2016/09/05(月) - 13:40
誰もが予想だにしていなかった大混乱の第15ステージ。リードを得たキンタナやコンタドール、後手に回ったチームスカイやオリカ・バイクエクスチェンジのコメントを紹介します。
ステージ優勝のジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
今年のグランツアー2勝目を祝うジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) photo:TDWsport/Kei Tsuji
頂上ゴールを制したジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) photo:TDWsport/Kei Tsuji 最もハードだったが、今大会で最も美しいステージだった。グランツールでリーダーと共に逃げた経験は無く、そういう意味ではとても楽しかった。ダビ(デラクルス)と共に序盤から全力で逃げ、フィニッシュまで少しも休む暇が無かった。
最後の登りで、キンタナは相当調子が良さそうに感じられた。そして彼がペースアップしたら多くのライダーが脱落。コンタドールが脱落した時、とにかく必死にキンタナに食らいつき、残り700mでキンタナが強力に加速していった時も、なんとしてでも付いて行けるように、うまく立ち回った。
今日の様なエピックなステージでの勝利は、僕のキャリアにとって最高の瞬間の1つであり、自身のことをとても誇りに思う。これまでのところ、ファンタスティックなシーズンを送ることができている。いつでも僕のことを信じてくれるチームに感謝したい。
フルームに大きなタイム差をつけたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
リードを広げたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)とジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)が頂上を目指す photo:TDWsport/Kei Tsuji予想を上回る良い展開になった。正直なところ、スタート前は終盤に何かしらの動きがあるぐらいに考えていた。しかし、実際に何が起こるかは予想できないもの。昨日のハードな山岳よりも、今日のステージで大きなタイム差を稼ぐことができた。
スタートして、起伏のある区間で集団が分裂しはじめた。曲がりくねった先に登りがあり、ハードな山岳ステージの後とあって身体に堪えたが、集中を切らさず、先頭でコンタドールとうまく協力しあうことができた。チームにはもの物凄く助けられた。特にヨナタン・カストロビエホとルーベン・フェルナンデスにね。僕が2人に「全力!全力!フルームが遅れた!」と叫んだら、他のチームも後ろで何が起こっているのかを確認。我々は後続に差をつけ、速いスピードを保ち、最後の登りに突入した。
後ろで状況を確認しながら、フルームとのタイム差をキープするために僕は全力を振り絞った。幸運なことに、フルームに対するタイム差を、TTまでに確保しておきたいと考えていた分よりも更に稼ぐことができた。マドリードまでこの調子が保てるように祈りたい。まだまだ用心深くレースを進める必要があるけど、アレハンドロやカストロビエホと、チーム全体が自信を持っている。
逃げに乗り、総合4位にジャンプアップしたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
「明日は難易度が低いが、また別のストーリーが用意されている」 photo:CorVos登りがハードでなかったからこそ、とても楽観的になれなかった。昨晩、明日なにができるかを考えるためにレースブックで勾配を確認した時、複雑な展開になりそうだと感じたから、スタートから全開で行くことにした。ライバルたちに終盤でつかまれば、タイムを失うことになるはずだから、リスクの高い賭けだということは承知していた。まさしくギャンブルだったが、その甲斐あって良い結果を残すことができた。最後の1kmはタフだった。
