2016/02/22(月) - 06:55
最速トレインに発射されたアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)がスプリント2勝目。ジロを見据えるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)がツアー・オブ・オマーン初制覇を果たした。
ツアー・オブ・オマーンを締めくくるのは、首都マスカットの海岸通りにフィニッシュする130.5kmの平坦コース。後半にかけて2つのKOMを含むアップダウンが組み込まれているものの、スプリンターチームがこのチャンスを逃すはずはない。
ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)ら7名が序盤から逃げ、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)を安全にフィニッシュまでエスコートしたいアスタナと、クリストフのために集団スプリントに持ち込みたいカチューシャが追いかける展開。最大2分30秒まで開いたタイム差は、マスカットの周回コースが近づくにつれて縮まっていく。
逃げグループは1分リードで首都マスカット市内に到着したが、道幅のある平坦基調の幹線道路は大集団に味方する。先頭ではメールスマンら4名が粘ったものの、残り5km地点で逃げは全て吸収。5日間の戦いを締めくくるスプリント勝負に向けて各チームがトレインを組んだ。
残り3km地点の短い登りを利用してダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)が献身的にペースアップすると集団が分裂する。エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)やグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)、リーダージャージのニーバリを含む約15名が先行する形で残り1kmサインを通過したが、しばらくしてカチューシャ率いる大集団が追いつく。そこからは安定のカチューシャトレインの独壇場だった。
今シーズンこれから幾度となく見ることになるであろうマルコ・ハラー(オーストリア)とジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)のリードアウトを受けて、クリストフが残り200mでスプリント開始する。ジャイアント・アルペシンのジーコ・ワイテンス(ベルギー)とソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク)が対抗したものの、先頭クリストフが頭一つ抜け出したままフィニッシュラインを駆け抜けた。
「今日は自分もチームも強かった。逃げグループとのタイム差を2分に抑え込み、周回コースに入ってからユルゲン・ファンデンブロックとパヴェル・コチェトコフが集団をコントロール。最終周回に入るとミカエル・モルコフとマルコ・ハラーがアタックを封じ込めた。そしてマルコが残り2kmから残り500mまで先頭を引き、最終発射台のジャコポ・グアルニエーリが残り200mまでスピードをつないでくれた。自分はそのスピードをフィニッシュラインまでつないだだけだ」と、完璧なチームワークでシーズン5勝目(キッテルと並んで最多勝)をつかんだクリストフは語る。
2014年にミラノ〜サンレモ、2015年にロンド・ファン・フラーンデレンで優勝しているクリストフは「チームとして素晴らしいシーズンの幕開けだ。クラシックシーズンに向けて自信に繋がるし、準備は出来ている」と語っている。なお、ステージ2勝を飾って最終的にポイント賞&総合6位のエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)もクリストフと同じくノルウェー出身。今年のオマーンではノルウェー勢が6ステージ中4ステージで勝利したことになる。
そして総合優勝はニーバリの手に。ニーバリは自身5度目のオマーンで大会初制覇を果たした。なお、過去のオマーンでの成績を振り返ってみると、2012年総合2位(同年ツール総合2位)、2013年総合7位(同年ジロ総合優勝)、2014年総合12位(同年ツール総合優勝)、2015年総合20位(同年ツール総合4位)。ジロ・デ・イタリアを見据えるニーバリがシーズン序盤から好調さを見せている。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2016第6ステージ結果
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 3h01’18”
2位 ジーコ・ワイテンス(ベルギー、ジャイアント・アルペシン)
3位 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、ジャイアント・アルペシン)
4位 トム・ファンアスブロック(ベルギー、ロットNLユンボ)
5位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)
6位 ローイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
7位 アモリー・カピオ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
8位 マルコ・クンプ(スロベニア、ランプレ・メリダ)
9位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
10位 マルコ・カーノラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
個人総合成績
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) 22h25’25”
2位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) +15”
3位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +24”
4位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +40”
5位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) +54”
6位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) +1’06”
7位 ブレンダン・カンティ(オーストラリア、ドラパック) +1’31”
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) +1’38”
9位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) +1’56”
10位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) +1’59”
ポイント賞
1位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
ヤングライダー賞
1位 ブレンダン・カンティ(オーストラリア、ドラパック)
総合敢闘賞
1位 ジャック・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
チーム総合成績
