2015/06/16(火) - 18:55
6月12日、新潟県妙高杉の原スキー場にて開催されたCJ-2第3戦XCO。エリート男子はジュニアと混走だったが、高校生の竹内遼(WESTBERG/ProRide J)が平野星矢とのマッチスプリントを制してトップフィニッシュする大金星を挙げた。
「新幹線開業記念」と銘打って初開催されたCoupe du Japon(クップ デュ ジャポン)の今大会は、北陸新幹線が金沢まで開通したことにより新設された妙高高原駅から会場の妙高杉の原スキー場はまで6キロ、車では上信越自動車道の妙高ICから車で10分とアクセスのしやすい会場で行われた。
約1ヶ月後に迫った全日本選手権前の最後のJCF公式戦ということもあり、CJ2カテゴリーのレースでありながらもアンカー勢が斉藤・平野・沢田のフルメンバーに、恩田祐一(BH)、松尾純(ミヤタ・メリダ)などトップライダーも顔を揃えた。
今回のコースは一周4kmと短め。長い舗装路のホームストレートに短い登りと下りを繰り返すコース。平坦路も長くあるためドラフティング走行も有効。全体的に道幅が広く抜きどころには困らないが、テクニカルなシングルトラックや階段下りなども用意され、程よくバランスの取れたレイアウトとなっていた。
13時のエリート男子の招集時には日差しが照りつけて過酷なレースとなりそうであったが、山の天気は変わりやすい。スタート直前には雲が出て風が吹きはじめるという読めない天気。結局最後まで雨は降らなかったものの、蒸し暑かっため選手の多くが1周目からフィードで受け取った水を身体に掛けながら走るなど、熱中症の対策に余念がなかった。
スタートダッシュのホールショットは平野星矢が獲り、沢田時と斉藤 亮(ともにブリヂストンアンカー)が続いた。少しの差を持ってアンカートリオの強力なパックについて行ったのは恩田祐一(BH)とジュニアの竹内 遼(WESTBERG/ProRide J)だ。2人は次第にアンカートリオのパックに追いつき、5人の先頭パックを形成、しばらくレースをコントロールした。
レースも中盤にさしかかると登りで沢田が飛び出しを図るが、それも長くは続かなかった。早すぎた仕掛けに沢田が失速しはじめる。さらに後ろのパックで走っていた富士パノラマ大会覇者の斉藤も遅れを見せる。結果として平野、恩田、竹内の3人がレースを支配する形に。
平野、竹内は互いに何度かアタックを仕掛けるものの、すぐに吸収され逃げ切ることができない。食らいつく恩田は下りで離され、登りで追いつくという走りを繰り返していた。
エリートとジュニア、3人にはカテゴリーを超えたバトルがあった。勝負は最終周までもつれ、最終周で恩田が遅れ、勝負は平野と竹内に絞られる。この2人はカテゴリー違いの混走のため、どちらが勝っても記録上ではそれぞれエリートとジュニアの1位である。
長い舗装路のバック&ホームストレート。平野が早掛けしてスプリント体勢に入り先行する。竹内はいったん離されたものの最終コーナーの折り返しで追いつき、逆にスリップストリームを利用してゴール前で平野を交わす。先にチェッカーフラッグを受けたのはジュニアの竹内!。人差し指を天に掲げながらのゴールの後、何度も何度もガッツポーズをした。観衆からは大きな感動の声が挙がった。
結果ではエリート1位だが、前回の富士見大会に次いでまた2位に終わった平野。「乳酸耐性には自信があったので早めにスプリントしましたが、やられちゃいましたね」とくったくのない笑顔。CJ2のレースに勝つ必要のない平野は、7月の全日本選手権を前に今は調子をあえて落とす時期でもあったということを付け加えておく。それは斉藤や恩田にとっても同様だろう。しかしそれでもジュニアの竹内がエリートのレースを制したということは間違いなく大金星。スーパー高校生の活躍はXCO界の将来にとって明るいニュースだ。
■マスターズは小田島貴弘、男子ユースは小林勇輝が勝利
女子エリートは今回のエントリーが1名のみであったため橋口陽子(Team轍屋)はチームメイトからポジションの調整等のアドバイスを受けながら走っていた。
女子ジュニアも1名のみのエントリーで石田恵(リミテッドチーム846)が完走。
マスターズでは2位に30秒以上の差をつけて小田島貴弘(maillot SY-Na)が勝利。
男子ユースは日本チャンピオンの 北林力(WESTBERG/ProRide J)がトップを独走しながらも2周めに熱中症で倒れ、棄権するトラブル。小林勇輝(イナーメ信濃山形)が勝利した。
今回もチャレンジクラスはA、Bと混走で行われた。チャレンジAは前回大会のBで2位となり昇格した小坂正則(スワコレーシングチーム)が2位に3分以上の差をつけて優勝。
