2016/09/22(木) - 06:16
ベルギーの平坦コースで逃げ続けた新城幸也(ランプレ・メリダ)ら5名は惜しくも残り150mで吸収。エネコ・ツアー第3ステージを締めくくる大集団スプリントでペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)がステージ優勝を飾った。
エネコ・ツアーはオランダからベルギーへ。第3ステージは北海に面したリゾート地のブランケンベルへから内陸に向かい、アルドーイェの周回コースで締めくくられる186km。いわゆるフランドル地方を走るが、急坂は設定されない。心配された強風は吹かず、比較的穏やかな1日となった。
この日、新城幸也は開始早々逃げに乗った。新城はマルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)とマーク・マクナリー(イギリス、ワンティ・グループグベルト)、ステイン・スティールス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)、イェスパー・アスルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ)とともに5名で逃げグループを形成し、レース前半に最大6分のタイム差を得た。
37歳のエルミガーがリーダージャージのローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)から23秒遅れの総合23位につけていたことから、BMCレーシングが徹底的にメイン集団をコントロール。残り60kmの時点でタイム差は2分20秒まで縮まる。
幹線道路で構成されたアルドーイェの周回コースに入るとロットNLユンボ、ティンコフ、エティックス・クイックステップ、ロット・ソウダル、カチューシャが入れ替わり立ち替わりメイン集団の先頭に上がってペースを上げる。しかし逃げグループも同様にペースを上げてメイン集団に対抗した。
残り20kmで1分45秒あったタイム差は、残り15kmで1分25秒、残り10kmで1分。スプリンターチームの集団牽引によって着実にタイム差が縮まったものの、逃げグループの粘り強い走りによって残り5kmで45秒。
ジャイアント・アルペシン、トレック・セガフレード、チームスカイも集団牽引に加わると残り3kmでタイム差は28秒に。逃げ切りと集団スプリントが天秤にかけられた状態が延々と続き、タイム差20秒で残り2kmを切る。
すると、約15秒リードで残り1kmアーチに差し掛かったところで先頭から新城がアタック。しかしこの加速は決定的なリードを生み出せず、後方からスプリンターが迫る中、5名がまとまったまま最終ストレートに差し掛かる。先頭5名と大集団が同時にスプリントを開始。猛然と加速するスプリンターたちに新城ら5名は残り150mで追い抜かれた。
混戦の中から抜け出したのは真っ赤なスプリント賞ジャージを着るサガンだった。ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)やナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)、そしてマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)らも絡む平坦スプリントでうまく勝負に持ち込んだ世界チャンピオンが勝利。GPケベックやヨーロッパ選手権に続く勝利で、調子の良さを改めて示した。
「まるでモーゼが海を割ったように、自分の前にスプリントの道が開けた。とくに最終周回におけるチームメイトたちの献身は素晴らしかった」と、今シーズン12勝目を飾ったサガンは語る。
サガンはボーナスタイムによって総合2位に浮上。デニスとの総合タイム差は3秒にまで縮まっている。「まだチームタイムトライアルが残っているけど、総合争いにおいても良い位置につけている。これからもステージ優勝と総合を狙いたい」とサガンは締めくくった(コメントはチーム公式サイトより)。
新城幸也コメント「これぞレース。明日はバースデーアタックしないと」
180km以上を逃げ続け、フィニッシュ手前で吸収された新城はステージ26位。Teamユキヤ通信にて、逃げ集団内でのやり取りなどについてコメントした。
「今回のステージレースはチームのエース格のスプリンター、サッシャ、フェラーリ、チモライ、クンプがいるので自分は比較的自由に逃げる事が出来る。今日もファーストアタックで決まるかと思いきや4~5km走って決まった。自分を含め5人だと少しきついかなと思いながら逃げ始めたが、ベルギーのこのあたり特有の警戒していた風も弱めで気温も高い。平坦なので集団ゴールスプリントになりやすいステージだと誰もが考える。逃げるメリットはテレビに映るぐらい(笑)
でも、自分はこれからステージの為に一度エンジンをかけよう(脚を使おう)と逃げた。皆、ほぼ同じぐらい先頭交代しながら距離を消化して行くが 残り50kmあたりから集団との差がいっきに詰まってきたが、練習だと思い、力を使い始めた。ルームポット・オラニエの選手も一緒にペース上げてくれて、2人で多めに引く。 周回には入り、ポイント賞狙いでけんせい状態だったが、自分は関係なく牽きつづけた。
残り1周手前(20km)ぐらいで1分40秒と言うタイム差が表示された瞬間、逃げていたメンバーは逃げきれるっと、いきなり活気付いた。自分は最初から逃げ切るつもりでいつも逃げているので、『今ごろ??』と思いつつ、逃げ切りたい気持ちは皆一緒。
残り3kmからは牽制状態がひどく、こうゆっくり牽制しながらのスプリントは好きじゃないので残り1kmでアタックしてみたが、みんな動かない。独走になり、残り500mで振り返ったら案の定、集団はすぐ後ろに迫っていた(笑)そこで自分が牽きつづける訳にはいかない。逃げ切って5位といいのもあるが、このメンバーに優勝をあげる意味も無い。しかし残り200mで吸収された。180km逃げて残り200mで。というところがこれぞレース。面白いね!エネコツアーはテレビで見たいレースだよね!(笑)
平均速度44km/hのハイペースなステージが終わりました。 チームメイトもみんな疲れている様子だが、自分は後半にしっかりとエンジンかかってきたのでこれからのステージでもまた頑張れそうだ!明日はバースデーアタックしないと。あっ、バースデー優勝の方がいいね。」
