2016/08/22(月) - 17:11
ヴァッテンフォール・サイクラシックから名前を変えたサイクラシックス・ハンブルグ。ドイツ最大のワンデーレースで、先着したナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)は斜行による降格となり、2位でフィニッシュしたカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)が初勝利を挙げた。
サイクラシックス・ハンブルグは、昨年までヴァッテンフォール・サイクラシックスとして開催されていたドイツ最大のワンデーレース。今年21回目を迎える若いレース、昨年は北部の町キールをスタートするコースが採用されたが、今年は再びハンブルグを中心にしたコースに戻った。
217kmと例年より短めとなったコースの勝負どころは、最大勾配15%のヴァーゼベルグを含むテクニカルな周回コース。毎年のようにこのヴァーゼベルグでアタックが繰り返され、スプリンターチームが逃げを潰しにかかる。スプリンター向きだが、逃げ切りの可能性もあるワンデークラシックであると言える。
厳しい山岳が用意されたブエルタ・ア・エスパーニャを回避したスプリンター勢が今年もズラリ。昨年の優勝者であるアンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)はもちろん、ジョン・デゲンコルブ(ジャイアント・アルペシン)、マルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)など名だたるジャーマンスプリンターは揃い踏み。
ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)、一昨年覇者アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)、カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)、アルノー・デマール(フランス、FDJ)、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)など、ツール・ド・フランスのスプリントステージを上回るメンバーと、スプリント要員がスタートラインに顔を揃えた。
この日序盤から逃げたのは、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)やマチェイ・モホリッチ(スロベニア、ランプレ・メリダ)、マッテーオ・モンタグーティ(イタリア、AG2Rラモンディアール)、カミル・グラデック(ポーランド、ヴェルヴァ・アクティブジェット)、ルーカス・ポストバーガー(オーストリア、ボーラ・アルゴン18)、そしてマクサット・アヤズバイェフ(カザフスタン、アスタナ)という6名。
6名は最大で6分差を得たものの、この日の勝負は集団内での争いになると見込まれていたため、逃げ切りのチャンスはほぼ皆無。しかしレースが距離を消化しても、集団ではなかなかペースアップが掛からない。ようやく残り40kmを切ってから集団のギアが回りだしたものの、残り15kmでのタイム差は未だ1分50秒ほど。
集団からはポール・ヴォス(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)とファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ストルティング・サービスグループ)がブリッジを仕掛けたが失敗に終わり、IAMサイクリングやオリカ・バイクエクスチェンジらが水しぶきを上げながら、4名に減った先頭グループを追い上げていく。
集団の足音が迫り、逃げ切りに黄色信号が灯った先頭では、牽制やアタックが掛かり始めたことで統率にヒビが入り始める。スプリント体制で突っ込んでくる集団から逃れるようにデマルキとグラデックが抜け出したものの成功せず、残り200m手前でニッツォロら集団が交わしていく。
ロングスパートを試みたニッツォロだったが後続を突き放すには至らず、背後からブアニがスプリントを開始。右から追い上げるカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)を抑え、先頭でフィニッシュラインを切ってみせた。
しかし一旦はブアニ勝利のアナウンスがなされたものの、スプリント中にユアンに対する斜行が認められるとして、審判団はブアニを先頭集団最下位に降格という判断を下す。これによって第21回大会優勝の栄冠はユアンが獲得することとなった。
ユアンは「タフなレースだったので勝利を嬉しく思っている。(ブアニに対して)自分のラインを外さなければならなかったが、ああなっては踏み直すのは難しい。パンクし、二度の落車を回避して今こうして勝利と共に地に足をつけているのが何より嬉しい」とコメント。一方でブアニは「中傷はいつでも歓迎。それが自分を更に強くする」と自身のSNSで語っている。
サイクラシックス・ハンブルグ2016結果
1位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ) 4h54’27”
2位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
3位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
4位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)
5位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
6位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
7位 マーク・レンショー(オーストラリア、ディメンションデータ)
8位 ソンドレホルスト・エンゲル(ノルウェー、IAMサイクリング)
9位 マッテーオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ)
