2015/10/24(土) - 19:44
さいたま新都心で繰り広げられたツール・ド・フランスさいたまクリテリウム。国内外のトップ選手による攻防の末に6名が先行し、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)が第3代チャンピオンに輝いた。
「大きな歓声に包まれた雰囲気はまるでシャンゼリゼのそれだった!」興奮冷めやらぬなか行われたレース後の記者会見で、第3代チャンピオンに輝いたデゲンコルブは笑顔でそう語った。
ツール・ド・フランスが再びさいたまにやってきた。10月24日、最高気温が24度に達する暖かな秋日に、海外7チームを含む14チームの選手たちがさいたま新都心の周回コースでレースを繰り広げた。
メインレースに先立って行われた個人タイムトライアルにはクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)を始めとするビッグネームも登場し、唯一3分台のタイムをマークした中根英登(愛三工業レーシング)が優勝を果たす。続くポイントレースは逃げに乗ってポイントを量産したアレクシス・ヴュイエルモーズ(フランス、AG2Rラモンディアール)がスプリンター勢の追い上げを振り切った。
太陽が西に傾き始めた午後3時、増え続ける観客に覆われたコースでメインレースが始まる。さいたまスーパーアリーナの中を通り抜ける3.1kmのさいたま新都心周回コースを20周する62km。数周回パレードペースで走行した集団の中から、全日本チャンピオンジャージの窪木一茂(チーム右京)らが先陣を切ってアタックした。
アタックが決まらないままレースは進行し、新城幸也(ユーロップカー)らとともに飛び出したロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)が山岳ポイントを量産。7月のツールでフルームに29ポイント届かずマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を逃したバルデが山岳賞ランキングトップに立つ。
4周回ごとに設定されたスプリントポイントでは畑中勇介(チーム右京)が積極的に動き、レース中盤にはスプリント賞獲得を確定させた。
チームスカイやカチューシャがコントロールするメイン集団は逃げを全て飲み込み、勝負に向けて集団のスピードを上げる。残り4周を切ったところで動いたのは前週のジャパンカップクリテリウムを制した別府史之(トレックファクトリーレーシング)。この別府のアタックをきっかけに精鋭グループが形成される。
別府には新城とフルーム、デゲンコルブ、バルデ、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)が合流し、ローテーションを組んで後続を引き離しにかかる。この動きに選手を送り損ねたエティックス・クイックステップが集団を牽引したもののタイム差は縮まらず、レースは6名の勝負に持ち込まれた。
デゲンコルブとのスプリントに持ち込みたくない新城が残り3周でアタックして独走。観客を沸かせながら周回コースを駆け抜ける。「大声援の中を独走するのは感動した」という新城だったが、残り1周の鐘とともに追走グループに吸収。最終的に勝負は6名のスプリントに。
2週連続勝利を目指した別府がスプリントに絡むも、ブエルタ・ア・エスパーニャ最終ステージの覇者デゲンコルブが一枚上手。ハンドルを投げ込む別府をかわしたデゲンコルブが先着した。優勝タイムは1時間19分30秒で、平均スピードは45.283km/hに達した。
「観客の多さといい、本当に素晴らしいレースだった。特に最終周回なんて沿道からの歓声が大きすぎて、シャンゼリゼにも匹敵する雰囲気だったよ」と目を丸くしたデゲンコルブ。ミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベを制覇したジャーマンスプリンターが、シーズンの最後の最後を勝利で締めくくった。「大成功のシーズンをこんな形で締めくくることが出来て良かった。これにてシーズンは終了。明日からは新しいシーズンに向けて新しい準備に取り掛かるよ」。
別府が2位でフルームが3位。レース終盤に独走アタックした新城が敢闘賞に輝いている。
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2015
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン) 1h19’30”
2位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
6位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
7位 ペトル・ヴァコッチ(チェコ、エティックス・クイックステップ) +22”
8位 マルコ・コレダン(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
9位 中島康晴(日本、愛三工業レーシング)
10位 中村龍太郎(日本、スペシャルチームジャパンforさいたま)
スプリント賞
畑中勇介(日本、チーム右京)
山岳賞
ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
ヤングライダー賞
ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
チーム総合成績
トレックファクトリーレーシング
日本チーム総合成績
愛三工業レーシング
個人タイムトライアル結果
1位 中根英登(日本、愛三工業レーシング) 3’59”
2位 鈴木譲(日本、宇都宮ブリッツェン) +03”
3位 小野寺玲(日本、那須ブラーゼン)
ポイントレース結果
1位 アレクシス・ヴュイエルモーズ(フランス、AG2Rラモンディアール) 17pts
2位 マルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ) 11pts
3位 マルコ・コレダン(イタリア、トレックファクトリーレーシング) 10pts