チャレンジBは中嶋新司(TEAM輪工房)が優勝した。80%ルールの適応はなかったが、先頭にラップ(周回遅れに)されると失格というルールのため、A・Bの過半数の選手が途中で降ろされることになった。
リザルト
男子エリート
1位 平野 星矢(ブリヂストンアンカー)1:27:12.02
2位 恩田 祐一(BH)1:27:38.58
3位 斉藤 亮(ブリヂストンアンカー)1:29:04.29
4位 沢田 時(ブリヂストンアンカー)1:31:22.94
5位 合田 正之(cycleclub3UP) 1:32:19.73
6位 佐藤 誠示(USM)1:32:52.67
7位 品川 真寛(TEAM YOUCAN)1:32:53.53
8位 代田 和明(PAXPROJECT)1:35:08.88
9位 小林 聖(スワコレーシングチーム)1:35:34.29
10位 澤木 紀雄(Team T-serv)1:36:28.04
女子エリート/ジュニア
1位 橋口 陽子(Team轍屋)1:30:49.97
2位 石田 恵 (リミテッドチーム846)
男子ジュニア
1位 竹内 遼(WESTBERG/ProRide J)1:27:11.20
2位 山田 将輝(Limited846/LITEC)1:31:57.61
3位 秦 岳杜(パワースポーツ・SIC)-5LAP
男子ユース
1位 小林 勇輝(イナーメ信濃山形)35:26.32
2位 山口 創平(WESTBERG/ProRide J)36:26.08
3位 積田 連(PAXPROJECT)37:20.18
男子マスターズ
1位 小田島 貴弘(maillot SY-Na)1:16:00.73
2位 塩見 学(B・B・Q)1:16:36.59
3位 古谷 利行(Rise-Ride 2020)1:17:59.01
男子チャレンジA
1位 小坂 正則 (スワコレーシングチーム)1:15:07.72
2位 福王寺 大樹 (たぬき小屋)1:18:07.27
3位 井須 大輔(STROKE/TOM'S)1:20:30.98
男子チャレンジB
1位 中嶋 新司(TEAM輪工房)1:18:54.94
2位 和田 清秀 (NCC CEREZO)1:19:48.36
3位 松嶋 太一(TEAM YOUCAN)1:20:34.79
photo&text:Watanabe Takuto
photo:Makoto.AYANO
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「新幹線開業記念」と銘打って初開催されたCoupe du Japon(クップ デュ ジャポン)の今大会は、北陸新幹線が金沢まで開通したことにより新設された妙高高原駅から会場の妙高杉の原スキー場はまで6キロ、車では上信越自動車道の妙高ICから車で10分とアクセスのしやすい会場で行われた。
約1ヶ月後に迫った全日本選手権前の最後のJCF公式戦ということもあり、CJ2カテゴリーのレースでありながらもアンカー勢が斉藤・平野・沢田のフルメンバーに、恩田祐一(BH)、松尾純(ミヤタ・メリダ)などトップライダーも顔を揃えた。
今回のコースは一周4kmと短め。長い舗装路のホームストレートに短い登りと下りを繰り返すコース。平坦路も長くあるためドラフティング走行も有効。全体的に道幅が広く抜きどころには困らないが、テクニカルなシングルトラックや階段下りなども用意され、程よくバランスの取れたレイアウトとなっていた。
13時のエリート男子の招集時には日差しが照りつけて過酷なレースとなりそうであったが、山の天気は変わりやすい。スタート直前には雲が出て風が吹きはじめるという読めない天気。結局最後まで雨は降らなかったものの、蒸し暑かっため選手の多くが1周目からフィードで受け取った水を身体に掛けながら走るなど、熱中症の対策に余念がなかった。
スタートダッシュのホールショットは平野星矢が獲り、沢田時と斉藤 亮(ともにブリヂストンアンカー)が続いた。少しの差を持ってアンカートリオの強力なパックについて行ったのは恩田祐一(BH)とジュニアの竹内 遼(WESTBERG/ProRide J)だ。2人は次第にアンカートリオのパックに追いつき、5人の先頭パックを形成、しばらくレースをコントロールした。
レースも中盤にさしかかると登りで沢田が飛び出しを図るが、それも長くは続かなかった。早すぎた仕掛けに沢田が失速しはじめる。さらに後ろのパックで走っていた富士パノラマ大会覇者の斉藤も遅れを見せる。結果として平野、恩田、竹内の3人がレースを支配する形に。
平野、竹内は互いに何度かアタックを仕掛けるものの、すぐに吸収され逃げ切ることができない。食らいつく恩田は下りで離され、登りで追いつくという走りを繰り返していた。