1位 ディメンションデータ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ツアー・オブ・オマーンを締めくくるのは、首都マスカットの海岸通りにフィニッシュする130.5kmの平坦コース。後半にかけて2つのKOMを含むアップダウンが組み込まれているものの、スプリンターチームがこのチャンスを逃すはずはない。
ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)ら7名が序盤から逃げ、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)を安全にフィニッシュまでエスコートしたいアスタナと、クリストフのために集団スプリントに持ち込みたいカチューシャが追いかける展開。最大2分30秒まで開いたタイム差は、マスカットの周回コースが近づくにつれて縮まっていく。
逃げグループは1分リードで首都マスカット市内に到着したが、道幅のある平坦基調の幹線道路は大集団に味方する。先頭ではメールスマンら4名が粘ったものの、残り5km地点で逃げは全て吸収。5日間の戦いを締めくくるスプリント勝負に向けて各チームがトレインを組んだ。
残り3km地点の短い登りを利用してダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)が献身的にペースアップすると集団が分裂する。エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)やグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)、リーダージャージのニーバリを含む約15名が先行する形で残り1kmサインを通過したが、しばらくしてカチューシャ率いる大集団が追いつく。そこからは安定のカチューシャトレインの独壇場だった。
今シーズンこれから幾度となく見ることになるであろうマルコ・ハラー(オーストリア)とジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)のリードアウトを受けて、クリストフが残り200mでスプリント開始する。ジャイアント・アルペシンのジーコ・ワイテンス(ベルギー)とソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク)が対抗したものの、先頭クリストフが頭一つ抜け出したままフィニッシュラインを駆け抜けた。
「今日は自分もチームも強かった。逃げグループとのタイム差を2分に抑え込み、周回コースに入ってからユルゲン・ファンデンブロックとパヴェル・コチェトコフが集団をコントロール。最終周回に入るとミカエル・モルコフとマルコ・ハラーがアタックを封じ込めた。そしてマルコが残り2kmから残り500mまで先頭を引き、最終発射台のジャコポ・グアルニエーリが残り200mまでスピードをつないでくれた。自分はそのスピードをフィニッシュラインまでつないだだけだ」と、完璧なチームワークでシーズン5勝目(キッテルと並んで最多勝)をつかんだクリストフは語る。
2014年にミラノ〜サンレモ、2015年にロンド・ファン・フラーンデレンで優勝しているクリストフは「チームとして素晴らしいシーズンの幕開けだ。クラシックシーズンに向けて自信に繋がるし、準備は出来ている」と語っている。なお、ステージ2勝を飾って最終的にポイント賞&総合6位のエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)もクリストフと同じくノルウェー出身。今年のオマーンではノルウェー勢が6ステージ中4ステージで勝利したことになる。
そして総合優勝はニーバリの手に。ニーバリは自身5度目のオマーンで大会初制覇を果たした。なお、過去のオマーンでの成績を振り返ってみると、2012年総合2位(同年ツール総合2位)、2013年総合7位(同年ジロ総合優勝)、2014年総合12位(同年ツール総合優勝)、2015年総合20位(同年ツール総合4位)。ジロ・デ・イタリアを見据えるニーバリがシーズン序盤から好調さを見せている。
選手コメントはチーム公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2016第6ステージ結果
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 3h01’18”
2位 ジーコ・ワイテンス(ベルギー、ジャイアント・アルペシン)
3位 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、ジャイアント・アルペシン)
4位 トム・ファンアスブロック(ベルギー、ロットNLユンボ)
5位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)
6位 ローイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
7位 アモリー・カピオ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
8位 マルコ・クンプ(スロベニア、ランプレ・メリダ)
9位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
10位 マルコ・カーノラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
個人総合成績
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) 22h25’25”
2位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール) +15”
3位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +24”
4位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +40”
5位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) +54”
6位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) +1’06”
7位 ブレンダン・カンティ(オーストラリア、ドラパック) +1’31”
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) +1’38”
9位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) +1’56”
10位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) +1’59”
ポイント賞
1位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
ヤングライダー賞
1位 ブレンダン・カンティ(オーストラリア、ドラパック)
総合敢闘賞
1位 ジャック・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
チーム総合成績
1位 ディメンションデータ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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