2015/07/17(金) - 12:19
ピレネー三連戦のを締めくくったのはホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)。大雨の降る超級山岳で今大会2勝目を挙げたロドリゲスや、総合上位陣のコメントを紹介しましょう。
今大会2勝目を挙げたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
ここまでピレネーでの2日間を終えて、僕の士気は下がっていた。今日のステージで唯一僕自身の士気を高められる方法は、逃げに乗ること。ツール前は総合狙いって言ってきたけど、順位を大きく落としてしまったから、今はステージ優勝にフォーカスしている。(一昨日の超級山岳)ラ・ピエール・サンマルタンではハンガーノックを起こしてしまい、相当に体力を消耗してしまった。そして昨日はニュートラルゾーンで落車してしまい、お尻を痛めた。
僕はプラトードベイユの上りが好きだ。自宅はここから50kmほどの距離の場所にある。トレーニングを含め1,000回以上走ってきたし、1,000回以上この場所で勝ちたいと夢見てきた。
今日のレース前に最後に登ったのは、アルベルト・ロサダ(スペイン、カチューシャ)とトレーニングに来た時のこと。その時はパンクしてしまったんだが、スペアを持っておらず、妻に助けにきてもらった。そんなエピソードがあるほど馴染み深い場所なんだ。今日は沿道にたくさんの友人がいて、皆僕のことを応援してくれた。
最終盤の展開はとても容易だったとはいえないが、どうにかして勝つために自らを律した。誰だってプラトードベイユで勝ちたいと考えているし、それに今日は悪天候も手伝って一段とハードだった。
今年のツールで2つのステージ優勝は僕にとって大きな意味がある。まだグランツールで総合優勝できていないけど、ここまでは王者のみが持つ幸運が僕になかっただけ。僕にもグランツールを勝てる可能性はあるはずだ。
レルス峠で攻撃をしかけたミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ
最後のプラトー・ド・ベイユではピュアクライマーたちに敵わなかったね。でも、ステージ優勝にトライできただけでもハッピーさ。勝利の可能性を信じてはいたけれど、セプ・ファンマルケと一緒に逃げていた以上、逃げ切れても勝てる見込みは薄かったかもしれない。でも、最後まで戦い抜いた。並み居る強豪クライマーたちから逃げ切る為に全力を尽くしたよ。
ステージを獲ったロドリゲスには敬意と祝福を贈りたい。彼は今日、最も強いライダーだった。ここ数日凄く暑かったから、大雨で気温が下がったのは見た目ほどのバッドコンディションというわけではなかったね。むしろひんやりしていて良かったよ。
ライバルたちの攻撃をしのいだクリス・フルーム(イギリス、チーム・スカイ)
天気が目まぐるしく変わるなんて予想していなかった。むしろ個人的には暑さに備えていた。今日のステージを切り抜ける事ができて、ホッとしている。一日を通して僕に最適なスピードを維持してくれるチームの努力や、登りで常にそばに居てくれてるリッチー・ポートとゲラント・トーマスと存在には感謝しなければならない。
残り4km地点でアタックした時に、ライバルたちの調子を探ってみたところ、皆とてもフレッシュな様だったが、自分にとって脅威となる様なアタックはなかったね。実は他のライダーよりも、総合争いで脅威となるナイロ・キンタナをマークしていたんだ。そして、まだアルベルト・コンタドールの爆発的なアタックが見られていないことが気になるけど、おそらくアルプスで炸裂するはず。
でも、総合成績で4分差以内のライバルには全員に注意している。彼らとの接戦は避けたい。まだまだ、パリまでは長く、多くのライバルに僕のことを置き去りにするチャンスがあって、横風やダウンヒルなどありとあらゆるシチュエーションでアタックが起こりうると予想している。
ただ、今日のライバルたちのアタックにはプレッシャーを感じなかった。チームとしてしっかりとレースをコントロールできているし、登りの間は常にチームメイトがそばにいてくれる。ゲラント・トーマスは今日も素晴らしい働きをしてくれた。
アシストとして走ることの大変さを僕も知っている。2012年に僕がブラドレー・ウィギンズ(イギリス)と共に表彰台に登った様に、ゲラント(トーマス)が僕と共に表彰台に登ることができるかって?今日のステージにおいて、それは不可能でないということが示された。それでも、チームとしての最大の目標はマイヨジョーヌを守り続けること。でも、2位~5位の間のタイム差はわずかだし、彼が総合成績を上げてくる可能性は大きいと感じているよ。