エリートとジュニア、3人にはカテゴリーを超えたバトルがあった。勝負は最終周までもつれ、最終周で恩田が遅れ、勝負は平野と竹内に絞られる。この2人はカテゴリー違いの混走のため、どちらが勝っても記録上ではそれぞれエリートとジュニアの1位である。
長い舗装路のバック&ホームストレート。平野が早掛けしてスプリント体勢に入り先行する。竹内はいったん離されたものの最終コーナーの折り返しで追いつき、逆にスリップストリームを利用してゴール前で平野を交わす。先にチェッカーフラッグを受けたのはジュニアの竹内!。人差し指を天に掲げながらのゴールの後、何度も何度もガッツポーズをした。観衆からは大きな感動の声が挙がった。
結果ではエリート1位だが、前回の富士見大会に次いでまた2位に終わった平野。「乳酸耐性には自信があったので早めにスプリントしましたが、やられちゃいましたね」とくったくのない笑顔。CJ2のレースに勝つ必要のない平野は、7月の全日本選手権を前に今は調子をあえて落とす時期でもあったということを付け加えておく。それは斉藤や恩田にとっても同様だろう。しかしそれでもジュニアの竹内がエリートのレースを制したということは間違いなく大金星。スーパー高校生の活躍はXCO界の将来にとって明るいニュースだ。
■マスターズは小田島貴弘、男子ユースは小林勇輝が勝利
女子エリートは今回のエントリーが1名のみであったため橋口陽子(Team轍屋)はチームメイトからポジションの調整等のアドバイスを受けながら走っていた。
女子ジュニアも1名のみのエントリーで石田恵(リミテッドチーム846)が完走。
マスターズでは2位に30秒以上の差をつけて小田島貴弘(maillot SY-Na)が勝利。
男子ユースは日本チャンピオンの 北林力(WESTBERG/ProRide J)がトップを独走しながらも2周めに熱中症で倒れ、棄権するトラブル。小林勇輝(イナーメ信濃山形)が勝利した。
今回もチャレンジクラスはA、Bと混走で行われた。チャレンジAは前回大会のBで2位となり昇格した小坂正則(スワコレーシングチーム)が2位に3分以上の差をつけて優勝。
チャレンジBは中嶋新司(TEAM輪工房)が優勝した。80%ルールの適応はなかったが、先頭にラップ(周回遅れに)されると失格というルールのため、A・Bの過半数の選手が途中で降ろされることになった。
リザルト
男子エリート
1位 平野 星矢(ブリヂストンアンカー)1:27:12.02
2位 恩田 祐一(BH)1:27:38.58
3位 斉藤 亮(ブリヂストンアンカー)1:29:04.29
4位 沢田 時(ブリヂストンアンカー)1:31:22.94
5位 合田 正之(cycleclub3UP) 1:32:19.73
6位 佐藤 誠示(USM)1:32:52.67
7位 品川 真寛(TEAM YOUCAN)1:32:53.53
8位 代田 和明(PAXPROJECT)1:35:08.88
9位 小林 聖(スワコレーシングチーム)1:35:34.29
10位 澤木 紀雄(Team T-serv)1:36:28.04
女子エリート/ジュニア
1位 橋口 陽子(Team轍屋)1:30:49.97
2位 石田 恵 (リミテッドチーム846)
男子ジュニア
1位 竹内 遼(WESTBERG/ProRide J)1:27:11.20
2位 山田 将輝(Limited846/LITEC)1:31:57.61
3位 秦 岳杜(パワースポーツ・SIC)-5LAP
男子ユース
1位 小林 勇輝(イナーメ信濃山形)35:26.32
2位 山口 創平(WESTBERG/ProRide J)36:26.08
3位 積田 連(PAXPROJECT)37:20.18
男子マスターズ
1位 小田島 貴弘(maillot SY-Na)1:16:00.73
2位 塩見 学(B・B・Q)1:16:36.59
3位 古谷 利行(Rise-Ride 2020)1:17:59.01
男子チャレンジA
1位 小坂 正則 (スワコレーシングチーム)1:15:07.72
2位 福王寺 大樹 (たぬき小屋)1:18:07.27
3位 井須 大輔(STROKE/TOM'S)1:20:30.98
男子チャレンジB
1位 中嶋 新司(TEAM輪工房)1:18:54.94
2位 和田 清秀 (NCC CEREZO)1:19:48.36
3位 松嶋 太一(TEAM YOUCAN)1:20:34.79
photo&text:Watanabe Takuto
photo:Makoto.AYANO
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