2015/08/03(月) - 18:27
8月2日(日)、長野県白馬村のスノーハープクロスカントリー競技場においてCoupe du JaponCJ-1クロスカントリー第4戦が開催された。男子エリートには全日本チャンピオン山本幸平も参戦。気温40度の酷暑のなか熱戦が繰り広げられた。
Coupe du Japon(クップ・ド・ジャポン)の全国レベル公認大会であるCJ-1クラスとして開催された「白馬マウンテンバイク大会」。7月18・19日に開催された全日本選手権後初の国内主要大会だ。全日本チャンピオンに輝いた山本幸平(トレックファクトリーレーシング) も参加し、今年のナショナルジャージ姿を初披露してくれた(女子エリートXCO覇者の末政実緒は欠場)。
この日は猛烈な酷暑に見舞われた日本列島。本来は避暑地である長野・白馬一帯も例外でなく、昼すぎの気温で約40度、湿度も40%以上という暑さの厳しい一日となった。
午後2時スタートのエリート男子。全日本2位の武井きょうすけは海外遠征中のため不参加だったが、全日本のトップ10は武井以外全員が顔を揃えた。
コースは1998年長野開催の冬季五輪でクロスカントリースキー競技の会場となったスノーハープ会場周辺を使用した、全長6.5km、高低差104mの特設コース。シングルトラックに設置された2つのラダー(木のはしご)の難セクションを含む、アップダウンに富んだ厳しくも長いコースだ。加えてこの日の酷暑のもとでの開催ということで、レースが過酷になることはスタート前から確約されているような状況だった。
注目のエリート男子は6周回31.2kmで行われた。午後2時ちょうど、真夏のサバイバルレースが始まった。長い直線路のスタートダッシュを制してホールショットを決めたのは平野星矢(ブリヂストンアンカー)。最初の複合コーナーを抜けて、急勾配の斜面に設置された名物「太鼓橋」の上りには平野、山本幸平、小野寺健(ミヤタ・メリダ)、斉藤亮 (ブリヂストンアンカー)、 中原義貴(BHレーシング)、前田公平(Bioracer)の順で突入していく。
路面は概ねドライだが、林間コースにはぬかるんだマディな箇所もある。
シングルトラックが狭く、一人しか通れない木のラダーセクションが2ヶ所あるため一周目から集団は長く伸びるが、スピードの出る平坦路は前走者を風よけにして少人数パックで展開するのがこのコースの特徴だ。
1周目なかばから全日本チャンピオンジャージに身を包んだ山本幸平が先頭に立ち、少々抜け出るが、後続は斎藤と沢田のアンカーコンビ、中原と恩田祐一のBHコンビが協力しながら追う。スタートダッシュでリードした平野は6位に順位を落として2周めへと入る。
アンカーの斎藤・沢田コンビは平坦路で先頭交代して山本を追うが、差は詰まらない。周回を重ねる毎に、1周あたり20秒づつ開いていく山本とアンカーコンビのタイム差。結果から言えば山本の勢いは誰も止めることができず、最後まで独走体勢を脅かす者は現れなかった。
終始集中して走った迫力の走り。山本はホームストレートに戻ってくる最後だけ笑顔を浮かべ、余裕の舌出しで両手を大きく広げたガッツポーズでゴールへ。
山本から約2分30秒遅れの2位でフィニッシュしたのは、今季CJカップはじめての表彰台となる沢田時。ランデブーを続けた斎藤亮は序盤に落車していて、ラダーからも落ちるミスも重なり、終盤に沢田の先行を許してしまう。斎藤は沢田に約8秒遅れて3位でフィニッシュした。
全日本チャンピオンとして、またワールドカッパーとして格の違いを見せつけた山本幸平。現在開催中のワールドカップ参戦を辞退し、8月14日からマレーシア・マラッカにて開催されるアジアMTB選手権へ向けての調整を優先。国内に留まった。今回はその準備の一環だったと話す。
山本幸平のコメント
「今日は暑く、湿度が高かったのですぐに心拍が上がってしまい、身体的には苦しいレースではありました。2週間後にアジア選手権があるので、今は追い込む時期です。そのトレーニングの一環としてこのレースを選びました。数時間後にはカナダでワールドカップ(モンサンタン大会)がスタートするので、それを少し意識して走りました」。
Coupe du JaponMTB2015CJ-1XCO白馬 リザルト
男子エリート 5.2Km×6Laps=31.2km
1位 山本幸平(トレックファクトリーレーシング) 1:16:51.27
2位 沢田時 (ブリヂストンアンカー) 1:19:21.05
3位 斉藤亮 (ブリヂストンアンカー) 1:19:29.85
4位 恩田 祐一(BH)
5位 平野星矢(ブリヂストンアンカー)
6位 小野寺健(ミヤタ・メリダ)
