2009/10/27(火) - 14:25
2010年5月8日から30日まで、オランダとイタリアを舞台に開催されるジロ・デ・イタリアのコース全貌が明らかにされた。モルティローロやガヴィア、そしてゾンコランやプラン・デ・コロネスなど、難関山岳ステージが多数登場。完全にクライマー向きのジロに仕上がった。
アムステルダムをスタートし、半島を一周
ミラノで行なわれたレースプレゼンテーションで、2010年度のジロ・デ・イタリア全貌が明らかにされた。大きな特徴は3つ。イタリアではなくオランダをスタートすること、ミラノではなくヴェローナにゴールすること、そして例年にも増して厳しい山岳ステージが多く設定されていることだ。
101年目のジロは、オランダ・アムステルダムでの8.4km個人タイムトライアル(以下TT)で幕開ける。オランダ滞在期間は3日間。第2ステージと第3ステージはオランダならではの平坦コースで行なわれる。初日の短距離TTで上位に絡んだスプリンターたちが、マリアローザ争奪戦を繰り広げられるだろう。
休息日を挟み、ジロは5日目にして母国イタリアに上陸する。第4ステージは上り基調の32.5kmで行なわれたチームタイムトライアル。その後はイタリア半島の西岸に沿って南下を開始する。中でも注目したいのが、モンテパスキ・ストラーデビアンケ・エロイカトスカーナにも登場するトスカーナの未舗装路を含む第6ステージだ。カテゴリー山岳も3つ設定されており、熾烈な砂埃バトルが繰り広げられるだろう。
大会に登場する頂上ゴールは何と5つ。総合成績に先制パンチを与えるのが、第8ステージで登場するモンテ・テルミニッロの頂上ゴールだ。テルミニッロは登坂距離が16kmを超える本格的な上りで、平均勾配は7.3%。前半戦最大の山場になることは間違いない。
コースはイタリア半島の“かかと”に位置するプーリア州で折り返し、後半戦のドロミテに向かって北上を開始。第13ステージまでは比較的平坦なコースが続く。距離の長いコースが多く設定されていることも特徴の一つ。200kmオーバーのロングステージは8つ。ルチェーラ〜ラクイラ間で行なわれる第11ステージは何と256kmの長丁場だ。
最終週にドロミテの難関山岳が集中
最後の1週間は、まるでそれまでのステージが足慣らしであったかのように、一瞬も気の抜けない重要なステージが続く。厳しい山岳の闘いの火蓋が切って落とされるのが、ゴール42km手前でモンテ・グラッパを越える第14ステージ。その後は怒濤の山岳ラッシュだ。
2つ目の休息日前の第15ステージは、後半に難関山岳が連続。200km以上走行後、最後は悪名高きモンテ・ゾンコランが登場する。2007年に登場したゾンコランは、登坂距離10kmで高低差1200mを上る急勾配の上り。最大勾配は22%に達し、中盤の平均勾配は15%を超える。この難関ステージで総合成績は大きく変動するだろう。
休息日を挟んだ第16ステージは、2008年と同様、悪峰プラン・デ・コロネスの山岳個人TTだ。距離12.85kmのうち、前半部は平均勾配9%以下。しかし後半部はアスファルトが姿を消し、未舗装の急勾配路が続く。未舗装でしかも最大勾配が24%に達するまさに激坂。ここでは個々の登坂力がそのまま総合成績に直結する。
ゾンコランとコロネスを終えても、まだまだドロミテの洗礼は終わらない。まだ頂上ゴールが3つも残っているのだ。特に、ドロミテの奥深くを縫うように走る第19ステージ&第20ステージは容赦ない。
第19ステージはゴール33km手前でモルティローロ峠を越え、最後はアプリカまで駆け上がってゴール。これまで幾つもの死闘が繰り広げられてきたモルティローロは、登坂距離12.8kmで平均勾配10.3%、しかも下りはテクニカル。モルティローロで攻撃を仕掛けた選手が、アプリカまで逃げ切る可能性は高い。
山岳決戦の最後を締めくくるのが、獲得標高差が6000mを超える超弩級の第20ステージ。登坂距離24.9km・標高2618mのガヴィア峠を含む4つの難関山岳を越え、最後はトナーレ峠にゴールする。過酷極まりないこの第20ステージで、マリアローザ争いは決着するだろう。
最終日はミラノの平坦コースではなく、ヴェローナで行なわれる起伏のある短距離個人TT。ゴール地点は、ローマ時代のコロッセオが完全なカタチで残っているアリーナだ。
総走行距離は3418km。スプリンター向きのステージが6〜8つで、中級山岳ステージが5つ、そして頂上ゴールが5つ。個人TTの距離が短いため、クライマー有利な展開が予想される。なお、2010年大会で擦りもしないミラノは、2011年に再びゴール地点として戻ってくる予定だ。