少しづつ調子を戻してきたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
今日はとても難しいステージだった。ステージの序盤は凄く暑かったのに、後半では雨が降ってくるしね。でも、ほんの少しだけ調子が上がってきていることを感じたよ。今日は僕らは同じレベルの強さで、誰もが攻撃を仕掛けていた。僕もアタックを試みたけど、うまくいかなかったね。
これからもフルームへの攻撃の手を緩めるつもりはないよ。出来ることなら最終週に調子が戻っているといいんだけれど。今日は向かい風が強かったし、スカイのように一定ペースを刻むチームに対してアタックを決めるのは難しいところだね。
3位に入ったロメン・バルデ(フランス、AG2R)
今日の結果はまだまだ満足していないけれど、かなり調子は戻してきている。今年は本当に調子が悪くて、これまでのツールの中でも最悪の状態だった。これまでの10日間、集団についていくことすら難しくて、総合トップ5以内を目標にしていた僕にとってはとても辛い日々だった。
今日の結果は、アルプスに入る前のチームにとってとても良い起爆剤となってくれるだろうね。一度、トップレベルで走ることが出来るようになることよりも、日々その水準をキープするということが難しいんだ。でも、僕はベストを尽くして戦っていくよ。僕の親友であり、素晴らしい仕事を果たしてくれたミカエル・シュレルには大きな感謝を。ロドリゲスが一番強かったというだけで、僕は今日の結果に悔いは無いよ。
フルームに対してアタックを仕掛けたナイロ・キンタナ(スペイン、モビスター)
今日のステージは、ハードなヒルクライムとめまぐるしく変わる気温のせいで凄く走りづらかったね。雨は僕にとっては助けとはならなかった。僕らは何度もアタックしたけど、クリス・フルームは良く守っていた。彼は僕のアタックをコントロール下に置いていた。
しかも僕だけじゃなくて、アレハンドロ・バルベルデ、アルベルト・コンタドールやヴィンツゥンツォ・ニーバリらのアタックも封じ込めることに成功していたね。でも、僕らはフルームを打倒するため、最後の日まで攻撃し続ける。今日の様な走りを続けることができれば、何か良いことが起こるかもしれない。
ext:Naoki.Yasuoka, Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.Ayano,Kei.Tsuji,CorVos,Tim de Waele
今大会2勝目を挙げたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
ここまでピレネーでの2日間を終えて、僕の士気は下がっていた。今日のステージで唯一僕自身の士気を高められる方法は、逃げに乗ること。ツール前は総合狙いって言ってきたけど、順位を大きく落としてしまったから、今はステージ優勝にフォーカスしている。(一昨日の超級山岳)ラ・ピエール・サンマルタンではハンガーノックを起こしてしまい、相当に体力を消耗してしまった。そして昨日はニュートラルゾーンで落車してしまい、お尻を痛めた。
僕はプラトードベイユの上りが好きだ。自宅はここから50kmほどの距離の場所にある。トレーニングを含め1,000回以上走ってきたし、1,000回以上この場所で勝ちたいと夢見てきた。
今日のレース前に最後に登ったのは、アルベルト・ロサダ(スペイン、カチューシャ)とトレーニングに来た時のこと。その時はパンクしてしまったんだが、スペアを持っておらず、妻に助けにきてもらった。そんなエピソードがあるほど馴染み深い場所なんだ。今日は沿道にたくさんの友人がいて、皆僕のことを応援してくれた。
最終盤の展開はとても容易だったとはいえないが、どうにかして勝つために自らを律した。誰だってプラトードベイユで勝ちたいと考えているし、それに今日は悪天候も手伝って一段とハードだった。
今年のツールで2つのステージ優勝は僕にとって大きな意味がある。まだグランツールで総合優勝できていないけど、ここまでは王者のみが持つ幸運が僕になかっただけ。僕にもグランツールを勝てる可能性はあるはずだ。
レルス峠で攻撃をしかけたミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ
最後のプラトー・ド・ベイユではピュアクライマーたちに敵わなかったね。でも、ステージ優勝にトライできただけでもハッピーさ。勝利の可能性を信じてはいたけれど、セプ・ファンマルケと一緒に逃げていた以上、逃げ切れても勝てる見込みは薄かったかもしれない。でも、最後まで戦い抜いた。並み居る強豪クライマーたちから逃げ切る為に全力を尽くしたよ。