エネコ・ツアー2016第3ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 4h10’36”
2位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)
3位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
4位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
5位 マーク・マクナリー(イギリス、ワンティ・グループグベルト)
6位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
7位 マルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)
8位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
9位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
10位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
個人総合成績
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 8h35’24”
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +03”
3位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) +05”
4位 ヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター) +14”
5位 マルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)
6位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +15”
7位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
8位 プリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ) +16”
9位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
10位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +17”
スプリント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 64pts
3位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 49pts
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 47pts
チーム総合成績
1位 ロットNLユンボ 25h48’48”
2位 BMCレーシング
3位 モビスター +15”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
エネコ・ツアーはオランダからベルギーへ。第3ステージは北海に面したリゾート地のブランケンベルへから内陸に向かい、アルドーイェの周回コースで締めくくられる186km。いわゆるフランドル地方を走るが、急坂は設定されない。心配された強風は吹かず、比較的穏やかな1日となった。
この日、新城幸也は開始早々逃げに乗った。新城はマルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)とマーク・マクナリー(イギリス、ワンティ・グループグベルト)、ステイン・スティールス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)、イェスパー・アスルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ)とともに5名で逃げグループを形成し、レース前半に最大6分のタイム差を得た。
37歳のエルミガーがリーダージャージのローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)から23秒遅れの総合23位につけていたことから、BMCレーシングが徹底的にメイン集団をコントロール。残り60kmの時点でタイム差は2分20秒まで縮まる。
幹線道路で構成されたアルドーイェの周回コースに入るとロットNLユンボ、ティンコフ、エティックス・クイックステップ、ロット・ソウダル、カチューシャが入れ替わり立ち替わりメイン集団の先頭に上がってペースを上げる。しかし逃げグループも同様にペースを上げてメイン集団に対抗した。
残り20kmで1分45秒あったタイム差は、残り15kmで1分25秒、残り10kmで1分。スプリンターチームの集団牽引によって着実にタイム差が縮まったものの、逃げグループの粘り強い走りによって残り5kmで45秒。
ジャイアント・アルペシン、トレック・セガフレード、チームスカイも集団牽引に加わると残り3kmでタイム差は28秒に。逃げ切りと集団スプリントが天秤にかけられた状態が延々と続き、タイム差20秒で残り2kmを切る。
すると、約15秒リードで残り1kmアーチに差し掛かったところで先頭から新城がアタック。しかしこの加速は決定的なリードを生み出せず、後方からスプリンターが迫る中、5名がまとまったまま最終ストレートに差し掛かる。先頭5名と大集団が同時にスプリントを開始。猛然と加速するスプリンターたちに新城ら5名は残り150mで追い抜かれた。
混戦の中から抜け出したのは真っ赤なスプリント賞ジャージを着るサガンだった。ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)やナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)、そしてマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)らも絡む平坦スプリントでうまく勝負に持ち込んだ世界チャンピオンが勝利。GPケベックやヨーロッパ選手権に続く勝利で、調子の良さを改めて示した。
