2015/08/12(水) - 09:51
引き続きエネコ・ツアーの主役はピュアスプリンターたち。前日のスプリントで精彩を欠いたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が息を吹き返し、完璧なリードアウトからのスプリントで勝利を飾った。
ベルギー国境に近いオランダ南部の街ブレダまで移動したエネコ・ツアー。180.7kmコースは引き続き真っ平らで、後半にかけて29.7km周回コースを2周する。ピュアスプリンター向きにアレンジされたフラットステージで、ジャスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ)とハイス・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)が逃げた。
レース開始直後に飛び出したアッセルマンとファンヘッケは最大7分までリードを広げたものの、リーダージャージ擁するチームスカイが淡々とタイム差を詰める。イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)らが番人のように集団先頭に陣取った。
残り21km地点に位置する3連続スプリントポイントは、2日連続逃げのアッセルマンが争うことなく先頭通過。合計9秒のボーナスタイムを獲得したアッセルマンが暫定で総合首位に立つ。後方に迫ったメイン集団からは最終的な総合争いを見据えるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が飛び出し、合計2秒のボーナスタイムを獲得した。
スプリントポイント通過後に逃げは吸収され、ロット・ソウダルがチームスカイから主導権を奪って先頭へ。緊張感が増す集団内ではマッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ)やリー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、ピーター・ファンスペイブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)らが相次いで落車した。
残り5kmを切り、同じベルギーのエティックス・クイックステップに集団先頭を譲らないままリードアウトトレインを走らせたロット・ソウダル。主導権を握ったまま残り1kmアーチを駆け抜け、最終発射台イェンス・デブシェール(ベルギー)の後ろから残り150mでグライペルが飛び出した。
普段クリストフのリードアウトを務めるジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、カチューシャ)やトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)らが対抗したものの、リードを得た状態でスプリントを開始したグライペルは先頭を譲らない。リーダージャージのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)が後方に沈む中、グライペルが悠々と両手を広げた。
「勝ちと負けは隣り合わせ。昨日は向かい風の影響でリードアウトが上手く機能せず、最高のスプリントには持ち込めなかった。今日のリードアウトは素晴らしく、理想的な場所まで連れて行ってくれたんだ」と、ツール・ド・フランスでステージ4勝を飾ったばかりのグライペルは話す。
ボーナスタイムによってグライペルはトップとタイム差5秒の総合2位に浮上。しかし「明日はスプリンターにチャンスがあるけど、リーダージャージについては考えていないよ」とコメントしている。
ステージ14位に終わったヴィヴィアーニに代わって総合首位に立ったのは2日連続で逃げたアッセルマン。結成1年目のUCIプロコンチネンタルチームであるルームポット・オラニエに所属する25歳のオランダ人が笑顔で表彰台に上がった。
「今日は序盤から逃げに乗ってスプリントポイントでボーナスタイムを稼ぐ作戦だった。その作戦が決まって信じられない気分。プロ入り8ヶ月で、しかもこのブレダの街でUCIワールドツアーレースのリーダージャージを着るなんて」とアッセルマン。昨年チーム結成発表会が行われた場所で、リーダージャージに袖を通した。なお、エネコ・ツアーではオランダを代表する元プロ選手のマイケル・ボーヘルト監督がルームポット・オラニエを指揮している。
グライペルのコメント通り翌日の第3ステージは再びのフラットステージ。ピュアスプリンターにとっては事実上最後のステージ優勝のチャンスだ。
選手コメントはレース公式サイトより。
エネコ・ツアー2015第2ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 4h12’52”
2位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、カチューシャ)
3位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
4位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
5位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
6位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
7位 ヴィチェスラフ・クズネツォフ(ロシア、カチューシャ)
8位 ロイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
9位 セバスティアン・テュルゴー(フランス、AG2Rラモンディアール)
10位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
個人総合成績
1位 ジャスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ) 8h18’55”
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) +05”
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
4位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング) +09”
5位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、カチューシャ)
6位 ハイス・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
7位 ローレンス・デフレース(ベルギー、アスタナ) +10”
8位 ニコ・デンツ(ドイツ、AG2Rラモンディアール)
9位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング) +11”
10位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
チーム総合成績
