2015/07/20(月) - 15:18
全日本マウンテンバイク選手権大会2日目は、クロスカントリーが行われ、山本幸平(TREK FACTORY RACIG)が優勝。2年ぶりに日本チャンピオンジャージに袖を通した。
前日のダウンヒルから一転、朝から晴れた富士見パノラマリゾート。折しもこの日、関東甲信越地方の梅雨明けが発表された。
朝のうちは所々にぬかるみが残っていたが、昼前には場所によっては砂埃が立つほどまで乾いた。しかし男子エリートがスタートする午後になると雲が空を覆い、時折雨が落ちてくるほどに天候が急変。それでもコースをマッドコンディションに戻すほどにならなかったのは、単なる天気の気まぐれだろうか。
コースはスキーゲレンデをつづら折りに上るセクション、木立の中のシングルトラック、ロックセクションが盛り込まれた1周4.41㎞。男子エリートは6周回、計26.46㎞で争われた。
今年の大会は、昨年優勝の武井亨介(FORZA・YONEX)が連覇するのか、山本幸平(TREK FACTORY RACIG)が奪回するのか、あるいは国内新シリーズ戦「Cupe du Japon」で好調な平野星矢と斉藤亮( Bridgestone Anchor Cyclingteam )が取るのかという点に注目が集まった。全日本選手権独特の緊張感が漂う中、午後2時に男子エリートのレースがスタートした。
スタート直後から独走態勢を築いていく山本は、1周目半ばには2位武井に20秒の差をつける。武井の10秒後に平野、さらに20秒後に斉藤が続いていく。
ペースが上がらない武井は、平野に抜かれて一時3位に落ちる。2周目には再び武井が2位にあがるものの、今度は斉藤が武井の背後に迫る。斉藤は登り区間で武井をとらえて2位に浮上し、一時10秒ほどの差をつけて武井に先行する。しかし武井もそれ以上離される事なく喰らいつき、レース中盤まではつばぜり合いのような2位争いが続いていく。
一方、「レースの展開とか考えず、とにかく全力で走った」とレース後に語った山本は、激しい2位争いはまったく気にすることなく1周ごとに後続との差を広げていく。レース中盤には2分以上の大差を築き上げ、さらに5周目には3分にまで差を広げた。「レース終盤は(走りが)落ち着いてしまった」と反省するが、ゴールが近くなり優勝が確実になると笑顔がもれた。そして最後のストレートは、2年ぶりの花道をかみしめるように何度もガッツポーズを繰り返しながらゴールラインを越えた。
最後までもつれた2位争いは、先行していた斉藤が終盤に落車。「気持ちが切れてしまった」斉藤を武井が抜いた。4位には平野が入った。
「昨年は良い感覚が得られないまま全日本を迎えてしまった。今年はやれる事はやった上で、自信を持って気持ちよくスタートラインに立てた」と、清々しい表情で語る山本。
「今年は新チームに移籍して何もかもが新しくなったけど、「トレックファミリー」という言葉があるように、あたたかくサポートしてもらっているおかげでストレスなくレースに臨めた」と、サポートするチームへ感謝を表す。
全日本選手権が終わったとは言え、今シーズはまだ半ば。山本はこの後ワールドカップ2戦をパスして富士見パノラマの近くで3週間の高地トレーニングを予定している。そして8月中旬のアジア選手権、さらには世界選手権に備えると言う。
「世界選手権でトップ10に入る事が最大の目標。それが出来れば自分もみんなもハッピーですね」と、コメントを締めくくった。
男子エリート結果
1位 山本幸平(TREK FACTORY RACING) 1時間32分40秒
2位 武井亨介(FORZA・YONEX) +3分14秒
3位 斉藤 亮(Bridgestone Anchor Cyclingteam) +3分19秒
4位 平野星矢( Bridgestone Anchor Cyclingteam ) +4分29秒
5位 恩田祐一(BH RACING MTB) +6分53秒
6位 門田基志(TEAM GIANT) +7分51秒
7位 小野寺健(MIYATA-MERIDA BIKING TEM) +8分14秒
8位 小笠原崇裕(The Bike Journal) +9分9秒
9位 松尾 純(MIYATA-MERIDA BIKING TEM ) +9分43秒
10位 品川真寛(TEAM YOUCAN) +9分59秒
