2015/10/26(月) - 14:39
琵琶湖から吹く強風にさらされたビワコマイアミランド。乗車率の低い砂コースで小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)がJCXレース2連勝を飾った。
関西シクロクロスのシーズン初戦が滋賀県野洲市のビワコマイアミランドで開催された。今シーズン11戦が行われる「ジャパンシクロクロスシリーズ(JCXシリーズ)」の第2戦にあたり、全国からライダーが集結。エントリー数は同会場としては過去最大の600名に達した。
ビワコマイアミランドは日本きっての砂地コースとして知られており、砂浜と松林を行き来するパワーとテクニックを要する難コースは今年も健在。トップ選手であってもバイク下車を強いる砂区間が長く、例年よりもコース内の乗車率は下がった。
近畿地方で「木枯らし1号」が吹いたこの日、琵琶湖に立った白波が長い砂浜セクションに打ち付け、強い風がコースにビュンビュン吹き付けた。バイクが巻き上げられた砂が横風に飛ばされて頬にバチバチと当たる。
C1レースで序盤からリードしたのはJCX第1戦(茨城シクロクロス小貝川リバーサイドパーク)を制した小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)で、すぐさま前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が合流。さらに前年度のマイアミ覇者で、UCIワールドカップ初戦ラスベガスでシーズンをスタートさせた濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSSTEAM)と門田基志(TEAM GIANT)も追いついた。
一つのミスで戦況が変わり、その次のミスでまた戦況が変わる。先頭パックからまず門田が脱落し、小坂、前田、濱の3名が先行開始。「出来れば早い段階で人数を絞りたかったんですが、濱さんはランが速くて砂区間も上手かった。自分はランのトレーニングが足りていなかったのできつかったですね」と語りながらも小坂がその中からジワリと抜け出した。
先頭では小坂が独走し、前田と濱がそれぞれ単独で追走する。「マイアミランドのコースはランニングで追いつけるので好きです。呼吸も楽で調子良く走っていたんですが、ミスで前の2人と離れてしまった。風がきつかったこともあって、一旦離れてしまうと追いつけなかった」と話す濱に対し、前田は小坂との差を詰めた。
「独走になってからはフィニッシュまでそのまま行ってしまおうと思っていました」と小坂。しかし残り2周回の砂浜で周回遅れの選手と絡んで落車し、2番手の前田に追いつかれてしまう。先頭2名のまま最終周回に差し掛かり、今度は小坂のミスに乗じて前田がアタックして先行。しかし砂浜のミスで小坂に追いつかれ、最後は2人のスプリントに。
「転んだ瞬間に脚がつってしまい、ペースを落とさなければならなかった。前田君に追いつかれてからは前に出させないようにして、最後のスプリントに切り替えた」という小坂が最終コーナーを先頭でクリアし、スプリントで前田を振り切った。
苦しみながらもJCXレース2連勝ならびに開幕3連勝を飾った小坂は「かなり危なかったので気を引き締めないと。今シーズンここまでの中で一番苦しかった」と打ち明ける。
一方、3戦連続で表彰台に上りながらも勝利に手が届かなかった前田は「なかなか勝てないですね」と少し放心状態で話す。「中盤に遅れてからも前の選手のミスを利用して追いついたんですが、追いついた時点できつかった。最後の長い砂浜を抜けるところでミスしてしまったのが悔やまれます」。
CL1レースはスタート後すぐに全日本チャンピオンの豊岡英子(パナソニックレディース)が飛び出したが、すぐに宮内佐季子(CiubLa.sistaOffroadTeam)と武田和佳(Liv)、坂口聖香(パナソニックレディース)が合流して先頭4名に。その中から武田が抜け出しを図るも決まらず、レース中盤に差し掛かったところで坂口が一気に前に出た。
「今シーズンは昨日シクロクロスバイクに乗り始めたばかりなので、自分がどれだけ走れるのかわかっていませんでした」という坂口が後続を引き離す。ロードレースに打ち込んできた19歳がCL1レースで初勝利を収めた。
「落ち着いて他の選手たちの走りを観察しながら自分の力を見極めて、レース中盤に飛び出しました。これまで良いところでミスしてチャンスを失うことが多かったのですが、今日は大人の走りが出来た」と坂口。武田を振り切ったチームメイトの豊岡が2位に入り、パナソニックレディースがワンツー勝利を収めた。
