2016/09/19(月) - 12:36
9月18日(日)にセルフディスカバリーアドベンチャー王滝の秋大会が開催された。国内屈指の実力を持つ選手が集まる120kmカテゴリーは、池田祐樹(トピーク・エルゴン)とのマッチレースを宮津旭(パックスプロジェクト)が制した。
全国から680名ものマウンテンバイカーがエントリーする国内屈指のMTB長距離レース、セルフディスカバリーアドベンチャー王滝(SDA王滝)。御嶽山の麓、長野県木曽郡王滝村にあるジープロードを走破する過酷なイベントであり、長距離に耐えられるだけの体力とガレたダートをこなせるテクニックが求められるレースである。
最長距離120kmカテゴリーは、過酷さ故にエントリー可能な選手が国内MTBのエキスパートカテゴリー以上に属する、またはSDA王滝100kmカテゴリーで7時間以内にフィニッシュした経験を持つ人に限られている。そのため、池田祐樹(トピーク・エルゴン)や松本駿(チーム・スコット)らプロ選手から、宮津旭(パックスプロジェクト)、國井敏夫、山中真(マイルポストBMCレーシング)ら実力派の選手がスタートラインに並び、白熱したレースを繰り広げるのだ。
9月18日(日)、レース当日。前日の夜から降り続ける雨は一向に止む気配がなく、選手たちはレインジャケットに身を包まざるを得なくなる。しかし、池田だけは半袖ジャージとショーツという軽装備でスタートの松原スポーツ公園を飛び出していった。
スタートから2km地点からはじまる、距離約10km、平均勾配6%というヒルクライムから本格的にレースがはじまる。登りの中盤に差し掛かると5月開催の春大会で優勝した池田と同大会2位の宮津、森本誠(ゴキソ)の3名が後続を引き離しにかかる。突き進む池田と宮津はハイスピードで突き進むが、頂上付近で森本は耐えきれず後退を余儀なくされ、ついには追走していた岡本紘幸(インパルス)と國井の2人組にもパスされる。
最初のセレクションが終わり、池田・宮津パックと岡本・國井パック、そして少人数の集団という展開となた。時間が経つに連れ雨脚は強くなり、コースコンディションは悪化していく一方に。水没した岩に気が付かずヒットし、パンクに見舞われるライダーが続出。正確なバイクコントロール、パンクに対する準備、身体が冷えないようにする準備が展開を左右するレースとなっていく。
先頭は序盤に形成されたグループのまま淡々と進み、70km通過した地点から動き出す。「池田選手より調子が良いと感じたので、第3チェックポイント後の登りで勝負をかけました」と語る宮津がアタック。池田は反応できず宮津は単独先頭となる。その後も宮津は突き進み先頭でフィニッシュし、自身初の王滝優勝を果たした。タイムは5時間57分10秒。
池田は少し遅れてフィニッシュ地点にたどり着いた。「彼が抜け出したとき、僕はついていけなかったですね。宮津選手は強かったです。下りで冷えた後、パワーを出せるようになるまで時間がかかっていたので、ショートパンツというウェア選択はミスだったかもしれません。」とコメントする。
3位を争うパックでは、60kmすぎで岡本が國井を引き離すことに成功。「ペースが上がっていなかったので、じわじわとペースを上げました」とレース後振り返るのは岡本だ。しかし、2人の差は拡大も縮小もせず10kmほどレースが進んだところで岡本が痛恨パンク。すぐ後ろに付けていた國井が岡本をパスし、単独3位に躍り出る。
「前後どちらにも選手がいないのでとにかく我慢するだけでした。最後の1時間は補給も摂らず、踏み続けました」と語る國井が3位でフィニッシュする。その10分後岡本もフィニッシュ。岡本がパンク修理に要した時間は10分ほどと、パンクがレースの命運を分けたようだ。
大雨というハードなコンディションとなったSDA王滝120kmコース。「2位続きだったので、やっと勝てたという気持ちです。タイムもまだまだなので、これからも頑張りたいと思います」という宮津の言葉とともにレースの幕が下りた。
セルフディスカバリーアドベンチャー王滝120km
1位 宮津旭(パックスプロジェクト) 5時間57分10秒
2位 池田祐樹(トピーク・エルゴン)
3位 國井敏夫(マイルポストBMCレーシング)
4位 岡本紘幸(インパルス)
5位 松本駿(チーム・スコット)
6位 森本誠(ゴキソ)
