2016/10/04(火) - 09:28
スーパープレスティージュ開幕戦は世界チャンピオンとオランダチャンピオンの激しい攻防に。膝の手術でシーズンインが遅れていたマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が息を飲む接戦を制した。
シクロクロスにおける三大シリーズと言えばUCIワールドカップとスーパープレスティージュ、そしてDVVフェルゼクリンゲン・トロフェー(元Bpost Bankトロフェー)だ。それぞれシーズン7〜8戦開催され、年間ランキングが争われる。UCIワールドカップはすでにアメリカで2戦までを終えている。
スーパープレスティージュは1982-1983年シーズンに初開催されたシクロクロスシリーズ戦で、1993-1994年シーズンに始動したUCIワールドカップよりも歴史は古い。2017年からロードチームのボーラ・ハンスグローエのスポンサーを務めるハンスグローエ社がタイトルスポンサーにつき、シリーズ名は「ハンスグローエ・スーパープレスティージュ」に変更された。なお、三大シリーズと世界選手権を同年に制覇することを「グランドスラム」と呼び、昨シーズン引退したスヴェン・ネイス(ベルギー)が2005年に達成している。
今シーズンの世界選手権は1月28日から2日間ルクセンブルクで開催される。日本国内のUCIレースは10月30日の東北CX Project第1戦グリバーさがえと、11月20日の関西シクロクロス第4戦マキノ高原、そして11月28日からのRaphaスーパークロス野辺山2連戦の合計4レース(いずれもクラス2)。全日本選手権は12月11日に宇都宮の道の駅うつのみやろまんちっく村で開催される。
シクロクロス2016-2017主要UCIレース(WC=UCIワールドカップ、SP=スーパープレスティージュ)
9月21日 WC第1戦 ラスベガス(アメリカ)
9月25日 WC第2戦 アイオワシティー(アメリカ)
10月2日 SP第1戦 ギーテン(オランダ)
10月9日 DVV第1戦 ロンセ(ベルギー)
10月16日 SP第2戦 ゾンホーフェン(ベルギー)
10月23日 WC第3戦 ファルケンブルグ(オランダ)
10月30日 東北CX Project(山形県寒河江市)C2
11月1日 DVV第2戦 オウデナールデ(ベルギー)
11月6日 SP第3戦 ルッデルフォールデ(ベルギー)
11月13日 SP第4戦 ガーフェレ(ベルギー)
11月20日 関西シクロクロス(滋賀県高島市)C2
11月20日 WC第4戦 コクサイデ(ベルギー)
11月26日 WC第5戦 ツェーフェン(ドイツ)
11月26日 Raphaスーパークロス野辺山(長野県南牧村)C2
11月27日 Raphaスーパークロス野辺山(長野県南牧村)C2
11月27日 DVV第3戦 ハンメ(ベルギー)
12月1日 全日本選手権(栃木県宇都宮市)
12月3日 SP第5戦 フランコルシャン(ベルギー)
12月10日 DVV第4戦 エッセン(ベルギー)
12月17日 DVV第5戦 アントワープ(ベルギー)
12月18日 WC第6戦 ナミュール(ベルギー)
12月23日 SP第6戦 ディーゲム(ベルギー)
12月26日 WC第7戦 ヒュースデンゾルダー(ベルギー)
12月29日 DVV第6戦 ローエンホート(ベルギー)
1月1日 DVV第7戦 バール(ベルギー)
1月15日 WC第8戦 フィウッジ(イタリア)
1月22日 WC第9戦 ホーヘルハイデ(オランダ)
1月28日〜29日 UCI世界選手権 ベルヴォー(ルクセンブルク)
2月1日 DVV第8戦 リール(ベルギー)
2月5日 SP第7戦 ホーグストラテン(ベルギー)
2月11日 SP第8戦 ミッデルケルケ(ベルギー)
ベルギーをメインに行われるスーパープレスティージュの第1戦がオランダ北部のギーテンで開催された。砂が名物の周回コースに挑んだのは、スーパープレスティージュ全戦出場が決まっている全日本チャンピオン竹之内悠(東洋フレーム)を含む35名。
ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)のホールショットで始まった1時間の戦いは、すでにUCIワールドカップ開幕2連勝を飾っているワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)と、膝の手術によってシーズンインが遅れたマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)の2人が1周目から先頭で展開する。
トム・メーウセンとトーン・アールツ(ともにベルギー、テレネット・フィデア)とともに先頭パックを形成したファンアールトとファンデルポール。ほとんどの選手がバイクを担いだ砂の登りを巧みなバイクコントロールで乗車したままクリアしたファンアールトとファンデルポールが徐々に先行を開始する。
世界チャンピオンのファンアールトと、オランダチャンピオンのファンデルポール。両者は一進一退の攻防を繰り広げながら、追いすがるローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)を引き離す。
ファンデルポールが若干先行したまま最終周回に入ったが、砂地でのミスを挽回したファンアールトが追いついて先頭は2人。ファンアールトがコーナーの度にダッシュがかかったが決まらない。
