2015/07/14(火) - 10:58
待望の休息日を迎えた選手たちのコメントを紹介。フルームは「2年前と比べて心身ともにフレッシュな状態」と語り、モビスターのキンタナとバルベルデはバッソに対してもメッセージを送っています。
第2週目について語るクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
休息日明けのステージは大きなキーとなるだろう。他の山岳と比較して難易度こそ高くないが、最初の山頂フィニッシュだけに、誰もが2週目に向けてのスカイの動き方に注意を払ってくるはずだ。重要なステージだが、誰かを追いかけずに済む自分の位置に満足しているし、自分の位置を守ることだけに集中できる。ライバル勢がどう動いてくるか、どうカードを切ってくるかに注意を払いたい。
まだツールは本格的な山岳ステージに達していないので、決して楽観的にはなれない。例えばナイロ・キンタナはこれからタイムを稼ぎ始めるだろう。ドーフィネで一緒に戦っているから、ティージェイが順位を上げてきたことはなんら不思議では無いことだ。彼とはドーフィネで僅差だった。彼は間違いなく総合で上位に入ってくるだろう。
2013年と今年のツールでは、完全に自分の中での立ち位置が異なっている。2年前は執拗に準備を重ね、そこまでのレースで勝ち続け、勝つために全てのことに食らいついていた。でも今年はその時の今時期と比べてよりフレッシュだし、メンタル的にも準備がよくできたと思う。
アルベルトやティンコフ・サクソに対しては、リッチーやニコ(ロッシュ)がかつて彼のチームメイトだったので、彼らが何を考えているか、そしてどうのような戦略をとってくるかは僕らの手の内だ。だからステージ中にどうすべきかはすぐに判断ができる。これから他のチームが僕らに対してプレッシャーをかけてくるだろうし、これからレースは重要な局面を迎える。どのようなことも起こり得る。ここからマイヨジョーヌを掛けた本当の戦いが始まる。
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
ぼく自身とチーム全員がバッソが回復するように願っているし、出来ることがあればなんでもしたい。僕もキンタナもこれからの山岳ステージで大きなチャンスを持っている。ツールは僕たちにとっては本当にハードなチャレンジ。これまでの9日間を走りきるのにも、相応の対価が必要だった。でも、レースはまだまだ始まったばかり。どのステージだって、重要じゃない日はない。特に長い峠で、最後に厳しい区間が現れるような山頂ゴールのステージは。
明日は1時間くらいかかる本格的な山岳がこのツールに登場する初めてのステージだ。しかも休息日明けで、かなり暑い日になるというんだから、きっと重要なことがおこるだろうね。チームと僕にとっての目標はナイロ(キンタナ)とツールを勝ってパリに凱旋することさ。彼を全力でサポートすることに徹しているよ。僕はブエルタも走る予定だけど、ツールのコースを分析していて、この結論に至った。第一週は非常に重要だった。でもツールの勝負を左右するステージは明日から始まる。僕らはそのためにトレーニングを積み重ねてきたし、最高のアシストができる。コンディションは100%に近い。僕らはナイロの優勝のために全てを捧げるよ。ブエルタのことはそのあとだ。
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
バッソの件は本当に悲しいことだ。彼に力を送りたい。いくつかの落車はあったけれども、大きな問題は起きずにチームは誰も欠けることなく非常に良いパフォーマンスを発揮している。それは、昨日のチームタイムトライアルでも証明出来たんじゃないかな。ピレネーはアレハンドロ(バルベルデ)をはじめとしたチームメイトたちに守られて走ることができるので、タイム差を返上する良い機会になると思っているよ。
ライバルたちの調子はなんとなくはわかるが、ここまでのステージに現れた登りはどれも短くて斜度がきつい坂ばかりだから、パンチ力のあるライダーが強く見えてしまう。だから誰の調子がよくて、誰があまりて登れていないかについてはコメントできない。
これからのいくつかのステージが、総合争いにおいて決定的なステージになるだろう。ピレネーとアルプスの唯一の違いはピレネーが第2週にあり、アルプスが最終週に登場するということだけ。明日のラ・ピエール・サンマルタンはかなり本格的で非常に厳しい登りで、気温が一つのカギとなるだろう。明日は尋常じゃなく暑い日になるらしいから。これだけの長い登りを登るのは15日ぶりになる。麓からアタックを仕掛けることもできるだろうし、何も起きない可能性もある。でも、他の峠とおなじく、ラ・ピエール・サンマルタンは好きな峠だ。
