東海シクロクロス初のJCXレースとなった、「砂地獄」第3戦ワイルドネイチャープラザ。国内で唯一と言える起伏に富んだ砂コースで、前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が優勝をさらった。



前田公平と中原義貴の弱虫ペダルシクロクロスチーム勢前田公平と中原義貴の弱虫ペダルシクロクロスチーム勢 Photo:Kikuzo武井亨介(FORZA・YONEX)と合田正之 (Cycle club 3UP)がスタートを待つ武井亨介(FORZA・YONEX)と合田正之 (Cycle club 3UP)がスタートを待つ Photo:Kikuzo

C1レースがスタート。前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)がホールショットで砂場に飛び込むC1レースがスタート。前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)がホールショットで砂場に飛び込む Photo:Kikuzo


門田基志(TEAM GIANT)、武井亨介(FORZA・YONEX)らが追走を形成門田基志(TEAM GIANT)、武井亨介(FORZA・YONEX)らが追走を形成 Photo:Kikuzo砂地を飛ばす前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)砂地を飛ばす前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム) Photo:Kikuzo砂の下りを走る武井亨介(FORZA・YONEX)砂の下りを走る武井亨介(FORZA・YONEX) Photo:Kikuzo粘りの走りで3位表彰台に入った濱由嵩 (SPEEDVAGEN CYLOCROSS TEAM)粘りの走りで3位表彰台に入った濱由嵩 (SPEEDVAGEN CYLOCROSS TEAM) Photo:Kikuzo愛知県稲沢市、長良川と合流する木曽川のほとりにあるワイルドネイチャープラザ。川沿いながらアップダウンを含む、この公園が東海シクロクロス第3戦、JCXシリーズ第7戦の舞台だ。

形成を逆転した前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が優勝形成を逆転した前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が優勝 Photo:Kikuzo今年からAJOCC(日本シクロクロス競技主催者協会)入りし、より一層知名度を上げた東海シクロクロスにとっては初となるJCXシリーズ戦。同日に東北、信州、関西、中国と5ヶ所でシクロクロスレースが行われていたものの、そこはやはり格上のJCX。最高峰カテゴリーのC1には、全日本選手権さながらの強豪メンバーが顔を合わせた。

「日本のコクサイデ」と呼ばれる所以は、2.3kmのコース中ほとんどが深い砂に覆われていること。平坦はもちろんキャンバーや上り、下りの砂地も用意されており、踏み抜くパワーと轍をさばくテクニック双方が求められる。「砂と対話ができるか」が各レースの結果を大きく分けることに。

最高峰クラスのC1が始まる14時過ぎには、半袖でも過ごせるだけの好天が会場を包む。号砲1発、最前列から前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)がホールショットを決め、60分間、全7周の砂レースが幕を開けた。

逃げを狙い積極的に飛ばす前田に続くのは、門田基志(TEAM GIANT)、武井亨介(FORZA・YONEX)、中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム)、兼子博昭 (スワコレーシングチーム)、そして前回の東海シクロクロスで優勝している濱由嵩 (SPEEDVAGEN CYLOCROSS TEAM)。この中から武井が飛び出すと、前を行く前田をキャッチ。2名がじわりと後続を引き離していく。

先頭を行く2人のうち主導権を握ったのは武井だった。武井は砂地でのスムーズさを武器に中盤のダウンヒルで突き放しにかかるが、苦痛の表情を浮かべながらも前田は千切れない。「武井さんのスピードとパワーは完全に僕を上回っていた。自分も全力なのに差をつけられて焦ったものの、ギリギリ集中力を繋ぎ追いつけました」とレース後に前田は振り返る。

武井有利と思われていたが、5周目の砂下りセクションで「たまたまベストな轍に入ることができた」と言う前田が先行し、深い砂地を走った武井に対し5秒ほどのリードを稼ぎ出す。6周目に入る頃には10秒程度まで差が開き、前田の表情からも苦しさは消えていた。

追いかける武井だったが、最終周回に入ろうとしたタイミングで痛恨のパンクを喫してしまう。これが決定打となり、トラブル無く走りきった前田が先頭でチェッカーフラッグ。STARLIGHT CROSSS2日目に続く今シーズン2勝目を飾り、3位には単独で2人を追い続けた濱が入った。