CM1は羽鳥和重(cycleclub3UP)との接戦を制した水谷拓也(BUCYOCOFFEECLT)が勝利。C2で勝利した槇野青葉(TEAMCREA)と、シングルスピードで2位に入った腰山雅大(ALLCITYJAPAN/662CCC)がともにC1昇格を決めている。
関西シクロクロス2015-2016第1戦びわこマイアミランド結果
C1
1位 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム) 1:02:12
2位 前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム) +0:03
3位 濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSSTEAM) +0:44
4位 木村吉秀(JPST MASSA ANDEX) +1:49
5位 門田基志(TEAM GIANT) +1:50
6位 島田真琴(シマノドリンキング) +3:08
7位 中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム) +3:18
8位 合田正之(Cycleclub3UP) +3:23
9位 兼子博昭(スワコレーシングチーム) +4:33
10位 伊澤優大(岩井商会RACING) +4:52
CL1
1位 坂口聖香(パナソニックレディース) 0:36:53
2位 豊岡英子(パナソニックレディース) +0:38
3位 武田和佳(Liv) +0:43
4位 宮内佐季子(CiubLa.sistaOffroadTeam) +1:06
5位 上田順子(ダム部) +1:46
CM1
1位 水谷拓也(BUCYOCOFFEECLT) 0:34:51
2位 羽鳥和重(cycleclub3UP) +0:08
3位 大河内二郎(シルクロード) +0:18
4位 藤井修(きゅうべえsports) +0:27
5位 中野政彦(TeamSpeed) +0:47
C2
1位 槇野青葉(TEAMCREA) 0:35:20
2位 腰山雅大(ALLCITYJAPAN/662CCC) +0:06
3位 涌本正樹(Teamスクアドラ) +0:14
4位 菊池洋志(グランデパール播磨) +0:15
5位 田口純也(662CCC) +0:56
CJ
1位 織田聖(AboveBikeStoreCycleClub) 0:33:31
2位 藤垣人也 +6:23
CM2
1位 筧五郎(56CYCLE) 0:24:47
2位 榊原延征(きゅうべえsports) +1:51
3位 自檀地崇(Zippycycleclub) +3:14
CL2
1位 恒田さよ子(泥んこプロレス) 0:21:45
2位 石田唯(美山CC) +0:21
3位 清水朱実(北陸ドロタボウ) +1:14
C3
1位 多賀良成(OGP) 0:25:23
2位 小嶋宏紀(NUCC-Racing) +1:41
3位 田平修三(トーヨーRT) +1:59
U17
1位 出羽秀太(チーム36隊) 0:26:56
2位 妻木祥太郎(RingoRoad) +2:24
3位 西村康良 +8:27
CM3A
1位 後藤真一(T-carsCyclingTeam) 0:29:23
2位 大上野宏幸(TeamSONIC) +0:18
3位 菊池英基(自転車工房エコー) +0:20
CM3B
1位 仁藤竜一 0:29:03
2位 前田義範(TRAP) +0:25
3位 杉村英太郎(きゅうべえsports) +0:31
CL3
1位 川崎麻美(バルバクラブフクイ) 0:13:24
2位 久木田紗代子(Teamスクアドラ) +0:02
3位 江住めぐみ(スクアドラ) +0:48
C4A
1位 奥山友哉(回転木馬) 0:27:41
2位 島添優真(瀬田工業高校) +0:23
3位 岡島傑(the☆whoo) +0:33
C4B
1位 西垣孝人 0:28:39
2位 内藤寛之 CSKRacingClub +0:19
3位 三原正嗣 +0:47
CM4
1位 副島真二(OK牧場) 0:12:54
2位 熊本彰廣 +1:31
3位 松岡伸二(ボナペティ) +3:38
U15
1位 副島達海(OK牧場) 0:12:34
2位 二唐基 WGAracing) +0:37
3位 上野雄己(輪娯ロード) +1:33
CK2
1位 山本秀人(ユーロードレーシング) 0:09:54
2位 水谷啓人(BUCYOCOFFEE.CLT) +0:31
3位 西垣宗 +0:57
CK1
1位 藤原琢磨(TOPFIERD) 0:08:10
2位 嶋田八恵(シングル友の会) +1:03