総合14位のワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)
ここまでのレース運びに満足していて、既にたくさんのことを学び、日に日に走り方も分かってきた。14位という総合順位も悪くはないし、ポジティブに捉えている。横風の中でエシュロンを組んだり、石畳でレースをするのは自分にとって初めてのことだった。どちらも上手く運んだことに加え、自分の故郷であるブルターニュをツール・ド・フランスのメンバーとして走ったのは特別な気分だった。観客の多さに本当に驚いたし、嬉しかった。素晴しい気分だったんだ。
GC(総合順位)だけではなく、新しい経験を積み選手として成長するのが今大会での目標だ。パリに到着したら自分たちの走りを評価したいし、現時点でプレッシャーは感じていない。総合順位が良くなければ、チーム一番の目標であるステージ優勝に切り替えるだけだ。自分のレースを楽しんでいるし、明日から始まる山岳ステージが楽しみだ。
ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
最初の休息日は最高さ。今日は1時間ライドに出かけ、インタビューに応え、マッサージを受けて食事を楽しんだ。できるだけ回復に務めることが大事だ。ここまでチームとして何回かステージ優勝を狙ってきたけれど、残念ながら叶っていない。でもメンタル的には十分だし、これが大切なこと。山岳ステージでもチャンスはある。
個人的にはピレネーを越えた後、僕のツール初ステージ優勝をつかむチャンスがあると思う。マイヨヴェールを獲得する可能性も残されている。ただし僕のポイントより50点以上多く重ねている選手がいる。ただし少しの運があれば、まだ何だって可能なレベルだ。
各選手のコメントはチーム公式サイト、レース公式サイトより。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
photo:Makoto.Ayano,Kei.Tsuji,CorVos,Tim de Waele
第2週目について語るクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
休息日明けのステージは大きなキーとなるだろう。他の山岳と比較して難易度こそ高くないが、最初の山頂フィニッシュだけに、誰もが2週目に向けてのスカイの動き方に注意を払ってくるはずだ。重要なステージだが、誰かを追いかけずに済む自分の位置に満足しているし、自分の位置を守ることだけに集中できる。ライバル勢がどう動いてくるか、どうカードを切ってくるかに注意を払いたい。
まだツールは本格的な山岳ステージに達していないので、決して楽観的にはなれない。例えばナイロ・キンタナはこれからタイムを稼ぎ始めるだろう。ドーフィネで一緒に戦っているから、ティージェイが順位を上げてきたことはなんら不思議では無いことだ。彼とはドーフィネで僅差だった。彼は間違いなく総合で上位に入ってくるだろう。
2013年と今年のツールでは、完全に自分の中での立ち位置が異なっている。2年前は執拗に準備を重ね、そこまでのレースで勝ち続け、勝つために全てのことに食らいついていた。でも今年はその時の今時期と比べてよりフレッシュだし、メンタル的にも準備がよくできたと思う。
アルベルトやティンコフ・サクソに対しては、リッチーやニコ(ロッシュ)がかつて彼のチームメイトだったので、彼らが何を考えているか、そしてどうのような戦略をとってくるかは僕らの手の内だ。だからステージ中にどうすべきかはすぐに判断ができる。これから他のチームが僕らに対してプレッシャーをかけてくるだろうし、これからレースは重要な局面を迎える。どのようなことも起こり得る。ここからマイヨジョーヌを掛けた本当の戦いが始まる。
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
ぼく自身とチーム全員がバッソが回復するように願っているし、出来ることがあればなんでもしたい。僕もキンタナもこれからの山岳ステージで大きなチャンスを持っている。ツールは僕たちにとっては本当にハードなチャレンジ。これまでの9日間を走りきるのにも、相応の対価が必要だった。でも、レースはまだまだ始まったばかり。どのステージだって、重要じゃない日はない。特に長い峠で、最後に厳しい区間が現れるような山頂ゴールのステージは。