素晴らしい展開を作ることができ、ステージ優勝や総合争いに関係なくファンに楽しんでもらえたと思う。今日のレース展開には満足しているし、ここ数日に比べればベターだ。今日は逃げ集団を積極的に牽引しなくてならなかったし、仮に僕が牽引しなかったら、スローダウンしていたはず。最初の1時間は惜しみなく引き倒したが、僕は正しいことをしたまでだ。
今日と昨日に比べると、明日は難易度が低いが、また別のストーリーが用意されている。僕自身はもっと現実的にならなくてはならない。今年は数秒でパリ~ニースとカタルーニャの総合優勝を逃して、好調で臨んだツールもリタイアを余儀なくされた。残りの1週間に全力を尽くすよ。まだレースは終わっていない。
アシストとして働いたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
フルームをマークし続けたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:CorVos今日は昨日同様に不調に苦しめられたのでレースを楽しむことができなかった。今日のような短くて厳しいコースでは大混乱が巻き起こるものだ。チームとして大きなリードを得たけれど、それでもなおブエルタはまだ長く、難しいステージが用意されている。着実にステップを踏んでいくことが大切だ。
キンタナとアルベルトたちが先行した後は、登りでフルームにプレッシャーをかけようと彼の後ろから離れないようにした。それからフルームが下がったタイミングでペースを上げて、回復できないようにもした。今僕が成し遂げたいのはナイロにマイヨロホを着続けさせることだ。それが僕のモチベーションになっている。
チームスカイのダリオダヴィデ・チオーニ監督
キンタナから2分37秒遅れで辿り着いたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:TDWsport/Kei Tsuji
我々にとってはベストな日では無かった。クリスはキンタナ、コンタドール、チャベスに対してタイムを失ったが、それでもアダム・イェーツに対してはタイム差を稼ぐことができた。もちろん、モビスターとティンコフが積極的にレースを展開し、それぞれのチームリーダーを前方に位置させた結果だ。ただ、クリスとチームメイトたちが共に行動でき、クリスが追走集団に残されることがなければ、また違った展開になっていただろう。
チームはベストを尽くし、クリスもタイム差が開いていかないように食いしばった。彼は依然として総合2位につけていて、総合優勝の可能性も残されている。今日は2週目の終わりで、前日のステージは獲得標高が5,000mに達したにも関わらず、レースは序盤から全開。終盤に大きなグルペットが形成されたことからも分かる通り、明らかに疲れている選手が多い。
今日は今日で、明日は明日。我々は立ち直れると確信している。現在総合2位で、ステージ優勝も2回達成した。これからも表彰台のために戦っていく。
オリカ・バイクエクスチェンジのニール・ステフェンス監督
先行を許してしまったチームスカイやオリカ・バイクエクスチェンジが追走を試みる photo:TDWsport/Kei Tsuji エステバンとケウケレールはコンタドールのアタックに反応できる位置にいたものの、落車が起こって体制を整え直すのに時間がかかってしまった。気づいた時にはもう逃げが決まってしまっていたんだ。追走に全力を尽くしたが、他のチームとの協調体制をうまく築きあげることができなかった。タイム差の保持と総合順位キープで精いっぱいだったんだ。
チームは全力で戦ったし、そもそもこれまでトップ5に2人を送り込み、ステージ優勝は2つ。結果には満足はしている。昨日はオリカが攻撃を仕掛けたけれど、今日はモビスターとティンコフだった。これこそが世界最高峰のレースだし、彼らの今日のパフォーマンスは賞賛されるべきものだ。まだブエルタは1週間残っていて、我々は全力でレースに臨んでいく。
新城幸也(ランプレ・メリダ)
4kmで今日のレースは終了。自分には理解しがたい展開だった。 昨日も30人くらい逃げてるので集団は捕まえに行くはずなのに、どこかで中切れや、追わない選手がいるからこのようなレースになるんだろう。本来ならこのタイム差はタイムアウト。しかし、選手の半分以上がいなくなることになるので(助かった)。そこはコミッセールの判断。こんなタイム差が付くレースは2度と無いでしょう。 明日はスプリントになると思うので頑張ります!
