2016/06/13(月) - 10:07
雨のアップダウンコースをこなした大集団によるスプリント勝負。力強い加速を見せたペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)がライバルたちを蹴散らし、ステージ通算12勝というツール・ド・スイスのステージ最多勝記録を打ち立てた。
初日の個人タイムトライアルが行われたバールを発着する47km周回コースを4周する188kmで行われたツール・ド・スイス第2ステージ。2級山岳ドーフシュトラス(5.2km/平均5%)を含む細かいアップダウンを繰り返す1日の獲得標高差は2,100m。冷たい雨が降る厳しいコンディションに見舞われたが、最後は大集団によるスプリント勝負に持ち込まれた。
1周目に形成されたセバスティアン・ミナール(フランス、AG2Rラモンディアール)、マルセル・ウィス(スイス、IAMサイクリング)、マティアス・クリセク(オーストリア、チームロス)、ジェスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ)の逃げが、トレック・セガフレード率いるメイン集団から4分前後のリードで先行。2級山岳でポイントを稼いだ元キャノンデールのクリセクが青い山岳賞ジャージ着用の権利を得ている。
逃げグループは1分30秒リードで最終周回に突入したものの、集団スプリントを狙う大集団が後方から勢いよく迫る。残り35km地点で早くも逃げを捕まえたメイン集団の先頭では最後の中間スプリント(残り12km地点)でボーナスタイム(3秒、2秒、1秒)をかけたスプリントが繰り広げられ、リーダージャージを着るファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)が総合2位ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)を下した。
雨に濡れたコースで落車した総合優勝候補の一角アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール)はチームメイトの力を借りて集団に復帰。およそ130名のメイン集団がティンコフとチームスカイを先頭にフィニッシュ地点バールの街を目指した。
残り5kmを切ったところでマイケル・マシューズ(オーストラリア)擁するオリカ・グリーンエッジが先頭に立つ。マシューズの後ろには世界チャンピオンのサガンがぴったりとマーク。対抗するエティックス・クイックステップを寄せ付けず、オリカ・グリーンエッジが完璧とも言えるリードアウトでマシューズをスプリントに導いた。
最終発射台マグナス・コルトニールセン(デンマーク、オリカ・グリーンエッジ)の後ろから、残り200mで先に腰を上げたのはサガン。反応したマシューズのスプリントにキレはなく、サガンが追いすがるマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、エティックス・クイックステップ)を振り切る。パワフルなスプリントでスピードを維持したアルカンシェルが先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
「厳しい登りが周回コースの前半に設定されていたのでスプリント向きだった。山岳ステージが多いツール・ド・スイスにおいてスプリンターのチャンスは決して多くない。滅入るような雨が降り続けたけど何としてもスプリントに持ち込みたかった」と、今シーズン5勝目を飾ったサガンは振り返る。
サガンはツール・ド・スイスで2011年から6年連続でステージ優勝を達成。ステージ通算12勝はツール・ド・スイス歴代最多勝記録だ。「12勝という記録を誇りに思う。記録のために走っているわけじゃないけど良い気持ちだ」とサガンはコメントしている。
カンチェラーラは中間スプリントでボーナスタイムを稼いだものの、最終スプリントに絡んだルーランズがステージ5位。この日はステージ7位以下に3秒差がついたため総合順位が逆転し、カンチェラーラが1秒差でルーランズを追う展開となっている。
選手コメントはチーム公式リリースより。
ツール・ド・スイス2016第2ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 4h35’19”
2位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、エティックス・クイックステップ)
3位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)
6位 ヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
7位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ) +03”
8位 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
9位 スヴェンエリック・ビストロム(ノルウェー、カチューシャ)
10位 トム・ファンアスブロック(ベルギー、ロットNLユンボ)
12位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)
65位 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ)
個人総合成績
1位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル) 4h42’56”
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード) +01”
3位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +06”
4位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +10”
5位 マルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)
6位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
7位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) +11”
8位 ヨアン・レボン(フランス、FDJ) +13”
9位 シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
10位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター) +14”
ポイント賞
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)
山岳賞
1位 マティアス・クリセク(オーストリア、チームロス)
スイスライダー賞
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)
チーム総合成績
1位 ロット・ソウダル
