2016/09/12(月) - 17:52
カナダ東部ケベック州最大の都市モントリオールを舞台にしたワンデーレース、GPモンレアル。獲得標高が3893mにものぼるタフレースは、オリンピック金メダリストのスプリント勝利で幕を閉じた。
グランプリ・シクリスト・ド・モンレアルはその名の通りカナダ東部ケベック州最大の都市モントリオールを舞台にしたワンデーレース。英語名はモントリオールだが、現地の公用語フランス語の読みはモンレアルである。
舞台となるのは市内中心部に位置するモンレアル大学とモンロイヤル公園を取り囲む12.1kmの周回コース。1974年のロード世界選手権や1976年のモントリオール五輪ロードレースで使用された周回だ。2日前のグランプリ・シクリスト・ド・ケベックよりも1周あたりの高低差が大きいのが特徴で、登坂距離1800m/平均勾配8%の「カミリアン・ウードの丘」と最大勾配11%の「ポリテクニークの丘(大学理工学部横の丘)」が勝負の鍵を握る。
レースはこの周回コースを17周する200kmオーバーで、獲得標高はなんと3893mにものぼる非常にタフなレース。フィニッシュラインは勾配4%の「アヴェニュー・デュ・パルク」に置かれており、その難易度はGPケベックよりも高い。
序盤の逃げグループに入ったのはショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)を含む6名。スピードを落としたメイン集団に対して6分差をつけて逃げ始め、暫くは平穏な時間が続くことになる。しかしレースの性質上逃げきりのチャンスは早々に潰え、ティンコフが先導するメイン集団に30km以上を残して吸収。カウンターで26名が飛び出したものの引き戻され、ここから激しいアタック合戦が幕を開けた。
登坂でシリル・ゴティエ(フランス、AG2Rラモンディアール)のアタックをきっかけにトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)やピータ・ヴァコッチ(チェコ、エティックス・クイックステップ)が9名が先行。しかし逃げのスピードが上がらないことに苛立ちを隠せないヴォクレールが抜け出すなど安定せず、集団を大きく引き離せないまま残り1周回の鐘を聞いた。
最終周回突入と共にヴォクレールらは飲み込まれ、唯一踏みとどまったディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ)もすぐに吸収。積極的に攻めるAG2Rラモンディアールや引退が迫るライダー・ヘシェダル(カナダ、トレック・セガフレード)らが次々と攻めたが成功せず、カミリアン・ウードの丘で元世界王者のルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)が抜け出した。
コスタのアタックでいよいよ集団は形を無くし、GPケベックで優勝している現世界王者ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)が自ら追いかける展開に。この追走にはゴールドバイクを駆るグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)やジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)、バウク・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)など強力なメンバーが飛びつきコスタを追いかけた。
時間を置いて追走グループには一旦は千切れたメンバーが合流したが、これを嫌ってファンアフェルマートが登りでペースアップして再び人数を絞り込みに掛かる。
逃げるコスタは僅かなリードを縮ませない強力な独走力を見せつけたが、最終盤にかけて集団を堰き止めることが難しくなってくる。ラスト500mのUターンを過ぎても逃げ続けたが、遂に残り350mで吸収。同時にアルベルト・ベッティオール(イタリア、キャノンデール・ドラパック)の早駆けを皮切りに集団スプリントが始まった。
先ほどのUターンでの落車でヴァコッチを失ったエティックス・クイックステップは後方に沈み、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)がベッティオールとの差を詰めに掛かる。サガンもスプリントを開始したが、その後ろでタイミングを待ち続けた金メダリストの加速が伸びた。
最後まで踏み抜いたファンアフェルマートは後続の並びかけを一切許さず、そのままガッツポーズ。前戦で2位に甘んじた借りをきっちりと返す結果に。カナダ2連戦はサガンとファンアフェルマートが1位と2位を分け合う形で幕引きとなった。
グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル2016
1位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) 5h27’04”
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
3位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
5位 ネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)
6位 ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)
7位 アルベルト・ベッティオール(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
8位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
9位 アントニー・ルー(フランス、FDJ)