女子エリート 5.2Km×4Laps=20.8km
1位 小林可奈子(MTBクラブ安曇野) 1:07:39.19
2位 中島崚歩 (maillot SY-Nak) 1:10:07.82
3位 橋口陽子(TEAMワダチヤ) 1:11:41.92
男子ジュニア 5.2Km×5Laps=26.0km
1位 平林安里(WESTBERG/ProRide J) 1:07:00.05
2位 山田将輝(Limited846/LITEC) 1:10:39.82
3位 竹内遼(WESTBERG/ProRide J) 1:07:38.52
男子マスターズ 5.2Km×4Laps=20.8km
1位 大橋優 (TeamPoppo/なんちゃってバイカーズ) 1:00:30.79
2位 塩見学(B・B・Q) 1:00:41.75
3位 多田尚史(チームスポーツキッド) 1:00:42.15
女子マスターズ/ジュニア 5.2Km×3Laps=15.6km
1位 真川好美(Team Nipopo) 56:39.66
2位 石田恵 (リミテッドチーム846) 1:07:42.49
ジュニア男子ユース 5.2Km×2Laps=10.4km
1位 北林力(WESTBERG/ProRide J) 27:14.41
2位 山口創平(WESTBERG/ProRide J) 28:20.31
3位 石川絃 (サッサーズ) 29:13.81
女子ユース 5.2Km×2Laps=10.4km
1位 山田夕貴(TEAM BG8 A) 33:27.38
2位 小林あか里 (MTBクラブ安曇野) 33:38.89
2位 光永翔香(バイクルームシン&MOMO) 37:01.85
男子チャレンジA 5.2Km×2Laps=10.4km
1位 宮津旭(スクミズマシンワークス) 27:47.12
2位 詫間啓耀(KhodaaBloom) 29:12.72
3位 鈴木敦夫(松本エキノコックス) 29:59.86
男子チャレンジB 5.2Km×2Laps=10.4km
1位 村田隆(快レーシング) 29:32.89
2位 兼子博昭(スワコレーシングチーム) 29:39.77
3位 キクストラ・アルバート(SANTANA) 29:49.69
女子チャレンジ 5.2Km×2Laps=10.4km
1位 小田島梨絵(轍屋) 33:00.32
photo&text:Makoto.AYANO
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Coupe du Japon(クップ・ド・ジャポン)の全国レベル公認大会であるCJ-1クラスとして開催された「白馬マウンテンバイク大会」。7月18・19日に開催された全日本選手権後初の国内主要大会だ。全日本チャンピオンに輝いた山本幸平(トレックファクトリーレーシング) も参加し、今年のナショナルジャージ姿を初披露してくれた(女子エリートXCO覇者の末政実緒は欠場)。
この日は猛烈な酷暑に見舞われた日本列島。本来は避暑地である長野・白馬一帯も例外でなく、昼すぎの気温で約40度、湿度も40%以上という暑さの厳しい一日となった。
午後2時スタートのエリート男子。全日本2位の武井きょうすけは海外遠征中のため不参加だったが、全日本のトップ10は武井以外全員が顔を揃えた。
コースは1998年長野開催の冬季五輪でクロスカントリースキー競技の会場となったスノーハープ会場周辺を使用した、全長6.5km、高低差104mの特設コース。シングルトラックに設置された2つのラダー(木のはしご)の難セクションを含む、アップダウンに富んだ厳しくも長いコースだ。加えてこの日の酷暑のもとでの開催ということで、レースが過酷になることはスタート前から確約されているような状況だった。
注目のエリート男子は6周回31.2kmで行われた。午後2時ちょうど、真夏のサバイバルレースが始まった。長い直線路のスタートダッシュを制してホールショットを決めたのは平野星矢(ブリヂストンアンカー)。最初の複合コーナーを抜けて、急勾配の斜面に設置された名物「太鼓橋」の上りには平野、山本幸平、小野寺健(ミヤタ・メリダ)、斉藤亮 (ブリヂストンアンカー)、 中原義貴(BHレーシング)、前田公平(Bioracer)の順で突入していく。
路面は概ねドライだが、林間コースにはぬかるんだマディな箇所もある。
シングルトラックが狭く、一人しか通れない木のラダーセクションが2ヶ所あるため一周目から集団は長く伸びるが、スピードの出る平坦路は前走者を風よけにして少人数パックで展開するのがこのコースの特徴だ。