3位 矢野柊(八ヶ岳CYCLOCROSSCLUB) +1:08
text&photo:Kei Tsuji
関西シクロクロスのシーズン初戦が滋賀県野洲市のビワコマイアミランドで開催された。今シーズン11戦が行われる「ジャパンシクロクロスシリーズ(JCXシリーズ)」の第2戦にあたり、全国からライダーが集結。エントリー数は同会場としては過去最大の600名に達した。
ビワコマイアミランドは日本きっての砂地コースとして知られており、砂浜と松林を行き来するパワーとテクニックを要する難コースは今年も健在。トップ選手であってもバイク下車を強いる砂区間が長く、例年よりもコース内の乗車率は下がった。
近畿地方で「木枯らし1号」が吹いたこの日、琵琶湖に立った白波が長い砂浜セクションに打ち付け、強い風がコースにビュンビュン吹き付けた。バイクが巻き上げられた砂が横風に飛ばされて頬にバチバチと当たる。
C1レースで序盤からリードしたのはJCX第1戦(茨城シクロクロス小貝川リバーサイドパーク)を制した小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)で、すぐさま前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が合流。さらに前年度のマイアミ覇者で、UCIワールドカップ初戦ラスベガスでシーズンをスタートさせた濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSSTEAM)と門田基志(TEAM GIANT)も追いついた。
一つのミスで戦況が変わり、その次のミスでまた戦況が変わる。先頭パックからまず門田が脱落し、小坂、前田、濱の3名が先行開始。「出来れば早い段階で人数を絞りたかったんですが、濱さんはランが速くて砂区間も上手かった。自分はランのトレーニングが足りていなかったのできつかったですね」と語りながらも小坂がその中からジワリと抜け出した。
先頭では小坂が独走し、前田と濱がそれぞれ単独で追走する。「マイアミランドのコースはランニングで追いつけるので好きです。呼吸も楽で調子良く走っていたんですが、ミスで前の2人と離れてしまった。風がきつかったこともあって、一旦離れてしまうと追いつけなかった」と話す濱に対し、前田は小坂との差を詰めた。
「独走になってからはフィニッシュまでそのまま行ってしまおうと思っていました」と小坂。しかし残り2周回の砂浜で周回遅れの選手と絡んで落車し、2番手の前田に追いつかれてしまう。先頭2名のまま最終周回に差し掛かり、今度は小坂のミスに乗じて前田がアタックして先行。しかし砂浜のミスで小坂に追いつかれ、最後は2人のスプリントに。
「転んだ瞬間に脚がつってしまい、ペースを落とさなければならなかった。前田君に追いつかれてからは前に出させないようにして、最後のスプリントに切り替えた」という小坂が最終コーナーを先頭でクリアし、スプリントで前田を振り切った。
苦しみながらもJCXレース2連勝ならびに開幕3連勝を飾った小坂は「かなり危なかったので気を引き締めないと。今シーズンここまでの中で一番苦しかった」と打ち明ける。
一方、3戦連続で表彰台に上りながらも勝利に手が届かなかった前田は「なかなか勝てないですね」と少し放心状態で話す。「中盤に遅れてからも前の選手のミスを利用して追いついたんですが、追いついた時点できつかった。最後の長い砂浜を抜けるところでミスしてしまったのが悔やまれます」。
CL1レースはスタート後すぐに全日本チャンピオンの豊岡英子(パナソニックレディース)が飛び出したが、すぐに宮内佐季子(CiubLa.sistaOffroadTeam)と武田和佳(Liv)、坂口聖香(パナソニックレディース)が合流して先頭4名に。その中から武田が抜け出しを図るも決まらず、レース中盤に差し掛かったところで坂口が一気に前に出た。
「今シーズンは昨日シクロクロスバイクに乗り始めたばかりなので、自分がどれだけ走れるのかわかっていませんでした」という坂口が後続を引き離す。ロードレースに打ち込んできた19歳がCL1レースで初勝利を収めた。
「落ち着いて他の選手たちの走りを観察しながら自分の力を見極めて、レース中盤に飛び出しました。これまで良いところでミスしてチャンスを失うことが多かったのですが、今日は大人の走りが出来た」と坂口。武田を振り切ったチームメイトの豊岡が2位に入り、パナソニックレディースがワンツー勝利を収めた。
CM1は羽鳥和重(cycleclub3UP)との接戦を制した水谷拓也(BUCYOCOFFEECLT)が勝利。C2で勝利した槇野青葉(TEAMCREA)と、シングルスピードで2位に入った腰山雅大(ALLCITYJAPAN/662CCC)がともにC1昇格を決めている。