10位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
text:So.Isobe
グランプリ・シクリスト・ド・モンレアルはその名の通りカナダ東部ケベック州最大の都市モントリオールを舞台にしたワンデーレース。英語名はモントリオールだが、現地の公用語フランス語の読みはモンレアルである。
舞台となるのは市内中心部に位置するモンレアル大学とモンロイヤル公園を取り囲む12.1kmの周回コース。1974年のロード世界選手権や1976年のモントリオール五輪ロードレースで使用された周回だ。2日前のグランプリ・シクリスト・ド・ケベックよりも1周あたりの高低差が大きいのが特徴で、登坂距離1800m/平均勾配8%の「カミリアン・ウードの丘」と最大勾配11%の「ポリテクニークの丘(大学理工学部横の丘)」が勝負の鍵を握る。
レースはこの周回コースを17周する200kmオーバーで、獲得標高はなんと3893mにものぼる非常にタフなレース。フィニッシュラインは勾配4%の「アヴェニュー・デュ・パルク」に置かれており、その難易度はGPケベックよりも高い。
序盤の逃げグループに入ったのはショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)を含む6名。スピードを落としたメイン集団に対して6分差をつけて逃げ始め、暫くは平穏な時間が続くことになる。しかしレースの性質上逃げきりのチャンスは早々に潰え、ティンコフが先導するメイン集団に30km以上を残して吸収。カウンターで26名が飛び出したものの引き戻され、ここから激しいアタック合戦が幕を開けた。
登坂でシリル・ゴティエ(フランス、AG2Rラモンディアール)のアタックをきっかけにトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)やピータ・ヴァコッチ(チェコ、エティックス・クイックステップ)が9名が先行。しかし逃げのスピードが上がらないことに苛立ちを隠せないヴォクレールが抜け出すなど安定せず、集団を大きく引き離せないまま残り1周回の鐘を聞いた。
最終周回突入と共にヴォクレールらは飲み込まれ、唯一踏みとどまったディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ)もすぐに吸収。積極的に攻めるAG2Rラモンディアールや引退が迫るライダー・ヘシェダル(カナダ、トレック・セガフレード)らが次々と攻めたが成功せず、カミリアン・ウードの丘で元世界王者のルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)が抜け出した。
コスタのアタックでいよいよ集団は形を無くし、GPケベックで優勝している現世界王者ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)が自ら追いかける展開に。この追走にはゴールドバイクを駆るグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)やジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)、バウク・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)など強力なメンバーが飛びつきコスタを追いかけた。
時間を置いて追走グループには一旦は千切れたメンバーが合流したが、これを嫌ってファンアフェルマートが登りでペースアップして再び人数を絞り込みに掛かる。
逃げるコスタは僅かなリードを縮ませない強力な独走力を見せつけたが、最終盤にかけて集団を堰き止めることが難しくなってくる。ラスト500mのUターンを過ぎても逃げ続けたが、遂に残り350mで吸収。同時にアルベルト・ベッティオール(イタリア、キャノンデール・ドラパック)の早駆けを皮切りに集団スプリントが始まった。
先ほどのUターンでの落車でヴァコッチを失ったエティックス・クイックステップは後方に沈み、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)がベッティオールとの差を詰めに掛かる。サガンもスプリントを開始したが、その後ろでタイミングを待ち続けた金メダリストの加速が伸びた。
最後まで踏み抜いたファンアフェルマートは後続の並びかけを一切許さず、そのままガッツポーズ。前戦で2位に甘んじた借りをきっちりと返す結果に。カナダ2連戦はサガンとファンアフェルマートが1位と2位を分け合う形で幕引きとなった。
グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル2016
1位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) 5h27’04”
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
3位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)
5位 ネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)
6位 ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)
7位 アルベルト・ベッティオール(イタリア、キャノンデール・ドラパック)
8位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
9位 アントニー・ルー(フランス、FDJ)
10位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
text:So.Isobe
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