明日は1時間くらいかかる本格的な山岳がこのツールに登場する初めてのステージだ。しかも休息日明けで、かなり暑い日になるというんだから、きっと重要なことがおこるだろうね。チームと僕にとっての目標はナイロ(キンタナ)とツールを勝ってパリに凱旋することさ。彼を全力でサポートすることに徹しているよ。僕はブエルタも走る予定だけど、ツールのコースを分析していて、この結論に至った。第一週は非常に重要だった。でもツールの勝負を左右するステージは明日から始まる。僕らはそのためにトレーニングを積み重ねてきたし、最高のアシストができる。コンディションは100%に近い。僕らはナイロの優勝のために全てを捧げるよ。ブエルタのことはそのあとだ。
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
バッソの件は本当に悲しいことだ。彼に力を送りたい。いくつかの落車はあったけれども、大きな問題は起きずにチームは誰も欠けることなく非常に良いパフォーマンスを発揮している。それは、昨日のチームタイムトライアルでも証明出来たんじゃないかな。ピレネーはアレハンドロ(バルベルデ)をはじめとしたチームメイトたちに守られて走ることができるので、タイム差を返上する良い機会になると思っているよ。
ライバルたちの調子はなんとなくはわかるが、ここまでのステージに現れた登りはどれも短くて斜度がきつい坂ばかりだから、パンチ力のあるライダーが強く見えてしまう。だから誰の調子がよくて、誰があまりて登れていないかについてはコメントできない。
これからのいくつかのステージが、総合争いにおいて決定的なステージになるだろう。ピレネーとアルプスの唯一の違いはピレネーが第2週にあり、アルプスが最終週に登場するということだけ。明日のラ・ピエール・サンマルタンはかなり本格的で非常に厳しい登りで、気温が一つのカギとなるだろう。明日は尋常じゃなく暑い日になるらしいから。これだけの長い登りを登るのは15日ぶりになる。麓からアタックを仕掛けることもできるだろうし、何も起きない可能性もある。でも、他の峠とおなじく、ラ・ピエール・サンマルタンは好きな峠だ。
総合14位のワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)
ここまでのレース運びに満足していて、既にたくさんのことを学び、日に日に走り方も分かってきた。14位という総合順位も悪くはないし、ポジティブに捉えている。横風の中でエシュロンを組んだり、石畳でレースをするのは自分にとって初めてのことだった。どちらも上手く運んだことに加え、自分の故郷であるブルターニュをツール・ド・フランスのメンバーとして走ったのは特別な気分だった。観客の多さに本当に驚いたし、嬉しかった。素晴しい気分だったんだ。
GC(総合順位)だけではなく、新しい経験を積み選手として成長するのが今大会での目標だ。パリに到着したら自分たちの走りを評価したいし、現時点でプレッシャーは感じていない。総合順位が良くなければ、チーム一番の目標であるステージ優勝に切り替えるだけだ。自分のレースを楽しんでいるし、明日から始まる山岳ステージが楽しみだ。
ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
最初の休息日は最高さ。今日は1時間ライドに出かけ、インタビューに応え、マッサージを受けて食事を楽しんだ。できるだけ回復に務めることが大事だ。ここまでチームとして何回かステージ優勝を狙ってきたけれど、残念ながら叶っていない。でもメンタル的には十分だし、これが大切なこと。山岳ステージでもチャンスはある。
個人的にはピレネーを越えた後、僕のツール初ステージ優勝をつかむチャンスがあると思う。マイヨヴェールを獲得する可能性も残されている。ただし僕のポイントより50点以上多く重ねている選手がいる。ただし少しの運があれば、まだ何だって可能なレベルだ。
各選手のコメントはチーム公式サイト、レース公式サイトより。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
photo:Makoto.Ayano,Kei.Tsuji,CorVos,Tim de Waele
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