関西シクロクロス2015-2016第1戦びわこマイアミランド結果
C1
1位 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム) 1:02:12
2位 前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム) +0:03
3位 濱由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSSTEAM) +0:44
4位 木村吉秀(JPST MASSA ANDEX) +1:49
5位 門田基志(TEAM GIANT) +1:50
6位 島田真琴(シマノドリンキング) +3:08
7位 中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム) +3:18
8位 合田正之(Cycleclub3UP) +3:23
9位 兼子博昭(スワコレーシングチーム) +4:33
10位 伊澤優大(岩井商会RACING) +4:52
CL1
1位 坂口聖香(パナソニックレディース) 0:36:53
2位 豊岡英子(パナソニックレディース) +0:38
3位 武田和佳(Liv) +0:43
4位 宮内佐季子(CiubLa.sistaOffroadTeam) +1:06
5位 上田順子(ダム部) +1:46
CM1
1位 水谷拓也(BUCYOCOFFEECLT) 0:34:51
2位 羽鳥和重(cycleclub3UP) +0:08
3位 大河内二郎(シルクロード) +0:18
4位 藤井修(きゅうべえsports) +0:27
5位 中野政彦(TeamSpeed) +0:47
C2
1位 槇野青葉(TEAMCREA) 0:35:20
2位 腰山雅大(ALLCITYJAPAN/662CCC) +0:06
3位 涌本正樹(Teamスクアドラ) +0:14
4位 菊池洋志(グランデパール播磨) +0:15
5位 田口純也(662CCC) +0:56
CJ
1位 織田聖(AboveBikeStoreCycleClub) 0:33:31
2位 藤垣人也 +6:23
CM2
1位 筧五郎(56CYCLE) 0:24:47
2位 榊原延征(きゅうべえsports) +1:51
3位 自檀地崇(Zippycycleclub) +3:14
CL2
1位 恒田さよ子(泥んこプロレス) 0:21:45
2位 石田唯(美山CC) +0:21
3位 清水朱実(北陸ドロタボウ) +1:14
C3
1位 多賀良成(OGP) 0:25:23
2位 小嶋宏紀(NUCC-Racing) +1:41
3位 田平修三(トーヨーRT) +1:59
U17
1位 出羽秀太(チーム36隊) 0:26:56
2位 妻木祥太郎(RingoRoad) +2:24
3位 西村康良 +8:27
CM3A
1位 後藤真一(T-carsCyclingTeam) 0:29:23
2位 大上野宏幸(TeamSONIC) +0:18
3位 菊池英基(自転車工房エコー) +0:20
CM3B
1位 仁藤竜一 0:29:03
2位 前田義範(TRAP) +0:25
3位 杉村英太郎(きゅうべえsports) +0:31
CL3
1位 川崎麻美(バルバクラブフクイ) 0:13:24
2位 久木田紗代子(Teamスクアドラ) +0:02
3位 江住めぐみ(スクアドラ) +0:48
C4A
1位 奥山友哉(回転木馬) 0:27:41
2位 島添優真(瀬田工業高校) +0:23
3位 岡島傑(the☆whoo) +0:33
C4B
1位 西垣孝人 0:28:39
2位 内藤寛之 CSKRacingClub +0:19
3位 三原正嗣 +0:47
CM4
1位 副島真二(OK牧場) 0:12:54
2位 熊本彰廣 +1:31
3位 松岡伸二(ボナペティ) +3:38
U15
1位 副島達海(OK牧場) 0:12:34
2位 二唐基 WGAracing) +0:37
3位 上野雄己(輪娯ロード) +1:33
CK2
1位 山本秀人(ユーロードレーシング) 0:09:54
2位 水谷啓人(BUCYOCOFFEE.CLT) +0:31
3位 西垣宗 +0:57
CK1
1位 藤原琢磨(TOPFIERD) 0:08:10
2位 嶋田八恵(シングル友の会) +1:03
3位 矢野柊(八ヶ岳CYCLOCROSSCLUB) +1:08
text&photo:Kei Tsuji
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