2016/04/29(金) - 05:37
イギリスのヨークシャー地方を舞台に、第2回ツール・ド・ヨークシャー（UCI2.1）が4月29日から5月1日までの3日間開催される。7つのUCIワールドチームやブラドレー・ウィギンズ（イギリス、チームウィギンズ）も出場するステージレースの見どころをチェック。
ヨークシャー地方を走るプロトン photo:letour.yorkshire.com
ツール・ド・ヨークシャー2016 image:A.S.O.イギリスのグレートブリテン島中部（イングランド北部）に位置するヨークシャー地方で第2回ツール・ド・ヨークシャーが開催される。2014年のグランデパール（ツール開幕）の成功を受けて、2015年にツール・ド・フランス主催者ASOが初開催した新しいステージレースだ。
ツール・ド・ヨークシャー2016第1ステージ image:A.S.O.地元自治体とASOがタッグを組んだステージレースの開催期間は4月29日から5月1日までの3日間。レースの舞台となるのはヨークシャー地方自慢の美しい丘陵地帯だ。UCIのレースカテゴリーはクラス1だが、ASO主催ということもあり、出場する18チームのうち7チームがUCIワールドチームという豪華さ。ツール・ド・ロマンディと並行して、チームスカイ、BMCレーシング、ディメンションデータ、カチューシャ、オリカ・グリーンエッジ、ジャイアント・アルペシン、ロットNLユンボが選手を8名ずつヨークシャーに送り込む。
標高のある山岳は登場せず、比較的難易度の低い第1ステージと第2ステージは集団スプリントに持ち込まれる可能性が高い。6つのカテゴリー山岳が詰め込まれた最終第3ステージで総合争いは決するだろう。
ヨーロッパを覆う寒波の影響はもちろんイギリスにも及んでおり、第1ステージ開催日（4月29日）には降雪の予報も出ている。たとえ雪が降らなくても冷たい雨や低温によってコースの難易度以上に厳しい戦いが繰り広げられることは想像に容易い。
ツール・ド・ヨークシャー2016第2ステージ image:A.S.O.
ツール・ド・ヨークシャー2016第3ステージ image:A.S.O.
ツール・ド・ヨークシャー2016ステージリスト
4月29日（金）第1ステージ ベヴァリー〜セトル 187km
4月30日（土）第2ステージ オトリー〜ドンカスター 136.5km
5月1日（日）第3ステージ ミドルズブラ〜スカボロー 198km
2015年ツール・ド・ヨークシャー総合表彰台、左から2位ヴォクレール、1位ノルダーグ、3位サンチェス photo:letour.yorkshire.com本格山岳が登場しないためスピードのあるパンチャー系にもチャンスがあるヨークシャーの総合争い。1年前の2015年大会は初日の第1ステージで5名の逃げ切りが決まり、そこでついたタイム差が実質的に総合成績を決めた。
スティーブ・クミングス（イギリス、ディメンションデータ） photo:Tim de Waele第1ステージで逃げ切り勝利を飾り、そのまま総合リードを最終日まで守り抜いたラーシュペッテル・ノルダーグ（ノルウェー、チームスカイ）は、ピーター・ケノー（イギリス）やニコラス・ロッシュ（アイルランド）を従えての出場。地元イギリスのチームスカイは盤石の体制で大会連覇を狙う。
ブラドリー・ウィギンズ（イギリス、チームウィギンズ） photo:Kei Tsuji体調不良によって今シーズンここまで精彩を欠いているローハン・デニス（オーストラリア、BMCレーシング）はエトナ山での高地トレーニングを経てレースに復帰。チームメイトのベン・ヘルマンス（ベルギー）は2015年大会の最終ステージで優勝し、総合6位でレースを終えている（初日に逃げ切った5名が総合5位までを独占）。
カレイブ・ユアン（オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ） photo:Kei Tsuji今シーズンすでにティレーノとパイスバスコで鮮やかな独走勝利を飾っているスティーブ・クミングス（イギリス、ディメンションデータ）は直前のリエージュで19位。ヨークシャーのお隣ノース・ウェスト・イングランド出身のクミングスはセルジュ・パウエルス（ベルギー）とともに南アフリカチームを率いての出場だ。
ブラドレー・ウィギンズ（イギリス、チームウィギンズ）は2月のドバイツアー以来となるロードレース出場。イギリス国内で抜群の知名度を誇るウィギンズだが、リオ五輪トラックレースに向けたプログラムを組んでおり、ツール制覇を果たした2012年当時よりも11kg増量済み。若手オーウェン・ドゥール（イギリス）らのスプリントと総合争いをサポートする。
イギリスの次世代オールラウンダーとして期待を集める23歳のアダム・イェーツ（イギリス、オリカ・グリーンエッジ）や、母国開幕のジロに出場予定のステフェン・クルイスウィク（オランダ、ロットNLユンボ）らも総合争いに絡んでくるだろう。主催者ASOのお膝元フランスからはワレン・バーギル（ジャイアント・アルペシン）、ニコラ・エデ（コフィディス）、トマ・ヴォクレール（ディレクトエネルジー）らが出場する。
集団スプリントに持ち込まれればカレイブ・ユアン（オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ）に注目。マーク・レンショー（オーストラリア、ディメンションデータ）の他、地元イギリスのUCIコンチネンタルチームが果敢に勝負を挑んでくるだろう。
また、4月30日の第2ステージ開催前には、同じ136kmコースで女子エリートレース（UCI1.2）が開催される。スタート地点オトリー出身の世界王者リジー・アーミステッドの他、ウィグル・ハイファイブの萩原麻由子も出場予定だ。