10位 アンドレ・グライペル(ベルギー、ロット・ソウダル)
text:So.Isobe
photo:CorVos
サイクラシックス・ハンブルグは、昨年までヴァッテンフォール・サイクラシックスとして開催されていたドイツ最大のワンデーレース。今年21回目を迎える若いレース、昨年は北部の町キールをスタートするコースが採用されたが、今年は再びハンブルグを中心にしたコースに戻った。
217kmと例年より短めとなったコースの勝負どころは、最大勾配15%のヴァーゼベルグを含むテクニカルな周回コース。毎年のようにこのヴァーゼベルグでアタックが繰り返され、スプリンターチームが逃げを潰しにかかる。スプリンター向きだが、逃げ切りの可能性もあるワンデークラシックであると言える。
厳しい山岳が用意されたブエルタ・ア・エスパーニャを回避したスプリンター勢が今年もズラリ。昨年の優勝者であるアンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)はもちろん、ジョン・デゲンコルブ(ジャイアント・アルペシン)、マルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)など名だたるジャーマンスプリンターは揃い踏み。
ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)、一昨年覇者アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)、カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)、アルノー・デマール(フランス、FDJ)、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)など、ツール・ド・フランスのスプリントステージを上回るメンバーと、スプリント要員がスタートラインに顔を揃えた。
この日序盤から逃げたのは、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)やマチェイ・モホリッチ(スロベニア、ランプレ・メリダ)、マッテーオ・モンタグーティ(イタリア、AG2Rラモンディアール)、カミル・グラデック(ポーランド、ヴェルヴァ・アクティブジェット)、ルーカス・ポストバーガー(オーストリア、ボーラ・アルゴン18)、そしてマクサット・アヤズバイェフ(カザフスタン、アスタナ)という6名。
6名は最大で6分差を得たものの、この日の勝負は集団内での争いになると見込まれていたため、逃げ切りのチャンスはほぼ皆無。しかしレースが距離を消化しても、集団ではなかなかペースアップが掛からない。ようやく残り40kmを切ってから集団のギアが回りだしたものの、残り15kmでのタイム差は未だ1分50秒ほど。
集団からはポール・ヴォス(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)とファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ストルティング・サービスグループ)がブリッジを仕掛けたが失敗に終わり、IAMサイクリングやオリカ・バイクエクスチェンジらが水しぶきを上げながら、4名に減った先頭グループを追い上げていく。
集団の足音が迫り、逃げ切りに黄色信号が灯った先頭では、牽制やアタックが掛かり始めたことで統率にヒビが入り始める。スプリント体制で突っ込んでくる集団から逃れるようにデマルキとグラデックが抜け出したものの成功せず、残り200m手前でニッツォロら集団が交わしていく。
ロングスパートを試みたニッツォロだったが後続を突き放すには至らず、背後からブアニがスプリントを開始。右から追い上げるカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)を抑え、先頭でフィニッシュラインを切ってみせた。
しかし一旦はブアニ勝利のアナウンスがなされたものの、スプリント中にユアンに対する斜行が認められるとして、審判団はブアニを先頭集団最下位に降格という判断を下す。これによって第21回大会優勝の栄冠はユアンが獲得することとなった。
ユアンは「タフなレースだったので勝利を嬉しく思っている。(ブアニに対して)自分のラインを外さなければならなかったが、ああなっては踏み直すのは難しい。パンクし、二度の落車を回避して今こうして勝利と共に地に足をつけているのが何より嬉しい」とコメント。一方でブアニは「中傷はいつでも歓迎。それが自分を更に強くする」と自身のSNSで語っている。
サイクラシックス・ハンブルグ2016結果
1位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ) 4h54’27”
2位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
3位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・セガフレード)
4位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ)
5位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
6位 ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)
7位 マーク・レンショー(オーストラリア、ディメンションデータ)
8位 ソンドレホルスト・エンゲル(ノルウェー、IAMサイクリング)
9位 マッテーオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ)
10位 アンドレ・グライペル(ベルギー、ロット・ソウダル)
text:So.Isobe
photo:CorVos
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