2009/09/27(日) - 10:38
レース終盤に形成された4名のグループから飛び出したタティアナ・グデルツォ(イタリア)がロード世界選手権ロードレースで初優勝。マリアンヌ・フォス(オランダ)は3年連続2位に甘んじた。3日前の個人TTで銀メダルを獲得したノエミ・カンテーレ(イタリア)が3位に。
ロード世界選手権2009年大会4日目、エリート女子ロードレースは「アックア・フレスカ」と「ナヴァッツァーノ」の2つの上りが設定された全カテゴリー共通の13.8km周回コースを9周、獲得標高差2205mの124kmコースで行なわれた。
前夜に降った雨の影響で、前半は濡れた路面の中でのレース展開。レース中盤にかけて集団は活発化し、ペースアップによって徐々に集団は人数を減らして行く。アタックと吸収を繰り返した集団は、最終周回に突入した時点で19名まで絞られていた。
最終周回、上り後半の平均勾配が10%に達するアックア・フレスカでレースは大きく動く。アメリカとイタリアが人数を揃えた19名の中から、グデルツォが強烈なアタックで飛び出すと、フォスとカンテーレ、そして3日前の個人TTでアルカンシェルを獲得したクリスティン・アームストロング(アメリカ)の3名が合流。
グデルツォ、カンテーレ、フォス、アームストロングの4名は追走グループから12秒のリードを得てアックア・フレスカをクリアした。
人数で優位に立ったのはイタリアだ。やがてゴールまで10kmを切ると再びグデルツォが飛び出し、10秒遅れでカンテーレ、フォス、アームストロングの3名が追う展開に。チームメイトを逃がしているカンテーレは追走トリオの付き位置をキープした。
独走でテクニカルな下りをこなし、10秒リードして最後の上りに向かうグデルツォ。後続のフォスとアームストロングが懸命に追い上げ、ナヴァッツァーノの上りが始まるラスト5km地点でタイム差は5秒差に。しかしグデルツォは諦めることなく、ここからもう一段ペースを上げた。
追い込みを見せたグデルツォは、後続を10秒リードしてナヴァッツァーノをクリア。最後までその勢いは途絶えず、独走のまま最終ストレートに登場。ジャージのジッパーを上げ、胸で十字を切り、そして両手を突き上げてゴールに飛び込んだ。
2位争いは、ずっと付き位置をキープしていたカンテーレが真っ先にスプリント。しかしフォスが悠々とカンテーレを抜き去り、グデルツォから19秒遅れでゴール。2006年に世界王者に輝いたフォスは、2007年から3年連続となる銀メダルを獲得した。
3日前の個人タイムトライアルで銀メダルを獲得したカンテーレが銅メダル獲得。この世界選を最後に現役を退くアームストロングは、個人TTに続くメダル獲得はならなかった。
自身初のアルカンシェルに袖を通したグデルツォは喜びを語る。「まず最初に、この勝利をチームメイトのみんなに捧げたい。そして、このジャージ獲得に手を差し伸べてくれた全ての人にも。今日は沿道の歓声がすごくて、監督からの指示が無線で聞こえなかった!」
2004年の世界選ロードで銀メダル、昨年の北京五輪ロードで銅メダルを獲得している25歳のグデルツォ。これまでトラックとロードで好成績を残してきている。昨年はイタリア選手権のタイムトライアルで優勝。ロードレースで2位だった。
「ノエミ(カンテーレ)が後ろでしっかり動いてくれていると思ったから、最後まで臆することなく踏み続けた。ナヴァッツァーノの上りで最後の力を振り絞って後続を引き離した」。イタリア人の世界選ロード優勝は、2007年のマルタ・バスティアネッリに続く2人目だ。
昨年の優勝者ニコール・クック(イギリス)は体調不良に見舞われ、レースのペースアップについていけずに脱落。残念ながら途中リタイアに終わった。
選手コメントはイタリア・ガゼッタ紙より。
ロード世界選手権2009エリート女子ロードレース結果
1位 タティアナ・グデルツォ(イタリア)3h33'25"
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ)+19"
3位 ノエミ・カンテーレ(イタリア)
4位 クリスティン・アームストロング(アメリカ)
5位 ディアナ・ジリウーテー(リトアニア)+1'07"
6位 ユーディト・アルント(ドイツ)
7位 エリン・ウィロック(カナダ)
8位 ニコーラ・ブレンドリ(スイス)
9位 グレース・ヴェルベッカ(ベルギー)
10位 キャサリン・チートリー(ニュージーランド)
