2016/01/25(月) - 12:14
頂上フィニッシュの1級山岳で繰り広げられた最後の総合争い。ミゲルアンヘル・ロペスモレーノとキンタナ兄弟が抜け出し、ステージはロペスモレーノが、総合首位の座はダイェル・キンタナが獲得した。
7日間に渡って開催されるツール・ド・サンルイスはいよいよ佳境を迎えた。第7ステージの舞台はラ・トマを出発し、メルロへと至る159.5km。
中盤過ぎまではイージーなレイアウトが続くが、終盤の残り17km地点からは3級山岳、1級山岳ミラドール・デルソル、1級山岳フィロ・シエラ・コメチンゴネスと立て続けに3つの山岳を登り続ける。翌最終ステージはサンルイス市街地でのスプリントステージであるため、総合順位を競う上での最終決戦の場であり、予想通り激しい登り勝負が繰り広げられることとなった。
この日も高温となったサンルイスだが、数少ない逃げ切りのチャンスに懸けて序盤からアタックの応酬が続く。山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)や世界王者のペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)らも加わったが、マチェイ・モホリッチ(スロベニア、ランプレ・メリダ)とエドゥアルド・グロース(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)、そしてホアン・マガラネス(メキシコ、メキシコナショナルチーム)という3名の飛び出しによって、スタートから30kmを過ぎてようやく集団は落ち着きを取り戻す。
強力なトリオは最大で7分のリードを得たものの、メイン集団も前日に逃げ切りを許しているため、レース後半にかけて着実にタイム差を削り取っていく。総合リーダーのエデュアルド・セプルヴェダ(アルゼンチン)擁するフォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプトや、モビスターなどが率い、そこから数名が飛び出す形で、最終山岳の登り口にてエスケープを捉えた。
山岳の中盤を過ぎて積極的な姿勢を見せたのは、ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア)やヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア)を勝たせたいアスタナや、キンタナ兄弟をリーダーに据えるモビスター。セプルヴェダが早々に遅れる一方で、総合11位のロドルフォ・トーレス(コロンビア、アンドローニ)が最終決戦の口火を切った。
トーレスは後続を引き離しに掛かったが、少数に絞り決まれた精鋭集団は逆にトーレスを飲み込む。すると最終盤、満を持してロペスモレーノとキンタナ兄弟が発進する。
イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ)やセプルヴェダ、トーレスらを引き離すと、ゴール目前でステージ優勝に向けてロペスモレーノがスプリントを開始。弟(ダイェル)の総合首位浮上を重視したナイロ・キンタナは追わず、先着したロペスモレーノがステージ優勝。4秒差の3位に入ったダイェルが20秒差の首位に浮上し、総合優勝に向けて王手を懸ける結果となった。
「今日の作戦はセプルヴェダに対して攻撃すること。彼が脱落したことを確認してアタックし、ナイロのペースメイクで展開を優位に運ぶことができた」とは、ダイェル・キンタナ。兄の後に続いて2014年からモビスターに所属しており、優勝できれば間違いなくキャリア最大の勝利となる。
「この峠を知り尽くしているダニエル(モレーノ)のアドバイスが的確だった。今日は風が強かったから、後半に自ら仕掛けようと言ってくれたことが結果となった。総合優勝なんて到底不可能と思っていたが、もう寸前のところまで来てしまった。信じられない気分だ」。
またこの日、序盤のアタック合戦に加わった山本は21分51秒遅れのグルペットでフィニッシュ。「明日が最終日という事で気が緩みそうになるが、そこをこらえて明日の最終ステージのゴールラインを越えるまでは集中を切らさないように。また、明日は平坦ステージなので自分に与えられる仕事をしっかりとこなせるように頑張って走りたい」と自身のブログで語っている。
ツール・ド・サンルイス2016第6ステージ結果
1位 ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ) 4h35'49"
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) +02"
3位 ダイェル・キンタナ(コロンビア、モビスター) +04"
4位 イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ) +23"
5位 エデュアルド・セプルヴェダ(アルゼンチン、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)
6位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、アンドローニ) +41"
7位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +58"
8位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
9位 ロマン・ヴィラボロス(コスタリカ、コスタリカナショナルチーム) +1'38"
10位 アレクシス・アセヴェド(コロンビア、ジェイミス)
個人総合成績
1位 ダイェル・キンタナ(コロンビア、モビスター) 20h15'21"
2位 エデュアルド・セプルヴェダ(アルゼンチン、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト) +20"
3位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) +35"
4位 ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ) +38"
5位 イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ) +1'42"
6位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、アンドローニ) +2'15"
7位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +2'31"
8位 ロマン・ヴィラボロス(コスタリカ、コスタリカナショナルチーム) +2'41"
9位 アレクシス・アセヴェド(コロンビア、ジェイミス) +2'44"
10位 アンドレ・カルドソ(ポルトガル、キャノンデールプロサイクリング) +3'31"
山岳賞
ロマン・ヴィラボロス(コスタリカ、コスタリカナショナルチーム)
ヤングライダー賞
ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ)
チーム総合成績