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
初日の個人タイムトライアルが行われたバールを発着する47km周回コースを4周する188kmで行われたツール・ド・スイス第2ステージ。2級山岳ドーフシュトラス(5.2km/平均5%)を含む細かいアップダウンを繰り返す1日の獲得標高差は2,100m。冷たい雨が降る厳しいコンディションに見舞われたが、最後は大集団によるスプリント勝負に持ち込まれた。
1周目に形成されたセバスティアン・ミナール(フランス、AG2Rラモンディアール)、マルセル・ウィス(スイス、IAMサイクリング)、マティアス・クリセク(オーストリア、チームロス)、ジェスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ)の逃げが、トレック・セガフレード率いるメイン集団から4分前後のリードで先行。2級山岳でポイントを稼いだ元キャノンデールのクリセクが青い山岳賞ジャージ着用の権利を得ている。
逃げグループは1分30秒リードで最終周回に突入したものの、集団スプリントを狙う大集団が後方から勢いよく迫る。残り35km地点で早くも逃げを捕まえたメイン集団の先頭では最後の中間スプリント(残り12km地点)でボーナスタイム(3秒、2秒、1秒)をかけたスプリントが繰り広げられ、リーダージャージを着るファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)が総合2位ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)を下した。
雨に濡れたコースで落車した総合優勝候補の一角アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール)はチームメイトの力を借りて集団に復帰。およそ130名のメイン集団がティンコフとチームスカイを先頭にフィニッシュ地点バールの街を目指した。
残り5kmを切ったところでマイケル・マシューズ(オーストラリア)擁するオリカ・グリーンエッジが先頭に立つ。マシューズの後ろには世界チャンピオンのサガンがぴったりとマーク。対抗するエティックス・クイックステップを寄せ付けず、オリカ・グリーンエッジが完璧とも言えるリードアウトでマシューズをスプリントに導いた。
最終発射台マグナス・コルトニールセン(デンマーク、オリカ・グリーンエッジ)の後ろから、残り200mで先に腰を上げたのはサガン。反応したマシューズのスプリントにキレはなく、サガンが追いすがるマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、エティックス・クイックステップ)を振り切る。パワフルなスプリントでスピードを維持したアルカンシェルが先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
「厳しい登りが周回コースの前半に設定されていたのでスプリント向きだった。山岳ステージが多いツール・ド・スイスにおいてスプリンターのチャンスは決して多くない。滅入るような雨が降り続けたけど何としてもスプリントに持ち込みたかった」と、今シーズン5勝目を飾ったサガンは振り返る。
サガンはツール・ド・スイスで2011年から6年連続でステージ優勝を達成。ステージ通算12勝はツール・ド・スイス歴代最多勝記録だ。「12勝という記録を誇りに思う。記録のために走っているわけじゃないけど良い気持ちだ」とサガンはコメントしている。
カンチェラーラは中間スプリントでボーナスタイムを稼いだものの、最終スプリントに絡んだルーランズがステージ5位。この日はステージ7位以下に3秒差がついたため総合順位が逆転し、カンチェラーラが1秒差でルーランズを追う展開となっている。
選手コメントはチーム公式リリースより。
ツール・ド・スイス2016第2ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) 4h35’19”
2位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、エティックス・クイックステップ)
3位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル)
6位 ヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
7位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、チームスカイ) +03”
8位 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
9位 スヴェンエリック・ビストロム(ノルウェー、カチューシャ)
10位 トム・ファンアスブロック(ベルギー、ロットNLユンボ)
12位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)
65位 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ)
個人総合成績
1位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ソウダル) 4h42’56”
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード) +01”
3位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +06”
4位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +10”
5位 マルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)
6位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
7位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) +11”
8位 ヨアン・レボン(フランス、FDJ) +13”
9位 シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
10位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター) +14”
ポイント賞
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)
山岳賞
1位 マティアス・クリセク(オーストリア、チームロス)
スイスライダー賞
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)
チーム総合成績
1位 ロット・ソウダル
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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