text:Yuya.Yamamoto,So.Isobe
ステージ優勝のジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
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最後の登りで、キンタナは相当調子が良さそうに感じられた。そして彼がペースアップしたら多くのライダーが脱落。コンタドールが脱落した時、とにかく必死にキンタナに食らいつき、残り700mでキンタナが強力に加速していった時も、なんとしてでも付いて行けるように、うまく立ち回った。
今日の様なエピックなステージでの勝利は、僕のキャリアにとって最高の瞬間の1つであり、自身のことをとても誇りに思う。これまでのところ、ファンタスティックなシーズンを送ることができている。いつでも僕のことを信じてくれるチームに感謝したい。
フルームに大きなタイム差をつけたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
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スタートして、起伏のある区間で集団が分裂しはじめた。曲がりくねった先に登りがあり、ハードな山岳ステージの後とあって身体に堪えたが、集中を切らさず、先頭でコンタドールとうまく協力しあうことができた。チームにはもの物凄く助けられた。特にヨナタン・カストロビエホとルーベン・フェルナンデスにね。僕が2人に「全力!全力!フルームが遅れた!」と叫んだら、他のチームも後ろで何が起こっているのかを確認。我々は後続に差をつけ、速いスピードを保ち、最後の登りに突入した。
後ろで状況を確認しながら、フルームとのタイム差をキープするために僕は全力を振り絞った。幸運なことに、フルームに対するタイム差を、TTまでに確保しておきたいと考えていた分よりも更に稼ぐことができた。マドリードまでこの調子が保てるように祈りたい。まだまだ用心深くレースを進める必要があるけど、アレハンドロやカストロビエホと、チーム全体が自信を持っている。
逃げに乗り、総合4位にジャンプアップしたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
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素晴らしい展開を作ることができ、ステージ優勝や総合争いに関係なくファンに楽しんでもらえたと思う。今日のレース展開には満足しているし、ここ数日に比べればベターだ。今日は逃げ集団を積極的に牽引しなくてならなかったし、仮に僕が牽引しなかったら、スローダウンしていたはず。最初の1時間は惜しみなく引き倒したが、僕は正しいことをしたまでだ。
今日と昨日に比べると、明日は難易度が低いが、また別のストーリーが用意されている。僕自身はもっと現実的にならなくてはならない。今年は数秒でパリ~ニースとカタルーニャの総合優勝を逃して、好調で臨んだツールもリタイアを余儀なくされた。残りの1週間に全力を尽くすよ。まだレースは終わっていない。
アシストとして働いたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
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キンタナとアルベルトたちが先行した後は、登りでフルームにプレッシャーをかけようと彼の後ろから離れないようにした。それからフルームが下がったタイミングでペースを上げて、回復できないようにもした。今僕が成し遂げたいのはナイロにマイヨロホを着続けさせることだ。それが僕のモチベーションになっている。
チームスカイのダリオダヴィデ・チオーニ監督
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チームはベストを尽くし、クリスもタイム差が開いていかないように食いしばった。彼は依然として総合2位につけていて、総合優勝の可能性も残されている。今日は2週目の終わりで、前日のステージは獲得標高が5,000mに達したにも関わらず、レースは序盤から全開。終盤に大きなグルペットが形成されたことからも分かる通り、明らかに疲れている選手が多い。
今日は今日で、明日は明日。我々は立ち直れると確信している。現在総合2位で、ステージ優勝も2回達成した。これからも表彰台のために戦っていく。
オリカ・バイクエクスチェンジのニール・ステフェンス監督
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チームは全力で戦ったし、そもそもこれまでトップ5に2人を送り込み、ステージ優勝は2つ。結果には満足はしている。昨日はオリカが攻撃を仕掛けたけれど、今日はモビスターとティンコフだった。これこそが世界最高峰のレースだし、彼らの今日のパフォーマンスは賞賛されるべきものだ。まだブエルタは1週間残っていて、我々は全力でレースに臨んでいく。
新城幸也(ランプレ・メリダ)
4kmで今日のレースは終了。自分には理解しがたい展開だった。 昨日も30人くらい逃げてるので集団は捕まえに行くはずなのに、どこかで中切れや、追わない選手がいるからこのようなレースになるんだろう。本来ならこのタイム差はタイムアウト。しかし、選手の半分以上がいなくなることになるので(助かった)。そこはコミッセールの判断。こんなタイム差が付くレースは2度と無いでしょう。 明日はスプリントになると思うので頑張ります!
text:Yuya.Yamamoto,So.Isobe
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