ベルギー・フランドル地方を拠点とするバイクブランドのリドレーが、2017ラインアップを発表した。軽量オールラウンダー「HELIUM」シリーズと、TTバイク「DEAN」のフルモデルチェンジがトピックスだ。



リドレー HELIUM SLX、HELIUM X

リドレー HELIUM SLXリドレー HELIUM SLX (c)ジェイピースポーツグループ
リドレーが誇る軽量オールラウンダー「HELIUM(ヘリウム)」シリーズ。ロット・ソウダルがメインバイクの1つとして採用し、先のツール・ド・フランスでもトーマス・デヘント(ベルギー)の区間優勝に貢献した現行モデルをベースとしつつ、高剛性化と共にフルモデルチェンジを果たした。

HELIUMシリーズとしては初となるストレートフォークHELIUMシリーズとしては初となるストレートフォーク (c)ジェイピースポーツグループモノコック成型されたリアエンドも軽量化に貢献モノコック成型されたリアエンドも軽量化に貢献 (c)ジェイピースポーツグループチームからのフィードバックを元に改良を進めた新型は、トップチューブ~ヘッド~ダウンチューブというフレームのフロント三角を、前作からボリュームアップすることで剛性を強化。そして、2006年に誕生してから歴代のHELIUMで受け継がれてきたベンド設計のフロントフォークを初めてストレート形状とし、反応性とコーナリング性能に磨きを掛けた。細部ではケーブルルーティングを見直し、ブレーキケーブルを内装に変更することで、ハンドリングへの影響を低減している。

一方で、現行モデルから踏襲した部分も数多い。HELIUMシリーズの特徴である細身のシートステーは、ベルギーの過酷なパヴェにも耐えうる強度を持ちながらも、優れた振動吸収性を発揮。リドレーが先鞭をつけた下側1-1/4インチのテーパードヘッドチューブは走行安定性に、PF30規格採用のボリュームあるBB周りと左右非対称チェーンステーはより高効率な走りに貢献している。

ラインアップは、これまで通り素材違いの2種類。プロユースの上位グレード「HELIUM SLX」は、60ton/40ton/30tonという3種類のハイモジュラスカーボンを採用する。剛性を強化しながらもフレーム重量は据え置きの750g(Mサイズ)をマークしており、フォークは僅かながらも軽量化を果たしているという。サイズはXS、S、Mの3種類を用意。カラーはBlack/Red(HSLX01Am)の1種類で、無駄のないフレームシェイプをさらに引き立てるシンプルなグラフィックとなっている。

リドレー HELIUM Xリドレー HELIUM X (c)ジェイピースポーツグループ
セカンドグレードの「HELIUM X」は、上位機種の性能を引き継ぎながらも、素材を30tonと24tonという2種類のハイモジュラスカーボンに変更することで価格を抑えたバリューモデル。フレーム重量は従来モデル据え置きの900gながら、高剛性化によってより軽い走りを手に入れた。サイズはXXS、XS、S、Mの4種類と上位機種より豊富で、より小柄なライダーにも対応。カラーはトップチューブに等高線のグラフィックが描かれたHSL02Asのみ。

リドレー HELIUM SLX
素 材:60ton/40ton/30ton HM Carbon
ヘッド:上側1-1/8インチ、下側1-1/4インチ
BB規格:PF30
サイズ:XS、S、M
フレーム重量:750g(Mサイズ)
カラー:HSLX01Am
価 格:385,000円(税抜)

リドレー HELIUM X
素 材:30ton/24ton HM Carbon
ヘッド:上側1-1/8インチ、下側1-1/4インチ
BB規格:PF30
サイズ:XXS、XS、S、M
フレーム重量:900g(Mサイズ)
カラー:HSL02As
価 格:268,000円(税抜)




リドレー DEAN

リドレー DEANリドレー DEAN (c)ジェイピースポーツグループ
今回のフルモデルチェンジで第3世代となったTT/トライアスロン用バイク「DEAN(ディーン)」。その開発コンセプトは「Form、Fit、Function」。空力性能に優れるフレーム形状、ストレス無くぺダリングに集中できるポジションを実現するためのフィッティング性、組立分解を容易かつ短時間で行える優れたメンテナンス性という、3つの性能のバランスを追求したことが特徴だ。空力性能の向上が至上命題だったこれまでの2世代に対して、第3世代はよりライダーに寄り添ったバイクとなった。

ブレーキは汎用的なキャリパータイプに対応。組立分解の作業性を高めたブレーキは汎用的なキャリパータイプに対応。組立分解の作業性を高めた (c)ジェイピースポーツグループダウンチューブに溝を設ける「inmold F-Surface+」によって、整流効果を高めているダウンチューブに溝を設ける「inmold F-Surface+」によって、整流効果を高めている (c)ジェイピースポーツグループ新型DEANのフレーム形状は、これまでの2世代と比較するとオーソドックスなものとなった。これはFitとFunctionの部分を高めるためではあるが、プロユースのエアロロード「NOAH SL」に倣って空力性能の向上を図っている。

中でも特徴的なのが「inmold F-Surface+」だ。これは、ダウンチューブに溝を設けることで整流効果を高めるというリドレー独自のテクノロジーで、その効果は現行NOAHシリーズで実証済み。前後のタイヤに沿ってそれぞれカットオフしたダウンチューブとシートチューブ、フォークショルダー周りのインテグレーテッド設計、シートチューブとの交点を下げたシートステーも空気抵抗低減に貢献している。

昨今のTTバイクでは専用品を採用するケースの多いステムだが、新生DEANでは汎用品が使用可能。ハンドルの突き出しや高さを細かく煮詰めることができ、メンテナンスが苦手という方でも組立分解に困りにくい。エアロ形状のマルチポジションシートポストは、上下方向にはもちろんのこと、シートアングルを73°~80°まで無段階で調整できる。サドルレールの取り付け部はサイドハグ構造で、こちらの調整も容易だ。

ステムとならび専用モデルが用意されることの多いブレーキについても、エアロ性能よりもブレーキング性能や、組立分解時の作業時間を短くすることを優先。特に組立分解を行う機会の多いフロントは、枕頭ナットで固定する最も汎用的なキャリパーブレーキに対応する。ロングディスタンスのトライアスロンでの使用も考え、トップチューブにはストレージボックス用の取り付け台座が設けられた。

素材には、30tonと24tonという2種類のハイモジュラスカーボンを採用。左右非対称設計のチェーンステーなどと合わせて無駄な変形を防止し、軽やかな走りを実現している。サイズはXSとSの2種類で、それぞれ重量は1,360gと1,380gだ。

リドレー DEAN
素 材:30ton/24ton HM Carbon
サイズ/フレーム重量:XS/1,360g、S/1,380g
カラー:DEA01As
価 格:323,000円(税抜)




全ランナップについては、リドレーを取り扱うジェイピースポーツグループのホームページに掲載されているでチェックしてほしい。 http://www.jpsg.co.jp/ridley/
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