text:Kei Tsuji in York, United Kingdom
ヨークシャー地方を走るプロトン photo:letour.yorkshire.comツール・ド・ヨークシャー2016 image:A.S.O.イギリスのグレートブリテン島中部（イングランド北部）に位置するヨークシャー地方で第2回ツール・ド・ヨークシャーが開催される。2014年のグランデパール（ツール開幕）の成功を受けて、2015年にツール・ド・フランス主催者ASOが初開催した新しいステージレースだ。ツール・ド・ヨークシャー2016第1ステージ image:A.S.O.地元自治体とASOがタッグを組んだステージレースの開催期間は4月29日から5月1日までの3日間。レースの舞台となるのはヨークシャー地方自慢の美しい丘陵地帯だ。UCIのレースカテゴリーはクラス1だが、ASO主催ということもあり、出場する18チームのうち7チームがUCIワールドチームという豪華さ。ツール・ド・ロマンディと並行して、チームスカイ、BMCレーシング、ディメンションデータ、カチューシャ、オリカ・グリーンエッジ、ジャイアント・アルペシン、ロットNLユンボが選手を8名ずつヨークシャーに送り込む。標高のある山岳は登場せず、比較的難易度の低い第1ステージと第2ステージは集団スプリントに持ち込まれる可能性が高い。6つのカテゴリー山岳が詰め込まれた最終第3ステージで総合争いは決するだろう。
ヨーロッパを覆う寒波の影響はもちろんイギリスにも及んでおり、第1ステージ開催日（4月29日）には降雪の予報も出ている。たとえ雪が降らなくても冷たい雨や低温によってコースの難易度以上に厳しい戦いが繰り広げられることは想像に容易い。
ツール・ド・ヨークシャー2016第2ステージ image:A.S.O.ツール・ド・ヨークシャー2016第3ステージ image:A.S.O.ツール・ド・ヨークシャー2016ステージリスト
4月29日（金）第1ステージ ベヴァリー〜セトル 187km
4月30日（土）第2ステージ オトリー〜ドンカスター 136.5km
5月1日（日）第3ステージ ミドルズブラ〜スカボロー 198km
2015年ツール・ド・ヨークシャー総合表彰台、左から2位ヴォクレール、1位ノルダーグ、3位サンチェス photo:letour.yorkshire.com本格山岳が登場しないためスピードのあるパンチャー系にもチャンスがあるヨークシャーの総合争い。1年前の2015年大会は初日の第1ステージで5名の逃げ切りが決まり、そこでついたタイム差が実質的に総合成績を決めた。スティーブ・クミングス（イギリス、ディメンションデータ） photo:Tim de Waele第1ステージで逃げ切り勝利を飾り、そのまま総合リードを最終日まで守り抜いたラーシュペッテル・ノルダーグ（ノルウェー、チームスカイ）は、ピーター・ケノー（イギリス）やニコラス・ロッシュ（アイルランド）を従えての出場。地元イギリスのチームスカイは盤石の体制で大会連覇を狙う。ブラドリー・ウィギンズ（イギリス、チームウィギンズ） photo:Kei Tsuji体調不良によって今シーズンここまで精彩を欠いているローハン・デニス（オーストラリア、BMCレーシング）はエトナ山での高地トレーニングを経てレースに復帰。チームメイトのベン・ヘルマンス（ベルギー）は2015年大会の最終ステージで優勝し、総合6位でレースを終えている（初日に逃げ切った5名が総合5位までを独占）。カレイブ・ユアン（オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ） photo:Kei Tsuji今シーズンすでにティレーノとパイスバスコで鮮やかな独走勝利を飾っているスティーブ・クミングス（イギリス、ディメンションデータ）は直前のリエージュで19位。ヨークシャーのお隣ノース・ウェスト・イングランド出身のクミングスはセルジュ・パウエルス（ベルギー）とともに南アフリカチームを率いての出場だ。ブラドレー・ウィギンズ（イギリス、チームウィギンズ）は2月のドバイツアー以来となるロードレース出場。イギリス国内で抜群の知名度を誇るウィギンズだが、リオ五輪トラックレースに向けたプログラムを組んでおり、ツール制覇を果たした2012年当時よりも11kg増量済み。若手オーウェン・ドゥール（イギリス）らのスプリントと総合争いをサポートする。
イギリスの次世代オールラウンダーとして期待を集める23歳のアダム・イェーツ（イギリス、オリカ・グリーンエッジ）や、母国開幕のジロに出場予定のステフェン・クルイスウィク（オランダ、ロットNLユンボ）らも総合争いに絡んでくるだろう。主催者ASOのお膝元フランスからはワレン・バーギル（ジャイアント・アルペシン）、ニコラ・エデ（コフィディス）、トマ・ヴォクレール（ディレクトエネルジー）らが出場する。
集団スプリントに持ち込まれればカレイブ・ユアン（オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ）に注目。マーク・レンショー（オーストラリア、ディメンションデータ）の他、地元イギリスのUCIコンチネンタルチームが果敢に勝負を挑んでくるだろう。
また、4月30日の第2ステージ開催前には、同じ136kmコースで女子エリートレース（UCI1.2）が開催される。スタート地点オトリー出身の世界王者リジー・アーミステッドの他、ウィグル・ハイファイブの萩原麻由子も出場予定だ。
text:Kei Tsuji in York, United Kingdom