「まるでモーゼが海を割ったように、自分の前にスプリントの道が開けた。とくに最終周回におけるチームメイトたちの献身は素晴らしかった」と、今シーズン12勝目を飾ったサガンは語る。
サガンはボーナスタイムによって総合2位に浮上。デニスとの総合タイム差は3秒にまで縮まっている。「まだチームタイムトライアルが残っているけど、総合争いにおいても良い位置につけている。これからもステージ優勝と総合を狙いたい」とサガンは締めくくった(コメントはチーム公式サイトより)。
新城幸也コメント「これぞレース。明日はバースデーアタックしないと」
180km以上を逃げ続け、フィニッシュ手前で吸収された新城はステージ26位。Teamユキヤ通信にて、逃げ集団内でのやり取りなどについてコメントした。
「今回のステージレースはチームのエース格のスプリンター、サッシャ、フェラーリ、チモライ、クンプがいるので自分は比較的自由に逃げる事が出来る。今日もファーストアタックで決まるかと思いきや4~5km走って決まった。自分を含め5人だと少しきついかなと思いながら逃げ始めたが、ベルギーのこのあたり特有の警戒していた風も弱めで気温も高い。平坦なので集団ゴールスプリントになりやすいステージだと誰もが考える。逃げるメリットはテレビに映るぐらい(笑)
でも、自分はこれからステージの為に一度エンジンをかけよう(脚を使おう)と逃げた。皆、ほぼ同じぐらい先頭交代しながら距離を消化して行くが 残り50kmあたりから集団との差がいっきに詰まってきたが、練習だと思い、力を使い始めた。ルームポット・オラニエの選手も一緒にペース上げてくれて、2人で多めに引く。 周回には入り、ポイント賞狙いでけんせい状態だったが、自分は関係なく牽きつづけた。
残り1周手前(20km)ぐらいで1分40秒と言うタイム差が表示された瞬間、逃げていたメンバーは逃げきれるっと、いきなり活気付いた。自分は最初から逃げ切るつもりでいつも逃げているので、『今ごろ??』と思いつつ、逃げ切りたい気持ちは皆一緒。
残り3kmからは牽制状態がひどく、こうゆっくり牽制しながらのスプリントは好きじゃないので残り1kmでアタックしてみたが、みんな動かない。独走になり、残り500mで振り返ったら案の定、集団はすぐ後ろに迫っていた(笑)そこで自分が牽きつづける訳にはいかない。逃げ切って5位といいのもあるが、このメンバーに優勝をあげる意味も無い。しかし残り200mで吸収された。180km逃げて残り200mで。というところがこれぞレース。面白いね!エネコツアーはテレビで見たいレースだよね!(笑)
平均速度44km/hのハイペースなステージが終わりました。 チームメイトもみんな疲れている様子だが、自分は後半にしっかりとエンジンかかってきたのでこれからのステージでもまた頑張れそうだ!明日はバースデーアタックしないと。あっ、バースデー優勝の方がいいね。」
エネコ・ツアー2016第3ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 4h10’36”
2位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)
3位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
4位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
5位 マーク・マクナリー(イギリス、ワンティ・グループグベルト)
6位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
7位 マルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)
8位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
9位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
10位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
個人総合成績
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 8h35’24”
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +03”
3位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) +05”
4位 ヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター) +14”
5位 マルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)
6位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +15”
7位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
8位 プリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ) +16”
9位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
10位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +17”
スプリント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 64pts
3位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 49pts
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス) 47pts
チーム総合成績
1位 ロットNLユンボ 25h48’48”
2位 BMCレーシング
3位 モビスター +15”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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