text&photo:Kei Tsuji
photo:Makoto.AYANO
「大きな歓声に包まれた雰囲気はまるでシャンゼリゼのそれだった!」興奮冷めやらぬなか行われたレース後の記者会見で、第3代チャンピオンに輝いたデゲンコルブは笑顔でそう語った。
ツール・ド・フランスが再びさいたまにやってきた。10月24日、最高気温が24度に達する暖かな秋日に、海外7チームを含む14チームの選手たちがさいたま新都心の周回コースでレースを繰り広げた。
メインレースに先立って行われた個人タイムトライアルにはクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)を始めとするビッグネームも登場し、唯一3分台のタイムをマークした中根英登(愛三工業レーシング)が優勝を果たす。続くポイントレースは逃げに乗ってポイントを量産したアレクシス・ヴュイエルモーズ(フランス、AG2Rラモンディアール)がスプリンター勢の追い上げを振り切った。
太陽が西に傾き始めた午後3時、増え続ける観客に覆われたコースでメインレースが始まる。さいたまスーパーアリーナの中を通り抜ける3.1kmのさいたま新都心周回コースを20周する62km。数周回パレードペースで走行した集団の中から、全日本チャンピオンジャージの窪木一茂(チーム右京)らが先陣を切ってアタックした。
アタックが決まらないままレースは進行し、新城幸也(ユーロップカー)らとともに飛び出したロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)が山岳ポイントを量産。7月のツールでフルームに29ポイント届かずマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を逃したバルデが山岳賞ランキングトップに立つ。
4周回ごとに設定されたスプリントポイントでは畑中勇介(チーム右京)が積極的に動き、レース中盤にはスプリント賞獲得を確定させた。
チームスカイやカチューシャがコントロールするメイン集団は逃げを全て飲み込み、勝負に向けて集団のスピードを上げる。残り4周を切ったところで動いたのは前週のジャパンカップクリテリウムを制した別府史之(トレックファクトリーレーシング)。この別府のアタックをきっかけに精鋭グループが形成される。
別府には新城とフルーム、デゲンコルブ、バルデ、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)が合流し、ローテーションを組んで後続を引き離しにかかる。この動きに選手を送り損ねたエティックス・クイックステップが集団を牽引したもののタイム差は縮まらず、レースは6名の勝負に持ち込まれた。
デゲンコルブとのスプリントに持ち込みたくない新城が残り3周でアタックして独走。観客を沸かせながら周回コースを駆け抜ける。「大声援の中を独走するのは感動した」という新城だったが、残り1周の鐘とともに追走グループに吸収。最終的に勝負は6名のスプリントに。
2週連続勝利を目指した別府がスプリントに絡むも、ブエルタ・ア・エスパーニャ最終ステージの覇者デゲンコルブが一枚上手。ハンドルを投げ込む別府をかわしたデゲンコルブが先着した。優勝タイムは1時間19分30秒で、平均スピードは45.283km/hに達した。
「観客の多さといい、本当に素晴らしいレースだった。特に最終周回なんて沿道からの歓声が大きすぎて、シャンゼリゼにも匹敵する雰囲気だったよ」と目を丸くしたデゲンコルブ。ミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベを制覇したジャーマンスプリンターが、シーズンの最後の最後を勝利で締めくくった。「大成功のシーズンをこんな形で締めくくることが出来て良かった。これにてシーズンは終了。明日からは新しいシーズンに向けて新しい準備に取り掛かるよ」。
別府が2位でフルームが3位。レース終盤に独走アタックした新城が敢闘賞に輝いている。
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2015
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン) 1h19’30”
2位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
6位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
7位 ペトル・ヴァコッチ(チェコ、エティックス・クイックステップ) +22”
8位 マルコ・コレダン(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
9位 中島康晴(日本、愛三工業レーシング)
10位 中村龍太郎(日本、スペシャルチームジャパンforさいたま)
スプリント賞
畑中勇介(日本、チーム右京)
山岳賞
ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
ヤングライダー賞
ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
チーム総合成績
トレックファクトリーレーシング
日本チーム総合成績
愛三工業レーシング
個人タイムトライアル結果
1位 中根英登(日本、愛三工業レーシング) 3’59”
2位 鈴木譲(日本、宇都宮ブリッツェン) +03”
3位 小野寺玲(日本、那須ブラーゼン)
ポイントレース結果
1位 アレクシス・ヴュイエルモーズ(フランス、AG2Rラモンディアール) 17pts
2位 マルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ) 11pts
3位 マルコ・コレダン(イタリア、トレックファクトリーレーシング) 10pts
text&photo:Kei Tsuji
photo:Makoto.AYANO
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