ルームポット・オラニエ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ベルギー国境に近いオランダ南部の街ブレダまで移動したエネコ・ツアー。180.7kmコースは引き続き真っ平らで、後半にかけて29.7km周回コースを2周する。ピュアスプリンター向きにアレンジされたフラットステージで、ジャスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ)とハイス・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)が逃げた。
レース開始直後に飛び出したアッセルマンとファンヘッケは最大7分までリードを広げたものの、リーダージャージ擁するチームスカイが淡々とタイム差を詰める。イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)らが番人のように集団先頭に陣取った。
残り21km地点に位置する3連続スプリントポイントは、2日連続逃げのアッセルマンが争うことなく先頭通過。合計9秒のボーナスタイムを獲得したアッセルマンが暫定で総合首位に立つ。後方に迫ったメイン集団からは最終的な総合争いを見据えるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が飛び出し、合計2秒のボーナスタイムを獲得した。
スプリントポイント通過後に逃げは吸収され、ロット・ソウダルがチームスカイから主導権を奪って先頭へ。緊張感が増す集団内ではマッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ)やリー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、ピーター・ファンスペイブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)らが相次いで落車した。
残り5kmを切り、同じベルギーのエティックス・クイックステップに集団先頭を譲らないままリードアウトトレインを走らせたロット・ソウダル。主導権を握ったまま残り1kmアーチを駆け抜け、最終発射台イェンス・デブシェール(ベルギー)の後ろから残り150mでグライペルが飛び出した。
普段クリストフのリードアウトを務めるジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、カチューシャ)やトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)らが対抗したものの、リードを得た状態でスプリントを開始したグライペルは先頭を譲らない。リーダージャージのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)が後方に沈む中、グライペルが悠々と両手を広げた。
「勝ちと負けは隣り合わせ。昨日は向かい風の影響でリードアウトが上手く機能せず、最高のスプリントには持ち込めなかった。今日のリードアウトは素晴らしく、理想的な場所まで連れて行ってくれたんだ」と、ツール・ド・フランスでステージ4勝を飾ったばかりのグライペルは話す。
ボーナスタイムによってグライペルはトップとタイム差5秒の総合2位に浮上。しかし「明日はスプリンターにチャンスがあるけど、リーダージャージについては考えていないよ」とコメントしている。
ステージ14位に終わったヴィヴィアーニに代わって総合首位に立ったのは2日連続で逃げたアッセルマン。結成1年目のUCIプロコンチネンタルチームであるルームポット・オラニエに所属する25歳のオランダ人が笑顔で表彰台に上がった。
「今日は序盤から逃げに乗ってスプリントポイントでボーナスタイムを稼ぐ作戦だった。その作戦が決まって信じられない気分。プロ入り8ヶ月で、しかもこのブレダの街でUCIワールドツアーレースのリーダージャージを着るなんて」とアッセルマン。昨年チーム結成発表会が行われた場所で、リーダージャージに袖を通した。なお、エネコ・ツアーではオランダを代表する元プロ選手のマイケル・ボーヘルト監督がルームポット・オラニエを指揮している。
グライペルのコメント通り翌日の第3ステージは再びのフラットステージ。ピュアスプリンターにとっては事実上最後のステージ優勝のチャンスだ。
選手コメントはレース公式サイトより。
エネコ・ツアー2015第2ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 4h12’52”
2位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、カチューシャ)
3位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
4位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング)
5位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
6位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
7位 ヴィチェスラフ・クズネツォフ(ロシア、カチューシャ)
8位 ロイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
9位 セバスティアン・テュルゴー(フランス、AG2Rラモンディアール)
10位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
個人総合成績
1位 ジャスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ) 8h18’55”
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) +05”
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
4位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング) +09”
5位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、カチューシャ)
6位 ハイス・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
7位 ローレンス・デフレース(ベルギー、アスタナ) +10”
8位 ニコ・デンツ(ドイツ、AG2Rラモンディアール)
9位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、BMCレーシング) +11”
10位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
チーム総合成績
ルームポット・オラニエ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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