2016/08/24(水) - 09:42
逃げグループの中から生まれたステージ優勝者とマイヨロホ着用者。ブエルタ第4ステージで見せ場を作った選手たちのコメントを紹介します。
ステージ優勝を飾ったリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)
素晴らしい気持ちに包まれている。いろんなアイデアをもって挑んだブエルタで、まさかステージ優勝がこんなにも早くやってくるとは思わなかった。昨日は予想外の逃げ切りが決まったので、今日は絶対に逃げに乗り遅れないことだけを考えていた。
自分はピュアクライマーじゃないけど、10分から30分間の登坂ならこなすことができる。初めてのブエルタ。初めてのグランツール。目標であるステージ優勝を早くも達成することができた。調子が良いのでこれからもチャレンジするけど、ここから先は全てがボーナスだ。
マイヨロホを手にしたダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)
ブエルタ・ア・エスパーニャでリーダージャージを着用。キャリアの中で最良の日だ。今日は朝から逃げに乗ることだけを考えていたけど、最初の50kmはアタックの連続で、集団がスピードを落とさずに追走する展開がずっと続いた。逃げメンバーの構成を見極めることに注意を払い、これだと思う動きに乗ったところで決まった。強力な21名で構成された逃げが出来上がった。
調子が良かったので、逃げグループの中で自信を持って走ったよ。登りでは他の逃げメンバーよりも苦しんでいなかったし、最後の2級山岳で勝負しようと思っていた。登り始めの時点でタイム差は3分。メイン集団が猛烈な勢いで追い上げてくることが明らかだったので、アタックして全力で逃げ続けた。ステージ優勝には届かなかったものの、常にマイヨロホのことを考えながら走り続けた。そして夢にまで見たマイヨロホを手にすることができた。
明日はそこまで過酷なステージではないので、少なくとも明後日までマイヨロホを守れると思う。チームの目標に合わせ、毎日様子を見ながら走りたい。
総合2位につけるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
他チームに総合リードを明け渡すことも考えながらスタート。まだ開幕から4日しか経っておらず、大きな逃げが形成されればそのまま逃げ切りが決まると予想していた。
今はまだリーダージャージにこだわる必要がない。今大切なのは総合ライバルたちからタイムを失わず、ナイロと自分が良い状態をキープすること。リーダージャージを失ったものの、結果は良好だったと思う。ルーベン(フェルナンデス)はマイヨロホを楽しみながら、今日もチームの仕事をこなしてくれた。
総合3位につけるクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
モビスターにプレッシャーを与えるためにピーター(ケノー)がアタック。飛び出したピーターを追走するためにマイヨロホのフェルナンデスが集団先頭を引くのは珍しい光景だった。ピーターが先行したことで楽にレースを展開できたよ。チームスカイは自分とピーター、そしてレオ(ケーニッヒ)が総合トップ10に残っている。
モビスターは戦略的に走っている。今日彼らはリーダージャージを手放す判断をした。逃げを無理に追うことなく、終盤までメンバー9名全員を揃えて力を温存していたように見えた。チームスカイも良い状態にある。今日のレース後半は力をセーブして走った。
総合5位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
もう少しイージーな展開を予想していたけどレースは序盤から高速で、逃げが形成されるまでに長い時間がかかった。おかげでコースプロフィール以上にハードな展開になった。これから数日はリカバリーに専念して、3つの山頂フィニッシュが登場する重要な週末の戦いに備えたい。
タイムを失うことなくフィニッシュしたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
最後の登りは風の影響で動きにくい状況だった。パーフェクトなコンディションではないものの、調子は決して悪くない。今は毎日しっかりとリカバリーしながら調子を上げている状態。次の重要な戦いは第8ステージの厳しい山頂フィニッシュ。その頃には今よりも身体がレースモードに切り替わって、脚がよく回ることを願っている。
このブエルタに向けての準備は、時間が足りず、決して万全とは言えなかった。でもこれから数日間しっかりとレースで走り込めば調子はずっと良くなると思う。
ライバルたちから34秒失ったステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
今日は昨日よりも調子が良かった。さすがに一夜で急に調子が戻るわけじゃないけど、結果はまずまずだったと思う。ブエルタ期間中、こうして徐々に調子を上げていきたい。
第4ステージを終えた新城幸也(ランプレ・メリダ)
今日も逃げに乗るために序盤から積極的に動いていたが、うまく逃げが決まらなかった。21kmから登り始める3級の手前で抜け出したが集団に追いつかれ、その後もアタックと吸収の繰り返しで結局逃げに乗れなかった。
