2009/10/14(水) - 22:26
10月14日、フランス・パリ国際会議場で2010年ツール・ド・フランスのコースプレゼンテーションが行なわれ、第97回大会のコース全貌が明らかにされた。オランダをスタートし、序盤は北フランスのパヴェ（石畳）も登場。フランスを時計回りに駆け抜け、終盤ピレネーのトゥールマレー峠でマイヨジョーヌ争いは決着する。
オランダをスタートし、北フランスのパヴェを通過
コースを説明するクリスティアン・プリュドム氏 photo:Cor Vosパリの国際会議場で行なわれたコースプレゼンテーションには、2009年大会総合優勝者のアルベルト・コンタドール（スペイン）や総合2位アンディ・シュレク（ルクセンブルク）、総合3位ランス・アームストロング（アメリカ）、そしてステージ6勝のマーク・カヴェンディッシュ（イギリス）らが出席。
ステージに上がったレース総合ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏がコースの全貌を発表した。
ステージに上がる2009年大会のトップスリー、左からアンディ・シュレク、コンタドール、アームストロング photo:Cor Vos事前に発表されていたように、グランデパール（スタート地点）は、世界屈指の港湾都市として知られるオランダのロッテルダムだ。ツールがオランダで開幕するのは史上5回目で、1954年のアムステルダムが史上初の海外グランデパールだった。近年では1996年にオランダ南部のスヘルトーヘンボスで開幕。2006年には序盤ステージでオランダを通過している。
初日はロッテルダム市内を駆け抜ける8kmのプロローグ（個人タイムトライアル）。平坦な第1ステージはベルギーの首都ブリュッセルにゴールする。第2ステージはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュに代表されるアルデンヌ・クラシックの舞台を駆け抜ける起伏あるコースだ。
注目は第3ステージは、パヴェ（石畳）が合計7区間登場するパリ〜ルーベさながらの平坦コース。パヴェ区間の総延長は13.2km（ベルギー2.2km・フランス11km）に及ぶ。重厚なクラシックハンターが躍動すること間違いなし。ツール序盤戦の見せ場になるだろう。
マイヨジョーヌ争いはトゥールマレーで決着
ツール・ド・フランス2010コース全体図 image:A.S.O.コースの特徴を大まかに説明すると、時計回りにグルリとフランスを一周。前半にアルプス、後半にピレネーが登場する。チームタイムトライアルは無く、個人タイムトライアルは最終日前日に1回だけ。今年に引き続きボーナスタイムは設定されない。
本格的な山岳ステージが最初に登場するのは、アルプスにゴールする第8ステージ。標高1800mのモルジヌ・アヴォリアズの山頂フィニッシュが総合成績に大きな変動をもたらすだろう。休息日をはさみ、第9ステージはコロンビエール峠を含む山岳ステージだ。その後はしばらく平坦ステージが続き、第14ステージから再び山岳が牙を剥く。
第14ステージ・コースプロフィール image:A.S.O.来年はピレネーステージがツールに初登場して100年目。それを記念して、ツールの最終決戦としてピレネー山脈が選ばれた。特筆すべきは、2回登場するトゥールマレー峠だ。
大会2回目の山頂フィニッシュはAx-3・ドメーヌにゴールする第14ステージ。続く2ステージも本格的な山岳コースで、第16ステージは中盤にトゥールマレー峠を通過する。そして大会最大の目玉として注目を集めているのが、トゥールマレー峠にゴールする第17ステージだ。この4連続山岳ステージが、マイヨジョーヌの行方を大きく左右する。
第17ステージ・コースプロフィール image:A.S.O.そして、総合優勝者を決定づけるのが第19ステージ。今大会唯一の本格的な個人タイムトライアルのコースは、世界的に有名なワイン畑を縫うように走る51km。この日マイヨジョーヌを受け取った選手が、実質的な総合優勝に輝く。ポイヤックにゴール後、“関係者泣かせ”の大移動を経て、翌日パリ・シャンゼリゼ通りにゴールする。
第97回大会の賞金総額は320万ユーロ。総合優勝者の獲得賞金は45万ユーロ。3週間の総走行距離は3600km前後になる見通しだ。
なお、市民レース「エタップ・ドゥ・ツール」は最大の勝負どころである第17ステージのコースが使用される。7月18日（日）、ポーからトゥールマレー峠までの174kmで開催される予定だ。
ツール・ド・フランス2010概要
平坦ステージ：9
超級山岳ステージ：6
山頂フィニッシュ：3
中級山岳ステージ：4
