツ +3’24”
7位 BTCシティ・リュブリャナ +3’43”
8位 ラボバンクLIV +6’03”
text&photo:Kei Tsuji Doha, Qatar
10月9日にカタール・ドーハで開幕したロード世界選手権。最初の種目はUCI登録した女子チームによるチームタイムトライアル。ドーハ北部に位置するルサイルのスポーツ複合施設をスタートし、高速道路を走って「ザ・パール」でフィニッシュを迎える40kmコースは真っ平らだ。
50分弱の高強度走行を行う選手たちを最高気温36度(38度との情報も)の熱波が襲った。熱中症により後半にかけて大きくペースを落とす選手が続出。フェンスと接触して落車したラボバンクLIVのアノウスカ・コスターは怪我を免れたものの自力で立ち上がれず、ふらついてバイクに跨がれないシーンも。他にもフィニッシュ後に倒れこみ、医療スタッフによる治療を受ける選手が多く見られた。
過酷なコンディションの中、スペシャライズド・ルルレモンから数えて大会5連覇がかかったドイツのキャニオン・スラムが前半から好走。第1計測ポイントでトップタイムを叩き出したキャニオン・スラム。しかし後半にかけてペースを落とし、代わってボエルス・ドルマンスが第2計測でトップに立つ。2名を失いながらもハイペースを維持したボエルス・ドルマンスが、平均スピード49.298km/hで40kmコースを走りきった。
エレン・ファンダイク(オランダ)やイヴリン・スティーヴンス(アメリカ)、リジー・ダイグナン(イギリス)を揃えたオランダチームが最終的にキャニオン・スラムを48秒引き離し、チームタイムトライアル初制覇を果たした。
「シーズンを通して調子の良さをキープしていたボエルス・ドルマンスの強さを改めて証明できたと思う。こうして金メダルでシーズンを締めくくることができてよかった」と語るのは2015年ロード世界チャンピオンのダイグナン(旧姓アーミステッド)。ボエルス・ドルマンスは今シーズンのUCI女子ワールドツアー17戦のうち10戦で勝利。8月19日にスウェーデンで行われたヴァーガーダ・チームタイムトライアル(UCI女子ワールドツアー)でも勝利していた。
大会後半の個人タイムトライアルとロードレースには出場せず、このチームタイムトライアルをもって現役を引退するスティーヴンスは「オランダでサウナに入って特訓し、早めに現地入りしてこの暑さに順応した。もうこの暑さの中で自転車に乗りたくないけど、チームとして周到に準備してその結果を残すことができてよかった」と語る。47.980km/hのアワーレコード保持者スティーヴンスが金メダルでキャリアに終止符を打った。
ロード世界選手権2016UCI女子チームタイムトライアル結果
1位 ボエルス・ドルマンス 48’41”(Ave 49.298km/h)
2位 キャニオン・スラム +48”
3位 サーヴェロ・ビグラ +1’57”
4位 ビーピンク +2’46”
5位 トゥウェンティ16 +2’47”
6位 ハイテクプロダクツ +3’24”
7位 BTCシティ・リュブリャナ +3’43”
8位 ラボバンクLIV +6’03”
text&photo:Kei Tsuji Doha, Qatar
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