text&photo:Satoru.Kato
前日のダウンヒルから一転、朝から晴れた富士見パノラマリゾート。折しもこの日、関東甲信越地方の梅雨明けが発表された。
朝のうちは所々にぬかるみが残っていたが、昼前には場所によっては砂埃が立つほどまで乾いた。しかし男子エリートがスタートする午後になると雲が空を覆い、時折雨が落ちてくるほどに天候が急変。それでもコースをマッドコンディションに戻すほどにならなかったのは、単なる天気の気まぐれだろうか。
コースはスキーゲレンデをつづら折りに上るセクション、木立の中のシングルトラック、ロックセクションが盛り込まれた1周4.41㎞。男子エリートは6周回、計26.46㎞で争われた。
今年の大会は、昨年優勝の武井亨介(FORZA・YONEX)が連覇するのか、山本幸平(TREK FACTORY RACIG)が奪回するのか、あるいは国内新シリーズ戦「Cupe du Japon」で好調な平野星矢と斉藤亮( Bridgestone Anchor Cyclingteam )が取るのかという点に注目が集まった。全日本選手権独特の緊張感が漂う中、午後2時に男子エリートのレースがスタートした。
スタート直後から独走態勢を築いていく山本は、1周目半ばには2位武井に20秒の差をつける。武井の10秒後に平野、さらに20秒後に斉藤が続いていく。
ペースが上がらない武井は、平野に抜かれて一時3位に落ちる。2周目には再び武井が2位にあがるものの、今度は斉藤が武井の背後に迫る。斉藤は登り区間で武井をとらえて2位に浮上し、一時10秒ほどの差をつけて武井に先行する。しかし武井もそれ以上離される事なく喰らいつき、レース中盤まではつばぜり合いのような2位争いが続いていく。
一方、「レースの展開とか考えず、とにかく全力で走った」とレース後に語った山本は、激しい2位争いはまったく気にすることなく1周ごとに後続との差を広げていく。レース中盤には2分以上の大差を築き上げ、さらに5周目には3分にまで差を広げた。「レース終盤は(走りが)落ち着いてしまった」と反省するが、ゴールが近くなり優勝が確実になると笑顔がもれた。そして最後のストレートは、2年ぶりの花道をかみしめるように何度もガッツポーズを繰り返しながらゴールラインを越えた。
最後までもつれた2位争いは、先行していた斉藤が終盤に落車。「気持ちが切れてしまった」斉藤を武井が抜いた。4位には平野が入った。
「昨年は良い感覚が得られないまま全日本を迎えてしまった。今年はやれる事はやった上で、自信を持って気持ちよくスタートラインに立てた」と、清々しい表情で語る山本。
「今年は新チームに移籍して何もかもが新しくなったけど、「トレックファミリー」という言葉があるように、あたたかくサポートしてもらっているおかげでストレスなくレースに臨めた」と、サポートするチームへ感謝を表す。
全日本選手権が終わったとは言え、今シーズはまだ半ば。山本はこの後ワールドカップ2戦をパスして富士見パノラマの近くで3週間の高地トレーニングを予定している。そして8月中旬のアジア選手権、さらには世界選手権に備えると言う。
「世界選手権でトップ10に入る事が最大の目標。それが出来れば自分もみんなもハッピーですね」と、コメントを締めくくった。
男子エリート結果
1位 山本幸平(TREK FACTORY RACING) 1時間32分40秒
2位 武井亨介(FORZA・YONEX) +3分14秒
3位 斉藤 亮(Bridgestone Anchor Cyclingteam) +3分19秒
4位 平野星矢( Bridgestone Anchor Cyclingteam ) +4分29秒
5位 恩田祐一(BH RACING MTB) +6分53秒
6位 門田基志(TEAM GIANT) +7分51秒
7位 小野寺健(MIYATA-MERIDA BIKING TEM) +8分14秒
8位 小笠原崇裕(The Bike Journal) +9分9秒
9位 松尾 純(MIYATA-MERIDA BIKING TEM ) +9分43秒
10位 品川真寛(TEAM YOUCAN) +9分59秒
text&photo:Satoru.Kato
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