2016/04/07(木) - 10:13
革サドルの名門として、140年以上の歴史を持つブルックス。天然ゴム素材のベースや独自のハンモック構造によって高い快適性を実現した「CAMBIUM」シリーズに、カーボンレール採用の「CAMBIUM C13」が登場。インプレッションを行いました。
ブルックス CAMBIUM C13
革サドルを作り続けたブルックスが、7年に及ぶ開発期間を経て発表した「CAMBIUM」。その特徴は、硬化天然ゴム製のベースに表皮を組み合わせた構造と、ハンモックのように中央部を積極的にしならせる構造にある。これによって、軽量かつメンテナンスフリーながら、革サドルの特長である高い快適性を実現した意欲作だ。
今回登場した「CAMBIUM C13」は、系列ブランドのフィジークが製造するカーボンレールを採用し、ベースとレールをつなぎとめるリベットをアルミニウム製とすることで大幅な軽量化を図った軽量バージョン。CAMBIUMシリーズのデビュー作である金属レール仕様との比較では、約150g減の267g(実測)と重量を大きく削減し、レースバイクにもマッチするスペックにまで機能性を高めている。
柔軟性に富むベースは硬化天然ゴム製だ
横方向にカーブしたトラディショナルな座面形状。表皮素材にはオーガニックコットンキャンバスを採用する
軽量化に貢献するアルミニウム製リベット
系列ブランドのフィジークが製造するカーボンレール。クランプ部はファイバーグラスで補強されている
座面は縦方向にはフラットで横方向には丸みを帯びたトラディショナルな形状で、各寸法は長さ275mmx最大幅132mmx高さ55mm。金属レール仕様のロード/MTB向けモデル「C15」と比較して、長さと幅が共に-8mmとなっており、よりスポーツライド向きとなっていることも特徴だ。
カラーはブラックの1色展開。自然な風合いながらシックな印象のフォルムは、ハンドメイド系のスチールバイクから、大口径チューブを採用した現代的なカーボンフレームまで様々なバイクにマッチするはずだ。なお、取り付けの際には9mm楕円形状に対応したシートポストヤグラが必要となる。
ー編集部インプレッション
ブルックス CAMBIUM C13をインプレッション
結論から述べると、CAMBIUM C13は硬そうな見た目とは打って変わって、非常に快適性が高くペダリングを的確にサポートしてくれる優れたサドルだった。筆者は革サドルを長期間使用したことがないため、ブルックスが謳う「馴染んだ革サドルのような高い快適性」なのかどうかは分からないが、筆者がテストした限りでは痛みや不快感は一切無かったのだ。
ブルックスサドルのアイコンともいえるブランドロゴのバッジ
手で押すだけでも変形するほどのしなやかさを持つ
実測重量は267gと、ダンシングで重さを感じる程ではない まず、見た目から。CAMBIUMの別モデルを含め、これまでのブルックスサドルは現代的なカーボンフレームにはマッチしなかったが、このCAMBIUM C13には筆者のバイクに装着しても全くと言ってよいほど違和感がない。コンパクトな座面形状に加えて、一般的なサドルと比較すると厚みが抑えられていることも一因のよう。また、厚みを抑えたことにより、シートポストの出しろが増えることも、見た目を気にする方にはポイントになるかもしれない。
セッティングは座面と地面が水平になるようにセット。サドルレールは系列ブランドであるフィジークのブレーテッドカーボン製であり、クランプ部をエポキシ樹脂を染み込ませたファイバーグラスで補強しており、ヤグラを締め付けた際には何の不安もなかった。
実走してみると、座面横方向のカーブが心地良くお尻にフィットすることに気づく。全体的に細身で、大腿部が太めな筆者でもサドルに擦ってしまうことがない。サンマルコのRegalやセライタリア初代Fliteなどが好みという方にはマッチしやすいかもしれない。
独自の構造により、体重を掛けると座面がしなるため、ハンモックのようにお尻をホールドしてくれる。"ハンモック構造"とは良く言ったものだな、と感心してしまった。おかげでトルクを掛けながら踏んでみても、高ケイデンスでペダリングしても、お尻が滑ったり、暴れることがない。レーシーな見た目に反して、包み込むようなフィット性がある。これによって快適性も非常に高く、ちょっとしたグラベルや、舗装路の荒れた所も走っても衝撃をいなしてくれるため、難なくペダリングを続けることができるのだ。
重量は実測で267g。カーボンレールのサドルとしては軽くないが、軽量バイクと組み合わせるにも実用十分な値に仕上がっており、車体を振った時に重さを感じるほどでもない。サドルに求めるものは使い手によって異なるが、横方向に丸い座面をもつ昔ながらのサドルが好みで、ホールド感と振動吸収性を重視する方であれば、是非CAMBIUM C13を試してみてもらいたいと感じた。