個人タイムトライアル：1
休息日：2
合計距離：約3600km
通過国：3（オランダ、ベルギー、フランス）
2級以上のカテゴリー山岳：23
ツール・ド・フランス2010全日程（★は注目度）
7月3日（土）プロローグ ロッテルダム（オランダ）8km 個人TT
7月4日（日）第1ステージ ロッテルダム（オランダ）〜ブリュッセル（ベルギー）224km
7月5日（月）第2ステージ ブリュッセル（ベルギー）〜スパ（ベルギー）192km★
7月6日（火）第3ステージ ワンズ（ベルギー）〜アランベール・ポルト・ドゥ・エノー 207km★
7月7日（水）第4ステージ カンブレー〜ランス 150km
7月8日（木）第5ステージ エペルネー〜モンタルジ 185km
7月9日（金）第6ステージ モンタルジ〜グーニョン 225km
7月10日（土）第7ステージ トゥルニュ〜レ・ルッス・スキー場 161km★★
7月11日（日）第8ステージ レ・ルッス・スキー場〜モルジヌ・アヴォリアズ 189km★★★
7月12日（月）休息日 ルジヌ・アヴォリアズ
7月13日（火）第9ステージ ルジヌ・アヴォリアズ〜サン・ジャン・ド・モリエンヌ 204km★★★
7月14日（水）第10ステージ シャンベリ〜ギャップ 179km★★
7月15日（木）第11ステージ シストロン〜ブール・レ・ヴァロンス 180km
7月16日（金）第12ステージ ブール・ド・ペアージュ〜マンド 210km★★
7月17日（土）第13ステージ ロデーズ〜ルヴェル 195km
7月18日（日）第14ステージ ルヴェル〜Ax-3・ドメーヌ 184km★★★
7月19日（月）第15ステージ パミエ〜バニエール・ド・ルション 187km★★★
7月20日（火）第16ステージ バニエール・ド・ルション〜ポー 196km★★★
7月21日（水）休息日 ポー
7月22日（木）第17ステージ ポー〜トゥールマレー峠 174km★★★★
7月23日（金）第18ステージ サリー・ド・ベアム〜ボルドー 190km
7月24日（土）第19ステージ ボルドー〜ポイヤック 51km 個人TT★★
7月25日（日）第20ステージ ロンジュモー〜パリ・シャンゼリゼ通り 105km
ビデオプレゼンテーション Le parcours du Tour 2010 en 3D / The 2010 route in 3D
text:Kei Tsuji
image&video:A.S.O.
オランダをスタートし、北フランスのパヴェを通過
コースを説明するクリスティアン・プリュドム氏 photo:Cor Vosパリの国際会議場で行なわれたコースプレゼンテーションには、2009年大会総合優勝者のアルベルト・コンタドール（スペイン）や総合2位アンディ・シュレク（ルクセンブルク）、総合3位ランス・アームストロング（アメリカ）、そしてステージ6勝のマーク・カヴェンディッシュ（イギリス）らが出席。ステージに上がったレース総合ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏がコースの全貌を発表した。
ステージに上がる2009年大会のトップスリー、左からアンディ・シュレク、コンタドール、アームストロング photo:Cor Vos事前に発表されていたように、グランデパール（スタート地点）は、世界屈指の港湾都市として知られるオランダのロッテルダムだ。ツールがオランダで開幕するのは史上5回目で、1954年のアムステルダムが史上初の海外グランデパールだった。近年では1996年にオランダ南部のスヘルトーヘンボスで開幕。2006年には序盤ステージでオランダを通過している。初日はロッテルダム市内を駆け抜ける8kmのプロローグ（個人タイムトライアル）。平坦な第1ステージはベルギーの首都ブリュッセルにゴールする。第2ステージはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュに代表されるアルデンヌ・クラシックの舞台を駆け抜ける起伏あるコースだ。
注目は第3ステージは、パヴェ（石畳）が合計7区間登場するパリ〜ルーベさながらの平坦コース。パヴェ区間の総延長は13.2km（ベルギー2.2km・フランス11km）に及ぶ。重厚なクラシックハンターが躍動すること間違いなし。ツール序盤戦の見せ場になるだろう。
マイヨジョーヌ争いはトゥールマレーで決着