1周目なかばから全日本チャンピオンジャージに身を包んだ山本幸平が先頭に立ち、少々抜け出るが、後続は斎藤と沢田のアンカーコンビ、中原と恩田祐一のBHコンビが協力しながら追う。スタートダッシュでリードした平野は6位に順位を落として2周めへと入る。
アンカーの斎藤・沢田コンビは平坦路で先頭交代して山本を追うが、差は詰まらない。周回を重ねる毎に、1周あたり20秒づつ開いていく山本とアンカーコンビのタイム差。結果から言えば山本の勢いは誰も止めることができず、最後まで独走体勢を脅かす者は現れなかった。
終始集中して走った迫力の走り。山本はホームストレートに戻ってくる最後だけ笑顔を浮かべ、余裕の舌出しで両手を大きく広げたガッツポーズでゴールへ。
山本から約2分30秒遅れの2位でフィニッシュしたのは、今季CJカップはじめての表彰台となる沢田時。ランデブーを続けた斎藤亮は序盤に落車していて、ラダーからも落ちるミスも重なり、終盤に沢田の先行を許してしまう。斎藤は沢田に約8秒遅れて3位でフィニッシュした。
全日本チャンピオンとして、またワールドカッパーとして格の違いを見せつけた山本幸平。現在開催中のワールドカップ参戦を辞退し、8月14日からマレーシア・マラッカにて開催されるアジアMTB選手権へ向けての調整を優先。国内に留まった。今回はその準備の一環だったと話す。
山本幸平のコメント
「今日は暑く、湿度が高かったのですぐに心拍が上がってしまい、身体的には苦しいレースではありました。2週間後にアジア選手権があるので、今は追い込む時期です。そのトレーニングの一環としてこのレースを選びました。数時間後にはカナダでワールドカップ(モンサンタン大会)がスタートするので、それを少し意識して走りました」。
Coupe du JaponMTB2015CJ-1XCO白馬 リザルト
男子エリート 5.2Km×6Laps=31.2km
1位 山本幸平(トレックファクトリーレーシング) 1:16:51.27
2位 沢田時 (ブリヂストンアンカー) 1:19:21.05
3位 斉藤亮 (ブリヂストンアンカー) 1:19:29.85
4位 恩田 祐一(BH)
5位 平野星矢(ブリヂストンアンカー)
6位 小野寺健(ミヤタ・メリダ)
女子エリート 5.2Km×4Laps=20.8km
1位 小林可奈子(MTBクラブ安曇野) 1:07:39.19
2位 中島崚歩 (maillot SY-Nak) 1:10:07.82
3位 橋口陽子(TEAMワダチヤ) 1:11:41.92
男子ジュニア 5.2Km×5Laps=26.0km
1位 平林安里(WESTBERG/ProRide J) 1:07:00.05
2位 山田将輝(Limited846/LITEC) 1:10:39.82
3位 竹内遼(WESTBERG/ProRide J) 1:07:38.52
男子マスターズ 5.2Km×4Laps=20.8km
1位 大橋優 (TeamPoppo/なんちゃってバイカーズ) 1:00:30.79
2位 塩見学(B・B・Q) 1:00:41.75
3位 多田尚史(チームスポーツキッド) 1:00:42.15
女子マスターズ/ジュニア 5.2Km×3Laps=15.6km
1位 真川好美(Team Nipopo) 56:39.66
2位 石田恵 (リミテッドチーム846) 1:07:42.49
ジュニア男子ユース 5.2Km×2Laps=10.4km
1位 北林力(WESTBERG/ProRide J) 27:14.41
2位 山口創平(WESTBERG/ProRide J) 28:20.31
3位 石川絃 (サッサーズ) 29:13.81
女子ユース 5.2Km×2Laps=10.4km
1位 山田夕貴(TEAM BG8 A) 33:27.38
2位 小林あか里 (MTBクラブ安曇野) 33:38.89
2位 光永翔香(バイクルームシン&MOMO) 37:01.85
男子チャレンジA 5.2Km×2Laps=10.4km
1位 宮津旭(スクミズマシンワークス) 27:47.12
2位 詫間啓耀(KhodaaBloom) 29:12.72
3位 鈴木敦夫(松本エキノコックス) 29:59.86
男子チャレンジB 5.2Km×2Laps=10.4km
1位 村田隆(快レーシング) 29:32.89
2位 兼子博昭(スワコレーシングチーム) 29:39.77
3位 キクストラ・アルバート(SANTANA) 29:49.69
女子チャレンジ 5.2Km×2Laps=10.4km
1位 小田島梨絵(轍屋) 33:00.32
photo&text:Makoto.AYANO
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