すると、砂地のコーナーで先行したファンアールトのイン側をファンデルポールがこじ開け、2人が肘を突き合わせながらバイクを担いで砂地を全開ダッシュ。両者同時にバイクを置いて飛び乗ったが、そこでファンアールトのチェーンが落ちてストップ。スムーズに乗車したファンデルポールがリードを広げ、ファンアールトに8秒差をつけてフィニッシュした。
地元オランダのナショナルチャンピオンによるスーパープレスティージュ開幕戦勝利。「今日はワウトと自分が互角で、差を広げるのは不可能だった」とファンデルポールは語る。「調子は悪くないと思っていた。確かに砂のコースは得意だけど、100%のコンディションではなかったし、勝利は予想していなかったよ」。
敗れたファンアールトは「マテューから遅れなければスプリントで勝てると思っていた。チェーンが落ちるまで最終周回はサイド・バイ・サイドの攻防。チェーンが落ちた理由なんてわからない。ただ単にアンラッキーだったのだと思う。こんな形で負けたことが悔しい。スプリントで数センチ差で負ける方がマシだ」とコメント。また「マテューが戻ってきて嬉しい」とライバルの復帰を喜ぶとともに「来週は違う結果にしてみせる」と意気込んでいる。今シーズンも若い2人による激しいバトルが繰り広げられることになりそうだ。
選手コメントはレース公式サイトより。
スーパープレスティージュ2016-2017第1戦結果
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) 58’35”
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +08”
3位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +13”
4位 イェンス・アダムス(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +16”
5位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +22”
6位 クラース・ファントルノート(ベルギー、マルルクス・ナポレオンゲームス)+25”
7位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +39”
8位 ティム・メルリエ(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +42”
9位 デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) +43”
10位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +58”
31位 竹之内悠(日本、東洋フレーム)
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
シクロクロスにおける三大シリーズと言えばUCIワールドカップとスーパープレスティージュ、そしてDVVフェルゼクリンゲン・トロフェー(元Bpost Bankトロフェー)だ。それぞれシーズン7〜8戦開催され、年間ランキングが争われる。UCIワールドカップはすでにアメリカで2戦までを終えている。
スーパープレスティージュは1982-1983年シーズンに初開催されたシクロクロスシリーズ戦で、1993-1994年シーズンに始動したUCIワールドカップよりも歴史は古い。2017年からロードチームのボーラ・ハンスグローエのスポンサーを務めるハンスグローエ社がタイトルスポンサーにつき、シリーズ名は「ハンスグローエ・スーパープレスティージュ」に変更された。なお、三大シリーズと世界選手権を同年に制覇することを「グランドスラム」と呼び、昨シーズン引退したスヴェン・ネイス(ベルギー)が2005年に達成している。
今シーズンの世界選手権は1月28日から2日間ルクセンブルクで開催される。日本国内のUCIレースは10月30日の東北CX Project第1戦グリバーさがえと、11月20日の関西シクロクロス第4戦マキノ高原、そして11月28日からのRaphaスーパークロス野辺山2連戦の合計4レース(いずれもクラス2)。全日本選手権は12月11日に宇都宮の道の駅うつのみやろまんちっく村で開催される。
シクロクロス2016-2017主要UCIレース(WC=UCIワールドカップ、SP=スーパープレスティージュ)
9月21日 WC第1戦 ラスベガス(アメリカ)
9月25日 WC第2戦 アイオワシティー(アメリカ)
10月2日 SP第1戦 ギーテン(オランダ)
10月9日 DVV第1戦 ロンセ(ベルギー)
10月16日 SP第2戦 ゾンホーフェン(ベルギー)
10月23日 WC第3戦 ファルケンブルグ(オランダ)
10月30日 東北CX Project(山形県寒河江市)C2
11月1日 DVV第2戦 オウデナールデ(ベルギー)
11月6日 SP第3戦 ルッデルフォールデ(ベルギー)
11月13日 SP第4戦 ガーフェレ(ベルギー)
11月20日 関西シクロクロス(滋賀県高島市)C2
11月20日 WC第4戦 コクサイデ(ベルギー)
11月26日 WC第5戦 ツェーフェン(ドイツ)
11月26日 Raphaスーパークロス野辺山(長野県南牧村)C2
11月27日 Raphaスーパークロス野辺山(長野県南牧村)C2
11月27日 DVV第3戦 ハンメ(ベルギー)
12月1日 全日本選手権(栃木県宇都宮市)