コースプレゼンテーションの模様や、各ステージのコースプロフィールはフォトギャラリーをご覧下さい。
ジロ・デ・イタリア2010ステージリスト(★は主催者発表の難易度)
5月8日(土)第1ステージ ★★★
アムステルダム 8.4km(個人TT)
5月9日(日)第2ステージ ★★
アムステルダム〜ユトレヒト 209km
5月10日(月)第3ステージ ★★★
アムステルダム〜ミデルブルフ 209km
5月11日(火)休息日
5月12日(水)第4ステージ ★★★
サヴィリアーノ〜クーネオ 32.5km(チームTT)
5月13日(木)第5ステージ ★★
ノヴァーラ〜ノーヴィ・リグーレ 168km
5月14日(金)第6ステージ ★★
フィデンツァ〜カラーラ 166km
5月15日(土)第7ステージ ★★★
カラーラ〜モンタルチーノ 215km
5月16日(日)第8ステージ ★★★★(頂上ゴール)
キアンチァーノ・テルメ〜テルミニッロ 189km
5月17日(月)第9ステージ ★★
フロシノーネ〜カーヴァ・デ・ティレーニ 188km
5月18日(火)第10ステージ ★★
アヴェッリーノ〜ビトント 220km
5月19日(水)第11ステージ ★★★
ルチェーラ〜ラクイラ 256km
5月20日(木)第12ステージ ★★
チッタ・サンタンジェロ〜ポルト・レカナーティ 191km
5月21日(金)第13ステージ ★★
ポルト・レカナーティ〜チェゼナティコ 222km
5月22日(土)第14ステージ ★★★
フェラーラ〜アゾーロ 201km
5月23日(日)第15ステージ ★★★★★(頂上ゴール)
メストレ〜モンテ・ゾンコラン 218km
5月24日(月)休息日
5月25日(火)第16ステージ ★★★★★
サンヴィジリオ・ディ・マレッベ〜プラン・デ・コロネス 12.9km(山岳個人TT)
5月26日(水)第17ステージ ★★★★(頂上ゴール)
ブルーニコ〜ペイオ・テルメ 173km
5月27日(木)第18ステージ ★★
レヴィコ・テルメ〜ブレシア 151km
5月28日(金)第19ステージ ★★★★★(頂上ゴール)
ブレシア〜アプリカ 195km
5月29日(土)第20ステージ ★★★★★(頂上ゴール)
ボルミオ〜ポンテ・ディ・レーニョ〜トナーレ 178km
5月30日(日)第21ステージ ★★★
ヴェローナ 15.3km(個人TT)
アムステルダムをスタートし、半島を一周
ミラノで行なわれたレースプレゼンテーションで、2010年度のジロ・デ・イタリア全貌が明らかにされた。大きな特徴は3つ。イタリアではなくオランダをスタートすること、ミラノではなくヴェローナにゴールすること、そして例年にも増して厳しい山岳ステージが多く設定されていることだ。
101年目のジロは、オランダ・アムステルダムでの8.4km個人タイムトライアル(以下TT)で幕開ける。オランダ滞在期間は3日間。第2ステージと第3ステージはオランダならではの平坦コースで行なわれる。初日の短距離TTで上位に絡んだスプリンターたちが、マリアローザ争奪戦を繰り広げられるだろう。
休息日を挟み、ジロは5日目にして母国イタリアに上陸する。第4ステージは上り基調の32.5kmで行なわれたチームタイムトライアル。その後はイタリア半島の西岸に沿って南下を開始する。中でも注目したいのが、モンテパスキ・ストラーデビアンケ・エロイカトスカーナにも登場するトスカーナの未舗装路を含む第6ステージだ。カテゴリー山岳も3つ設定されており、熾烈な砂埃バトルが繰り広げられるだろう。
大会に登場する頂上ゴールは何と5つ。総合成績に先制パンチを与えるのが、第8ステージで登場するモンテ・テルミニッロの頂上ゴールだ。テルミニッロは登坂距離が16kmを超える本格的な上りで、平均勾配は7.3%。前半戦最大の山場になることは間違いない。
コースはイタリア半島の“かかと”に位置するプーリア州で折り返し、後半戦のドロミテに向かって北上を開始。第13ステージまでは比較的平坦なコースが続く。距離の長いコースが多く設定されていることも特徴の一つ。200kmオーバーのロングステージは8つ。ルチェーラ〜ラクイラ間で行なわれる第11ステージは何と256kmの長丁場だ。
最終週にドロミテの難関山岳が集中
最後の1週間は、まるでそれまでのステージが足慣らしであったかのように、一瞬も気の抜けない重要なステージが続く。厳しい山岳の闘いの火蓋が切って落とされるのが、ゴール42km手前でモンテ・グラッパを越える第14ステージ。その後は怒濤の山岳ラッシュだ。