ツール・ド・フランス2010コース全体図 image:A.S.O.コースの特徴を大まかに説明すると、時計回りにグルリとフランスを一周。前半にアルプス、後半にピレネーが登場する。チームタイムトライアルは無く、個人タイムトライアルは最終日前日に1回だけ。今年に引き続きボーナスタイムは設定されない。本格的な山岳ステージが最初に登場するのは、アルプスにゴールする第8ステージ。標高1800mのモルジヌ・アヴォリアズの山頂フィニッシュが総合成績に大きな変動をもたらすだろう。休息日をはさみ、第9ステージはコロンビエール峠を含む山岳ステージだ。その後はしばらく平坦ステージが続き、第14ステージから再び山岳が牙を剥く。
第14ステージ・コースプロフィール image:A.S.O.来年はピレネーステージがツールに初登場して100年目。それを記念して、ツールの最終決戦としてピレネー山脈が選ばれた。特筆すべきは、2回登場するトゥールマレー峠だ。大会2回目の山頂フィニッシュはAx-3・ドメーヌにゴールする第14ステージ。続く2ステージも本格的な山岳コースで、第16ステージは中盤にトゥールマレー峠を通過する。そして大会最大の目玉として注目を集めているのが、トゥールマレー峠にゴールする第17ステージだ。この4連続山岳ステージが、マイヨジョーヌの行方を大きく左右する。
第17ステージ・コースプロフィール image:A.S.O.そして、総合優勝者を決定づけるのが第19ステージ。今大会唯一の本格的な個人タイムトライアルのコースは、世界的に有名なワイン畑を縫うように走る51km。この日マイヨジョーヌを受け取った選手が、実質的な総合優勝に輝く。ポイヤックにゴール後、“関係者泣かせ”の大移動を経て、翌日パリ・シャンゼリゼ通りにゴールする。第97回大会の賞金総額は320万ユーロ。総合優勝者の獲得賞金は45万ユーロ。3週間の総走行距離は3600km前後になる見通しだ。
なお、市民レース「エタップ・ドゥ・ツール」は最大の勝負どころである第17ステージのコースが使用される。7月18日（日）、ポーからトゥールマレー峠までの174kmで開催される予定だ。
ツール・ド・フランス2010概要
平坦ステージ：9
超級山岳ステージ：6
山頂フィニッシュ：3
中級山岳ステージ：4
個人タイムトライアル：1
休息日：2
合計距離：約3600km
通過国：3（オランダ、ベルギー、フランス）
2級以上のカテゴリー山岳：23
ツール・ド・フランス2010全日程（★は注目度）
7月3日（土）プロローグ ロッテルダム（オランダ）8km 個人TT
7月4日（日）第1ステージ ロッテルダム（オランダ）〜ブリュッセル（ベルギー）224km
7月5日（月）第2ステージ ブリュッセル（ベルギー）〜スパ（ベルギー）192km★
7月6日（火）第3ステージ ワンズ（ベルギー）〜アランベール・ポルト・ドゥ・エノー 207km★
7月7日（水）第4ステージ カンブレー〜ランス 150km
7月8日（木）第5ステージ エペルネー〜モンタルジ 185km
7月9日（金）第6ステージ モンタルジ〜グーニョン 225km
7月10日（土）第7ステージ トゥルニュ〜レ・ルッス・スキー場 161km★★
7月11日（日）第8ステージ レ・ルッス・スキー場〜モルジヌ・アヴォリアズ 189km★★★
7月12日（月）休息日 ルジヌ・アヴォリアズ
7月13日（火）第9ステージ ルジヌ・アヴォリアズ〜サン・ジャン・ド・モリエンヌ 204km★★★
7月14日（水）第10ステージ シャンベリ〜ギャップ 179km★★
7月15日（木）第11ステージ シストロン〜ブール・レ・ヴァロンス 180km
7月16日（金）第12ステージ ブール・ド・ペアージュ〜マンド 210km★★
7月17日（土）第13ステージ ロデーズ〜ルヴェル 195km
7月18日（日）第14ステージ ルヴェル〜Ax-3・ドメーヌ 184km★★★
7月19日（月）第15ステージ パミエ〜バニエール・ド・ルション 187km★★★
7月20日（火）第16ステージ バニエール・ド・ルション〜ポー 196km★★★
7月21日（水）休息日 ポー
7月22日（木）第17ステージ ポー〜トゥールマレー峠 174km★★★★
7月23日（金）第18ステージ サリー・ド・ベアム〜ボルドー 190km
7月24日（土）第19ステージ ボルドー〜ポイヤック 51km 個人TT★★
7月25日（日）第20ステージ ロンジュモー〜パリ・シャンゼリゼ通り 105km
ビデオプレゼンテーション Le parcours du Tour 2010 en 3D / The 2010 route in 3D
text:Kei Tsuji
image&video:A.S.O.
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