チームからは20人の逃げグループに1選手含まれていたので、自分の役目はなくなった。その後は集団でルイスを守るのが自分の仕事。しかし、登り始めで先頭に付いて行けずに集団で走ることになり、少人数の集団でゴール。 今日はチームのスプリンター、ズロがリタイアしてしまったので、明日からのチームのスプリントは自分が任されることになります。 アシストも居ないので、気楽にいきます(笑)
別府史之(トレック・セガフレード)
今日のステージは、逃げに乗ろうと最初のカテゴリー3級の山の前に様子を伺った。テルプストラが積極的に動いていたから、合わせて飛び出したけど足並みが揃わず。でも結局、逃げ決まったのは予想通り3級の山。昨日に引き続き逃げ切りが決まったステージだっただけに残念だった。レースブックを見直し、まだ逃げれるチャンスのあるステージはあるから、その日までとっておくことにする。
モビスターが追走を諦めてから、今日もイージーステージになった。仕事は最後の登りの手前でファビオを手助けするだけ。あとは明日のスプリントステージに脚を溜めてゆっくりとゴールした。ただ、明日はフィニッシュ地点手前が微妙に登っているから、ジルベールとかパンチャータイプの飛び出す選手が有利かもしれない。でもそれは明日になってみないとわからない。
今日のフィニッシュ地点は何ともドラマチックな丘だった。モンバントゥーみたい開けててとても綺麗。そこで隣に走っていたFDJのラダニュースに「C’est beau! (美しい=カッコイイという意味にもなる)」と声をかけて、すかさず「君のことじゃないからね。Paysage (風景)だから!」と冗談交じりで言うと、続けざまに「奥さんにもカッコイイって言われないから言う通りだよ。」と照れ笑いながら答えてくれた。そんな冗談を言いながら今日のステージも終わった。
ただレース後、8km先にあるチームバスのところまで自走で下ったんだけど、目の前でカハルーラルの選手が下りのコーナーで落車して有刺鉄線を突き破って、腕からかなりの出血していてかなり危険な状況だった。最悪なことにレースで登ってきた山の反対側だったから観客も居なくて、下ってきた選手たちは困惑していた。すぐ近くにいた警官にも救急車呼んでくれ!って頼んで、いち早くカハルーラルのスタッフにも知らせようと急いでチームバスに行って「おたくの選手が腕を切っていて血だらけで大変だ! 」って知らせた。さっきディナーで聞いたところによると腰骨を折ったとのことだった。大事に至らないでと願うばかり。
※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、SNSから、新城幸也のコメントはTeamユキヤ通信より。
text:Kei Tsuji in A Coruna, Spain
ステージ優勝を飾ったリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)
素晴らしい気持ちに包まれている。いろんなアイデアをもって挑んだブエルタで、まさかステージ優勝がこんなにも早くやってくるとは思わなかった。昨日は予想外の逃げ切りが決まったので、今日は絶対に逃げに乗り遅れないことだけを考えていた。
自分はピュアクライマーじゃないけど、10分から30分間の登坂ならこなすことができる。初めてのブエルタ。初めてのグランツール。目標であるステージ優勝を早くも達成することができた。調子が良いのでこれからもチャレンジするけど、ここから先は全てがボーナスだ。
マイヨロホを手にしたダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)
ブエルタ・ア・エスパーニャでリーダージャージを着用。キャリアの中で最良の日だ。今日は朝から逃げに乗ることだけを考えていたけど、最初の50kmはアタックの連続で、集団がスピードを落とさずに追走する展開がずっと続いた。逃げメンバーの構成を見極めることに注意を払い、これだと思う動きに乗ったところで決まった。強力な21名で構成された逃げが出来上がった。
調子が良かったので、逃げグループの中で自信を持って走ったよ。登りでは他の逃げメンバーよりも苦しんでいなかったし、最後の2級山岳で勝負しようと思っていた。登り始めの時点でタイム差は3分。メイン集団が猛烈な勢いで追い上げてくることが明らかだったので、アタックして全力で逃げ続けた。ステージ優勝には届かなかったものの、常にマイヨロホのことを考えながら走り続けた。そして夢にまで見たマイヨロホを手にすることができた。
明日はそこまで過酷なステージではないので、少なくとも明後日までマイヨロホを守れると思う。チームの目標に合わせ、毎日様子を見ながら走りたい。
総合2位につけるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
他チームに総合リードを明け渡すことも考えながらスタート。まだ開幕から4日しか経っておらず、大きな逃げが形成されればそのまま逃げ切りが決まると予想していた。
今はまだリーダージャージにこだわる必要がない。今大切なのは総合ライバルたちからタイムを失わず、ナイロと自分が良い状態をキープすること。リーダージャージを失ったものの、結果は良好だったと思う。ルーベン(フェルナンデス)はマイヨロホを楽しみながら、今日もチームの仕事をこなしてくれた。