2つ目の休息日前の第15ステージは、後半に難関山岳が連続。200km以上走行後、最後は悪名高きモンテ・ゾンコランが登場する。2007年に登場したゾンコランは、登坂距離10kmで高低差1200mを上る急勾配の上り。最大勾配は22%に達し、中盤の平均勾配は15%を超える。この難関ステージで総合成績は大きく変動するだろう。
休息日を挟んだ第16ステージは、2008年と同様、悪峰プラン・デ・コロネスの山岳個人TTだ。距離12.85kmのうち、前半部は平均勾配9%以下。しかし後半部はアスファルトが姿を消し、未舗装の急勾配路が続く。未舗装でしかも最大勾配が24%に達するまさに激坂。ここでは個々の登坂力がそのまま総合成績に直結する。
ゾンコランとコロネスを終えても、まだまだドロミテの洗礼は終わらない。まだ頂上ゴールが3つも残っているのだ。特に、ドロミテの奥深くを縫うように走る第19ステージ&第20ステージは容赦ない。
第19ステージはゴール33km手前でモルティローロ峠を越え、最後はアプリカまで駆け上がってゴール。これまで幾つもの死闘が繰り広げられてきたモルティローロは、登坂距離12.8kmで平均勾配10.3%、しかも下りはテクニカル。モルティローロで攻撃を仕掛けた選手が、アプリカまで逃げ切る可能性は高い。
山岳決戦の最後を締めくくるのが、獲得標高差が6000mを超える超弩級の第20ステージ。登坂距離24.9km・標高2618mのガヴィア峠を含む4つの難関山岳を越え、最後はトナーレ峠にゴールする。過酷極まりないこの第20ステージで、マリアローザ争いは決着するだろう。
最終日はミラノの平坦コースではなく、ヴェローナで行なわれる起伏のある短距離個人TT。ゴール地点は、ローマ時代のコロッセオが完全なカタチで残っているアリーナだ。
総走行距離は3418km。スプリンター向きのステージが6〜8つで、中級山岳ステージが5つ、そして頂上ゴールが5つ。個人TTの距離が短いため、クライマー有利な展開が予想される。なお、2010年大会で擦りもしないミラノは、2011年に再びゴール地点として戻ってくる予定だ。
コースプレゼンテーションの模様や、各ステージのコースプロフィールはフォトギャラリーをご覧下さい。
ジロ・デ・イタリア2010ステージリスト(★は主催者発表の難易度)
5月8日(土)第1ステージ ★★★
アムステルダム 8.4km(個人TT)
5月9日(日)第2ステージ ★★
アムステルダム〜ユトレヒト 209km
5月10日(月)第3ステージ ★★★
アムステルダム〜ミデルブルフ 209km
5月11日(火)休息日
5月12日(水)第4ステージ ★★★
サヴィリアーノ〜クーネオ 32.5km(チームTT)
5月13日(木)第5ステージ ★★
ノヴァーラ〜ノーヴィ・リグーレ 168km
5月14日(金)第6ステージ ★★
フィデンツァ〜カラーラ 166km
5月15日(土)第7ステージ ★★★
カラーラ〜モンタルチーノ 215km
5月16日(日)第8ステージ ★★★★(頂上ゴール)
キアンチァーノ・テルメ〜テルミニッロ 189km
5月17日(月)第9ステージ ★★
フロシノーネ〜カーヴァ・デ・ティレーニ 188km
5月18日(火)第10ステージ ★★
アヴェッリーノ〜ビトント 220km
5月19日(水)第11ステージ ★★★
ルチェーラ〜ラクイラ 256km
5月20日(木)第12ステージ ★★
チッタ・サンタンジェロ〜ポルト・レカナーティ 191km
5月21日(金)第13ステージ ★★
ポルト・レカナーティ〜チェゼナティコ 222km
5月22日(土)第14ステージ ★★★
フェラーラ〜アゾーロ 201km
5月23日(日)第15ステージ ★★★★★(頂上ゴール)
メストレ〜モンテ・ゾンコラン 218km
5月24日(月)休息日
5月25日(火)第16ステージ ★★★★★
サンヴィジリオ・ディ・マレッベ〜プラン・デ・コロネス 12.9km(山岳個人TT)
5月26日(水)第17ステージ ★★★★(頂上ゴール)
ブルーニコ〜ペイオ・テルメ 173km
5月27日(木)第18ステージ ★★
レヴィコ・テルメ〜ブレシア 151km
5月28日(金)第19ステージ ★★★★★(頂上ゴール)
ブレシア〜アプリカ 195km
5月29日(土)第20ステージ ★★★★★(頂上ゴール)
ボルミオ〜ポンテ・ディ・レーニョ〜トナーレ 178km
5月30日(日)第21ステージ ★★★
ヴェローナ 15.3km(個人TT)
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