2016/09/21(水) - 06:56
ゴールド&グリーンのナショナルチャンピオンジャージを着るローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)が最速タイム。カタール世界選手権を見据えるデニスがエネコ・ツアーの総合首位に立った。
オランダ南部のブレダーを発着する9.6kmコースで行われたエネコ・ツアー第2ステージ個人タイムトライアル。同市の中心部から市街地や郊外の森林を走るコースは完全にフラットだ。
エネコ・ツアーの総合争いに大きく響くこの「時間との戦い」でオーストラリアのTTチャンピオンジャージを着るローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)が10分48秒の最速タイムを叩き出した。前走者のヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)がスタートに間に合わず、約40秒遅れでスタートしたこともデニスの好走につながった。
デニス本人も「キリエンカがスタートに遅れたことが味方したと思う。世界チャンピオンである彼が自分のたった20秒前にスタートしたことで、『人参を追うウサギ』のような状況がずっと続いた。良いペーサーになった」と認めている。デニスの平均スピードは53.33km/hだった。
デニスは「短距離タイムトライアルで全力を出し切るのは難しいけど、今日はステージ優勝を狙って出し切った」というヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)に5秒差、そしてヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター)に14秒差をつけてステージ優勝。総合首位ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)が52秒遅れたため、デニスが同時にリーダージャージを手にしている。
今シーズン、オーストラリア選手権とツアー・オブ・カリフォルニア第6ステージに続くタイムトライアル3勝目を飾ったデニスは「完璧に近いタイムトライアルだった。コーナーがやってくる度にリスクを負って突っ込んだけど、そのリスクが勝利につながったと思う。これ以上速くは走れないと言ってもいいほどだった」と語る。
「今回BMCレーシングはグレッグ・ファンアフェルマートと自分で総合を狙っている。総合争いにおいて次のチームタイムトライアルが鍵を握っているので、毎日落車せずに、トラブルでタイムを失わないように走りたい。もちろんリンブルフのステージ(第6ステージ)と最終ステージ(第8ステージ)でも総合争いは動くと思う」と、総合リーダーは語っている。
昨年総合3位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)は15秒差のステージ4位に入る好成績。また、総合争いにおいてデニスの最大のライバルになると目されるペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)は17秒遅れのステージ8位に。その他のライバルたちはこの日だけでデニスから30秒以上のタイムを失っている。
TTスペシャリストのトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)とトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)と20秒差をつけたデニスは、3週間後のロード世界選手権に向けて自信をつけた様子。「今日のパフォーマンスはカタールの世界選手権につながるものだ。リオ五輪の後に少し体重が落ちてしまい、それに伴って以前よりも単純にパワーが落ちている状態だった。でも今日のコースは平坦でコーナーも少なめ。つまりパワーがタイムにつながるコースだったので、同じく平坦コースで行われる世界選手権でも力を発揮できると思う」とコメントしている。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
エネコ・ツアー2016第2ステージ結果
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 10’48”
2位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) +05”
3位 ヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター) +14”
4位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +15”
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 プリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ) +16”
7位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
8位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +17”
9位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
10位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター) +18”
個人総合成績
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 4h24’48”
2位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) +05”
3位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +13”
4位 ヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター) +14”
5位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +15”
6位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
7位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング) +16”
8位 プリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ)
9位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +17”
10位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター) +18”
スプリント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 34pts
2位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 30pts
3位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 30pts
チーム総合成績
1位 ロットNLユンボ 13h15’00”
2位 BMCレーシング
3位 モビスター +15”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
オランダ南部のブレダーを発着する9.6kmコースで行われたエネコ・ツアー第2ステージ個人タイムトライアル。同市の中心部から市街地や郊外の森林を走るコースは完全にフラットだ。
エネコ・ツアーの総合争いに大きく響くこの「時間との戦い」でオーストラリアのTTチャンピオンジャージを着るローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)が10分48秒の最速タイムを叩き出した。前走者のヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)がスタートに間に合わず、約40秒遅れでスタートしたこともデニスの好走につながった。
デニス本人も「キリエンカがスタートに遅れたことが味方したと思う。世界チャンピオンである彼が自分のたった20秒前にスタートしたことで、『人参を追うウサギ』のような状況がずっと続いた。良いペーサーになった」と認めている。デニスの平均スピードは53.33km/hだった。
デニスは「短距離タイムトライアルで全力を出し切るのは難しいけど、今日はステージ優勝を狙って出し切った」というヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)に5秒差、そしてヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター)に14秒差をつけてステージ優勝。総合首位ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)が52秒遅れたため、デニスが同時にリーダージャージを手にしている。
今シーズン、オーストラリア選手権とツアー・オブ・カリフォルニア第6ステージに続くタイムトライアル3勝目を飾ったデニスは「完璧に近いタイムトライアルだった。コーナーがやってくる度にリスクを負って突っ込んだけど、そのリスクが勝利につながったと思う。これ以上速くは走れないと言ってもいいほどだった」と語る。
「今回BMCレーシングはグレッグ・ファンアフェルマートと自分で総合を狙っている。総合争いにおいて次のチームタイムトライアルが鍵を握っているので、毎日落車せずに、トラブルでタイムを失わないように走りたい。もちろんリンブルフのステージ(第6ステージ)と最終ステージ(第8ステージ)でも総合争いは動くと思う」と、総合リーダーは語っている。
昨年総合3位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)は15秒差のステージ4位に入る好成績。また、総合争いにおいてデニスの最大のライバルになると目されるペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)は17秒遅れのステージ8位に。その他のライバルたちはこの日だけでデニスから30秒以上のタイムを失っている。
TTスペシャリストのトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)とトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)と20秒差をつけたデニスは、3週間後のロード世界選手権に向けて自信をつけた様子。「今日のパフォーマンスはカタールの世界選手権につながるものだ。リオ五輪の後に少し体重が落ちてしまい、それに伴って以前よりも単純にパワーが落ちている状態だった。でも今日のコースは平坦でコーナーも少なめ。つまりパワーがタイムにつながるコースだったので、同じく平坦コースで行われる世界選手権でも力を発揮できると思う」とコメントしている。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
エネコ・ツアー2016第2ステージ結果
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 10’48”
2位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) +05”
3位 ヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター) +14”
4位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +15”
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
6位 プリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ) +16”
7位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
8位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +17”
9位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
10位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター) +18”
個人総合成績
1位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 4h24’48”
2位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) +05”
3位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +13”
4位 ヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター) +14”
5位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +15”
6位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)
7位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング) +16”
8位 プリモス・ログリッチ(スロベニア、ロットNLユンボ)
9位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +17”
10位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター) +18”
スプリント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 34pts
2位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) 30pts
3位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 30pts
チーム総合成績
1位 ロットNLユンボ 13h15’00”
2位 BMCレーシング
3位 モビスター +15”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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