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
ロード世界選手権2009年大会4日目、エリート女子ロードレースは「アックア・フレスカ」と「ナヴァッツァーノ」の2つの上りが設定された全カテゴリー共通の13.8km周回コースを9周、獲得標高差2205mの124kmコースで行なわれた。
前夜に降った雨の影響で、前半は濡れた路面の中でのレース展開。レース中盤にかけて集団は活発化し、ペースアップによって徐々に集団は人数を減らして行く。アタックと吸収を繰り返した集団は、最終周回に突入した時点で19名まで絞られていた。
最終周回、上り後半の平均勾配が10%に達するアックア・フレスカでレースは大きく動く。アメリカとイタリアが人数を揃えた19名の中から、グデルツォが強烈なアタックで飛び出すと、フォスとカンテーレ、そして3日前の個人TTでアルカンシェルを獲得したクリスティン・アームストロング(アメリカ)の3名が合流。
グデルツォ、カンテーレ、フォス、アームストロングの4名は追走グループから12秒のリードを得てアックア・フレスカをクリアした。
人数で優位に立ったのはイタリアだ。やがてゴールまで10kmを切ると再びグデルツォが飛び出し、10秒遅れでカンテーレ、フォス、アームストロングの3名が追う展開に。チームメイトを逃がしているカンテーレは追走トリオの付き位置をキープした。
独走でテクニカルな下りをこなし、10秒リードして最後の上りに向かうグデルツォ。後続のフォスとアームストロングが懸命に追い上げ、ナヴァッツァーノの上りが始まるラスト5km地点でタイム差は5秒差に。しかしグデルツォは諦めることなく、ここからもう一段ペースを上げた。
追い込みを見せたグデルツォは、後続を10秒リードしてナヴァッツァーノをクリア。最後までその勢いは途絶えず、独走のまま最終ストレートに登場。ジャージのジッパーを上げ、胸で十字を切り、そして両手を突き上げてゴールに飛び込んだ。
2位争いは、ずっと付き位置をキープしていたカンテーレが真っ先にスプリント。しかしフォスが悠々とカンテーレを抜き去り、グデルツォから19秒遅れでゴール。2006年に世界王者に輝いたフォスは、2007年から3年連続となる銀メダルを獲得した。
3日前の個人タイムトライアルで銀メダルを獲得したカンテーレが銅メダル獲得。この世界選を最後に現役を退くアームストロングは、個人TTに続くメダル獲得はならなかった。
自身初のアルカンシェルに袖を通したグデルツォは喜びを語る。「まず最初に、この勝利をチームメイトのみんなに捧げたい。そして、このジャージ獲得に手を差し伸べてくれた全ての人にも。今日は沿道の歓声がすごくて、監督からの指示が無線で聞こえなかった!」
2004年の世界選ロードで銀メダル、昨年の北京五輪ロードで銅メダルを獲得している25歳のグデルツォ。これまでトラックとロードで好成績を残してきている。昨年はイタリア選手権のタイムトライアルで優勝。ロードレースで2位だった。
「ノエミ(カンテーレ)が後ろでしっかり動いてくれていると思ったから、最後まで臆することなく踏み続けた。ナヴァッツァーノの上りで最後の力を振り絞って後続を引き離した」。イタリア人の世界選ロード優勝は、2007年のマルタ・バスティアネッリに続く2人目だ。
昨年の優勝者ニコール・クック(イギリス)は体調不良に見舞われ、レースのペースアップについていけずに脱落。残念ながら途中リタイアに終わった。
選手コメントはイタリア・ガゼッタ紙より。
ロード世界選手権2009エリート女子ロードレース結果
1位 タティアナ・グデルツォ(イタリア)3h33'25"
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ)+19"
3位 ノエミ・カンテーレ(イタリア)
4位 クリスティン・アームストロング(アメリカ)
5位 ディアナ・ジリウーテー(リトアニア)+1'07"
6位 ユーディト・アルント(ドイツ)
7位 エリン・ウィロック(カナダ)
8位 ニコーラ・ブレンドリ(スイス)
9位 グレース・ヴェルベッカ(ベルギー)
10位 キャサリン・チートリー(ニュージーランド)
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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