(インプレッション by CW編集部・山本)
ブルックス CAMBIUM C13
ブルックス CAMBIUM C13
実測重量は267g 表 皮:オーガニックコットン
ベース:硬化天然ゴム
レール:9mm Oval Carbon
リベット:アルミ製
カラー:ブラック
座面寸法:長さ275mmx最大幅132mmx高さ55mm
実測重量:267g
価 格:28,600円(税込)
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革サドルを作り続けたブルックスが、7年に及ぶ開発期間を経て発表した「CAMBIUM」。その特徴は、硬化天然ゴム製のベースに表皮を組み合わせた構造と、ハンモックのように中央部を積極的にしならせる構造にある。これによって、軽量かつメンテナンスフリーながら、革サドルの特長である高い快適性を実現した意欲作だ。
今回登場した「CAMBIUM C13」は、系列ブランドのフィジークが製造するカーボンレールを採用し、ベースとレールをつなぎとめるリベットをアルミニウム製とすることで大幅な軽量化を図った軽量バージョン。CAMBIUMシリーズのデビュー作である金属レール仕様との比較では、約150g減の267g(実測)と重量を大きく削減し、レースバイクにもマッチするスペックにまで機能性を高めている。
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座面は縦方向にはフラットで横方向には丸みを帯びたトラディショナルな形状で、各寸法は長さ275mmx最大幅132mmx高さ55mm。金属レール仕様のロード/MTB向けモデル「C15」と比較して、長さと幅が共に-8mmとなっており、よりスポーツライド向きとなっていることも特徴だ。
カラーはブラックの1色展開。自然な風合いながらシックな印象のフォルムは、ハンドメイド系のスチールバイクから、大口径チューブを採用した現代的なカーボンフレームまで様々なバイクにマッチするはずだ。なお、取り付けの際には9mm楕円形状に対応したシートポストヤグラが必要となる。
ー編集部インプレッション
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結論から述べると、CAMBIUM C13は硬そうな見た目とは打って変わって、非常に快適性が高くペダリングを的確にサポートしてくれる優れたサドルだった。筆者は革サドルを長期間使用したことがないため、ブルックスが謳う「馴染んだ革サドルのような高い快適性」なのかどうかは分からないが、筆者がテストした限りでは痛みや不快感は一切無かったのだ。
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実走してみると、座面横方向のカーブが心地良くお尻にフィットすることに気づく。全体的に細身で、大腿部が太めな筆者でもサドルに擦ってしまうことがない。サンマルコのRegalやセライタリア初代Fliteなどが好みという方にはマッチしやすいかもしれない。
独自の構造により、体重を掛けると座面がしなるため、ハンモックのようにお尻をホールドしてくれる。"ハンモック構造"とは良く言ったものだな、と感心してしまった。おかげでトルクを掛けながら踏んでみても、高ケイデンスでペダリングしても、お尻が滑ったり、暴れることがない。レーシーな見た目に反して、包み込むようなフィット性がある。これによって快適性も非常に高く、ちょっとしたグラベルや、舗装路の荒れた所も走っても衝撃をいなしてくれるため、難なくペダリングを続けることができるのだ。
重量は実測で267g。カーボンレールのサドルとしては軽くないが、軽量バイクと組み合わせるにも実用十分な値に仕上がっており、車体を振った時に重さを感じるほどでもない。サドルに求めるものは使い手によって異なるが、横方向に丸い座面をもつ昔ながらのサドルが好みで、ホールド感と振動吸収性を重視する方であれば、是非CAMBIUM C13を試してみてもらいたいと感じた。
(インプレッション by CW編集部・山本)
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ブルックス CAMBIUM C13
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ベース:硬化天然ゴム
レール:9mm Oval Carbon
リベット:アルミ製
カラー:ブラック
座面寸法:長さ275mmx最大幅132mmx高さ55mm
実測重量:267g
価 格:28,600円(税込)
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