ステージを獲ったロドリゲスには敬意と祝福を贈りたい。彼は今日、最も強いライダーだった。ここ数日凄く暑かったから、大雨で気温が下がったのは見た目ほどのバッドコンディションというわけではなかったね。むしろひんやりしていて良かったよ。
ライバルたちの攻撃をしのいだクリス・フルーム(イギリス、チーム・スカイ)
天気が目まぐるしく変わるなんて予想していなかった。むしろ個人的には暑さに備えていた。今日のステージを切り抜ける事ができて、ホッとしている。一日を通して僕に最適なスピードを維持してくれるチームの努力や、登りで常にそばに居てくれてるリッチー・ポートとゲラント・トーマスと存在には感謝しなければならない。
残り4km地点でアタックした時に、ライバルたちの調子を探ってみたところ、皆とてもフレッシュな様だったが、自分にとって脅威となる様なアタックはなかったね。実は他のライダーよりも、総合争いで脅威となるナイロ・キンタナをマークしていたんだ。そして、まだアルベルト・コンタドールの爆発的なアタックが見られていないことが気になるけど、おそらくアルプスで炸裂するはず。
でも、総合成績で4分差以内のライバルには全員に注意している。彼らとの接戦は避けたい。まだまだ、パリまでは長く、多くのライバルに僕のことを置き去りにするチャンスがあって、横風やダウンヒルなどありとあらゆるシチュエーションでアタックが起こりうると予想している。
ただ、今日のライバルたちのアタックにはプレッシャーを感じなかった。チームとしてしっかりとレースをコントロールできているし、登りの間は常にチームメイトがそばにいてくれる。ゲラント・トーマスは今日も素晴らしい働きをしてくれた。
アシストとして走ることの大変さを僕も知っている。2012年に僕がブラドレー・ウィギンズ(イギリス)と共に表彰台に登った様に、ゲラント(トーマス)が僕と共に表彰台に登ることができるかって?今日のステージにおいて、それは不可能でないということが示された。それでも、チームとしての最大の目標はマイヨジョーヌを守り続けること。でも、2位~5位の間のタイム差はわずかだし、彼が総合成績を上げてくる可能性は大きいと感じているよ。
少しづつ調子を戻してきたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
今日はとても難しいステージだった。ステージの序盤は凄く暑かったのに、後半では雨が降ってくるしね。でも、ほんの少しだけ調子が上がってきていることを感じたよ。今日は僕らは同じレベルの強さで、誰もが攻撃を仕掛けていた。僕もアタックを試みたけど、うまくいかなかったね。
これからもフルームへの攻撃の手を緩めるつもりはないよ。出来ることなら最終週に調子が戻っているといいんだけれど。今日は向かい風が強かったし、スカイのように一定ペースを刻むチームに対してアタックを決めるのは難しいところだね。
3位に入ったロメン・バルデ(フランス、AG2R)
今日の結果はまだまだ満足していないけれど、かなり調子は戻してきている。今年は本当に調子が悪くて、これまでのツールの中でも最悪の状態だった。これまでの10日間、集団についていくことすら難しくて、総合トップ5以内を目標にしていた僕にとってはとても辛い日々だった。
今日の結果は、アルプスに入る前のチームにとってとても良い起爆剤となってくれるだろうね。一度、トップレベルで走ることが出来るようになることよりも、日々その水準をキープするということが難しいんだ。でも、僕はベストを尽くして戦っていくよ。僕の親友であり、素晴らしい仕事を果たしてくれたミカエル・シュレルには大きな感謝を。ロドリゲスが一番強かったというだけで、僕は今日の結果に悔いは無いよ。
フルームに対してアタックを仕掛けたナイロ・キンタナ(スペイン、モビスター)
今日のステージは、ハードなヒルクライムとめまぐるしく変わる気温のせいで凄く走りづらかったね。雨は僕にとっては助けとはならなかった。僕らは何度もアタックしたけど、クリス・フルームは良く守っていた。彼は僕のアタックをコントロール下に置いていた。
しかも僕だけじゃなくて、アレハンドロ・バルベルデ、アルベルト・コンタドールやヴィンツゥンツォ・ニーバリらのアタックも封じ込めることに成功していたね。でも、僕らはフルームを打倒するため、最後の日まで攻撃し続ける。今日の様な走りを続けることができれば、何か良いことが起こるかもしれない。
ext:Naoki.Yasuoka, Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.Ayano,Kei.Tsuji,CorVos,Tim de Waele
Amazon.co.jp