text:Gakuto.Fujiwara
photo:Makoto.AYANO
全国から680名ものマウンテンバイカーがエントリーする国内屈指のMTB長距離レース、セルフディスカバリーアドベンチャー王滝(SDA王滝)。御嶽山の麓、長野県木曽郡王滝村にあるジープロードを走破する過酷なイベントであり、長距離に耐えられるだけの体力とガレたダートをこなせるテクニックが求められるレースである。
最長距離120kmカテゴリーは、過酷さ故にエントリー可能な選手が国内MTBのエキスパートカテゴリー以上に属する、またはSDA王滝100kmカテゴリーで7時間以内にフィニッシュした経験を持つ人に限られている。そのため、池田祐樹(トピーク・エルゴン)や松本駿(チーム・スコット)らプロ選手から、宮津旭(パックスプロジェクト)、國井敏夫、山中真(マイルポストBMCレーシング)ら実力派の選手がスタートラインに並び、白熱したレースを繰り広げるのだ。
9月18日(日)、レース当日。前日の夜から降り続ける雨は一向に止む気配がなく、選手たちはレインジャケットに身を包まざるを得なくなる。しかし、池田だけは半袖ジャージとショーツという軽装備でスタートの松原スポーツ公園を飛び出していった。
スタートから2km地点からはじまる、距離約10km、平均勾配6%というヒルクライムから本格的にレースがはじまる。登りの中盤に差し掛かると5月開催の春大会で優勝した池田と同大会2位の宮津、森本誠(ゴキソ)の3名が後続を引き離しにかかる。突き進む池田と宮津はハイスピードで突き進むが、頂上付近で森本は耐えきれず後退を余儀なくされ、ついには追走していた岡本紘幸(インパルス)と國井の2人組にもパスされる。
最初のセレクションが終わり、池田・宮津パックと岡本・國井パック、そして少人数の集団という展開となた。時間が経つに連れ雨脚は強くなり、コースコンディションは悪化していく一方に。水没した岩に気が付かずヒットし、パンクに見舞われるライダーが続出。正確なバイクコントロール、パンクに対する準備、身体が冷えないようにする準備が展開を左右するレースとなっていく。
先頭は序盤に形成されたグループのまま淡々と進み、70km通過した地点から動き出す。「池田選手より調子が良いと感じたので、第3チェックポイント後の登りで勝負をかけました」と語る宮津がアタック。池田は反応できず宮津は単独先頭となる。その後も宮津は突き進み先頭でフィニッシュし、自身初の王滝優勝を果たした。タイムは5時間57分10秒。
池田は少し遅れてフィニッシュ地点にたどり着いた。「彼が抜け出したとき、僕はついていけなかったですね。宮津選手は強かったです。下りで冷えた後、パワーを出せるようになるまで時間がかかっていたので、ショートパンツというウェア選択はミスだったかもしれません。」とコメントする。
3位を争うパックでは、60kmすぎで岡本が國井を引き離すことに成功。「ペースが上がっていなかったので、じわじわとペースを上げました」とレース後振り返るのは岡本だ。しかし、2人の差は拡大も縮小もせず10kmほどレースが進んだところで岡本が痛恨パンク。すぐ後ろに付けていた國井が岡本をパスし、単独3位に躍り出る。
「前後どちらにも選手がいないのでとにかく我慢するだけでした。最後の1時間は補給も摂らず、踏み続けました」と語る國井が3位でフィニッシュする。その10分後岡本もフィニッシュ。岡本がパンク修理に要した時間は10分ほどと、パンクがレースの命運を分けたようだ。
大雨というハードなコンディションとなったSDA王滝120kmコース。「2位続きだったので、やっと勝てたという気持ちです。タイムもまだまだなので、これからも頑張りたいと思います」という宮津の言葉とともにレースの幕が下りた。
セルフディスカバリーアドベンチャー王滝120km
1位 宮津旭(パックスプロジェクト) 5時間57分10秒
2位 池田祐樹(トピーク・エルゴン)
3位 國井敏夫(マイルポストBMCレーシング)
4位 岡本紘幸(インパルス)
5位 松本駿(チーム・スコット)
6位 森本誠(ゴキソ)
text:Gakuto.Fujiwara
photo:Makoto.AYANO
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