総合3位につけるクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
モビスターにプレッシャーを与えるためにピーター(ケノー)がアタック。飛び出したピーターを追走するためにマイヨロホのフェルナンデスが集団先頭を引くのは珍しい光景だった。ピーターが先行したことで楽にレースを展開できたよ。チームスカイは自分とピーター、そしてレオ(ケーニッヒ)が総合トップ10に残っている。
モビスターは戦略的に走っている。今日彼らはリーダージャージを手放す判断をした。逃げを無理に追うことなく、終盤までメンバー9名全員を揃えて力を温存していたように見えた。チームスカイも良い状態にある。今日のレース後半は力をセーブして走った。
総合5位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
もう少しイージーな展開を予想していたけどレースは序盤から高速で、逃げが形成されるまでに長い時間がかかった。おかげでコースプロフィール以上にハードな展開になった。これから数日はリカバリーに専念して、3つの山頂フィニッシュが登場する重要な週末の戦いに備えたい。
タイムを失うことなくフィニッシュしたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
最後の登りは風の影響で動きにくい状況だった。パーフェクトなコンディションではないものの、調子は決して悪くない。今は毎日しっかりとリカバリーしながら調子を上げている状態。次の重要な戦いは第8ステージの厳しい山頂フィニッシュ。その頃には今よりも身体がレースモードに切り替わって、脚がよく回ることを願っている。
このブエルタに向けての準備は、時間が足りず、決して万全とは言えなかった。でもこれから数日間しっかりとレースで走り込めば調子はずっと良くなると思う。
ライバルたちから34秒失ったステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
今日は昨日よりも調子が良かった。さすがに一夜で急に調子が戻るわけじゃないけど、結果はまずまずだったと思う。ブエルタ期間中、こうして徐々に調子を上げていきたい。
第4ステージを終えた新城幸也(ランプレ・メリダ)
今日も逃げに乗るために序盤から積極的に動いていたが、うまく逃げが決まらなかった。21kmから登り始める3級の手前で抜け出したが集団に追いつかれ、その後もアタックと吸収の繰り返しで結局逃げに乗れなかった。
チームからは20人の逃げグループに1選手含まれていたので、自分の役目はなくなった。その後は集団でルイスを守るのが自分の仕事。しかし、登り始めで先頭に付いて行けずに集団で走ることになり、少人数の集団でゴール。 今日はチームのスプリンター、ズロがリタイアしてしまったので、明日からのチームのスプリントは自分が任されることになります。 アシストも居ないので、気楽にいきます(笑)
別府史之(トレック・セガフレード)
今日のステージは、逃げに乗ろうと最初のカテゴリー3級の山の前に様子を伺った。テルプストラが積極的に動いていたから、合わせて飛び出したけど足並みが揃わず。でも結局、逃げ決まったのは予想通り3級の山。昨日に引き続き逃げ切りが決まったステージだっただけに残念だった。レースブックを見直し、まだ逃げれるチャンスのあるステージはあるから、その日までとっておくことにする。
モビスターが追走を諦めてから、今日もイージーステージになった。仕事は最後の登りの手前でファビオを手助けするだけ。あとは明日のスプリントステージに脚を溜めてゆっくりとゴールした。ただ、明日はフィニッシュ地点手前が微妙に登っているから、ジルベールとかパンチャータイプの飛び出す選手が有利かもしれない。でもそれは明日になってみないとわからない。
今日のフィニッシュ地点は何ともドラマチックな丘だった。モンバントゥーみたい開けててとても綺麗。そこで隣に走っていたFDJのラダニュースに「C’est beau! (美しい=カッコイイという意味にもなる)」と声をかけて、すかさず「君のことじゃないからね。Paysage (風景)だから!」と冗談交じりで言うと、続けざまに「奥さんにもカッコイイって言われないから言う通りだよ。」と照れ笑いながら答えてくれた。そんな冗談を言いながら今日のステージも終わった。
ただレース後、8km先にあるチームバスのところまで自走で下ったんだけど、目の前でカハルーラルの選手が下りのコーナーで落車して有刺鉄線を突き破って、腕からかなりの出血していてかなり危険な状況だった。最悪なことにレースで登ってきた山の反対側だったから観客も居なくて、下ってきた選手たちは困惑していた。すぐ近くにいた警官にも救急車呼んでくれ!って頼んで、いち早くカハルーラルのスタッフにも知らせようと急いでチームバスに行って「おたくの選手が腕を切っていて血だらけで大変だ! 」って知らせた。さっきディナーで聞いたところによると腰骨を折ったとのことだった。大事に至らないでと願うばかり。
※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、SNSから、新城幸也のコメントはTeamユキヤ通信より。
text:Kei Tsuji in A Coruna, Spain
Amazon.co.jp