モビスター
text:So.Isobe
photo:Bettini
7日間に渡って開催されるツール・ド・サンルイスはいよいよ佳境を迎えた。第7ステージの舞台はラ・トマを出発し、メルロへと至る159.5km。
中盤過ぎまではイージーなレイアウトが続くが、終盤の残り17km地点からは3級山岳、1級山岳ミラドール・デルソル、1級山岳フィロ・シエラ・コメチンゴネスと立て続けに3つの山岳を登り続ける。翌最終ステージはサンルイス市街地でのスプリントステージであるため、総合順位を競う上での最終決戦の場であり、予想通り激しい登り勝負が繰り広げられることとなった。
この日も高温となったサンルイスだが、数少ない逃げ切りのチャンスに懸けて序盤からアタックの応酬が続く。山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)や世界王者のペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)らも加わったが、マチェイ・モホリッチ(スロベニア、ランプレ・メリダ)とエドゥアルド・グロース(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ)、そしてホアン・マガラネス(メキシコ、メキシコナショナルチーム)という3名の飛び出しによって、スタートから30kmを過ぎてようやく集団は落ち着きを取り戻す。
強力なトリオは最大で7分のリードを得たものの、メイン集団も前日に逃げ切りを許しているため、レース後半にかけて着実にタイム差を削り取っていく。総合リーダーのエデュアルド・セプルヴェダ(アルゼンチン)擁するフォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプトや、モビスターなどが率い、そこから数名が飛び出す形で、最終山岳の登り口にてエスケープを捉えた。
山岳の中盤を過ぎて積極的な姿勢を見せたのは、ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア)やヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア)を勝たせたいアスタナや、キンタナ兄弟をリーダーに据えるモビスター。セプルヴェダが早々に遅れる一方で、総合11位のロドルフォ・トーレス(コロンビア、アンドローニ)が最終決戦の口火を切った。
トーレスは後続を引き離しに掛かったが、少数に絞り決まれた精鋭集団は逆にトーレスを飲み込む。すると最終盤、満を持してロペスモレーノとキンタナ兄弟が発進する。
イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ)やセプルヴェダ、トーレスらを引き離すと、ゴール目前でステージ優勝に向けてロペスモレーノがスプリントを開始。弟(ダイェル)の総合首位浮上を重視したナイロ・キンタナは追わず、先着したロペスモレーノがステージ優勝。4秒差の3位に入ったダイェルが20秒差の首位に浮上し、総合優勝に向けて王手を懸ける結果となった。
「今日の作戦はセプルヴェダに対して攻撃すること。彼が脱落したことを確認してアタックし、ナイロのペースメイクで展開を優位に運ぶことができた」とは、ダイェル・キンタナ。兄の後に続いて2014年からモビスターに所属しており、優勝できれば間違いなくキャリア最大の勝利となる。
「この峠を知り尽くしているダニエル(モレーノ)のアドバイスが的確だった。今日は風が強かったから、後半に自ら仕掛けようと言ってくれたことが結果となった。総合優勝なんて到底不可能と思っていたが、もう寸前のところまで来てしまった。信じられない気分だ」。
またこの日、序盤のアタック合戦に加わった山本は21分51秒遅れのグルペットでフィニッシュ。「明日が最終日という事で気が緩みそうになるが、そこをこらえて明日の最終ステージのゴールラインを越えるまでは集中を切らさないように。また、明日は平坦ステージなので自分に与えられる仕事をしっかりとこなせるように頑張って走りたい」と自身のブログで語っている。
ツール・ド・サンルイス2016第6ステージ結果
1位 ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ) 4h35'49"
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) +02"
3位 ダイェル・キンタナ(コロンビア、モビスター) +04"
4位 イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ) +23"
5位 エデュアルド・セプルヴェダ(アルゼンチン、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)
6位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、アンドローニ) +41"
7位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +58"
8位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
9位 ロマン・ヴィラボロス(コスタリカ、コスタリカナショナルチーム) +1'38"
10位 アレクシス・アセヴェド(コロンビア、ジェイミス)
個人総合成績
1位 ダイェル・キンタナ(コロンビア、モビスター) 20h15'21"
2位 エデュアルド・セプルヴェダ(アルゼンチン、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト) +20"
3位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) +35"
4位 ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ) +38"
5位 イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ) +1'42"
6位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、アンドローニ) +2'15"
7位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +2'31"
8位 ロマン・ヴィラボロス(コスタリカ、コスタリカナショナルチーム) +2'41"
9位 アレクシス・アセヴェド(コロンビア、ジェイミス) +2'44"
10位 アンドレ・カルドソ(ポルトガル、キャノンデールプロサイクリング) +3'31"
山岳賞
ロマン・ヴィラボロス(コスタリカ、コスタリカナショナルチーム)
ヤングライダー賞
ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ)
チーム総合成績
モビスター
text:So.Isobe
photo:Bettini
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