「全日本前から不調でしたが、砂という特殊なコースもあって結果に繋がりました。轍が周回ごとに変化していたのでコースを見極める必要がありましたが、時間を追うたびに轍が深くなっていたためタフでした」とレースを振り返る前田。今後は27日の湘南シクロクロス(JCX第8戦)に出場し、年明けはシクロクロス東京に照準を合わせていくという。



C1表彰台 前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が中央に立つC1表彰台 前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が中央に立つ Photo:Kikuzo
C2選手を抜き続けた宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)がCL1優勝C2選手を抜き続けた宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)がCL1優勝 Photo:Kikuzo宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)を追い続けた武田和佳(Liv)は2位宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)を追い続けた武田和佳(Liv)は2位 Photo:Kikuzo

CM1 マスターズ王者の筧五郎(56CYCLE)が優勝CM1 マスターズ王者の筧五郎(56CYCLE)が優勝 Photo:KikuzoC2 ジュニア王者の織田聖(Above Bike Store Cycle Club )が優勝C2 ジュニア王者の織田聖(Above Bike Store Cycle Club )が優勝 Photo:Kikuzo




東海シクロクロス 第3戦ワイルドネイチャープラザ結果
C1
1位 前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)0:55:24
2位 武井亨介(FORZA・YONEX)+1:10
3位 濱由嵩 (SPEEDVAGEN CYLOCROSS TEAM)+2:09
4位 中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム)+3:03
5位 門田基志(TEAM GIANT)+3:57
6位 兼子博昭 (スワコレーシングチーム)+4:29
7位 山中真(MilePost BMC Racing)+5:04
8位 岩田祐樹 (チーム36隊)+5:41
9位 合田正之 (Cycle club 3UP)+5:43
10位 矢野大介(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)+5:51

CL1
1位 宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)45:17
2位 武田和佳(Liv)+0:11
3位 與那嶺恵理(サクソバンクFX証券・YONEX)+2:35
4位 上田順子(ダム部)+6:40
5位 唐見実世子(弱虫ペダルシクロクロスチーム)+10:07

CM1
1位 筧五郎(56CYCLE)42:37
2位 荒川大介 (アウターダンシングクラブSDA)+3:23
3位 水谷拓也(BUCYO COFFEE .CLT )+3:56
4位 清水達也(北陸ドロタボウ )+4:45
5位 大橋克弘(SPDE・ACE CX TEAM )+7:14

C2
1位 織田聖(Above Bike Store Cycle Club )43:53
2位 多賀良成 (OGPピストンズ)+0:35
3位 南弘樹(O☆RACHING)+2:59

CL2
1位 児玉和代(sfiDARE WORKS)22:33
2位 松田珠弥(XTERRA TUBE)+0:25
3位 永禮 美瑠         +0:10

CM2
1位 後藤聡 28:40
2位 後藤真一(T-carsCyclingTeam)+1:34
3位 生越康之(Max Speed97)+2:51

C3
1位 菅原清太(リミテッドチーム846)26:19
2位 出羽秀多 (チーム36隊)+0:02
3位 石川絃(サッサーズ)+0:15

CL3
1位 吉田恵理 24:54
2位 加藤千春 +2:52
3位 丹羽知香(まほロバRC)+4:30

CM3
1位 川口禎晴 27:36
2位 竹野慎祐(チームヤマシゲ)+1:50
3位 宇野真澄(ギルファルコン)+2:41

C4A
1位 松宮玄(SUCC)29:06
2位 星野貴哉(サッサーズ)+0:34
3位 杉野庸介       +1:48

C4B
1位 吉田健一 (大垣ピストンズ)26:58
2位 中根肇(サイクルマスター)+1:37
3位 柳沢直樹(OGW)+2:49

CK1
1位 水谷啓人(BUCYO COFFEE .CLT)08:23
2位 矢野柊(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)+1:47
3位 廣田樹一              +1:49

CK2
1位 香月空良(Circles Racing Club)14:14
2位 ナダ マサオキ(低速風洞プロジェクト)+1:10
3位 荒川翔太 (アウターダンシングクラブSDA )+1:16

text:Gakuto.Fujiwara/So,Isobe
Photo by Kikuzo(Special Thanks!)
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