12月3日 SP第5戦 フランコルシャン(ベルギー)
12月10日 DVV第4戦 エッセン(ベルギー)
12月17日 DVV第5戦 アントワープ(ベルギー)
12月18日 WC第6戦 ナミュール(ベルギー)
12月23日 SP第6戦 ディーゲム(ベルギー)
12月26日 WC第7戦 ヒュースデンゾルダー(ベルギー)
12月29日 DVV第6戦 ローエンホート(ベルギー)
1月1日 DVV第7戦 バール(ベルギー)
1月15日 WC第8戦 フィウッジ(イタリア)
1月22日 WC第9戦 ホーヘルハイデ(オランダ)
1月28日〜29日 UCI世界選手権 ベルヴォー(ルクセンブルク)
2月1日 DVV第8戦 リール(ベルギー)
2月5日 SP第7戦 ホーグストラテン(ベルギー)
2月11日 SP第8戦 ミッデルケルケ(ベルギー)
ベルギーをメインに行われるスーパープレスティージュの第1戦がオランダ北部のギーテンで開催された。砂が名物の周回コースに挑んだのは、スーパープレスティージュ全戦出場が決まっている全日本チャンピオン竹之内悠(東洋フレーム)を含む35名。
ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)のホールショットで始まった1時間の戦いは、すでにUCIワールドカップ開幕2連勝を飾っているワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)と、膝の手術によってシーズンインが遅れたマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)の2人が1周目から先頭で展開する。
トム・メーウセンとトーン・アールツ(ともにベルギー、テレネット・フィデア)とともに先頭パックを形成したファンアールトとファンデルポール。ほとんどの選手がバイクを担いだ砂の登りを巧みなバイクコントロールで乗車したままクリアしたファンアールトとファンデルポールが徐々に先行を開始する。
世界チャンピオンのファンアールトと、オランダチャンピオンのファンデルポール。両者は一進一退の攻防を繰り広げながら、追いすがるローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)を引き離す。
ファンデルポールが若干先行したまま最終周回に入ったが、砂地でのミスを挽回したファンアールトが追いついて先頭は2人。ファンアールトがコーナーの度にダッシュがかかったが決まらない。
すると、砂地のコーナーで先行したファンアールトのイン側をファンデルポールがこじ開け、2人が肘を突き合わせながらバイクを担いで砂地を全開ダッシュ。両者同時にバイクを置いて飛び乗ったが、そこでファンアールトのチェーンが落ちてストップ。スムーズに乗車したファンデルポールがリードを広げ、ファンアールトに8秒差をつけてフィニッシュした。
地元オランダのナショナルチャンピオンによるスーパープレスティージュ開幕戦勝利。「今日はワウトと自分が互角で、差を広げるのは不可能だった」とファンデルポールは語る。「調子は悪くないと思っていた。確かに砂のコースは得意だけど、100%のコンディションではなかったし、勝利は予想していなかったよ」。
敗れたファンアールトは「マテューから遅れなければスプリントで勝てると思っていた。チェーンが落ちるまで最終周回はサイド・バイ・サイドの攻防。チェーンが落ちた理由なんてわからない。ただ単にアンラッキーだったのだと思う。こんな形で負けたことが悔しい。スプリントで数センチ差で負ける方がマシだ」とコメント。また「マテューが戻ってきて嬉しい」とライバルの復帰を喜ぶとともに「来週は違う結果にしてみせる」と意気込んでいる。今シーズンも若い2人による激しいバトルが繰り広げられることになりそうだ。
選手コメントはレース公式サイトより。
スーパープレスティージュ2016-2017第1戦結果
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) 58’35”
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +08”
3位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +13”
4位 イェンス・アダムス(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +16”
5位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +22”
6位 クラース・ファントルノート(ベルギー、マルルクス・ナポレオンゲームス)+25”
7位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +39”
8位 ティム・メルリエ(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +42”
9位 デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) +43”
10位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +58”
31位 竹之内悠(日本、東洋フレーム)
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele